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欽ちゃん82歳の人生どこまでやるの!? 第55回「プロを素人にしてみたら……」
2024-04-25 05:00今年二月に放送された「第99回全日本仮装大賞」が終わった後のことだ。
視聴者の人たちからこんなメッセージが寄せられたと聞いて、ぼくはとても嬉しくてさ。
「久しぶりに家族みんなで、テレビの前で笑いました」
確かに、今は家の中に「お茶の間」というものがなくなって、テレビは昔のように家族がみんなで見るものではなくなったよね。
でも、「仮装大賞」はそんな昔ながらの「お茶の間の時間」を、久々にテレビの中に作り出せたのかもしれない。そう思うと、何とも嬉しい気持ちが湧いてきたんだ。
そんななか、ぼくが「やっぱり人生は面白いなあ」と思ったのは、放送後、ディレクターのTさんからすぐさまこう提案されたことだった。
「欽ちゃん、第100回もやりましょう。そして、その前に一度だけ、僕とテレビを作ってみませんか?」 -
欽ちゃん82歳の人生どこまでやるの!? 第54回「『不適切!』と言われたらチャンス!」
2024-03-28 05:00 -
欽ちゃん82歳の人生どこまでやるの!? 第53回「やっぱり『テレビ』が好きなんだね」
2024-02-22 05:00先週の二月十二日、三年ぶりに「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」が放映されたよ。
去年、その収録をしたときは、本当に嬉しかったなァ。
ぼくは八十歳を超えてから、テレビにはほとんど出なくなったでしょ。コント55号で動きのある笑いをしてきたから、年を取って体が思うように動かなくなってまで、お客さんの前に出るのは申し訳ない、という思いがあったんだ。
ところが、日本テレビのプロデューサーが、「仮装大賞」を復活させるために何度も足を運んでくれた。慎吾ちゃんも、「ぼく大将やらないならやらないからね」って。それで、「応援するくらいならいいよ」と今回の「仮装大賞」に出ることに決めたの。 -
欽ちゃん82歳の人生どこまでやるの!? 《特別対談》萩本欽一×伊東四朗「一生一喜劇人」
2024-02-08 05:00 -
欽ちゃん82歳の人生どこまでやるの!? 第52回「笑って手を振って『また来るね』」
2023-12-07 05:00 -
欽ちゃん82歳の人生どこまでやるの!? 第51回「お客さんのざわめきを聞く」
2023-11-02 05:00九月の中旬、ぼくは新宿の「バティオス」という劇場で、「欽ちゃん82歳の挑戦~ちょっとだけ動くライブ~」というものを行った。
これまで、コロナ禍でライブを自粛していたので、お客さんの前で喋るのはぼくにとって本当に久々のことだった。
といっても、ライブの内容は普段からYouTubeでやっていることを、みんなの前で同じようにやるだけ。視聴者の人たちからのメッセージを読み上げたり、それにツッコミを入れたり――というわけだ。
でもね、ぼくはそれでも、最後の十五分は座っていた椅子から立って、文字通りちょっとだけ動いてみたの。
すると、何だかお客さんの反応を、座っている時よりもしっかり受け止められているような気持ちになってさ。体感では三倍くらい。だから、「八十二歳になっても、コメディアンというのは客席の人たちに支えられ、育てられているんだなァ」と実感したんだ。 -
欽ちゃん82歳の人生どこまでやるの!? 第50回「人の熱意に惚れてする仕事は上手くいく」
2023-10-05 05:00先日、ぼくは「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」を、来年は慎吾ちゃんと一緒にやることを発表した。
コロナ禍だったこの三年、仮装大賞は行われていなかった。番組の再開を望む声も多かったみたいだけれど、そもそもぼくはコロナとは関係なく、番組から退いたつもりだったんだ。
その理由は80歳を超えて、すっかり体が動かなくなってしまったから。
何しろ、最近では床屋さんに行くために道を歩いているだけでも、いつの間にか斜めに進んでいて、真横をビュンと通り過ぎる車に驚くくらいでさ。
なので、あとは慎吾ちゃんに番組のことを任せて、テレビの仕事は全てやめようと思ったんだ。
ところが、ぼくが仮装大賞をやめると言うと、慎吾ちゃんは、
「欽ちゃんがやらない仮装大賞を、僕が一人でやることはありません」
と、言ったみたいでね。 -
欽ちゃん82歳の人生どこまでやるの!? 第49回「『24時間テレビ』と寄付の話」
2023-08-23 05:00ぼくにとって夏は「いつの間にか通り過ぎていく季節」だ。とりわけ八十歳を過ぎてからは、なるべくエアコンのある部屋にいて、外には出ないようにしている。
というのも、YouTubeの配信やインタビューといった仕事中は、話すことに夢中になって水分をうっかり取り忘れちゃう。去年はそれで倒れてしまい、病院に運び込まれたこともあったからね。病院ではお医者さんにこう叱られちゃったよ。
「欽ちゃん、水分はいつ取ったの。忘れた? ダメだよ。のどが渇いたと思った時は、もう遅いんだからね!」
というわけで、マネージャーもこの季節はとても気を遣ってくれていて、家や車、スタジオや事務所と涼しい場所にしかいないようにしているってわけ。 -
欽ちゃん82歳の人生どこまでやるの!? 第48回「先生への『恩返し』から始まった、ぼくの物語」
2023-07-20 05:00 -
欽ちゃん82歳の人生どこまでやるの!? 第47回「スミちゃんとはずっと恋人みたいな関係だった」
2023-06-08 05:00ぼくの奥さんのスミちゃんが亡くなってから、早いもので三年が経つんだね。
今でもときどき思い出すのは、スミちゃんが作ってくれるお味噌汁の味。
ぼくは彼女と一緒になったとき、「料理が上手になろうなんて考えなくていいからね」と伝えた。
仕事柄、いつも外で誰かに食事をご馳走したりされたりしているから、せっかくスミちゃんが作ってくれた料理を「お腹がいっぱいで食べられない」というのが嫌だったからだ。
なので、彼女はぼくが(神奈川県の)二宮の家にときどき帰った時も、豪華な食事は決して作らなかった。
でも、そのとき作ってくれるアジの開きやお茶漬けは、いつも、素朴だけれど心に沁みるようにほっとする味だった。
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