日本共産党の志位和夫委員長が1日、東京・代々木公園で開かれた第85回中央メーデーで行った激励あいさつは次の通りです。
暴走の一歩一歩が矛盾広げ、共同を広げる
中央メーデーにお集まりのみなさん、おはようございます(「おはようございます」の声)。私は、日本共産党を代表して、心からの連帯のあいさつを送ります。(拍手)
今年のメーデーは、安倍政権の暮らし・平和・民主主義を破壊する暴走と、国民のたたかいが、正面から激突するもとでのメーデーとなりました。
私が重要だと考えるのは、安倍政権の暴走の一歩一歩が、国民との矛盾を広げ、暴走を許さない新しい共同が広がっていることであります。(拍手)
雇用大破壊の暴走許すな――この一点で大同団結を
雇用破壊の暴走に対して、新たな共同のたたかいが発展しています。
安倍政権が進めている労働者派遣法の改悪は、「派遣は一時的・臨時的業務に限定する」「常用代替は禁止する」という大原則を投げ捨て、労働者に「生涯ハケン」を押し付け、「正社員ゼロ」社会に道を開く、史上最悪の大改悪であります。それは、「直接雇用が基本であり、間接雇用は例外的な場合だけ」という、戦後の労働法制の根幹、世界で確立している原則を、蹂躙(じゅうりん)するものにほかなりません。この歴史逆行の法案を、必ず廃案に追い込もうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
さらに安倍政権は、労働基準法で「1日8時間、週40時間」と定められている労働時間の上限を取り払い、残業代をゼロにする企てを進めています。「サービス残業」を合法化し、「ブラック企業」を奨励し、「過労死」を促進する暴挙を、絶対に許すわけにはいきません(「そうだ」の声、拍手)。労働者の日としてのメーデーの原点は、1886年5月1日、アメリカのシカゴを中心に労働者が「8時間労働制」を要求したことにあります。「第一の8時間は仕事のために、第二の8時間は休息のために、そして残りの8時間は好きなことのために」。これが目標として高々と掲げられたのです。メーデーのこの原点を否定する歴史逆行の暴挙を、労働者・国民の団結の力ではねかえそうではありませんか。(大きな拍手)
安倍政権の雇用破壊の暴走に対して、全労連、連合、全労協など、労働運動のナショナルセンターの違いを超えた共同が始まっていることは、きわめて重要であります。相手の攻撃は、「直接雇用が基本」や、「労働時間を規制する」など、世界と日本の労働運動によって作り上げてきた最も基本的ルールを、「岩盤規制」として攻撃し、破壊するものとなっています。雇用大破壊の暴走を許すな――この一点で、すべての労働者・国民が大同団結しようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
日本の理性と良識を総結集し、安倍政権の改憲策動を打ち破ろう
憲法破壊の暴走に対しても、新たな共同のたたかいが広がっています。
集団的自衛権の行使が許されたら、どうなるでしょうか。2001年の米国によるアフガニスタン報復戦争、03年の米国によるイラク侵略戦争のさいに、日本は自衛隊を派兵しました。しかし、どちらの場合も「武力行使をしてはならない」「戦闘地域にいってはならない」という「歯止め」がかかっていました。
集団的自衛権が行使できるとなれば、この「歯止め」が外されてしまいます。日本の自衛隊が戦闘地域までいって、米軍と一緒に戦闘活動ができるようになってしまいます。多国籍軍への参加も天下御免となってしまいます。日本を「殺し、殺される」国にしていいのか。「断固ノー」の声を突きつけようではありませんか。(拍手)
ここでも暴走が矛盾を広げ、新たな共同を広げています。憲法解釈の変更で集団的自衛権行使へと暴走する安倍政権に対して、自民党の元幹部、改憲派の憲法学者、歴代の内閣法制局長官、内閣官房で自衛隊の海外派兵に直接携わっていた人々が、「こんなことを許したら憲法が憲法でなくなる」と、次々と反対の論陣を張っています。「立憲主義を守れ」――この一点で、日本の理性と良識を総結集し、安倍政権の改憲策動を打ち破ろうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
あらゆる分野で「一点共闘」を広げ、暴走を包囲し、新しい日本への道開こう
みなさん、安倍政権はその暴走の一歩一歩によって、国民との矛盾を広げ、自らの墓穴を掘っています。この暴走の先に、決して未来はありません。
原発ゼロ、消費税大増税ストップ、TPP(環太平洋連携協定)反対、米軍基地撤去、憲法擁護など、あらゆる分野で一致点に基づく共同――「一点共闘」を広げに広げようではありませんか。それぞれの「一点共闘」が互いに連携し、安倍政権の暴走を包囲し、打ち砕こうではありませんか。
労働者・国民の団結と連帯で、「国民が主人公」の新しい日本を築こうではありませんか。(拍手)
第85回メーデー万歳。(大きな拍手)