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記事 10件
  • ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第五回

    2015-10-30 07:00  
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    ★【お知らせ】今週は特別に「カエルの楽園」だけ配信致します。「ニュースに一言」の配信はありませんので、ご注意ください。★【皆さんにお願い】
    この作品の著作権は百田尚樹にあります。したがって、このテキストを作者に無断でネット上にアップしたり、メールで拡散したりする行為は、著作権法違反にあたります。くれぐれもそのような行為はお慎み下さるようお願いいたします。
    ※(著作権を故意に侵害した者は、一〇年以下の懲役または一〇〇〇万円以下の罰金に処せられます)

    『カエルの楽園』
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     ハンドレッドによれば、スチームボートはナパージュの東の端にある岩山の頂きに棲んでいるということです。
    「そこは誰も近付かないところだ」
    「そこにいけばスチームボートに会えるのか」
    「それはわからない。いないときも多いと聞いている。あの方は世界を飛び歩いているからな」
    「スチームボートって何者なの?」
     ハンドレッドはにやりと笑いました。
    「見ればわかるさ」 
  • ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第四回

    2015-10-23 07:00  
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    ★【皆さんにお願い】
    この作品の著作権は百田尚樹にあります。したがって、このテキストを作者に無断でネット上にアップしたり、メールで拡散したりする行為は、著作権法違反にあたります。くれぐれもそのような行為はお慎み下さるようお願いいたします。
    ※(著作権を故意に侵害した者は、一〇年以下の懲役または一〇〇〇万円以下の罰金に処せられます)

    『カエルの楽園』
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     ナポレオン岩場でローラと別れて池の近くに戻ったソクラテスとロベルトは、岩場で見たことを話し合いました。
    「やっぱり、この国のカエルたちの考え方は尊敬に値する」
     ロベルトの言葉に、ソクラテスは答えました。
    「たしかに、不思議な考え方だけど、魅力的だ」
    「魅力的? そんなものじゃないだろう。俺はカエルたちの思想の究極に行き着いたものだと思う。ソクラテスもそう思わないか」
    「いや、少し待ってくれ。ぼくにはまだこの考え方は深すぎて、すぐにはついていけないんだ」
    「何を言ってるんだ。目の前にこんな素晴らしい実例があるのに、まだ理解できないなんて――。『贖罪の歌』はお前も聞いただろう。『原罪』を背負い、すべてのものに向かって謝る思想というのは、もはや思想を超えた美とも言えるものだよ。そして、ただ美しいだけじゃない。それを確固としたものにする力がある。それが『三戒』だ。お前も南の崖を見たじゃないか。あのウシガエルが崖を登るのを諦めたんだぜ。あれが『三戒』の力でなくて何だ」
    「『三戒』の素晴らしさはぼくも認めるよ。でも、ウシガエルが崖を登ってこないのは、本当に『三戒』のせいだろうか」
    「ほかに何があるって言うんだ?」
     そう言われると、ソクラテスには何も答えられませんでした。
    「とにかく、この国は何もかも素晴らしいんだよ! ナパージュ、万歳だ!」 
  • 10月23日号:ニュースに一言

    2015-10-23 07:00  
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    ●福岡市の救急出動件数が2014年に7万968件となり、政令指定の21都市中8番目に7万件を突破したとのニュースがありました。
    記事の内容をよく読んでいくと現在の救急搬送の驚くべき実態がわかりました。「救急車は無料?」「救急車なら病院で待たずに診てもらえるのか?」などの問い合わせはまだ、かわいい方で「明日の朝、病院までお願いします」と、まるでタクシーを予約するような電話まであるといいますから空いた口が塞がりません。
    一年で7万件を超えるということは、1日あたり200件です。いくらなんでも多すぎます。
    件数の増加要因としては高齢化や人口増もあるかもしれませんが、不要不急の依頼も随分と増えているようです。隊員が現場で「安易な要請」と判断した事例は約2600件にも上ったといいます。そのせいもあり、救急車が現場に到着するまでの平均時間はどんどん遅くなってきています。
    みなさん、想像してみてください。あなたの大切な人が目の前で血を吐きながら苦しんでいます。あなたには救急車を呼ぶことしかできません。つながった電話口の向こうから「すみません、今、救急車は全部出払ってますので、ちょっと待っててください」と言われて我慢できますか。でも、実際に1日200件も出動していれば、こういう事態になる可能性は十分にあります。 

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  • 【臨時速報】本日の百田尚樹チャンネルはゲストに杉田水脈さんが登場!!

    2015-10-19 20:06  
    ※「百田尚樹チャンネル」運営スタッフからお知らせ※本日の「百田尚樹チャンネル」は、ゲストに次世代の党前衆議院議員の杉田水脈さんがいらっしゃいます!今年、国連(ジュネーブ)に行き、「朝鮮人従軍慰安婦は強制ではなかった」とフランス語でスピーチされた杉田さん。はたしてどんなお話をしてくれるのか…。是非ご覧になって下さいね!お待ちしております!!http://live.nicovideo.jp/watch/lv237503784

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  • ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第三回

    2015-10-16 13:00  
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    ★【皆さんにお願い】
    この作品の著作権は百田尚樹にあります。したがって、このテキストを作者に無断でネット上にアップしたり、メールで拡散したりする行為は、著作権法違反にあたります。くれぐれもそのような行為はお慎み下さるようお願いいたします。
    ※(著作権を故意に侵害した者は、一〇年以下の懲役または一〇〇〇万円以下の罰金に処せられます)

    『カエルの楽園』
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     ハインツが去った後、ロベルトが感極まったように、「すごい!」と声を上げました。
    「なにがすごいんだ?」
    「何がって、ソクラテスはわからないのか。この国の教えだよ。この国が長く平和でいられたのは『三戒』のお蔭だったんだ!」
    「そうなのかなあ」
    「そうに決まってるじゃないか。この国のカエルたちを見ただろう。俺たちみたいなよそ者で、しかもツチガエルでもないのに、警戒するどころか、親切にエサ場まで教えてくれる。これまでこんなカエルに
  • 10月16日号:ニュースに一言

    2015-10-16 11:00  
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    ●兵庫県尼崎市で起きた死亡ひき逃げ事件で、大阪地検は16歳の少年を「車を制御する技術がないのに走行した」として『未熟運転致死罪』で起訴する方針を固めたことがわかりました。
    最初にこのニュースを見て「あれっ、16歳なら無免許運転なんじゃないのかな、無免許なのだから未熟に決まっているじゃないか」と思いました。だのになぜ『未熟運転致死罪』などという聞き慣れない罪名になるのか気になり少し調べてみました。それによると危険運転致死傷罪という飲酒など5つの原因に分類される通常よりも刑罰が重くなっている罪があり『未熟運転致死罪』もその中の一種だということがわかりました。事故原因が運転者の責任が重大だと判断された時に、危険運転致死傷罪は適用されるようです。
    今回の件も少年が「(事故当時に乗っていた)ワンボックス車のような大きな車は運転したことがなかった」と供述し、防犯カメラにも事故の状況が映っておりそれを検証した地検が少年の運転技術が極めて未熟だったと判断したものです。しかし、もし事故車両がワンボックス車でなく、もっと小さな少年が運転したことのある車種だったらこの罪は適用されなかったのかもしれないと知って呆れてしまいました。
     

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  • ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第二回

    2015-10-09 12:13  
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    ★【皆さんにお願い】
    この作品の著作権は百田尚樹にあります。したがって、このテキストを作者に無断でネット上にアップしたり、メールで拡散したりする行為は、著作権法違反にあたります。くれぐれもそのような行為はお慎み下さるようお願いいたします。
    ※(著作権を故意に侵害した者は、一〇年以下の懲役または一〇〇〇万円以下の罰金に処せられます)

    『カエルの楽園』
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     ソクラテスとロベルトはしばらく池の中に体を浮かべていました。
     もうハトの姿はありません。
     水の温もりが二匹のアマガエルの疲れた体を癒しました。
    「ロベルト、大丈夫か」
     ソクラテスはロベルトに声をかけました。
    「足を痛めたみたいだけど、たいしたことはない」
    「それはよかった」
     その時、後ろから「あなたたちは誰?」という声がしました。
     振り返ると、岸辺から一匹のメスのツチガエルがこちらを見ていました。
    「ぼくらはソクラ
  • 10月9日号:ニュースに一言

    2015-10-09 12:07  
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    ●日本トライアスロン連合が禁止していたタトゥーを認める方針を決めたとのニュースがありました。
    今まで国内の大会では隠すことを義務付けていましたが、今後はその必要はなく全面的に解禁されるそうです。解禁の理由として「国際連合は制限していないし、日本でもファッション性の高いタトゥーは市民権を得てきている」としていますがはたしてそうでしょうか。
    たしかに、いろいろな競技において外国人選手がタトゥーをむき出しにしてプレーしているところをよく見かけるようになりました。しかしそれは選ばれた者が出場する競技であって、だれでも参加できるトライアスロンには「トップ選手だけでなく、一般の方でも全面的に認めます」というのは問題があるような気がします。
    それにタトゥーが社会的に受け入れられているのは、あくまで外国のことです。外国でOKなら日本でもOKという論理はおかしいと思います。
     

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  • ブロマガ配信小説『カエルの楽園』第一回

    2015-10-02 08:28  
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    ★【皆さんにお願い】
    この作品の著作権は百田尚樹にあります。したがって、このテキストを作者に無断でネット上にアップしたり、メールで拡散したりする行為は、著作権法違反にあたります。くれぐれもそのような行為はお慎み下さるようお願いいたします。
    ※(著作権を故意に侵害した者は、一〇年以下の懲役または一〇〇〇万円以下の罰金に処せられます)

    『カエルの楽園』

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     ソクラテスが生まれ育った国を追われ、長い旅に出たのははるか昔のことでした。
  • 10月2日号:ニュースに一言

    2015-10-02 08:26  
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    ●24日夕方、都内のJR線路内で男性がはねられて死亡したというニュースがありました。調べによりますと、この男性は駅から100メートル離れた場所に制服姿で線路上に座り込んでいたそうです。警察は高校生とみて身元の確認を急いでいます。この事故の影響で43000人に影響がでたそうです。
    首都圏では年間600件弱の鉄道人身事故が発生しており、その内6割以上が自殺だそうです。1日1件の自殺者がでている計算になります。もはや日常的になり、報道されることも少なくなりました。しかし、今回は高校生の自殺かもしれないとニュースになりました。若くして死を選ぶにはどうしようもない理由があったのでしょうが、遺族のことを考えるとやりきれない気持ちです。 

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