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2023年1月27日号:ニュースに一言
2023-01-27 22:06102pt1●岸田総理が今春をめどに新型コロナウイルスの感染症法上の分類を第2類から5類に引き下げる方針を固めたというニュースがありました。
国は、ひとたび罹れば命に危険を及ぼすペストなどの「1類」から、感染しても死に直結しないインフルエンザや梅毒などの「5類」まで感染症を5つに分類しています。2020年1月、中国武漢で発生した新型肺炎感染者が日本で初めて確認されたとき、コロナはその特性がわからなかったためひとまず「2類相当」とされました。しかし、すぐにこの病気が極めて危険だと判断した政府は感染者を完全に隔離することはもちろん、その接触者も徹底的に調べ上げ「絶対に感染を拡大させない」方針を打ち出し、外出自粛要請など「2類」よりも厳しい措置がとれるほか、緊急事態宣言のような強い行動制限もできるよう5つの類型に入らない「新型インフルエンザ等感染症」にコロナを位置付けたのです。
それから3年が経過し、コロナはさほど恐ろしい病気ではないことがわかりました。アメリカやヨーロッパではすでにコロナは過去のものとなりすっかり日常を取り戻している中、日本は相も変わらず「2類相当」の病気として扱っていましたが、ようやくそれを変えようというのです。
そもそも現在では「発熱、咳、のどの痛み」などコロナが疑われる症状があっても「市販の検査キットを使って自分で判断してください」なのですから2類もなにもあったものではありません。とっとと普通の病気あつかいにするべきなのですから今回の表明には大賛成ですが、その中身は疑問だらけです。「2類」では患者は一定の自由を奪われる代わり医療費は全額公費負担となります。それに対し5類は国家的公権による制限は受けませんが、治療に関する公費負担などの恩恵もありません。しかし、今回は5類に引き下げても入院や検査費用の公費費負担は継続の方針といいますから呆れます。
病気になったら治療費が必要なのは当たり前でしょう。「お金がなくて治療が受けられない人がいたら大変だから」がその理由のようですが、それなら胃潰瘍を治療しても、結膜炎を治療しても、捻挫を治療してもすべてタダでないと辻褄が合いません。なぜ“コロナ”だけが特別なのでしょう。5類にするということとは“普通の病気”だと認めることなのに。さらにワクチンまで無料継続とは。もっともこちらは有料にして在庫がはけなくなるのが困るからなのでしょうが。
さらにおかしいのは5類にするとともに「マスクをしないでもいいよ」と言うつもりだとしているところです。国が2類から5類にしたら、それに合わせてウイルス感染力が弱くなるのでしょうか。もう、やっていること、言っていることが支離滅裂です。何かと言えば「検討、検討」で一向に「決断」せず、少しも事態を進展させない岸田内閣。百歩譲って分類変更には手続き上の問題があり春までかかるとしても、今すぐにでも言える「マスクなんていらない」すら「検討」するなんて・・・。ああ情けない。
●北海道で75歳の看護師の女が逮捕されたというニュースがありました。まず驚いたのは、いくら高齢化社会とはいえ75歳で現役看護師とはどれだけ元気なのでしょう。そして彼女の逮捕理由もまた「元気やなー」というものでした。
この女は法定速度60キロの国道を34キロオーバーする94キロでぶっ飛ばしていたところを速度違反自動取り締まり装置により写真を撮られていたのです。自動取り締まり装置とはスピード違反をしているクルマを撮影し後日出頭を促すものですが、この女は警察からの通知書や電話、さらには自宅訪問まで合計24回の接触をすべて無視し続けたといいますからとんでもない女です。
調べに対し女は写真に写る女性を「私ではない」と容疑を否認しているそうです。わたしも恥ずかしながらスピード違反で写真を撮られたことがありますが、警察に出向いて驚くのはその写真の鮮明さです。スピード違反になるくらいですから猛スピードで走っているにもかかわらず、まったくぶれなくクルマのナンバーと運転しているわたしの顔がバッチリ写っているのです。出頭前に「少しでも不明瞭な部分があれば否認してやろう」と考えていても、瞬時にあきらめ「わたしです」と認めざるを得ません。それなのに頑として認めないとはどういうことでしょう。
世界中にはそっくりな人が7人いるといわれます。本当に写真に写っている女性は逮捕された老看護士なのでしょうか。たとえば彼女に双子の姉妹がいたとしたら・・・。もっとも本当に無実なら逃げも隠れもせず、すぐに出頭して説明したでしょうが。今後警察がどのようにして女を追い詰めていくのか、すぐに降参して「わたしです」と認めた身としては興味津々のニュースでした。
●愛知県警守山署が名古屋市北区に住む37歳の無職の男と、63歳のその母親を県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕したというニュースがありました。ニュースになる迷惑行為防止条例違反といえば、そのほとんどは痴漢やつきまとい、ピンクビラ配布や盗撮などいずれも他人に言えないハレンチなものばかりです。今回の親子がいったい何をしたのかと思ったら、御多分に洩れず「盗撮」。それも女湯ねらいというのです。
女湯を盗撮する場合、その実行役(撮影者)はほとんどが女性です。言うまでもなく、女湯に男が侵入したらそれだけで大事件ですが、女性なら怪しまれることなく撮影できるからです。今回の実行役ももちろん母親で、昨年8月頃から約20回にわたって入浴施設に侵入し脱衣場と浴場で裸の女性を小型カメラを使って盗撮していました。女性が見ても面白くない女湯盗撮を女性が引き受ける理由は「金で雇われて」のほか「好きな彼氏に頼まれて断れず」がほとんどですが、今回の場合はそのどちらでもなく「約20年前から引きこもりがちだった息子が少しでも落ち着くならと思って要求に応じた」というのですから呆れます。
親は子供がいくつになっても惜しみない愛情を注ぐものですが、これほどまでに間違った愛情表現がほかにあるでしょうか。「おかーちゃん、ぼく女の子の裸が見たくてたまらないの」なんて息子が言ったら、普通の親なら横っ面をひっぱたいて「なにアホなこと言ってるんや」とたしなめるものなのに「そうかい、そうかい。おか―ちゃんが何とかしたるから待っとき」とカメラを持ち出すのですから困ったものです。この親にしてこの子あり。親子そろってしばらくは刑務所に引きこもっていてもらいましょう。
●現在、原付バイクと同じあつかいで運転免許を持っている者がヘルメットをかぶって乗っている「電動キックボード」が、道路交通法の改正により今年7月から免許不要、ノーヘルでも罰則なしになるというニュースがありました。
今では当たり前になった自動車のシートベルトもバイクのヘルメットもわたしが子供のころは必須ではありませんでした。それが交通量の増加により事故が増えたことで「国民の安全のため」にルール作りが進んだのです。それ以降、交通ルールに関して規制が厳しくなることはあっても緩められることはほとんどありませんでした。それが今回、大幅に緩和されるというのです。
今回の改正でキックボードの最高速度は免許が要らなくなった代わりに現在の30キロから20キロに下げられることになりました。一見これは安全に寄与するように思えますが、はたして本当にそうでしょうか。サーキットを300キロを超えるレーシングカーが事故もなく走るのは、同じ力量のドライバーが同じ速度で同じ方向に向かって走るからです。また高速道路で事故なく走れるのも全車が一定のスピードをキープしているからです。事故を防ぐうえで一番大切なことはその流れに乗ることです。自動車やバイクが行き交う中に、ノロノロのキックボードなんて事故誘発以外のなにものでもありません。さらに今後は車道だけでなく歩道も走れるようになるなんて意味が分かりません。
車道とは逆に子供や高齢者などスピードの遅い人のいる歩道をキックボードが疾走すれば事故の起きないほうが不思議です。現在、車道や歩道で自転車がらみの事故が多発しているのも同じ理由です。こんなどこから見ても改悪としかいえない法案がよく通ったものです。
「電動キックボード」推進派から利権がらみの強い要請があったであろうことは想像に難くありません。「国民の安全のため」より「自己の利益のため」を優先する国会議員。そして犠牲になるのがいつも国民だと思うと怒りしかありません。自動車を運転する身としては、今回の改正(改悪)でより一層緊張を強いられることになる7月以降のドライブが憂鬱で仕方がありません。なぜなら、わたしは被害者はもちろん加害者にもなりたくないからです。
●国内で承認されていない成分を含むゼリーを販売したとして、医薬品医療機器法違反容疑で東京都荒川区に住むベトナム人夫婦が逮捕されたというニュースがありました。令和の世でもスリムな体型は女性のあこがれのようで、特に若い女性は痩せることにご執心です。最近では最も健康的である「適正体重」のほかに、最もきれいに見える「シンデレラ体重」なんてものもあるようで、どうやら彼女たちのゴールはそちらのようです。
ちなみに160センチの女性の「適正体重」が56キロなのに対し、「シンデレラ体重」は46キロとなんと10キロも差があります。そんな乙女心につけ込んだのが今回の容疑者夫婦です。この2人は「食べたら痩せる」と謳うゼリーをSNSを使って販売していたのです。
このゼリーには未承認の医薬品成分「シブトラミン」などが含まれており、購入者から各地の自治体に健康被害の相談が相次いでいました。購入者によると問題のゼリーを一口食べたところ、すさまじい苦みがいつまでも口に残りそれ以降食欲は湧かなかったそうです。さらにその後、突然激しい動悸を覚え立っていられなくもなったそうです。それでも、販売側から「1日1本。慣れるまで時間がかかる」と説明されていたこともあり、2日に1本のペースで食べ続けたといいますから「シンデレラ体重」に対するすさまじい執念です。
その結果、この女性は12日間で体重が4・5キロ減ったそうで、確かに「食べたら痩せる」は間違っていませんでした。(食欲がなく何も食べなかったら痩せるのは当たり前ですが)しかし、当初の目的は果たしたものの、その代わりに慢性的な動悸や頭痛に悩まされることになり、何よりも大切な健康を失ったのですから哀れなものです。
女性が「美しさ」を求めることを否定はしませんが、「健康」あっての物種です。美人薄命なんて小説の世界だけで十分です。ダイエットは女性だけのものではありません。成人病の原因の多くは肥満によるものですから男性も「適正体重」を維持したいものです。食っちゃ寝生活を続けていた友人の体重が遂に90キロを超えてしまいました。さすがにこれではいけないと考えた彼は一念発起し、朝夕1時間ずつのランニングをすることにしました。しかし10日を過ぎたころからどうも足の調子がおかしくなります。日に日にかかとの痛みが増し、とうとう歩くことさえままならなくなりました。病院での診断結果は疲労骨折でした。ここしばらく頑張って運動していたことを伝える彼に医師が放った言葉がすごかった。
「足が体重を支えられなかったみたいやね。運動するならその前に痩せなさい」 -
2023年1月20日号:ニュースに一言
2023-01-20 13:13102pt●日本では「今日のコロナ感染者は3週連続増加」「1日の死者が初めて500人を超えた」など相も変わらず大騒ぎしていますが、そんな極東の小さな島国を世界はどう見ているのでしょう。
2020年初めのコロナ発生以来、芸能、スポーツの分野では出演者や選手はPCR検査で陰性が確認された者のみがその舞台に立つことを許され、また見る側も無観客あるいは人数制限が施されていましたが、1月16日に開幕した今年のテニスの四大大会、全豪オープンはそれらすべてが撤廃されまったくコロナの影響を受けていません。昨年は同大会通算で9回の優勝を誇るノバク・ジョコビッチ選手が新型コロナワクチン未接種だったため強制送還され出場できなかったことから考えると大きな方向転換です。
出場する選手は新型コロナウイルスの検査を受ける必要がないばかりか、仮に陽性だったとしても出場できるというのです。我が国では先日の高校バレーでもチームの中のたった1人が陽性判定(その後の精密な再検査で陰性になったにもかかわらず)だっただけで、その高校は出場辞退に追い込まれたのですから、その差は歴然です。
全豪テニスがなぜここまで規制を緩めたのか。その答えは簡単です。なぜならオーストラリアでコロナは既に“風邪”以下の扱いだからです。風邪を引いたからといって「あんたは出たらダメ」なんて誰も言わないのと同じように「コロナ陽性だから」は制限の根拠には一切ならないという判断です。昨年日本中が熱狂したサッカーワールドカップをみてもわかるとおり、世界の国々ではコロナは既に過去のものとなっています。街を往く人々のどの顔にもマスクなんて野暮なものはありません。
ここにきて日本でも「いつまでマスクしなければならないんだ」という不満の声が出てきてますが「それはあなたが決めたらいい」のです。多くの国はマスク着用が罰則付きの義務でしたからそれを解除する必要がありましたが、日本はそうではありません。責任逃れ(誰かのせいにする)のために指示を待つのは愚かなことです。全豪オープンの主催者は「具合が悪ければ各自で隔離などの対応をしたらいい」と言っていますが当然でしょう。
「言われるまでもなく自身で判断して行動する」それが成熟した社会の大人の対応というものです。
●自転車で歩行者をはねてそのまま走り去ったとして、東京都大田区に住む79歳の無職の男が重過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕されたというニュースがありました。
この男は通院している病院に自転車で向かう途中、前方を歩いていた70代男性に後ろからぶつかって転倒させ、左太ももの骨が折れる重傷を負わせておきながら救護せずそのまま逃走していたのです。男は調べに対し「病院に行く時間が迫っていた」と説明しているそうですが、そんなものが理由にならないのはいうまでもありません。そもそも自転車をかっ飛ばして通行人にけがをさせ、そのまま一目散に逃げるほど元気がありながら「病院に・・・」もなにもないでしょう。
可哀そうにそのまま放置された被害者は約1時間後に、道にうずくまっているところを通行人に発見され病院に搬送されましたが、驚くことに被害男性も加害者と同じ病院に行く途中だったことがわかりました。そのうえ救急搬送された先も当初向かっていた病院だったといいますから、すこぶる狭い範囲で完結した事件です。
もちろん無事にというわけではありませんでしたが、紆余曲折の末、最終的に全員が目的地に辿り着いたのです。超高齢化社会の現代で、何もなければ同じ空間にいたとはいえ挨拶さえ交わすこともなかった2人の同じ病院に通う高齢者が、1つの事故で加害者と被害者というまったく逆の立場となった、なんとも考えさせられる事件でした。
●インド・ベンガルールの空港で、搭乗するはずだった乗客の一部を滑走路上に停めたシャトルバス内に取り残したまま旅客機が出発してしまったというニュースがありました。
現在、世界中の空港で搭乗客は待合室から飛行機まで蛇腹状に伸びる「ボーディング・ブリッジ」と呼ばれる設備を通って移動します。これにより雨が降っていても濡れることなく搭乗できるのですが、すべての旅客が対象になるわけではありません。「ボーディング・ブリッジ」に対応できない小型機の場合は、滑走路の端に止めた飛行機までバスで移動しタラップを昇らなければなりません。また、対応可の大型機だったとしてもその航空会社が空港使用料を値切るなどした場合「それなら、近くに停めることはまかりならん。空港の端の方を使っとけ」とブリッジを使えない場所に飛行機を停めることになります。
今回のニュースの飛行機もあらゆる経費を削減し、低価格で運航する格安航空会社「ゴーファースト」社のものでした。ニューデリー行きの便に乗る予定の乗客55人は手荷物を預け出発ゲートから飛行機に向かうバスに乗り込みました。ところがバスがタラップの傍らに到着する前に、だれも「ゴーファースト」なんて言っていないのに飛行機が滑走路を走り出し飛んで行ってしまったのですからわけがわかりません。
日本では、機内で出発時間を過ぎても動かないことを不審に思っていると「あと1人のお客様を待ってます」とアナウンスが流れることがあります。日本の航空会社は全ての乗客の人数、座先を事前に把握しており、その席に全員が座っていなければ出発準備完了となりませんので、待合室に残っていないか機内のCAと地上係員が連絡を取り合い捜すことになります。それなのに55人も足らずによく「出発準備完了」となったものです。
CAがガラガラの機内を見てなんとも思わなかったのが不思議です。ほとんどの交通機関が定刻通りに運行されないと揶揄されるインドだけに、汚名返上とばかりに「定時出発」にこだわったのでしょうか。そうだとしても客を乗せていないのでは“旅客機”ではありません。航空会社はよく利用してくれる、いわゆる「お得意さん」に対し空港ラウンジを開放する、キャンセル待ちの順番を先にする等の優遇を用意しています。その中のひとつに「優先搭乗」があります。これは機内の準備が整うまで待機する待合室から、一般客に先駆けて機内に案内されるものです。飛行機は予め座席が決まっていますので、先に乗った人が“いい席”をとることもなく、ましてや早く乗ったからといって目的地に早く着くわけでもないのですから、「優先搭乗」にどれほどの意味があるのかわかりませんが、それでも「優先」という言葉がうれしいのか、案内アナウンスが流れるとすぐに多くの人が立ち上がり搭乗ゲートに向かいます。
この「優先搭乗」はバスを使う場合にもありますが、これがなんとも滑稽です。出発ゲートを出たところにあるのはバスです。たしかにバスには“先”に乗れますが、肝心の飛行機には最後にバスに乗り込んだ一般客から乗り込むのですからとんだ「優先搭乗」です。どうみても「優先乗車」でしかありません。
●1月18日、東京都営地下鉄大江戸線で「女性専用車」の運用が始まりました。都営地下鉄では2005年の新宿線に続く2路線目だそうです。首都圏や近畿圏など人口過密地域の列車には、当たり前のように「女性専用車」が設けられています。この車両はラッシュ時における満員電車内での痴漢行為を防ごうと始まったもので、その起源は1912年(明治45年)1月31日に当時の東京府の中央線で朝夕の通勤・通学ラッシュ時間帯に登場した「婦人専用電車」だとされています。
卑劣な痴漢からか弱い女性を守る「女性専用車」の存在に異論はありませんが、初登場してから110年で社会状況は大きく変化しました。なによりも女性の社会的地位が向上し、あらゆる場面で男性と差をつけることが禁じられています。時代が変わろうと男は男、女は女と考えるわたしは「生物学的に体力で劣る女性は男性に守られて然るべきだ」と思うのですが、そんなこと言おうものなら「女性蔑視だ」と叱られかねません。「劣る」「弱い」「低い」などのネガティブな言葉は、その本意がどこにあろうと「差別」に結び付けられてしまうのです。そんな“平等主義”の現代に女性限定の「女性専用車」とは。
毎日ラッシュ時に通勤している友人は、空席の目立つ「女性専用車」を横目に、いつも満員の一般車両に立っているとこぼします。彼は「男性専用車」がないのは差別だといいますが、元が男が原因の痴漢対策だけにあまり説得力はありません。しかし、よく考えてみれば痴漢が狙うのは女性だけではなく、男性が好きな痴漢もいます。さらに“見た目”で決めつけてはいけないLBGTの人々の権利も認めなければなりません。今後「女性専用車」は“心身共に女性”“身体は女性だが心は男性の座りたい人”“体は男性だが心は女性”“男が怖いか弱い男性”で満員になるかもしれません。
ちなみに鉄道会社の見解は自身が女性だと認識していれば「女性専用車」へ乗車できるそうです。
●海外旅行に必要なものといって最初に思いつくのはやはりパスポート(旅券)でしょう。これは自身がどこの国籍であるのかを示すもので、いわば国際的な身分証明書です。それ対し、ビザ(査証)は行きたい国の領事館等が発行する入国許可申請を行う際に必要な書類です。ですから渡航には出国するためのパスポートと「あなたは我が国に入国してもいいですよ」というビザが必要になるのです。
しかし必ずしもビザが必要かというとそうでもなく、いわゆる「ビザなし渡航」出来る国もあります。イギリスのコンサルタント会社がビザなし渡航できる都市が最も多い国・地域ランキングで日本が5年連続で第1位になったと発表しました。これは国際航空運送協会(IATA)のデータをもとに、199ヵ国・地域のパスポートを比較・集計したもので、1位の日本は世界227都市のうち193都市にビザなしで渡航することができます。以下、2位は韓国とシンガポールの192都市、3位はドイツとスペインの190都市と続き、アメリカは186都市で7位となっています。
一方、いまやGDPが世界第2位で有数の経済大国となった中国は我が国の半分にも満たない80都市の66位です。ビザとは簡単にいえば、その国・地域に入国しようとする人を事前に判断する「身元調査」のようなものであり、その人が入国しても問題ないという証拠です。それを必要としない「ビザなし渡航」ができるパスポートとは「その国の国民すべてを信用しています」の証明にほかなりません。ですから日本人は世界で最も『信用できる国民』というお墨付きをもらっているのです。これはひとえに戦後一致団結して底辺まで落ち込んだ経済を復興させ、また世界各国と誠意をもって接し信頼関係を築いてきた日本人がいたからにほかなりません。今わたしたちが自由に世界中を旅できるのも、すべてはそんな先人たちのおかげだと考えると感謝しかありません。
それに比べて中国人の可哀そうなこと。急激な経済成長を追い風に2015年頃から世界中を旅行するようになった中国人ですが、多くの国から「あんたは信用できない」と言われ入国を拒否されているのです。いくら金持ちになったところで自由に使えなければ宝の持ち腐れです。そのため、中国人の中には自由に世界中を訪れることの出来る日本のパスポートを手に入れたいがために日本国籍を取得しようとする不届き者もいますが、そんな“エセ日本人”に日本国のパスポートを使って日本の評判を落とされるなんて堪ったものではありません。
今日も南の海では中国船舶が日本の領海を我が物顔で航行していますが、言うまでもなくビザは発給していません。 -
2023年1月15日号:ニュースに一言
2023-01-15 16:56102pt●昨年7月に当選した参議院議員125人の資産が公開されたというニュースがありました。国会議員はその地位を利用し不適切な利益を得ていないかを有権者がチェックできるよう(たとえば5千万と報告していた資産が急に2億になったら「こいつ、なんかやりやがったな」という具合に)個人の資産を報告することが義務付けられています。ですからこの制度は議員にとって自らの清廉さを証明できる歓迎すべきシステムのはずですが、逆に毎回つっこみどころ満載なものとなっているのは残念なことです。
記事によりますと最高は福島選挙区選出の自民党議員で29759万円、最低は資産0の19人で平均は2535万円となっていますが、こんなもので納得すると思われるなんて国民もなめられたものです。なにしろ全体の15%にあたる19人が資産0なんて誰が信じますか。30年間引きこもり続けた無職のプータローが当選したのではありません。全員がそれなりの職業(もちろん再選者もいます)に就いていて一文無しなんて有り得ません。なにかといえば「政治には金が掛かる」というくせに、こういうときだけ恥ずかしげもなく「0でーす」なんて呆れます。
しかし、これは議員たちがウソをついているのではありません。公開の義務があるのは議員名義の定期性預貯金の総額と、こちらも議員名義の土地、建物の固定資産税の課税標準額合計で、ご丁寧にも株式は除くとなっているのですからいくらでも誤魔化せるのです。どれだけ土地や建物をもっていても嫁さん名義なら0。銀行にたんまりと預けていても普通預金なら0。買ったときの10倍に暴騰していても株だから申告の必要なし。その結果、必死になって定期を解約し普通口座に移したのでしょう、なんと全体の7割弱の82人が預貯金なしと回答するのですから彼らの作ったこのルールがいかに自分たちに都合のいい、いい加減なものだったかが分かります。こんなもので「ちゃんとやってます感」をだされるくらいなら、やらないほうがましです。
他人に懐具合を探られるのはいい気はしないでしょうが、対象者は国会議員です。国民の範にならなければならない立場だという覚悟が無いのなら国会議員になんてならなければいいのです。おもしろいのは今回の高額資産TOP10のうち7人が新人議員だったことです。多分初めての事で要領がわからず正直に報告したのでしょう。議員生活になれた彼らが次回どういう報告をするのか楽しみです。
●日本で最もポピュラーな電話番号はなんといっても警察に対する緊急通報ダイヤルの110番でしょう。1月10日は110番の日でした。本来なら警察も「110番はあなたの味方」と緊急時のためらいのない通報を呼びかけたいところでしょうが、常識のない市民のために「なんでもかんでも110番はやめて」とまったく逆のことを言わなければならないのは困ったものです。
静岡県警に2022年1月から11月までに寄せられた110番通報は約19万9000件で、このうち〝不要不急〟と判断された通報は、実に約5万7000件と全体の3割近くに上ったそうです。その中身は「コンビニに携帯電話を忘れてきたので、その店の電話番号を教えてほしい」(どこのコンビニやねん、そもそも番号案内は104や)「家の前に動物の死骸が」(落語・鹿政談なら打ち首になるぞ、さっさと自分で片付けろ)から「テレビが映らない」「間違ってシンクの下に飼い猫が入ってしまった」(知らんがな)まで警察に関係のものが目白押しです。挙句の果てに「便が出ない」と毎日相談してくる人までいるそうで、これではまるで「町のよろず相談所」です。
わたしがまだ小学生の頃、親が言うことを聞かない子供を叱るとき「巡査に言いつけるで」が常套句だったほど警察(警官)は恐い存在でしたが、これほどまで令和の世に警察が身近な存在になったなんて・・・、喜ぶべきか悲しむべきか。110番は電話がまだダイヤル式だったころ一番短時間で戻る「1」を2回と、間違いを防ぐために逆に最も遠い「0」を組み合わされました。0にはつながるまでの間に言うべきことを整理しろという意味合いもあります。
市民の生命、財産を守る警察の業務を妨げることは、市民が自分の首を自分で絞めているのと同じですから絶対に避けなければなりません。なにも難しいことはありません。110番通報では最初に「事件ですか、事故ですか」と聞かれます。そのとき即座に答えられないものは不要不急ということです。と言ったところで、いままでなにも考えずに110番してきた人は今後も犬の死骸を見つければ「犬の『事故』発生」、うんちがでないのも「わたしにとっては大『事件』」と意に介さないのでしょうが。
●兵庫県加古川市でボランティアポイントをちょろまかしていた男がみつかったというニュースがありました。この男は70代の男性警備員で、業務で訪れた小学校の玄関に設置された端末で2019年3月~2022年11月の3年9カ月にわたり約5万5千円分のポイントを不正に得ていました。
最近ではコンビニで買い物をするたびに、携帯料金を払うたびに、電車に乗るたびになど、あらゆる場面でポイントが付与されます。そのほとんどが「お得意様への還元」という名目ですが、その実「顧客の取り込み」なのは明らかです。まあ、客側としては最初に自分が支払ったものが戻されるだけにせよ「まけてもらった感」があるのは嬉しいものです。そんなポイントですが、ボランティアポイントとは聞きなれません。
加古川市では社会活動を活性化させるため、2016年12月から登下校の見守りや図書の読み聞かせ、花壇整備、健康づくり体操や地域清掃への参加などのボランティア活動に対し、飲食や買い物に利用できる「かこがわウェルピーポイント」を付与しているそうです。わたしはボランティアとは無償(見返りを求めない)奉仕だと思っていましたので、自治体が特典をつけ「ボランティア」を推進しているのに驚きました。
そういえば最近では有償ボランティアなんてものまであるそうですが「有償ボランティア」と「仕事」のどこが違うのか今一つよくわかりません。今回の男の職業は警備員ですから登下校の見守りのプロです。さらに業務のために訪れた学校でとあるのですから、それはもう完全に「仕事」でしょう。まあ、健康づくり体操なんて社会貢献と関係のないものまで対象になっている時点で随分といい加減なもののような気がしますので、あまりそこにこだわる必要もないのかもしれませんが。不正の発覚は端末のエラー表示によるものでしたが、もしエラーがでなければずっと不正を続けていたことでしょう。
市が男のカード履歴を調査すると、ボランティア活動をしていないのに付与されていたのが計1105回と、男がせっせと不正取得に励んでいたことがわかりました。きっと、これこそが男にとっての「ボランティア」いや「仕事」だったのでしょう。
●昔は「日曜大工」と呼ばれた家の棚付けなどの自身で行なう造作工事も、最近では「DIY」なんていうオシャレな呼び方に変わっています。そしてその内容も器用な人になると以前はプロしか出来なかった「床貼り」や「ドアの交換」までやってしまうそうです。それが可能になった一番の要因はホームセンターができたことでしょう。ここにはあらゆる日用品や家電製品、ガーデニングのための花や樹木から池を作る材料まで並んでいます。もちろんコンパネや垂木など家を形作る材料も用意されています。いわばホームセンターは何でも手に入る現代の打ち出の小槌のようなものです。しかし、すべての材料が揃ったところで持って帰れなければどうしようもありません。買った物の中に3メートルもの長さの材木があったときなど困ります。そんなときに重宝するのがどこのホームセンターにもある「トラック貸し出しサービス」です。買った商品を運ぶと言えば、免許証を見せるだけで、それも無料でトラックのキーを預けてくれるのですから安心して商品選びができます。
去年10月に酒を飲んでひき逃げ事故をおこしたとして、福岡県みやま市に住む69歳の男が逮捕されたというニュースがありました。この男は酒を飲んで軽トラックを運転し、赤信号で停車中の乗用車に追突して運転していた20代の男性に首の捻挫などのケガを負わせていたのです。ひき逃げ事故が発生すると警察は現場に残された車両の破片やタイヤ痕から加害車両を特定しますが、今回はそんな必要はありませんでした。なぜならぶつかった軽トラックには大きくホームセンターの名前が書かれていたのですから。被害者がそれを覚えていたため警察がホームセンターに張り込み、20分後に戻ってきた容疑者を捕まえたということです。その際、男の呼気からなんと基準値の7倍のアルコールが検出されました。
ところが男が警察に「追突して相手にケガをさせて逃げたことは認めるが、酒は飲んでいない」なんて言い出すものですからわけがわかりません。男の言い分はホームセンターに戻ってきてその駐車場で飲んだというのです。ぶつけたときに酒を飲んでいなければ飲酒運転にならないと精一杯知恵をしぼったのでしょう。そんなもの「何、アホなこと言ってんねん、酒を飲んでいたから逃げたんだろうが」と一蹴すればいいものですが、証拠至上主義の法律がある以上そうもいきません。そのため裏付け捜査に時間を要し事故から逮捕まで2ヶ月もかかったようです。男の処分はこれから決まりますが、もう逃げも隠れもできません。しっかりと責任をとってもらいましょう。それこそがDo It Yourself(自分自身でする)なのですから。
●1月10日から旅行割が再開されたというニュースがありました。旅行割とは全国旅行支援のことで、政府の財政支援を受けて各都道府県が実施する観光需要喚起策です。簡単に言えば「国が旅行費用の何割かを負担してあげますから、みなさんどんどん旅行に行ってください」というものです。
2020年から始まったコロナ騒動で湯水のごとく税金をばら撒き、挙句の果てに国の存続に関わる防衛に使う予算が足りないから増税だという今、まだ一部の人の“お楽しみ”に税金を使おうとするのですから呆れます。確かにこの3年間のコロナ禍で観光業界が大打撃を受けたのは間違いありません。百歩譲ってそこを救済するためだとしても、打撃を受けたのは観光業界だけではありません。あらゆる業界が疲弊し、日本経済は一気に冷え込んでいます。旅行に行ける人は“時間”と“お金”に余裕がある人です。多くの国民が収入を減らす中、「さあ、旅行割で旅行に行こう」となるのは年金暮らしの高齢者か大金持ちくらいでしょう。困っている人を助けないで、コロナの影響が最も小さかった人を支援だなんて明らかに予算の使いどころが間違っています。
さらに宿泊施設の中には「旅行割」を見込んで、その分の料金を上乗せしているところも多く、国民が支払う金額は「旅行割」があろうとなかろうと変わりません。支援なんて言ったところでそれは利用者のものではなく業者サイドのものにほかなりません。否、百歩譲ってそれでも「旅行割」が国民のコロナによる閉塞感を打破するきっかけになるというのなら、その前にコロナを一般的な感染症扱いの5類に落とすべきです。片方で重篤な感染症である2類にとどめておき、さらに感染が拡大していると脅しながら「さあ、旅行に行こう」なんて支離滅裂です。
そして最もわけが分からないのが対象者を「ワクチン3回接種済」としているところです。多分、感染者が旅行という“移動”でウイルスを撒き散らすことを懸念してのことでしょうが、当初の「2回接種でコロナ克服」なんて嘘っぱちでいまやワクチンによるコロナ予防効果がないのは周知の事実です。百歩譲って「それでもワクチンをうった方が未接種より感染しない、重症化しない」だとしても、3回じゃダメだから4回、5回うてと躍起になっている中での“3回接種でOK”では辻褄が合いません。
こんな矛盾だらけで一部の利権者のための政策は即刻やめるべきです。いずれにせよ、ワクチンを1回も接種していないわたしには「旅行割」はまったく無縁のもので、ここまで三百歩も譲ったところで何の恩恵もなく、普段より3割ほど料金を上乗せされた東京のホテルでこのコラムを書いています。 -
2023年1月6日号:ニュースに一言
2023-01-06 07:00102pt2●静岡県裾野市の保育園で園児を虐待していた3人の女性保育士が逮捕されたというニュースがありました。
この3人は親が全幅の信頼の上に預けた子供たちに対し「足をつかみ宙づりにする」「ロッカーに入って泣いている様子を携帯電話で撮影」「丸めたゴザで頭をたたく」などの“暴行”を加えていたのです。そして驚いたのは彼女たちが1歳児クラスの担当だったことです。1歳といえばやっと歩けるようになり表情も豊かになる“可愛い”だけですべてが許される年頃です。親から離れて初めて“社会”に出て、見るもの聞くものすべてを吸収する、そんな幼児にもっとも避けなければならない恐怖を与えるなんて、とても人間のすることではありません。
虐待を知った保護者からは「毎朝、登園する時に大泣きして『やだ、やだ』って言っていた」なんて証言もあり、言葉でうまく伝えられない中での精一杯の抵抗だったと思うと涙が出ます。この鬼畜のような3人の女性保育士を絶対に許せないのはもちろんですが、さらにこの事実を園長が隠ぺいしていたと聞いて怒りしかありません。この園長は8月1日に虐待の事実を知りながら、他の職員に「外部には漏らしません」との誓約書を書かせるなどして3ヵ月以上も本当のことを保護者に伝えていませんでした。なにしろ被害者がその事実を伝えられない幼児ですから、現場を見ていた職員さえ丸め込んだら「無かったこと」に出来ると考えたのでしょう。納得できない職員が市に通報しようとすると「それだけは勘弁してくれ」と土下座までして阻止したといいますから呆れます。
まっさきに土下座しなければならない相手は幼児や、その保護者でしょうに。結局、裾野市への通報で事実が公になりましたが、よくぞ勇気をもって真実を伝えてくれた職員がいたものです。場合によっては職を失いかねないのに決断した、その「こどもを想う気持ち」には敬意を表します。
職業を選ぶ理由は「給料が高いから」「安定しているから」「社会的に認められているから」などいろいろですが、保育園、幼稚園、学校に関わる仕事に就く人にはなにを置いても「子供が好きだから」を第一にしてもらいたいものです。また、採用する側もペーパーテストの点数などではなく、その部分を最重要視するべきです。
●千葉市内で勤務先の高校の女子トイレに侵入し、小型カメラで学校関係者の女性を盗撮していた36歳の男性国語教師が迷惑防止条例違反などの疑いで逮捕されたというニュースがありました。
この男は校内の女子トイレで個室内の水道タンクの下にあるコンセントにプラグ型の盗撮用カメラを仕掛けていたのです。コンセントにプラグが刺さっているのは当たり前ですからバレることはないと思ったのでしょう。しかし、そこに入った女性教諭が不審に感じ通報したものですから大変です。駆け付けた警察はすぐに盗撮のためのカメラだと気付き「校内に変質者がいる」と大騒ぎになりました。その状況に恐れをなした男は観念し「大変なことをしてしまった」と警察に出頭したのですが、「扉の隙間から思わずスマホを差し入れる」のと違い、事前にプラグ型カメラを用意するなど綿密な計画の上での犯行なのは明らかです。
調べに対し「女性が用便する姿を撮影する目的で小型カメラを設置した」「仕事によるストレスやプレッシャーを発散するためだった」と容疑を認めているそうですが、見つかった途端にビビッて出頭するような小心者の男です。そのときの「だれにも見つからずに設置出来るか」の方が仕事上のプレッシャーよりよほど強いプレッシャーだと思うのですが、よく平気な顔をして女子トイレに忍び込めたものです。変質者の精神構造はつくづく理解できません。
本人はストレス解消のつもりだったとしても逮捕により自身の性癖が周囲に知られてしまい、今後は今まで以上のストレスを感じる日々となるでしょう。自業自得とはいえ哀れな男です。
●厚生労働省が「生活保護を受けながら大学に進学することは認めない」という方針を今後も継続することにしたというニュースがありました。この発表は「いまと比べて格段に低い進学率だった1963年に旧厚生省が出した通知が根拠のこの決まりは、多くの若者が高等教育を受ける現在にはそぐわない」「このルールは向学心のある貧困世帯の子供の将来を阻害している」という声が繰り返し出されたことに応えたものです。
生活保護は「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と憲法にあることから保障されるものですが、大学進学が“最低限の権利”であるかは疑問です。現代は大学全入時代といわれ希望すれば全員が“どこかの”大学に入れます。ひとくちに大学といってもピンからキリまであり、中にはアルファベットすらまともに書くことができない中学生程度の学力でも合格できるところもあります。そんなところの学生は、入学後に必死になって勉強することもなく4年間をただ遊ぶことのみに費やすのです。「大学進学もOK」となれば、そんな学生を生活保護のお金(税金)で遊ばせることになるのですから真面目な納税者の反発は必至で、今回の厚労省の判断は妥当なものでしょう。
そもそも生活保護は「働きたくても働けない人」に対して給付されるものですから、大学に行く元気があるならまず働くべきです。実際、生活保護を受給していない貧困家庭の子供が進学をあきらめ就職するケースは普通にあります。そんな子が生活保護を受けながら大学という名の“レジャーランド”で遊んでいる学生を見たらどう思うのでしょうか。「僕の必死に働いて納めた税金をそんな奴のために使って欲しくない」と思うでしょう。
納税制度の大前提は不公平感のないことです。それでもなお親の貧困が子供に連鎖するのは絶対にまかりならぬというのなら、本当に優秀な学生にのみ特別枠で返済不要の奨学金を支給して学ばせればいいのです。その優秀さが将来、「日本国の役に立つ」と考えたら誰も文句を言わないでしょう。これは差別でもなんでもありません。「働くのは嫌」「努力も嫌」でも「権利は守れ」なんて虫のいい話はないと言っているだけです。
それより問題なのは、日本人の子供が学費に苦労する一方で、海外からの留学生には学費全額免除だけでなく、生活費まで面倒見ていることです。現在、留学生の約半数が中国からの学生です。彼らの母国が今、我が国の南で何をしているか。中国人留学生は日本人の働いた金で学び、知識や技術という何物にも代えがたい土産を持って帰国します。そしてそのあとは、その土産を母国のために使うのですから彼らへの投資は「日本国の役に立つ」どころか「日本国を脅かす」ことになりかねません。「留学生は国と国との懸け橋」なんて理想はかの国には通用しません。お人よしも大概にしてもらいたいものです。
●「虎の威を借る狐」・・・福岡県北九州市の43歳の男性職員が軽犯罪法違反の疑いで書類送検されたというニュースがありました。
この男は今年9月、北九州市内で前を走る車が停まったり進んだりを繰り返していたことに腹を立て、クラクションを何度も鳴らすなど“あおり運転”をしていました。その後、無理やり前の車を停止させ運転していた33歳の男性に対し「どんな運転をしているんだ」「私は警察官だ。免許証を見せなさい」と言って、本物の警官でもないのに運転免許証を提示させたのです。免許を差し出した男性もさぞかし驚いたことでしょう。まさかあおってきた相手が警察官だったなんて。
男の態度に不信感を抱いた男性の車の同乗者が「変な男にからまれている」と110番通報したことから事件が発覚しましたが、男は取り調べに対して「運転手は高齢者だと思っていたら、20代に見えて驚いた」などと供述しているということです。なんと男は相手が高齢者だと思って“かまし”に行ったところ、実際には若い男性だったため怖くなりとっさに警察官を装ったというのです。なんという仕様もない男でしょう。百歩譲って正しいか間違っているかは別にして、自身の考えを意見として言うことはいいとしましょう。しかし、それが相手によって変わるようなら、ましてや女子供や高齢者など自分より弱い人間にしか言えないのなら、その時点でそれは自己満足のためのはけ口に過ぎません。
今回の件で「気の短いチキン野郎」とバレてしまった市職員の男。これからどんな顔をして職場で仕事をするのやら。ところで、あおり運転をするパトカーでもない普通の車から降りてきた私服の男に素直に免許を見せた、停まったり進んだりしていた車の運転手さん。この人の目的はいったい何だったのでしょう。
●サッカーワールドカップで日本代表は見事に予選リーグを突破し、16チームによる決勝トーナメントに進出しましたが、悲願のベスト8を賭けた初戦でクロアチアにPK戦の末敗れ、残念ながら夢は次回に持ち越しとなりました。わたしはサッカーに関してはまったくの素人で技術的なことは一切わからないこともあり、開幕前はあまり関心を持っていませんでした。それでもせっかくのワールドカップだからと予選リーグの1試合目、ドイツ戦をテレビ観戦することにしました。戦前の予想ではどの解説者も「ドイツは強い。なんとか引き分けに持ち込み勝ち点1を」ばかりです。果たして、前半の戦いを見ていると日本選手はドイツ選手が回すパスの後ろを追いかけるばかりで「これじゃあ得点されるのも時間の問題や」としか思えません。敗戦を覚悟してテレビの前を離れました。ところがです。後半に入ったとたんに日本代表は一気に攻勢にでて遂には逆転勝ちするのですから勝負はわかりません。
素人目に“全然攻めていない”と映っていたのは、実は“守りに徹していた”だけだったのです。そうなると日本中ににわかファンがあふれ、俄然ワールドカップは盛り上がってきました。そして迎えた2戦目の相手はコスタリカです。解説者は初戦とは打って変わって「ただ勝つだけじゃダメ。大量得点を狙おう」と楽勝ムードです。わたしも1戦目の勝利を見逃した反省から一歩も席を離れないで済むように飲み物食べ物を準備しテレビの前に陣取りました。試合は終始日本ペースで進み、あとは得点を待つばかりです。・・・「ゴール!!」やっと聞いたその叫びはコスタリカのものでした。何本もシュートを打ちながら無得点の日本に対し、たった1度のチャンスを生かしたコスタリカが勝つのですから勝負はわかりません。
お祭り気分だった日本中が最終戦を前に一気に静まり返ってしまいました。それもそのはず最終戦の相手は強豪スペインだったからです。誰もが「せっかくドイツに勝ってもう少しだったのに」と予選突破をあきらめた雰囲気です。わたしも試合時間が早朝だったこともありテレビのスイッチを入れることはありませんでした。ところがです。朝、起きると日本中が「ニッポン、ニッポン」と大騒ぎです。絶対に勝てないと思われたスペインにわが日本代表が勝つのですから勝負はわかりません。この試合の決勝点は場外にこぼれ出たと見えたボールがVARによって有効と認められたものを、最後まであきらめずに押し込んだものでした。
VAR・・・この聞きなれない言葉はAIが選手やボールの位置を見張ってファールか否かを判断するものです。そのため試合球の中には内臓チップ埋め込まれており、常に正確にその位置が測定されているといいます。それにしても世界レベルの選手が思い切り蹴るボールです。よく壊れないものです。近代技術の粋が日本の勝利を見事にアシストしてくれました。
日本のワールドカップは12月6日、一足先に閉幕しましたが、今大会で日本サッカーへの認識を新たにした人も多かったと思います。素人玄人を含めてほとんどのサッカーファンは「サッカーといえばブラジル、フランスも強いよ、いやアルゼンチンでしょう、ドイツも忘れては困る」というようにかつてのイメージを引きずっていたのでしょう。しかし選手たちは違いました。ドイツ、イタリア、スペインなど海外の強豪チームでプレイする彼らの認識は日々アップデイトされ、日本代表の実力を冷静に判断したうえで“いける”と信じていたのです。今回ほど“一喜一憂”“手のひら返し”の連続する大会は初めてでした。サッカーワールドカップは世界を巻き込むお祭りともいわれます。日頃は日の丸、君が代を毛嫌いする連中の雑音が聞こえなかったのはなによりでした。また「ルッキズム」が非難される中、連日紹介される各国の美人サポーター映像にも誰も文句を言いません。お祭りはやはりこうでなくっちゃ。・・・以上、サッカーど素人のにわかファン代表、百田尚樹のワールドカップ観戦記でした。
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【本日は番組をお休みします】
2023-01-02 07:00いつも百田尚樹チャンネルをご覧頂き、誠にありがとうございます。本日、1月2日の配信はお休みします。楽しみにしてくださった皆様大変申し訳ございません。新年最初の放送は1月9日です。今年度も皆様よろしくお願いします。百田尚樹チャンネル運営スタッフ
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