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記事 49件
  • 上沼恵美子の「人生“笑”談」白黒つけましょ 第57回「料理を食べ尽くす夫の癖どう直せば」

    2025-02-13 05:00  
     お鍋が美味しい季節ですね。
     私はよく「豚と水菜だけの鍋」をポン酢で食べるんですが、この鍋をやるときはいつも映画『失楽園』を思い出すんです。失意のサラリーマン(役所広司)と美しい書道家(黒木瞳)の道ならぬ恋。その2人が“最後の晩餐”として選んだのが「鴨とクレソンだけの鍋」でした。
     ステーキの横にいてるだけかと思ったクレソンを鍋にするというのが、もう色気ありますよね(豚と水菜とはエラい違いです)。黒木さんは「シャトー・マルゴー」を飲んでました。そして2人ともその鍋にはほとんど手をつけずに、相手の顔だけをじっと見てるんですよね。
     鴨はやってられないですよ。
    「あんな風に胸がいっぱいになると、お腹は空かないもんなんやなぁ。いやぁ、不倫ってすごいなぁ!」と思いながらも、私は豚と水菜の鍋にシメの水餃子を次々と放り込むのです――。 
  • 上沼恵美子の「人生“笑”談」白黒つけましょ 第56回「ゲイであること親に伝えるべき?」

    2025-02-06 05:00  

    Q 39歳、独身のサラリーマンです。自分がゲイであると認識したのは20歳前後でした。子供が欲しいと思うこともあって、風俗店に行って性行為ができるか試したこともありましたが、全く興奮せず、女の子の身の上話を聞くだけでした。周囲にも両親にも、カミングアウトはしていません。けれど最近、実家に帰るたびに、どんどん老けていく両親を見て、「このまま何も知らずに、息子がなぜ結婚しないのかと疑問に思いながら、お別れするのかな」と悩むようになりました。せめて両親には伝えるべきでしょうか。上沼さんなら、もし自分の息子がゲイだったとして、カミングアウトしてほしいですか。
    (39歳・男性 京都府)

     
  • 上沼恵美子の「人生“笑”談」白黒つけましょ 第55回「おばあちゃん? 40代で出産」

    2025-01-30 05:00  
     世の中に美味しいものはたくさんありますが、夜中の二時に食べる「チョコモナカジャンボ」ほど美味しいものは、そうはありません。
     私はアレをベッドに持ち込んで食べるんです。あたたかいベッドの中で、ひんやりと冷たく甘いチョコアイスとサクサクのモナカのコントラストを味わうのは、何やら背徳感があって、やめられません。
     その分、翌朝、ベッド脇のゴミ箱にアレの空袋を見つけたときは「あぁ、またやってしまった」と落ちこみます。 
  • 上沼恵美子の「人生“笑”談」白黒つけましょ 第54回「ハリソン山中が頭から離れない」

    2025-01-23 05:00  
     一九九五年一月十七日、阪神・淡路大震災が起きました。今年はちょうど三十年ということになります。
     あの日は火曜日で、私はサンテレビでやっていた「ズバリ!悩みおまかせ」という番組の収録日でした。
     当然、収録は中止となり、家で呆然とテレビを見ていたらまさに私がいつも収録していたスタジオが映し出されました。天井が崩れ、ライトが床に落ちていて、もし、あそこで収録中に地震が襲ってきてたら……と身震いしたことを思い出します。
     当時、サンテレビは神戸のポートアイランドにあったのですが、地震で道路が寸断されてしまったので、しばらくの間、船で通ってました。
     あのとき私は三十九歳。今、思い返すと、ここが人生のターニングポイントだったように思います。 
  • 上沼恵美子の「人生“笑”談」白黒つけましょ 第53回「夫の実家の墓 私も入る…?」

    2025-01-16 05:00  
     この号が出るのは一月半ばだそうですが、今、これを書いている私はようやく松の内が明けたところです。
     遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
     思い出しますねぇ。上沼の家に嫁いできた最初の正月明けに、お義母さんに「恵美子さん、今日は七草がゆの日よ」と言われたものです。七草がゆって私の実家ではあまり食べたことなかったんですが、お義母さんと二人で作りました。「ああ、上沼家では毎年、こうやって七草がゆを食べてたんだ」とちょっと浸っていたんですが、あとで夫に聞いたら、「そんなもの、今まで食べたことないよ」。ずっこけました。
     それにしても……七草がゆって盛り上がりませんよね? 
  • 上沼恵美子の「人生“笑”談」白黒つけましょ 第52回「二人でやっている店 夫は続けると言うが…」

    2025-01-08 05:00  
     この間、主人に“梅田においしい蕎麦屋がある”と聞いたのを思い出して、マネージャーのヤマガミさんと行ってみたんです。
     そうしたら、いたんですよ。
     ウチのダンナが。
     平日の夕方でしたが、同じ年ぐらいのおっさんと日本酒飲んでました。あちらはこっちに気付かず、ホロ酔い気分で中味のない話を延々しています。私とヤマガミさんは静かに蕎麦を食べ終えると、口直しでカレー屋さんに行きました。
     お相手が“妙齢の色気ある女性”じゃなかったのが残念でなりません。もしそうやったら離婚して、慰謝料をふんだくれるのに……。
     世のダンナ方、妻は意外とあなたのおそばで見てますよ。ケケケ。 
  • 上沼恵美子の「人生“笑”談」白黒つけましょ 第51回「愛犬を亡くした どう乗り越えれば」

    2024-12-26 05:00  
     おかげさまで今回でこの連載、ちょうど一周年を迎えました。有難うございます。来年もまた、皆さまから寄せられた難問奇問に、頭に汗かくほど悶えながら、白黒つけさせていただきたいと思います。 
  • 上沼恵美子の「人生“笑”談」白黒つけましょ 第50回「新婚夫のムダ遣い 何とかして欲しい」

    2024-12-19 05:00  
     来年に控えた大阪万博が何かと話題になっていますが、私はこの万博は行かないような気がしますね。やっぱり私にとって“バンパク”というのは、一九七〇年の大阪万博に尽きるんです。あのとき感じた「世界は変わる。未来は明るいぞ」という実感は本物やったと思うんです。
     何といっても「太陽の塔」です。
     あの塔もできた当時はボロクソに言われて、それでもあの熱狂の真ん中で何万人もの人に囲まれて立ち続け、そして今は一人ポツンととり残されている。
     私、よくあの横を車で通るんですけど、太陽の塔のちょっと猫背の背中が夕日に照らされているのを見ると、泣けてくるんですよ。で、昔のCMみたいなエールを送りたくなるんです。
    「バンパクでもいい。たくましく育ってほしい」と。 
  • 上沼恵美子の「人生“笑”談」白黒つけましょ 第49回「人見知りする息子にアドバイスを下さい」

    2024-12-12 05:00  
     先日、家の中にアレが出たんです。
     あの黒くてすばしこいヤツが。
     ちょうどダンナが家に帰ってきてたんですが、彼がパッと私に自分のスリッパを渡すんですよ。私のスリッパは裏が柔らかい素材なんですが、ダンナのは固いんですね。
     要は「これで叩け」いうことなんでしょうが、よくよく考えたら、なんで自分で叩かず、わざわざ自分のスリッパを私に渡すのか。けれどそのときは必死やったんで、「ワー、カーテンの裏に隠れた!」「ギャー、出てきた!」なんて一人で大騒ぎしながら、最後は“ダンダーン!”とやったわけです。
     それを見たダンナが一言。 
  • 上沼恵美子の「人生“笑”談」白黒つけましょ 第48回「小学生の息子のため元夫と復縁したい」

    2024-12-05 05:00  
     もう十二月ですか。
     先日、ホテルのロビーを通ったら、クリスマスツリーがたくさん、まさに林立してました。あれは大きいのが一本だから風情があるんで、あんなにたくさんあると「どうだ、クリスマスやぞ。参ったか」と言われてるみたいで落ち着きませんね。
     それにしても、今年の秋はいったいどこをほっつき歩いてたんでしょうか? でっかい夏ばかりいつまでも居座って、とうとう「ちいさい秋」は見つけられませんでした。
     うちの庭のハイビスカスが咲いたのもようやく十月になってから。ハイビスカスというと常夏の花というイメージが強いかもしれませんが、あまり暑すぎてもダメなんですね。「ああ、やっと咲けるわ」と一息ついたら、もうすぐクリスマスですからね。なんか気の毒な気がします。
     もはや花で季節を感じるのは至難のワザ。