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2015年9月の記事 8件

9月25日号:ニュースに一言

●急性アルコール中毒で死亡したホストの両親が店の安全配慮不足を理由として提訴したというニュースがありました。 これは客が店を訴えたのではありません。ホストは客に高い酒を少しでも多く飲ませようとします。その結果、客が死亡したのではありません。訴えによると、客からおごられた酒を飲むことで売り上げも伸びるために大量の酒を飲んだことが死亡の原因だとしています。そのように仕向けた店に責任があるというのです。 ホストは言ってみれば酒を飲むことが仕事なわけです。今回もまあ労災にしろというのならわかるような気もしますが、そうではないようです。これからは客も店もホストが酒を飲んで倒れられたらやっかいですから、気をつけなければいけません。「さあ、一杯いこう、あっ、ちょっと待って。君は酔っ払ってないよね」なんとも盛り上がらない酒席です。 ところで、最近は何かをされたから訴えるのでなく、してもらえなかったから訴えるというケースが増えています。ラーメンを食べてやけどをしたのは、熱いから気をつけるように言ってくれなかったのが悪い、などです。「そんなこといちいち言わなくてもわかるだろう」は、もう通用しないようです。  

9月18日号:ニュースに一言

●司法試験の問題が事前にもれていたということが大きなニュースとなっています。 これは問題作成などを担当する「考査委員」の明治大学法科大学院の青柳幸一教授が教え子の20代女性に問題を教えていただけでなく、模範解答まで見せて細かく指導していたというものです。 漏洩させた理由が教授の女性に対する恋愛感情だといいますからあきれます。恋愛に歳の差は関係ないといってもこの教授は67歳です。教授にしてみればこの方法しか女性を振り向かせる手段がなかったのかもしれませんが、もちろんそんなものが認められるわけありません。この教授は学生たちの間では「女好き」で有名だったようです。 また教え子の方にしても法曹界を志すのであれば、ことの善し悪しくらい分かるだろうと思うのですが残念です。 司法試験は弁護士や検事や裁判官になるための試験です。知識ももちろん重要ですが、それ以上に大切なものは「正義を尊び」「不正を憎む」心です。 つまり教授に問題を教えてもらった女子学生は、それだけで法律家としての資格はありません。今後5年間は受験資格を失うということですが、こういう人には法律家になってもらいたくはないですね。 今回の事件はこの女性の答案があまりにも出来すぎていて不自然だったことから発覚しましたが、裏をかえせばもう少し適度に間違えるなどうまくやっていれば、疑われずに成功していた可能性もあったということです。 既に合格した法曹関係者の中で明治出身者の女性は疑われるのを避けるため出身校を公表するのを憚られることになってしまいました。一度こういう問題が起きると常に疑心暗鬼となり、試験制度自体の根幹が大きく揺らぎます。すべての受験生が納得できる説明と改善策を早急に発表してもらいたいものです。    

9月11日号:野田聖子とは何者か?

みなさん、こんにちは、百田尚樹です。 月曜日のニコ生でも話しましたが、先週、私は北海道の網走に初めて行きました。網走青年会議所主催の講演だったのですが、時間が余ったので、「網走監獄博物館」を訪れました。 そこは網走刑務所が昭和50年代に改装された際、明治以来使われてきた監獄をそっくり移設し、それを博物館にしたものです。 多くの囚人たちが暮らしてきた監獄はまさしく歴史的建造物です。 そこに一歩足を踏み入れた途端、私の鼻をついたのは強烈な匂いです。それは汗と糞尿が入り混じった何とも言えない異臭です。言うなれば、それは囚人の匂いです。木造の壁や廊下や天井にしみ込んでいるのです。移設して30年以上経っているのに、今もその匂いが消えないで残っているのです。 それだけに生々しさが迫ってきます。囚房はもちろんすべて空ですが、中を除くと、さっきまで囚人がいたような錯覚に陥ります。 一つ一つの囚房にはどれくらいの囚人たちが出入りしてきたのでしょうか。   私がとくに興味をひかれたのは白鳥由栄が入っていた独房です。 生涯で4回も脱獄し、「昭和の脱獄王」と呼ばれた白鳥は、大袈裟ではなく世界一の脱獄王です。秋田刑務所、青森刑務所を脱獄した白鳥が3度目に入れられたのは、「脱獄不可能」と言われていた網走刑務所です。過去2度脱獄した白鳥に対して、看守たちは徹底した監視をします。しかし白鳥は網走刑務所も見事脱獄してしまうのです。 彼の生涯は吉村昭氏によって『破獄』というノンフィクション小説で描かれています。手に汗握るスリリングなドラマです。興味のある方はお読みください。    

9月4日号:ニュースに一言

●自民党の成年年齢に関する特命委員会は高校生や大学生を党本部に招き、飲酒年齢の引き下げについて意見を聴取したというニュースがありました。 参加者からは大学のコンパなどでは未成年者の飲酒は事実上行われているので引き下げすべきだとの意見や、医学的見地からは引き下げは良くないとの意見もあったということですが、この委員会はいったい何の目的があって若者を招集したのでしょうか。当事者である未成年に何を聞くことがあるのでしょう。彼らが言ったことに対し「はい、そうですね」と対応するつもりなのでしょうか。 未成年は判断能力が未熟であるから『未』成年なのであって、そのために大人がいろいろと決めているのではないでしょうか。百歩譲って、審議するために若者の意見を参考にしたくて聴いたのだとしても、それではどんな若者を選んで呼んだのでしょう。想像ですが、党本部に入れるのですから、真面目な青年だけを呼んだのではないかと思います。 もし本当に生の若者の意見を知りたいのな、いろんなタイプから聴取しなければならないと思います。頭を金髪に染めた若者やタトゥーを入れた若者、コンビニの入り口に座り込んでいる若者、成人式で大騒ぎしている若者も含まれないと、現代の若者たちの姿が見えないと思います。  

9月4日号:デモに集まる若者たち

皆さん、こんにちは。 いよいよ9月になりました。7月から百田尚樹チャンネルに登録されておられる方で、「大放言プレゼント・キャンペーン」に申し込まれた皆様、今、必死でサイン本作成と発送準備にかかっています。 予想以上に申し込まれた方が多くて、一斉に発送はできません。私自身が手作業で行なっています^^; 毎日少しずつ発送していきます。早い方は来週初め、遅い方でも9月半ばまでにはお届けできると思います。今しばらくお待ちください。 日邦レンタカーからブロマガに移行してくださった方は、少し遅れるかもしれませんが、これも頑張ってサイン、落款付きの『大放言』を発送いたしますので、よろしくお願いいたします。   今月は安保法制が参議院で可決されると思います。 馬鹿馬鹿しいのは国会前のデモです。 先日の8月30日のデモは、主催者発表は12万人ということですが、警察発表では3万人です。しかし実際は数千人というものだったそうです。 インターネットでは世界のデモの空撮写真がいくらでも見られます。それを見ると、10万人規模のデモの人数は凄まじいものです。広範囲にわたって人、人、人の群れ。まさに見渡す限りの群集です。 しかし30日のデモは国会前だけ集まっていますが、それも200メートルも離れると、人はまばらです。10万人にはほど遠い数です。3万人もオーバーでしょう。   もっとも私は12万人でも3万人でもどうでもいいのです。 何よりも腹が立ったのは、そのデモに多くの国会議員がいたことです。  

百田尚樹のテレビでは伝えられない話

ベストラー作家・構成作家の百田尚樹が、仕事・政治・プライベート等、様々なジャンルについて語ります。このメルマガでは、「メインコーナー」と毎回その週に報じられたニュースを切る「ニュースに一言」の二部構成でお届けします。

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百田尚樹

1956年2月23日生まれ、大阪市東淀川区出身。 在学5年目で大学を中退した後は、放送作家の道へ進み、「探偵!ナイトスクープ」、「大発見!恐怖の法則」、「世界痛快伝説!!運命のダダダダーン!」(ABC)などの番組構成を手掛ける。2006年、50歳のとき『永遠の0』(太田出版・講談社)で小説家としてデビュー。2010年、『ボックス!』(太田出版・講談社)が映画化。2012年、『海賊と呼ばれた男』(講談社)で2013年の本屋大賞を獲得。2013年、『モンスター』(幻冬舎)、『永遠の0』が映画化。『永遠の0』は翌年、第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ8部門で最優秀賞受賞。

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