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来年度税制論議/大企業バラマキ政治の極みだ
2015-11-26 10:11主張
来年度税制論議
大企業バラマキ政治の極みだ
来年度(2016年度)以降の税制についての安倍晋三政権の検討が大詰めです。自民党と公明党が協議してきた17年4月からの消費税増税に合わせた軽減税率導入は対象や規模をめぐって両党幹事長や安倍首相が調整に乗り出しました。法人の実効税率引き下げの拡大も財源問題で調整が続いていますが、一部には財源は棚上げし減税先行をとの声も出ています。消費税はごまかしの「軽減」で増税を強行しながら、大企業向けの法人減税は財源のめどが立たなくても強行する、大企業本位、国民後回しの政治があらわです。軽減税率は低く抑える 安倍首相は24日、自民党の谷垣禎一幹事長や宮沢洋一税制調査会長らと会談し、軽減税率導入に伴う財源について「社会保障と税の一体改革」の枠内で手当てするよう指示しました。消費税の増税分の一部は社会保障財源に充てられていることを口実に、軽減税率導入は、廃止 -
杭打ち偽装問題 背景に安全軽視の規制緩和/「大臣認定」工法で試験省略
2015-11-26 10:10横浜市都筑区のマンション傾斜を発端にした杭(くい)打ちデータ偽装問題は、国民の不安を広げています。問題の背景の一つに、工法を「大臣認定」することで「試験」を省略する規制緩和を指摘する声が上がっています。 (遠藤寿人) 偽装が発覚した横浜のマンションの杭は、旭化成建材のダイナウィング工法で打設されました。杭先端部の鋼製羽根により支持力(杭が支えることができる荷重)が大きく、排出残土量が少ないとされる工法。2004年、国土交通大臣の認定を取得していました。 大臣認定制度は00年の建築基準法の改悪に伴い新しく設けられました。大臣に代わり技術の妥当性を検証するのが、国が指定する指定性能評価機関です。 杭の支持力の算定は01年の国土交通省告示で「それぞれ基礎ぐいを用いた載荷(さいか)試験の結果に基づき求めたもの」と規定しています。 「載荷試験」とは杭に荷重を加え耐力を調べる試験。そのデータを一般財団 -
財政審の建議/“削減ありき”で医療を壊すな
2015-11-25 10:48主張
財政審の建議
“削減ありき”で医療を壊すな
財務相の諮問機関である財政制度等審議会が2016年度の政府予算編成に向けた建議(意見書)をまとめ、麻生太郎財務相に提出しました。歳出削減の対象に、もっぱら社会保障を挙げ、国民に必要な医療・介護の費用などを容赦なく削り込むことを要求しています。「社会保障を充実させる」といって、国民に消費税増税で負担を求めておきながら、予算編成のたびに社会保障費の抑制や削減ばかりが焦点になること自体、異常としかいいようがありません。国民の暮らしと安心を揺るがす社会保障費削減路線は、やめるべきです。機械的カットが前面に 16年度予算編成では、すでに今夏の概算要求の段階で、社会保障費の伸びを15年度概算要求より1600億円も抑え込み6700億円の増加しか認めていません。24日の財政審建議は、この伸びをさらに削り、5000億円弱の増に圧縮することを要求しました。 -
自民党政治は最も危険な段階に 国民は新しい一歩を踏み出した/不破前議長「戦後70年」で講演
2015-11-25 10:44日本記者クラブ
日本共産党の不破哲三前議長は24日、東京都内の日本記者クラブで「戦後70年 語る・問う」のゲストスピーカーとして講演しました。不破氏は、戦後続いた自民党政治の特質と現在の異常な状況を語り、「大局的に見れば、自民党は結党60年にして最も危険な段階に入りつつある」と指摘。戦争法に反対する国民の運動について「日本社会の質を変えるもの」と評価し、「自民党政治からそろそろ抜け出さないと日本に未来はない。国民はいよいよその足を踏み出した」と語りました。 不破氏は自民党について、▽目先の財界・大企業の利益に奉仕▽治外法権をもった米軍基地を全国に置き、アメリカに「ノー」を言えない従属体質▽過去の日本の侵略戦争への根本的反省がない―という「資本主義国の中でも異常な特質を持って発足した世界でも例外的な政党だ」と指摘しました。同時に、「以前の自民党は保守総連合的な性格を持ち、政策にも一定の幅を -
リニア新幹線工事/異論置き去りでの強行やめよ
2015-11-24 10:52主張
リニア新幹線工事
異論置き去りでの強行やめよ
JR東海がすすめているリニア中央新幹線事業について、予定ルートの沿線住民などから不安や疑問が相次いでいます。事業着工を認可した国土交通省にたいする住民の異議申し立ては約5000件に達し、新たに認可取り消しを求める行政訴訟を起こす動きもあります。JR東海が行っている地元関係者への説明会でも懸念の声は根強く出されています。異論を置き去りにしたまま、工事を推し進めることは許されません。相次ぐ不安と疑問の声 リニア中央新幹線は、2027年に品川(東京)―名古屋で開業し、45年に大阪まで延伸させる計画です。ルートの8割以上は地下のトンネルで結ぶという、日本の開発史上前例のない未曽有の超巨大開発です。南アルプスをはじめルート予定地では自然・生活環境の深刻な破壊を引き起こすことが指摘され、環境相からも「相当な環境負荷が生じる」などと異例の意見がついて -
宇宙軍拡 官民NPO推進/予算拡大 政府・与党に提言/トップは 元防衛事務次官
2015-11-24 10:49戦争法を強行成立させた安倍自公政権が宇宙の軍事利用化を強めるなか、防衛省事務方の元トップと軍事企業幹部でつくるNPO法人が、宇宙軍拡の予算拡大を求めて、防衛省や自民党に働きかけていることが23日、本紙の調べでわかりました。宇宙軍拡をビジネスチャンスにしようと官民がうごめいています。(矢野昌弘) このNPO法人は「宇宙利用を推進する会」(東京都千代田区)です。理事長は、2009年まで防衛事務次官だった増田好平氏。 会員は、NECや三菱商事、三菱電機、IHI、IHIエアロスペース、日立製作所、川崎重工業などとなっています。宇宙産業で国内トップの三菱重工業も賛助会員です。 同NPOの活動報告書などによると、設立は09年2月。その前年、自公政権は宇宙基本法を成立させ、平和目的に限るとした日本の宇宙開発の軍事利用に道を開きました。「衛星監視向上を」 NPOの活動は、関係機関への提言など。13年度の活 -
介護離職「対策」/危機招く大本になぜ手つけぬ
2015-11-23 10:23主張
介護離職「対策」
危機招く大本になぜ手つけぬ
安倍晋三政権の目玉政策「新3本の矢」の一つ「介護離職ゼロ」の具体化へむけて、厚生労働省が介護サービス「充実・加速化」案を検討しています。従来の在宅・施設整備計画に6万人程度上乗せするなどというものです。特別養護老人ホームの入所待ちの高齢者が50万人を超すなど介護拡充への国民の願いは切実なのに、この程度では、とても追いつきません。こんな対策案しか出せないのは、社会保障費削減路線という大本を正そうとしないためです。「介護離職ゼロ」というなら、社会保障を削る政治からの転換が必要です。在宅も施設も経営深刻 「新3本の矢」は、「介護離職ゼロ」のほか「国内総生産(GDP)600兆円」「希望出生率1・8」を掲げ、安倍政権のうたう「1億総活躍社会」の柱になっています。 安倍首相が「新3本の矢」を持ち出したのは、戦争法強行で広がった国民の怒りや、「アベノ -
東大駒場祭/志位さん、母校で「国民連合政府」語る
2015-11-23 10:19日本共産党の志位和夫委員長は22日、母校、東京大学の駒場キャンパス(東京都目黒区)で開かれた駒場祭で「民主主義の新時代を拓(ひら)くために―『戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府』について」と題して講演し、学生らの質問にていねいに答えました。志位氏が駒場祭で講演するのは11年ぶり。開会40分前には屋外に参加者の列ができ、会場の教室は600人以上でうまり、立ち見がでる盛況ぶりでした。主催は民青同盟東大駒場班です。 志位氏は、なぜ戦争法廃止か、「国民連合政府」の目的・性格とは、その可能性はあるのかなど、事前によせられた学生の疑問に答える形で「国民連合政府」提案のポイントを詳しく語りました。 このなかで志位氏は「戦争法強行によって、いま日本はどういう状況にあるか。それを根本から考えてみたい」として、「二つの極めて深刻な危険に直面しています」と告発しました。 一つは、「自衛隊が戦後初めて外国人を -
ホワイトハウス前で「辺野古新基地ノー」/「島ぐるみ会議」訪米団が宣伝
2015-11-22 10:39(写真)ホワイトハウス前で辺野古への米軍新基地建設反対を訴える「島ぐるみ会議」訪米団=20日、ワシントン(島田峰隆撮影)【ワシントン=島田峰隆】沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設に反対を訴えるため訪米している「沖縄『建白書』を実現し、未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議」の一行は20日、ホワイトハウス前で宣伝行動に取り組みました。 訪米団は観光客や市民が行き交う正午ごろ、「沖縄は辺野古への米軍新基地建設に反対です」と書いた横断幕を掲げ、「沖縄を返せ」などの歌を合唱しました。 宣伝行動に協力した米女性反戦組織「コード・ピンク」のミケラ・アナンさん(21)は「米国で辺野古の問題を知っている人は少ないと思います。美しい海の写真などを示して新基地建設反対をアピールできたことはとても重要だと思います」と話していました。 -
近づくCOP21/温暖化対策の効果的な合意を
2015-11-22 10:33主張
近づくCOP21
温暖化対策の効果的な合意を
異常気象や生態系の破壊を引き起こす地球の温暖化対策について話し合う国連の会議が、30日からフランスのパリで始まります(12月11日まで)。温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを削減するための2020年以降の国際的な枠組みを決めることが目的です。すでに日本、アメリカ、中国など150カ国以上が削減目標を提出していますが、いまのままでは地球全体の気温の上昇を産業革命前に比べ「2度未満」に抑えるという国際目標の達成は困難といわれています。目標を定期的に見直すなど、効果的な対策の合意が求められます。すべての国が参加して 気候変動枠組み条約の第21回締約国会議(COP21)と呼ばれる今回の会議は、1994年に発効した同条約にもとづく毎年1回の会議です。同条約で削減目標を具体化した京都議定書(97年作成、第2約束期間は2020年まで
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