記事 19件
  • 20年失われたものだけじゃないよね

    2015-05-16 00:15  
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     こんな記事が目に止まりました。 ちっとも失われていなかったこの20年―国富の推移は、どうなってきたのか:研究員の眼   この記事では、日本全体の資産合計額である国富の額のバブル崩壊後の推移について考察しています。値としては下がっているのですが、それは土地の値段が下がっているからで、その影響を取り除くと、むしろ増えているそうです。 (ちっとも失われていなかったこの20年―国富の推移は、どうなってきたのか:研究員の眼より)
     個人的には、この20年脱皮のための停滞であってちっとも失われていないと思っていますが、そうはいっても、物価は下がるは賃金は下がるは、「ちっとも失われていない」と強弁するほど、強い思いがあるわけではありません。 しかし、先日日本の観光競争力が世界9位になったことについて書いたときは、密かにやっぱ日本力溜めてたじゃんとほくそ笑んでいました。 特に、「文化的観光資源」が日本6位というのが嬉しくて、これは世界遺産とか無形文化遺産の数などが評価の対象になっています。歴史の古い日本が失われた20年の間もやけになって昔をどんどん壊すことなく、むしろ世界遺産や無形文化遺産の登録を地道に増やしているからこそ、高いランキングを獲得することができます。それは当たり前のことではありません。世界には世界遺産を破壊する組織だってあります。日本だって景気悪ければ、そんなもんないがしろにするのは十分ありえることです。 あるいは、エコノミックアニマルと言われていた時代に日本は価値観を変えてしまい、それら非効率な文化遺産をことごとく捨て去ることもあったかもしれません。 私たちは、そんな可能性がある中でも日本の持つ文化を大切にして、海外からも評価されるようになりました。もちろん理想的な量の活動はできていないでしょうが、心では日本文化をしっかり守ってきています。 その一方でアニメなど新しい文化も次々と創造しています。世界中でこれからはグローバル社会だ、我が国こそがグローバル競争に勝たなければとわめく中、日本の若者たちはそんなことはあまり気にせず、独自の文化を築き、それが世界中の一部の人たちに染み渡っています。 日本国民の食文化へのこだわりも、ずーっと変わりません。旅行の楽しみといえば食事というのは、日本でアンケートをとれば必ず上位に来ますが世界的にはそんなことはありません。先の観光競争力では100はあろうかという評価項目に食事はまったく入っていません。 グローバル競争に本気で勝つには、食事なんか完全食「ソイレント」にして、もっと効率化すべきだとか、もう20年失ったんだ、グルメなんてものにうつつを抜かさず働こうとかいう意見が出てくるわけでもありません。 日本人の中には、こういう景気が悪くなってもちっとも変わらない考え方というものがあって、そういうところは、停滞期でもずっと日本中で追及されていて、それが20年で溜まりに溜まって今花開こうとしています。 

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  • [S]未来の人は、なぜ不便な山村に暮らすのか。

    2015-05-15 00:45  
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     普段は水曜が[S]ですが、昨日は通常運転だったので、本日気楽に書き始める[S]です。 さっき、ニコニコ動画トップからふと、 【ぼっちで】金曜日のおはよう 踊ってみた【一人二役】 を見たら、鳥肌が立った上に、【話題の記事】に未来の普通が出てきて、ぶほってなりました。 一人二役すごいですね。他人だと、体格や筋力の違いで、タイミングはあっても動作中の動きまで合わせるの難しいですけど、一人二役で正確に踊るとここまで合うんですね。ぴょんと横に飛ぶ幅まで一緒でMMD見てるみたいです。男役が半歩前で踊って少し背を高く見せてるところが最大のポイントで、だから体格が違うように見えて、それでも動作が合うので不思議な感じです。ありがとうニコ動トップ。 と書いているうちに AKB の人と教えてもらいました。へー、AKBは完全に守備範囲外だったんですが、たった今守備範囲のはしっこに入って歓喜しています。GUMIの曲で「踊ってみた」ソロで投稿とか、境界なくなってるんですねー。すごい。(「シザーハンズ」も見て、顛末知りました。第3弾楽しみです!) さて、話題は変わりますが、 昔の人は、なぜ不便な山村に暮らしていたのか? という記事にインスパイアされました。 あんまり詳しくないので、[S]の勢いで適当に書きますけど、日本て聖徳太子の頃とか古くからいろんな街道整備されてたそうですし、ということは、数十km 間隔で宿場があって、その周りにその町を支える生産地があってと、ずっと昔から、人が徒歩で往来できるように網の目のように町や村ができる必要があったのだと思います。「昔の人は、なぜ不便な山村に暮らしていたのか?」と聞かれたら私はそう思います。砂漠みたいなとこではなく、自然は豊かで人が住むのに問題はありませんから。 しかし、いまや車が発達し、数十km 間隔に人が住む必要はなくなりました。そういう意味で、「なんでこんなところに?」と都会の人が思うようなところに住む必要はなくなったのかもしれません。 でも、状況は逆転しつつあるのではないでしょうか。 ちょっとしたネットがあれば、世界中の人と skype などでつながれますから、住むところは関係ありません。 人が集まってないとと思うかもしれませんが、下手に都会に集まるよりクラスタ作った方が発展します。昔、シリコンバレーを真似て、渋谷バレーを作ろうなんて話ありましたけど、シリコンバレーはもともと都会じゃないところだったからベンチャーの代名詞になりましたが、渋谷はもともといろんなものがあるので、代名詞にはなれません。都会じゃないところに集まるってのも手なのです。 通信さえ確保できれば、その他インフラはなんとでもなる時代になってきました。水はあります。電気も太陽電池などがあります。テスラが低価格蓄電池を発表し、これからは貯めることも難しくなくなります。燃料は周りに森があればいくらでも手に入ります。 今は芝かり大変ですが、そのうち、多足ロボットで軽自動車みたいに使えるやつが出てきて、舗装された林道なくても簡単に山に入れるようになります。そしたら山の手入れはいまよりずっとずっと楽になり、ついでに燃料も有り余るほど手に入るようになります。  

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  • 教育費はこのまま上がり続けて少子化が進む?

    2015-05-13 23:15  
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     財務省が国立大の学費をあげてはどうかと提案しているそうです。 財務省「国立大は富裕層が多いから私立並みに授業料上げればいいのでは?」→国立の意味は!? - Togetterまとめ   まあ、財務省はそれを言うのが仕事ですからとりあえず言うでしょうし、これから文科省がどう巻き返していくのかが注意して見なければいけないことでしょう。 しかし、子供を育てる上でもっとも問題になりがちなのが高額な大学の費用で、大学の費用を意識すると子供の数は少なくせざるを得ません。ただでさえ少子化の原因ではないかと考えられるのに、さらに値上げを検討されるとか、今子供を産む世代にしてみれば、こういうニュースは、これは20年後はもっともっと上がるかもしれない、とても子供なんて持てやしないと思わせるのに十分です。たとえ結果として今回上がらないとしても、さらなる少子化促進のメッセージになっているのではないでしょうか。 時を同じくしてこんなブログもありました。 いま失敗すれば、日本終了。 - デマこい!  夫婦が子供を産むのは年収500万円以上からというデータがあるというお話です。だから、少子化を食い止めるには、「若者に年間所得500万円を達成させるかにかかっている」というのです。 なぜなら、子供は金がかかるし、その理由は、
     技術が発達して経済が豊かになるほど、子育てに必要な教育コストも上昇する。
     これが「教育と技術の競争」だ。

    からだとしています。 このようなストーリーを読んでいると本当に未来が不安になってきますが、果たしてこの通りになるでしょうか。 ちょっと違うストーリーを考えてみようと思います。 現在奨学金が返せない人が増えていると聞きます。奨学金を借りて大学に入ってから就職しても思うように給料があがらないからです。つまり大学にいった元が取れていないのです。 学習の費用対効果は幼いほど高いと言います。未収園児や小学生への教育は効果が高いけど、歳をとるにつれ、教育しても効果はあがらなくなります。 では大学はどうなのでしょうか。もちろん学問を目指す人にとっては必要な過程かもしれませんが、大学を出てすぐ就職する人にとって、どのくらい大学教育は効果があったでしょうか。私が大学の頃なんて、授業に出ない人なんていくらでもいて、でもいわゆる社会勉強をして立派に就職していきました。有り体に言って、大学で勉強せず社会勉強をしてたわけです。高校までは社会勉強なんてほとんどしませんから、その効果は高いわけです。学費は高かったですが、高度成長期の時には、学生が大学に行ってなくても誰もあまり気にしませんでした。 しかし、高度成長期が終わり、高い学費が意識されるようになると、親も子も学費の分だけ大学から教育を得るべきだと考えるようになります。出席率は上がり、みんな真面目に大学の教育に取り組むようになりました。一方でそれまでされていた社会勉強は減ったのです。 それに従って今じわじわわかってきてしまったのです。大学教育は費用対効果が低いと。 この先、若者やその親は大学への進学に注意深くなるでしょう。明確な目的なく、入らなくなります。 学問の道に進む人は入るでしょう。小さなイノベーションが無数に必要な時代になっていますから、地方の大学に進学して地方に密着した研究を目指す人も出てくることでしょう。世界を相手にしたグローバルな研究だけが研究ではないのです。 地元の公務員になりたい人は地元の大学に進むといったこともあるでしょう。 あるいは「社会勉強」をするためにインターンやボランティアなどの活動をしながら、社会人大学で必要な学位を揃える人もいるかもしれません。 そのような明確な関連がなければ大学には行かず、将来の就職に直結する専門学校などに行くかもしれません。 国の支援が増えることもあまり期待してはいけません。費用対効果が低いということは、いくらそこにお金を入れても社会に還元されないわけですから、大学にお金を入れるよりは、幼児教育や小学校の教育注いだ方が効果が高くなります。 もうビジネスの分野ではそんなの常識ですから、みんなどんどん仕掛けて来ています。今まで学校の勉強についていけなかったような子に対し、個別指導や、オンライン教育、さらには学習アプリなど、様々な手法が試されて始めています。エリートに注目するのでなく、すべての子が義務教育をきちんと習得することに力を入れる方が、マーケットの大きさもはるかに大きいでしょう。そして義務教育をきちんと習得する子が増えれば増えるほど、社会を埋め尽くす無数の問題をかたっぱしから解くことができるようになるのです。 経済学の分野でも、その切り口が現れているそうです。 「貧困不良少年」が経済学のスターになった! 規格外経済学者、フライヤー教授の快進撃 | トレンド - 東洋経済オンライン   ちょっと前に流行ったピケティの富裕層に対するアプローチは、21世紀どころか20世紀なアプローチでしたが、フライヤー教授はボトムアップを説かれているそうです。こっちこそが真の21世紀の資本論になっていくのではないでしょうか。 では、その幼児や小学校の教育費がどんどんかさむようになるのでしょうか? でも、今次々と生まれているスマホの学習アプリは最初無料なんて普通です。払うとしてもせいぜい数百円なんてのが多いでしょう。でも子供によっては、そんなアプリをいくつかこなすだけで、義務教育レベルの教育は十分習得できたりするでしょう。  

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  • 若者が「言われてないこと」をするようになるには

    2015-05-12 23:45  
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     ずっしりと重いツイートを見かけました。
    別に私が言われたわけじゃないんだけど、世間の老害上司がよく言う「言われたことだけやってれば良いと思ってるのか?」には思想のすれ違いがあるんだよね。若い人たちは、「言われなかったことはやらなくて良い」と思ってるのではなくて、「言われなかったことはやってはいけない」と思ってるんだよ。
    ― 権太夫(┳д┳) (@gondayu) 2015, 5月 7
     「言われなかったことはやってはいけない」という考え方は、若い人には普通なことです。 でも、大人にしてみたら「言われたことしかやらない」のは社会人とは呼べません。 このギャップはどこから来るのか。 これは私たち社会が乗り越えなくてはいけない大きな問題です。こんなことになっているのは、大人のせいでも、子供のせいでもありません。有り体に言うと少子化のせいです。 大人たちはいつの時代も子供たちに向かっていつも「いらんことするな」の大合唱です。子供は「いらんこと」の基準がまだわかりませんから、「いらんことするな」は「言われたこと以外はするな」という意味です。余分に勉強することすら「いらんこと」だと思います。そんな馬鹿なと思うかもしれませんが、たとえば国語と算数の宿題が出ていたとして、まず国語から始め、でも興に乗って余分にやり始めたとします。このとき少なくない親が「いらんことせんと算数やり」と言ってしまいます。その背後には時間の問題があったりするのですが、子供にしてみれば、毎日、勉強ですら「言われたこと以外はするな」と言われて育っているのです。 それは今の大人が悪いわけではありません。昔から大人なんてそんなもんです。でも、昔は子沢山だったせいもあってか、子供たちはほったらかしでした。今私の長男は小5ですが、私が小5の頃はもう大人と過ごす時間なんてほとんどありませんでした。大人といるときは「いらんこと」したら怒られるけど、それ以外の時間は「いらんこと」だらけで、大人になっても「いらんこと」をし続けます。 しかし、今の子供は大半の時間を大人の目の届くところにいる場所にいることも少なくありません。常に「いらんこと」をしない生活を続け、そのまま大人になることだってあるのです。 しかも今社会は見た目安定しています。基本的に大人の作った社会の仕組みに乗っかることが幸せへの近道と考えられます。つまり「いらんこと」をする時間があったら、大人の勧める習い事に行く方が幸せになれることになっています。実際にはストレスはあるでしょうが、子供たちは「『いらんこと』をしない生活」に自分たちを最適化していき、それはそれで幸せに暮らしているのです。 そうやって幸せに生きてきたのに、社会に出たら、「言われたことだけやってれば良いと思ってるのか?」と言われるですから、世の中理不尽です。大人に言われた通りのことやってきたのに……。 

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  • 軍事予算がないなら針をアルミに通せばいいじゃない

    2015-05-11 23:30  
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     NHKに 超絶 凄ワザ!という番組があります。 このシリーズ全部見ているわけではないのですが、前回は「直径わずか0.5ミリという極細の針で、ぶ厚いアルミ板を貫通せよ」というテーマで2チームが争うというものです。 針をまっすぐ突き立てて押し込むだけで、貫通するどころか、どれだけ小さい力で突き抜けるかを争うことになったのですが、すごい。最後はそんな力で突き抜けるの???というような小さい力で突き抜けるようになってしまいます。 放送の中での口調が趣深く、アルミを「割く」ように貫いていくそうです。従来のドリルとは違う原理であり、この技術将来的には何かに応用されていく気がひしひしとします。見てると「へー、こんな形で!!!」と思うようなのも登場し、金属を「割く」ということはどういうことか、このバトルをきっかけに一気に研究されるようになるかもしれません。 すぐに何に使えるかは分からないけど、これは将来きっと役に立つでしょう。その予感に視聴者は興奮し、この番組はきちんと役割を果たしました。 アメリカなどを見ているとロボット技術にがんがん軍事予算が使われるなど、科学技術の発展の上で軍事予算は大きな役割をしているように見えます。一方日本の防衛費はあくまでも防衛のためであり、その使用用途は限られます。科学技術に携わる人の中にはアメリカが羨ましい人もいることでしょう。東大発のロボットシャフトがアメリカの軍事予算によるコンテストを目指したように。 しかし、すなわちそれは将来人を傷つける技術に使われるという諸刃の剣です。ほんと残念です。 でも軍事予算なんて前世紀の考え方です。そんなもの結局人を傷つけるだけです。だから、「針をアルミに通せばいい」のです。もちろん、その予算だけではアメリカの軍事予算にはまったく及びませんが、だったらたくさんやればいいのです。 たとえばいわゆるクラウドファンディングですよね。国家予算は、誰も文句を言えないような「無難」なものにしかお金を出せません。クラウドファンディングは、「これに出したい!」と思う人が出すのですから、圧倒的に多様な取り組みにお金が出ることでしょう。 これにもとても期待しています。 人工流れ星、夢かなう? 衛星から「もと」を落とす計画 - 朝日新聞デジタル   流れ星の「もと」を積んで人工衛星を打ち上げ、指定された時間と場所に流星を落とそうというビジネスを始めようという話です。 

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  • 世界の観光競争力、おもしろい。

    2015-05-09 00:30  
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     前回 日本の観光競争力、世界位に躍進 その理由は……  で、日本の観光競争力についてみました。データ見てると面白いので続けます。 日本の弱点は、サービスインフラと価格競争力なのですが、価格が高いのはむしろブランドになりえるのではないかと考えました。 それを確かめるため、日本より上位の 1-8 位の価格競争力という中分類項目を見てみました。1 スペイン 4.22 フランス 3.03 ドイツ 3.64 アメリカ 4.35 イギリス 2.76 スイス 2.67 オーストラリア 3.18 イタリア 3.5 9 日本 3.7 いやー、どこもかしこもひどい。中分類の各項目は7点満点で、上位になってくると、4を切る項目はほとんどないのですが、価格競争力だけはご覧のように、8カ国中6カ国は日本より低いです。 つまり、価格競争力はこれで問題ありません。ブランド力つけたいなら、むしろもっと悪くてもいいくらいです。フランス・イギリス・スイスのように。私たち国民にとっては嬉しくないことでもありますが。 東京オリンピックに向けて、地道にATMなどのサービスインフラを整備して行けば、もう何位かは上がるのではないでしょうか。個人的には9位くらいでいいと考えますが。 さて、前回は 2015年のデータを2013年のと比べてみました。 細々と項目が変わっていたり移動していたりして、どこが良くなったと単純に比較することはできませんでしたが、全体にバランス良いことが高順位に貢献していて、2015年は全体的な底上げがあったのではないかと考えられました。 全体的なバランスについても、他国と比較しながら見てみました。日本は中分類14のうち、11が4.0から6.0の間に入っています。超えるのは6.4 が一つ、低いのは3.9と3.7が一つずつという感じです。 日本より上位の国は、日本同様4より低いところが少ない一方、6を超えるところが何個かあるという感じ。日本より下位の国は、4 より低いところがいろいろ出てくるという感じになります。日本が各項目バランス良く持っていることがわかります。3つほど例を取り出してみました。 
    9位日本のチャート。(travel & tourism competitiveness report 2015 より

    1位スペインのチャート。(travel & tourism competitiveness report 2015 より

    23位なんとなくライバル視しているスウェーデンのチャート。(travel & tourism competitiveness report 2015 より
     さらに、前回の 2015年(9位)、2013年(14位)に続き、2011年のも見てみました。2011年は22位。ちなみに2009年は25位です。 2015年と2013年は項目に細々と変更がありましたが、2013年と2011年の間にはほとんどありませんでした。 

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  • 日本の観光競争力、世界9位に躍進! その理由は……?

    2015-05-07 23:30  
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     ゴールデンウイークはいかがでしたか。うちは前半は松江城見学、後半は家族に高速トラッキングシステムを見せるために広島フラワーフェスティバルに行ったあと秋吉台・秋芳洞まで足を伸ばしたりと、久々に観光を満喫しました。 その観光。日本の観光競争力が話題になっています。7時のニュースでもやってました。 日本の観光競争力、世界9位 「おもてなし」評価  :日本経済新聞  前回2013年14位から順位を上げトップ10に入り込んでいます。2011年は22位だったそうで、大躍進です。 でも、もしかして単に人気投票になってたりしないのかなと気になります。昔、何かで大都市のランキング見た時は、そんな感じだったのです。欧米人の知名度でランキングが決まるみたいな。 ということで、World Economic Forum の 2013年と2015年の元データを眺めています。 結論から言うと、細かく項目が変化しているので単純比較は難しいですが、眺めているだけでも面白いです。 元記事にある 今回から安全面の評価に「テロ発生率の低さ」と「殺人事件の発生率の低さ」が加わり、それぞれ1位と2位だったことも貢献した。
     この記述。実は、「テロ発生率の低さ」(Index of terrorism incidence) は1位が50ヶ国ありますので、1位で普通です。「殺人事件の発生率の低さ」は上に一ヶ国しかないのでこれは価値があると思うのですが、その項目が入っている中分類にあたる安全面の評価(Safety and security)は前回20位から22位にわずかに後退しています。 また他にも1位の項目がいろいろあって7時のニュースで紹介されていましたが、それらのうち「飲み水が安全」(Access to improved drinking water) は1位が 41ヶ国、「衛生的な環境」(Access to improved sanitation)は36ヶ国、HIV感染率は57ヶ国と、まあ1位が普通的項目でした。それ以外の1位もほとんどは特に劇的に変化していない感じです。「客の待遇」の項目で首位となり、「おもてなし」の心が高く評価された。
     も今回は Treatment of customers という項目名ですが、前回も異なる中分類に Degree of customer orientation というわりと似た項目で1位だったので、これが順位をあげた直接の要因ではなさそうです。 ちなみに何度見ても食に関する項目はありません。日本人は食事が旅行の重要な目的に入る一方、外国人はそうでもないと聞いていますが、もろですね。日本に訪れる人は食事が楽しみな人が多いと聞いていますから、そのうち食が項目に入り出すと順位に大きく貢献しそうです。 

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  • 《お知らせ》広島フラワーフェスティバルに話題の高速トラッキングシステム出ます!

    2015-05-02 19:30  
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     今日は休日ですが、お知らせです。 明日5月3日から5日まで、広島市平和大通りを中心に毎年恒例フラワーフェスティバルが開催されます。平和大通りに面するNHK広島ではこちらも毎年恒例「NHKシクラメンパーク」が開催されますが、こちらに、2月に東京渋谷で行われた番組技術展にも出展した「高速トラッキング撮影システム」が展示されます。 展示場ではスタッフが実際に卓球をするところをリアルタイムにトラッキングする様子を見ることができます。リアルタイムにトラッキングできることで、スローモーションではピン球がどのように回転しながら飛び、どのようにラケットで跳ね返させているかをまじまじと見ることができます。 フラワーフェスティバルに行かれる方、ぜひNHK広島にも立ち寄って、未来の普通となる映像を楽しんでください。地方都市、初登場です! さらに他にも最新技術を体験できます! NHKシクラメンパーク 放送技術ワクワク体験! 展示内容は2月の番技展とほとんど変わらないのですが、内部的には実用化に向けた大改造をいくつかしています。「高速トラッキング撮影システム」は私が開発を担当しているのですが、なので、昨日の設置段階では、本当にきちんと動くかはらはらドキドキでした。設置段階ではとりあえずきちんと動いているようでホッとしています。明日の本番からもきちんと動きますように。 

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  • 蓄電分野にテスラの黒船?

    2015-05-02 02:00  
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     二日前に どこでも誰でも電気を作れる時代  という記事で、手軽な蓄電システムができれば、家庭での太陽光発電はもっと普及するだろうと書いたのですが、そのまんまのニュースが飛び込んできました。 米テスラモーターズが蓄電池市場に参入へ NHKニュース   Teslaの3000ドルの壁かけソーラー電池で家庭の電力をすべてまかなえる  家庭で太陽光発電するのに最大のネックだった蓄電。昼間にいくら電気ができてもためておけないのでいまいちお得ではありませんでした。蓄電はコストがかかるというのはもう私が子供の頃からずっと言われていることで、もうなんか太陽は東から登るくらい常識に聞こえてました。 しかし、ハイブリッド自動車や電気自動車で蓄電は技術革新が日進月歩ですから、家庭でコストに見合う蓄電システムが出来るのは、もう間違いなく起こることです。 そして、ついにその兆しが見え始めたわけです。 

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