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2015年12月の記事 10件

ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第十三回

 皆さん、今回が今年最後のメルマガです。百田尚樹チャンネルにご登録していただいた皆さん、半年間、本当にありがとうございました。また日邦レンタカー運営の時からお付き合いくださっている皆さんも、本当にありがとうございました。  来年もブロマガ、動画ともに頑張っていきますので、何卒よろしくお願いいたします。  日本は今、本当に激動の時代に突入したと思います。この二、三年の舵取りを誤ると、取り返しのつかない事態に陥ります。いや、大袈裟ではなく二〇一六年は日本にとって「正念場」の年になるかと思います。  二〇一六年は私も六十歳を迎えます。還暦です。  もうあまり人生の時間が残っていません。その残された時間に、日本のために何ができるかを真剣に考えています。といっても平凡な男である私には、たいしたことはできません。でも、日本という国に育ててもらった恩返しを、少しでもして死にたいなと思っています。私が死んだ後も、この素晴らしい国で、多くのこどもたちが笑顔でいられるような国であることを願っています。    『カエルの楽園』は、いよいよ最終章に突入です。  今回は年内最後ということで、出血大サービス、一挙三十六枚(原稿用紙換算)の大増ページです!  年末年始にゆっくり読んでいただけたらと思います。  最終章からは物語が恐ろしい形で展開していきます。書いていて辛い、と思うことが何度もありました。でも、この小説は、一種の使命感のようなものに突き動かされて書いています。  二〇一六年は、私が小説家になって十年目の節目の年です。その年に、こういう作品を書くことができたのは、何かの縁のようなものを感じます。 『カエルの楽園』が読者の皆さんの心にどんな形で届くのかはわかりません。でも、この作品は私が心血を注いで書いた作品です。最後まで真剣に書ききります。    なお、来年のメルマガは一月八日からスタートします。ニコ生の動画は十一日(21時)からスタートします。  それでは皆さん、よいお年を!  来年もよろしく! ★【皆さんにお願い】 この作品の著作権は百田尚樹にあります。したがって、このテキストを作者に無断でネット上にアップしたり、メールで拡散したりする行為は、著作権法違反にあたります。くれぐれもそのような行為はお慎み下さるようお願いいたします。 ※(著作権を故意に侵害した者は、一〇年以下の懲役または一〇〇〇万円以下の罰金に処せられます) 『カエルの楽園』第三章          1  翌日、からりと晴れた空の下、元老会議の小島で、ガルディアンは集まったツチガエルたちに言いました。 「昨日、スチームボートに会って、提案された協定は受け入れられないと伝えた。スチームボートは意外そうだったが、お前たちがそう決めたなら、しかたがないと答えた」  カエルたちは歓声を上げました。 「この際だから皆さんにあらためて言っておく」ガルディアンは言いました。「三戒はかつてスチームボートが作ったという誤った考えが一部にあるようだが、それは違う。スチームボートはあくまでも三戒を提案しただけで、それを国の戒めとしたのはナパージュのカエルである。したがって三戒は我らのものである」 

ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第十三回

ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第十二回

★【皆さんにお願い】 この作品の著作権は百田尚樹にあります。したがって、このテキストを作者に無断でネット上にアップしたり、メールで拡散したりする行為は、著作権法違反にあたります。くれぐれもそのような行為はお慎み下さるようお願いいたします。 ※(著作権を故意に侵害した者は、一〇年以下の懲役または一〇〇〇万円以下の罰金に処せられます) 『カエルの楽園』第二章        次の日、元老会議が行なわれました。  この日は朝からずっと雨が降っていたこともあって、小島の周囲には大勢のカエルたちが集まっていました。ソクラテスとロベルトもそこにいました。  会議の冒頭にプロメテウスが発言しました。 「昨日、南の崖を登ったウシガエルは五匹を数えました。これはハンニバル兄弟が確認しています」  元老たちの顔には明らかに動揺の色が浮かびました。 「もはや一刻の猶予もなりません。スチームボートとの協定を結ぶ必要があります」  いつもならすぐに反対の声を上げる元老たちも黙って聞いています。おそらく、ウシガエルが一挙に五匹も崖の上に姿を現したという事実を深刻に受け止めているからだろうと、ソクラテスは思いました。 「たしかにスチームボートはわたしたちを利用しようとしているのかもしれません。それは絶対にないとは言えません。しかしわたしたちもまたスチームボートを利用しようとしているのです。すべて自分たちだけが得をする約束事というのは、この世に存在しません。それはあまりにも都合のいい考え方ではないでしょうか。スチームボートが誰かに攻められたならば、わたしたちは彼を助けるために一緒に戦わねばなりません。その代わり、わたしたちがウシガエルから攻められたときは、スチームボートが助けてくれるのです。この恩恵は限りなく大きなものがあります」  元老たちはみんな考え込んでいます。 「みんな、騙されるな!」 

ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第十二回

ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第十一回

★【皆さんにお願い】 この作品の著作権は百田尚樹にあります。したがって、このテキストを作者に無断でネット上にアップしたり、メールで拡散したりする行為は、著作権法違反にあたります。くれぐれもそのような行為はお慎み下さるようお願いいたします。 ※(著作権を故意に侵害した者は、一〇年以下の懲役または一〇〇〇万円以下の罰金に処せられます) 『カエルの楽園』第二章        翌日、再び元老会議が開かれました。  この日も、何もするべきではないというガルディアンたちの意見と、ウシガエルが登ってこられないように策を練るべきだというプロメテウスの意見とがまっこうからぶつかり、一日かかっても結論は出ませんでした。  ところが、その日の夜、南の崖の上に、今度はウシガエルが二匹現れたという情報がもたらされました。これまでは一匹だったのが二匹になったということで、カエルたちも恐怖にふるえました。  にもかかわらず、翌日に開かれた元老会議でも議論は相変わらず平行線のままでした。  その日の会議の終わりに、プロメテウスは言いました。 「このままでは何も進みません。そこで、別の案を提案したいと思います。スチームボートに、南の崖を見張ってもらうというのはどうでしょう」 

ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第十一回

12月11日号:ニュースに一言

●野村総研から10~20年後には国内労働人口の49%に当たる職業について、人工知能やロボットで代替される可能性が高いという推計が発表されました。わかりやすく言うと今ある仕事のうち約半分が機械に取って代わられるということです。 文明が進歩するにつれて人類の労働環境は大きく変わりました。大昔、10人で1日かけて自らの手足で運んでいた荷物が台車を使うことにより5人で半日の作業となり、やがて台車がトラックに代わることにより1人で1時間もあれば完了できるようになりました。 しかし、今まで進歩してきた機械はあくまでも人間が操作する補助的な役割しか担っていませんでした。トラックにしても運搬作業そのものは代われましたが勝手に動くことはもちろんなく、人間にはそれを運転するという仕事が新たに発生していたのです。 そんな現実を画期的に変えたのは人工知能の発明です。なんと機械が自ら判断して仕事を進めていけるようになってきたのです。クルマの自動運転が進歩すればトラックの運転手は必要なくなります。身近なところでいえば皆さんの家のお掃除ロボットも、セットさえしておけば勝手に部屋の汚れた部分に走って行き、きれいにしてまた元の位置に戻ってきます。まさに掃除という仕事を代替したわけです。そういう意味では益々進歩していくであろう文明を考えると、野村総研の推計もあながち間違ってはいないと思います。 

百田尚樹のテレビでは伝えられない話

ベストラー作家・構成作家の百田尚樹が、仕事・政治・プライベート等、様々なジャンルについて語ります。このメルマガでは、「メインコーナー」と毎回その週に報じられたニュースを切る「ニュースに一言」の二部構成でお届けします。

著者イメージ

百田尚樹

1956年2月23日生まれ、大阪市東淀川区出身。 在学5年目で大学を中退した後は、放送作家の道へ進み、「探偵!ナイトスクープ」、「大発見!恐怖の法則」、「世界痛快伝説!!運命のダダダダーン!」(ABC)などの番組構成を手掛ける。2006年、50歳のとき『永遠の0』(太田出版・講談社)で小説家としてデビュー。2010年、『ボックス!』(太田出版・講談社)が映画化。2012年、『海賊と呼ばれた男』(講談社)で2013年の本屋大賞を獲得。2013年、『モンスター』(幻冬舎)、『永遠の0』が映画化。『永遠の0』は翌年、第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ8部門で最優秀賞受賞。

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