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飯島氏の北朝鮮訪問について
政治部長 藤田 健
飯島勲内閣官房参与が北朝鮮訪問を終え、18日に帰国しました。飯島氏から報告を受けた菅義偉官房長官は会談の内容について「事柄の性格上申し上げられない」としており、訪朝の詳細は依然として不明です。しかし、北朝鮮に対して、軍事を含め圧力一辺倒の対応に終始してきた安倍内閣が対話に動いたことは歓迎すべき方向です。
報道によれば、飯島氏は「拉致、核、ミサイルという諸懸案の包括的な解決」という日本政府の基本方針を伝え、「拉致問題の解決がなければ(日朝関係は)動かない」と伝えたとされています。
日本と北朝鮮との間には、2002年の日朝平壌宣言があります。同宣言では、核、ミサイル、拉致問題などの包括的解決をはじめ、日朝国交正常化に向けて協議をすすめることを合意しました。その後、北朝鮮による度重なる国際合意違反、ミサイル発射と核実験が重ねられ、日朝政府間協議も中断したままとなっています。
安倍首相は参院予算委員会で「圧力をかけて北朝鮮の政策を変え、対話によって問題を解決したい」(15日)と答弁。「拉致、核、ミサイル問題を解決しなければならないとの判断において、首脳会談が重要な手段であれば、当然考えながら交渉していかなければならない」(同)とのべています。
飯島氏の訪朝によって、今後、日朝関係がどう進展するかは不透明ですが、北朝鮮との間の諸懸案は、対話によって解決するしかありません。その基礎は平壌宣言であり、2005年の6カ国協議の共同声明です。北朝鮮の核問題をめぐって高まってきた緊張を転換し、国連安保理での諸決議を踏まえて、対話による解決に向けた動きを注視するものです。