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2015年10月の記事 10件

ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第四回

★【皆さんにお願い】 この作品の著作権は百田尚樹にあります。したがって、このテキストを作者に無断でネット上にアップしたり、メールで拡散したりする行為は、著作権法違反にあたります。くれぐれもそのような行為はお慎み下さるようお願いいたします。 ※(著作権を故意に侵害した者は、一〇年以下の懲役または一〇〇〇万円以下の罰金に処せられます) 『カエルの楽園』       4    ナポレオン岩場でローラと別れて池の近くに戻ったソクラテスとロベルトは、岩場で見たことを話し合いました。 「やっぱり、この国のカエルたちの考え方は尊敬に値する」  ロベルトの言葉に、ソクラテスは答えました。 「たしかに、不思議な考え方だけど、魅力的だ」 「魅力的? そんなものじゃないだろう。俺はカエルたちの思想の究極に行き着いたものだと思う。ソクラテスもそう思わないか」 「いや、少し待ってくれ。ぼくにはまだこの考え方は深すぎて、すぐにはついていけないんだ」 「何を言ってるんだ。目の前にこんな素晴らしい実例があるのに、まだ理解できないなんて――。『贖罪の歌』はお前も聞いただろう。『原罪』を背負い、すべてのものに向かって謝る思想というのは、もはや思想を超えた美とも言えるものだよ。そして、ただ美しいだけじゃない。それを確固としたものにする力がある。それが『三戒』だ。お前も南の崖を見たじゃないか。あのウシガエルが崖を登るのを諦めたんだぜ。あれが『三戒』の力でなくて何だ」 「『三戒』の素晴らしさはぼくも認めるよ。でも、ウシガエルが崖を登ってこないのは、本当に『三戒』のせいだろうか」 「ほかに何があるって言うんだ?」  そう言われると、ソクラテスには何も答えられませんでした。 「とにかく、この国は何もかも素晴らしいんだよ! ナパージュ、万歳だ!」 

ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第四回

10月23日号:ニュースに一言

●福岡市の救急出動件数が2014年に7万968件となり、政令指定の21都市中8番目に7万件を突破したとのニュースがありました。 記事の内容をよく読んでいくと現在の救急搬送の驚くべき実態がわかりました。「救急車は無料?」「救急車なら病院で待たずに診てもらえるのか?」などの問い合わせはまだ、かわいい方で「明日の朝、病院までお願いします」と、まるでタクシーを予約するような電話まであるといいますから空いた口が塞がりません。 一年で7万件を超えるということは、1日あたり200件です。いくらなんでも多すぎます。 件数の増加要因としては高齢化や人口増もあるかもしれませんが、不要不急の依頼も随分と増えているようです。隊員が現場で「安易な要請」と判断した事例は約2600件にも上ったといいます。そのせいもあり、救急車が現場に到着するまでの平均時間はどんどん遅くなってきています。 みなさん、想像してみてください。あなたの大切な人が目の前で血を吐きながら苦しんでいます。あなたには救急車を呼ぶことしかできません。つながった電話口の向こうから「すみません、今、救急車は全部出払ってますので、ちょっと待っててください」と言われて我慢できますか。でも、実際に1日200件も出動していれば、こういう事態になる可能性は十分にあります。 

10月16日号:ニュースに一言

●兵庫県尼崎市で起きた死亡ひき逃げ事件で、大阪地検は16歳の少年を「車を制御する技術がないのに走行した」として『未熟運転致死罪』で起訴する方針を固めたことがわかりました。 最初にこのニュースを見て「あれっ、16歳なら無免許運転なんじゃないのかな、無免許なのだから未熟に決まっているじゃないか」と思いました。だのになぜ『未熟運転致死罪』などという聞き慣れない罪名になるのか気になり少し調べてみました。それによると危険運転致死傷罪という飲酒など5つの原因に分類される通常よりも刑罰が重くなっている罪があり『未熟運転致死罪』もその中の一種だということがわかりました。事故原因が運転者の責任が重大だと判断された時に、危険運転致死傷罪は適用されるようです。 今回の件も少年が「(事故当時に乗っていた)ワンボックス車のような大きな車は運転したことがなかった」と供述し、防犯カメラにも事故の状況が映っておりそれを検証した地検が少年の運転技術が極めて未熟だったと判断したものです。しかし、もし事故車両がワンボックス車でなく、もっと小さな少年が運転したことのある車種だったらこの罪は適用されなかったのかもしれないと知って呆れてしまいました。  

百田尚樹のテレビでは伝えられない話

ベストラー作家・構成作家の百田尚樹が、仕事・政治・プライベート等、様々なジャンルについて語ります。このメルマガでは、「メインコーナー」と毎回その週に報じられたニュースを切る「ニュースに一言」の二部構成でお届けします。

著者イメージ

百田尚樹

1956年2月23日生まれ、大阪市東淀川区出身。 在学5年目で大学を中退した後は、放送作家の道へ進み、「探偵!ナイトスクープ」、「大発見!恐怖の法則」、「世界痛快伝説!!運命のダダダダーン!」(ABC)などの番組構成を手掛ける。2006年、50歳のとき『永遠の0』(太田出版・講談社)で小説家としてデビュー。2010年、『ボックス!』(太田出版・講談社)が映画化。2012年、『海賊と呼ばれた男』(講談社)で2013年の本屋大賞を獲得。2013年、『モンスター』(幻冬舎)、『永遠の0』が映画化。『永遠の0』は翌年、第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ8部門で最優秀賞受賞。

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