• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 474件
  • 2024年2月24日号:ニュースに一言

    2024-02-24 07:00  
    102pt
    3
    ●兵庫県川西市の中学校で昨年9月から始まった給食のごはんにかける“ふりかけ” 持参に共産党の市会議員が待ったをかけたというニュースがありました。これは2023年4月に行われた市長と中学生との意見交換会で、生徒から「給食の食べ残しを防ぐためにふりかけ持参を認めてほしい」との要望があり、教育委員会が1人1袋、友達などへ渡さないことを条件に許可していたものです。
    それに対し市議は「給食は栄養バランスと衛生管理・食中毒などの事故が起こらないよう管理されている。それなのに家庭から違う食べ物を持って入ることには危機感がある」と異議を唱えたのですが、あまりの建前論に驚きます。
    たしかに給食は生徒1人あたりのカロリーやたんぱく質、塩分などが綿密に計算されていますので、勝手に“ふりかけ”を食べられたら塩分過多になるなど当初の目論見が外れてしまいます。しかし、おかずを全部食べてしまったためにごはんを残してしまうのなら、今度は肝心のカロリーが不足してしまいますのでどちらにしても目論見通りにはいかないのです。
    そもそも生徒たちは1日の全部の栄養を給食で賄っているわけではありません。朝と昼は各家庭で食べているのですから、昼の給食をきっちり計算通りにして1日の栄養素を完璧にしようなんてナンセンスなのです。「いや、それでも未確認の食品により学校内でアレルギーによる事故が発生したら・・・」と心配なのかもしれませんが、自分の家から持ってくるものが食べてよいのか否なのかは本人が一番よく知っています。相手は幼稚園児や小学校の低学年児童ではありません。中学生なのですからもう少し信用してもいいのではないでしょうか。
    昼食時に各々が校外からUber Eatsで好きなものを持ち込んでいるわけじゃあるまいし、ふりかけの小袋に目くじらを立てるこの市議の過保護ぶりには呆れます。せっかく生徒たちが正当な手段で勝ち取った“ふりかけ持参”の権利が、こんなことで“事なかれ主義”の大人たちによって奪われることの方がよほど問題です。
     
     
    ●前を走っていたタクシーが一瞬目を離したすきに客を乗せるため急停止。「ぶつかる!」と思った瞬間、自動ブレーキで間一髪セーフ。雨の中、見通しの悪い四つ角から飛び出してきたトラックと「あわや衝突」と思った瞬間、自動ブレーキで九死に一生。左折した瞬間、横断歩道上の歩行者にビックリ、でも大丈夫、自動ブレーキが事故を回避。テレビからは安全性能を競うクルマのCMがこれでもかというくらい流れてきます。
    乗用車の自動運転システムの性能を試そうとして、友人の男性2人をひいた68歳の男が過失運転致傷の容疑で現行犯逮捕されたというニュースがありました。この3人は事故前、男が所有する軽自動車の“自動運転システム”について話をしており「本当にそんなにすごいのか」と、その性能を確認することになったそうです。そして男が運転席でエンジンを作動させたところ、後退を始めた車は一切止まることなくそのまま2人を轢いたといいますから、とんだ“自動運転システム”です。轢かれた男性のうち1人は頭蓋骨を骨折する重傷で、クルマ自慢をしていた男は取り返しのつかない事態に後悔しきりのことでしょう。
    高齢者の運転ミスによる事故も多発しており、自動車メーカー各社は自動運転システムの開発を急いでいます。日本では法律の関係で認められていませんが、高級外車の中には既に車内に誰も乗せずに自動で駐車場に行き、そこからまたスマホ操作ひとつで元の場所にどこにもぶつかることなく戻って来れるものもあるそうです。
    ショールームに行けば営業マンは「この車はアクセルを踏まなくても、ハンドルを持たなくても自動で前の車についていきます」や「人や障害物を感知すると自動で止まりますから事故になりません」など盛んに“自動運転システム”をアピールします。そして自身の目だけが頼りの旧車に乗っていた人は最新式の自動運転システム完備の新車に意気揚々と乗り換えるのですが、いざ新車を引き渡す際になると自動車メーカーの販売員は「絶対に自動ブレーキを試さないでください」としつこいくらいに念を押します。なぜそこまで必死になるのか不思議でしたが、その理由がようやく今回わかりました。
     
     
    ●なんとも胸糞の悪いニュースを見てしまいました。
    2月に入り大学入試が真っ盛りですが、この季節になると受験生を狙った痴漢が増えるというのです。その理由が「受験生は試験に遅れるわけにはいかないので被害に遭っても通報せず安心して触れる」からだというのですから虫唾が走ります。中にはSNS上で「その日は痴漢し放題の祭だ」と意気上がる変態グループもいるようで、嫌悪感が頂点に達する想いです。
    受験生はこの日のためにと寝る間も惜しんで頑張ってきました。大人ならそんな彼女らを「いままでよく頑張った、思う存分試験に臨みなさい」と応援するのが当然なのに、それを“痴漢”という卑劣な行為で邪魔をするのですから腹立たしいことこの上ありません。
    被害者は試験に遅刻しなかったとしても、その瞬間の恐怖と怒りで心穏やかならず、実力を発揮することができなくなるでしょう。鉄道会社や警察は駅で受験生に合格祈願のメッセージが書かれたチョコレートを贈ると共に、防犯ブザー機能などが盛り込まれたアプリのQRコードが入ったチラシを配りながら痴漢への注意を呼びかけています。さらに駅構内や電車内での見回りの人員を増やすなどして警戒も強化しているそうですが、受験生と乗り合わせた善良な乗客の皆さんにも、ぜひ彼女らを気にかけ守ってもらいたいものです。
    「毎月5の付く日はポイント2倍」など、時期によって特典が変わるサービスはよくあります。それに倣って、この卑怯極まりない痴漢の刑罰を受験シーズンは大幅に上乗せすることは出来ないでしょうか。初犯であろうと一切の酌量なしで全員が懲役10年など、一撃で人生を棒に振るくらいのダメージを与えたいところです。こんなことを言うと「法治国家にあるまじき暴論」と笑う方もいるでしょうが「将来が決まるかもしれない大切な日を台無しにした輩にはそれでも足りないくらいだ」と、わたしは思います。
     
     
    ●女性に性的暴行したとして逮捕・起訴されていた58歳の警視正の男が勾留先の広島中央署の留置場で自殺したというニュースがありました。
    警視正とは警察の10ある階級の上から4番目で、全体の0・3%としかいないエリート中のエリートです。そんな警察幹部の男の捕まった理由が、マッチングアプリで知り合った10代の女性に対し「オレは警察官だ。“売春”で捕まりたくなかったら言うことを聞け」と脅して性交したからだというのですから呆れます。
    その後の取調べにより被害者はほかにも複数名いたことが判明し、犯罪を未然に防がなければならない立場の警察のこれ以上ない面汚しです。百歩譲って非番の日に身分を隠して“若いねーちゃん”と遊ぶのならまだしも、この男は相手を本物の警察だと信用させるために正真正銘の制服を着ていたといいますからとんでもない男です。
    日本でおとり捜査が認められていないのは、それによって“犯罪”が生み出されるからですが、この警視正は自らの手で“売春”よりもさらに悪質な犯罪を生み出したのですからしっかりと罰を受けなければならなかったのに自殺で幕引きとは・・・。
    広島県警はこの警視正を自殺などの恐れがある「特別要注意者」に指定していたそうです。それでも自殺は行なわれました。広島では刑務所に収監されていた受刑者が24時間カメラで監視されていたのはプライバシー侵害だとして提訴していることもあり、広島県警の中に相手が警察の幹部だけに「ずっと監視はどうも」という気持ちがあったとしたら問題です。いずれにせよ“死なせた”県警の失態であることは間違いなく批判されても仕方がないでしょう。この警視正は最期もまた仲間の警察官の名誉を汚したのです。
     
     
    ●法務省が刑務所や拘置所に収容されているすべての人を今年4月から「さん」付けで呼ぶよう各所に指示するというニュースがありました。
    今まではほとんどの刑務所では受刑者を呼び捨てにしていましたが、これからは「〇〇さん」とまるで先輩やお客さんに対するようにするというのです。これは2022年に発覚した名古屋刑務所の刑務官による受刑者への暴行事件を受けた改革の一環で、名古屋刑務所では彼らを「懲役」と呼ぶなど不適切な呼称が横行していたことで人権意識が希薄になり、それが暴行事件につながったと考えたようです。
    「極寒の網走刑務所で満足な食事も与えられない上に過酷な労働を強いられ怪我や栄養失調で命を落とす」なんて大昔の話で、現代の刑務所は「空調完備の上に栄養計算された食事が3食用意され、土日休みの完全週休2日制」と残業休出当たり前のブラック企業の社員が聞いたら羨むばかりの待遇です。そんな肉体的負担のほとんどない受刑者の、さらに精神的負担まで取っ払おうというのですから、この国はどこまで犯罪者にやさしい国なのでしょう。
    そもそも刑務官の不祥事が問題なら、彼らへの教育を徹底すれば済むことで、そこに“受刑者”を巻き込む必要はありません。刑務所が矯正、あるいは懲罰のための施設であるなら、同じ人間であってもそこには明確な上下関係がなければなりません。さもなくば「なんであんたの言うことを聞かなければならないの」と秩序も何もあったものではなくなります。「受刑者も刑務官も同じ人間だから、そこに上下関係があるのはおかしい」なんてきれいごとはやめてもらいたいものです。
    そして今回の決定には受刑者にも刑務官を「先生」と呼ばず「職員さん」「担当さん」にするよう求めることも含まれています。先生とは本来、学校の教師や医師、弁護士などその知識を自分のために使ってくれる人に対しての敬意を込めた呼称だったものが、いつのまにか「当たり障りのない呼び方」や「相手の機嫌を良くする呼び方」に変わってしまいました。
    その最たる対象が“議員”です。面白いのは「揉め事を避けるために、これでもかというくらい気を遣え」という風潮の昨今、先生側(議員は除く)もすこぶる丁寧になっていることです。学校ではモンスターペアレント対策もあり父兄は「保護者の皆さん」ですし、病院ではモンスターペイシェント対策でさらに上をいく「患者さま」になっています。「病気を治して」とお願いする立場でありながらのお客様扱いなんておもはゆいことこの上ありません。「丁寧に丁寧に、波風立てないように」とこんなことが続いていけば、そのうち犯罪者さえも「受刑者さま」と呼ぶことになりかねません。

    記事を読む»

  • 2024年2月16日号:ニュースに一言

    2024-02-16 16:17  
    102pt
    2
    ●高級腕時計をオーナーから預かり、借りたい人にレンタルするシェアリングサービスがなんの予告もなしに2024年1月末に突然終了したというニュースがありました。これは2021年1月に大阪の会社が始めたサービスで、持ち主から普段は使っていない高級腕時計を預かり希望者に月額制で貸し出していたものです。持ち主にとっては置いてあるだけでは一銭にもならない時計が貸し出すことによって利益を生み、借り手にとっては高額な支出なしに高級時計を身に付けることができる、一見ウィンウィンに見えるこのシステムで急成長を遂げ、一時は1500本もの預かり時計があったそうです。
    サービス終了に伴い会社側は預かった時計を6カ月以内に返却するとしていますが、連絡が一切つかなくなったこともあり、預けた方は「本当に返してもらえるのか」と心配しています。さらに一部のオーナーから「ネット上のフリーマーケットに出品されている時計がシリアルナンバーから自分の時計だとわかった」との報告もあり不安は高まるばかりです。
    「父親の形見の腕時計だったので何としても返して欲しい」と嘆く人もいるようですが、そんな大事な品物をよく赤に他人に貸したものです。親父さんも草葉の陰で「この親不孝者めが」と、さぞかし怒り心頭のことでしょう。
    中には45本(総額6000万円相当)も預けていた人もいたそうで、その数と金額に驚きます。わたしは時間を知るにはスマホで十分と思っていますので腕時計をしません。もちろん高級腕時計なんてひとつも持っていません。しかし、世の中には“高級”腕時計に執着する人は多いようで、彼らはダイヤモンドをちりばめた時計をこれみよがしに光らせています。そしてその時の会話は「すごい時計ですね」に対し、ほぼ100%の確率で「せやろ、〇〇万円や」と金額の話になります。それを聞いた方も「ひえー、〇〇万円」と肝心の時計の魅力はそっちのけで話題が“値段”ばかりに終始するのは実に滑稽です。
    すなわち時計自慢の人たちや高級時計にあこがれる人たちの中では機能性に優れているより、デザインが素晴らしいより、その人に似合っているかよりも値段が優先されるのです。それならいっそのこと、札束や金の延べ棒を手首に巻いておいた方がよほど手っ取り早いのに、と思うのはわたしだけでしょうか。
     
     
    ●福岡県北九州市で19歳の女性が住む部屋に侵入して下着を盗んだ40歳の建設作業員の男が逮捕されたというニュースがありました。事件当時、女性は実家に帰省中で部屋には誰もいませんでしたが、帰宅した女性が室内に物色されたような形跡があったことから警察に届け出たそうです。警察が捜査したところ、女性の部屋のベランダに設置されていた防犯カメラに部屋に忍び込む容疑者がバッチリ映っていたため逮捕に至りましたが、それを見た被害者は「もしその瞬間、部屋にいたら襲われていたかもしれない」とさぞかし震え上がったことでしょう。
    男が調べに対して「他人の生活を覗くことが目的だった」と供述していることからも、この部屋の住人がうら若き女性だと知ってわいせつ目的の侵入だったと思われます。ところがせっかく入った部屋はもぬけの殻で収穫がなかった男は「せめてお土産に」と下着をポケットに押し込み部屋を後にしましたが、なんと男が持ち帰ったのが女性の知人男性のパンツだったといいますから驚くやらおかしいやら。
    記事には知人男性と当たり障りのない書き方がされていましたが、女性の部屋にパンツを脱ぎ捨てていたのですから男性が女性の“彼氏”であったことは間違いありません。それにしても逃走を急ぐあまりに手当たり次第に手に触れたものを押し込んだのならいざしらず、誰もいない部屋ですからパンツを吟味する時間は十分にあったはずです。それにもかかわらずわざわざ“男性”のものを持ち帰ったとは、男はひょっとして・・・。「その瞬間、部屋にいなくてよかった」と思わなければならないのは彼氏のほうかもしれません。
     
     
    ●戸籍上は男性でありながら女性だと自認しているトランスジェンダーの生徒の入学を認めるかどうかのアンケートを首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)と関西圏(大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山)の1都2府6県にある私立の女子中高を対象に行ったところ、62校から回答を得て少なくとも全体の23%にあたる14校が受験や入学を認めるかどうかを検討していることがわかりました。
    大学ではお茶の水女子大学、奈良女子大学、津田塾大学など全国で6校が既にトランス女性の受け入れを表明していますが、その流れがついに高校や中学にまで及ぶようです。検討中と答えた学校の中には地域でお嬢様学校を呼ばれているところもありますが、今後ちんちんのついた“お嬢様”と同級生になることを果たして生粋のお嬢様は受け容れられるのでしょうか。
    そもそも中学、高校という多感な時期の性自認がどこまで本物なのかなんてわかりません。世間の風潮や身近な友達に影響されて「わたしは女性よ」となっていることも十分にあり得ます。実際、“トランスジェンダー先進国”のアメリカでは手術で肉体改造したものの、その後にやっぱり本来の性が正しかったと気付く不幸が多数報告されています。そんなトランス女性として入学した生徒が高校2年生になって「やっぱり僕は男だ」となれば退学になるのでしょうか。
    少子化の影響で“生徒の取り合い”が激しくなり「特進クラスを作って進学実績を上げる」「食堂やカフェなど校内設備を充実させる」「制服を生徒好みのかわいいものに変える」などの特色を各校が競い合っています。そして経営のために共学化に踏み切る学校も増えています。トランス生徒はそこで受け入れたら済むことで、長年続く“女子校”を変えてまで対応する必要はありません。昨年6月のLGBT理解増進法の成立などの社会的潮流を踏まえて「女の子らしさ」など性差に基づく指導をやめている学校も多くなっているようで、女子校本来の良さがどんどん失われていくのは残念なことです。
     
    ●熊本地方裁判所が廃材を道路に捨てた男に、執行猶予付きの判決を言い渡したというニュースがありました。この男は26歳の解体作業員で、去年5月、家屋の解体で出たコンクリート片などの廃材合わせて約2.8トンを市道に投棄したとして廃棄物処理法違反など疑いで罪に問われていました。
    まともな解体業者は解体作業で出た廃材は然るべき場所に持ち込み処分します。もちろんそれには費用が発生しますが、それは言うまでもなく“必要”経費でカットするわけにはいきません。それをこの男は処分費用がもったいないからと、多くの人が通る市道に捨てるのですからとんでもない悪党です。そんな悪者が「懲役3年執行猶予4年」で実刑を免れた理由が呆れます。なんと「今後は金に困らないよう1日に5箱吸っていたタバコをやめると誓っていて、家族も被告人の金銭管理をサポートすると約束している」からだというのです。
    1日5箱のタバコなら月に8万円以上の出費になり26歳の男の懐には大きく響いていたことでしょう。そしてそれが犯行の引き金になっていたとしても「禁煙するなら許してあげる」はあまりにも恩情が過ぎるでしょう。口ではなんとでも言えるのに、それを鵜呑みにするなんてあまいにも程があります。それとも裁判官は今後、被告と一緒に暮らし本当にタバコをやめたかチェックするのでしょうか。さらに執行猶予中に罪を犯したら猶予は取り消され刑に服すことになりますが、彼の場合はタバコを吸えば即刑務所行きとなるのでしょうか。
    今回の判決には疑問だらけです。また、この被告は大麻草を営利目的で栽培した罪にも問われている悪党です。本当にタバコはやめたものの、その代わり大麻を吸っていたなんてことになったら目も当てられません。
     
     
    ●夫の育児時間が1日あたり41分と全国46位の山口県で働き方改革のシンポジウムが開催され、2025年度までに県と県内すべての市町で男性職員の2週間以上の育休取得率を100%とする目標が宣言されたというニュースがありました。
    このシンポジウムは、社会全体で子育て中の人を応援するなど、職場環境づくりへの機運を高めようと開かれたもので、市や町の担当者、県内の経営者などおよそ350人が参加したそうです。昭和の時代の女性は結婚したら仕事を辞めることが多く「寿退社」なる言葉もありました。それがやがて結婚後も子供ができるまでは仕事を続けるようになり、その後は子供が出来ても退職せず産休、育休を経て職場復帰するのが当たり前になっています。ですから専業主婦で育児にかかりっきりになるわけにもいかず、必然的に誰かの援助が必要になります。3世代同居の時代ならそれを爺さん婆さんに求めることも出来ましたが、核家族化の定着した現代では一番身近な家族の“夫”がその役割を担うことにならざるを得ません。その意味では「男性の育休、大いに結構。そしてどんどん子供を産んでくれ」と思いますが、今回の“100%”にはいささかの違和感があります。
    それは多様性重視という割に、働き方を一律に決めようとしているところです。夫婦の形はいろいろですから共稼ぎが増えたとはいえ専業主婦を選択する女性もいる中、「少しでも長く子供と一緒に居たい」という人には育休強制は歓迎されるでしょうが「子供のために少しでも稼ぎたい」という人には迷惑な制度でしかありません。
    これは労働時間の制限にも言えることで「残業=悪」の風潮は労働者のやる気を削ぎます。もちろん「死ぬまで働け」なんて言うつもりはありませんが、20代30代の気力体力がある者にまで「はい、そこまで」はないでしょう。人はだれしも「あの頃は死に物狂いで働いた」と思う時期があるものです。それは人生においての誇りであり勲章でもあるのです。「働き方改革」という耳当たりの良い言葉でその機会を奪われるやる気のある若き労働者が不憫でなりません。

    記事を読む»

  • 2024年2月9日号:ニュースに一言

    2024-02-09 16:30  
    102pt
    3
    ●神戸市長田区の県道を走行していた神戸市バスが急停止し、乗客の78歳の女性が前座席に顔を打ちつけ鼻の骨を折る重傷を負ったというニュースがありました。長田署によりますと、この事故は47歳の男性運転手がバスを運転中、左側からいきなり出てきた乗用車に驚いて急ブレーキを踏んだことで発生したそうです。バスの運転手は乗客を目的地まで運ぶことが仕事ですが、それには必ず“安全に”という前提が付けられます。ですから車内でケガ人がでたら運転手は社内規定によるものだけでなく、場合によっては行政処分も受けることになります。そのため以前の「降りる方は小銭など事前に準備してスムーズな乗降にご協力ください」という定時運転重視のアナウンスが、最近では車内でケガをされるくらいなら遅延するほうがマシとばかりに「バスが完全に停止するまで絶対に席を立たないで座ったままお待ち下さい」としつこいくらいの注意喚起に変わっています。
    今回の女性は着席していたにもかかわらず前座席に顔を打ちつけたくらいですから立っている乗客の危険度はさらに高まります。しかし、ほとんどの客が“スマホに夢中”なのは困ったことです。左手にスマホを握り右手の指で画面をひょいひょいと誰もつり革、手すりにつかまっていません。その様子をバックミラーで見る運転手は気が気ではないことでしょう。
    今回は急ブレーキにより乗客の1人が負傷していまいましたが、もし急ブレーキを踏まず乗用車と衝突していればさらに多くの負傷者になったかもしれません。運転手はできる限りの安全措置をとったのにも関わらず処分の対象となるのはなんとも釈然としません。
    全国でバス路線の廃止が相次いでいますが、これは運転手不足が原因です。会社からは安全運行を指示され、それにより遅延すれば客に文句を言われ、万一トラブルが発生いたら全責任をかぶらされて処分される。こんなリスクの大きい職業なんてなり手がいないのもわかります。利用者は路線廃止に文句を言う前に、自身を守るためだけでなく運転手のためにもスマホから顔を上げて安全確保に協力する必要があります。
     
     
    ●広島県福山市に住む38歳と23歳のいずれも会社員の男が詐欺の疑いで松江警察署に逮捕されたというニュースがありました。
    この2人は共謀しマッチングアプリで知り合った10代の男性を公園のトイレに呼び出した上で23歳の男が用を足す姿を覗くように仕向け、そこに偶然居合わせた体の38歳の男が「公然わいせつだぞ」などと騒ぎ立て示談金として49万9000円をだまし取ったというのです。???・・・まったく意味が分かりません。
    この10代男性はなぜ見ず知らずの男の“オシッコ姿”を見ることをOKしたのでしょう。そして“公然わいせつ”はチンチンを出した方の罪なのになぜ見ていた方が示談金を払ったのでしょう。マッチングアプリは申込時に相手に対する希望を申告するそうですが、この2人は「チンチン好きのアホな男希望」とでも書いていたのでしょうか。いずれにせよ詐欺は騙す方が悪いのは当然だとして、今回は騙される方にも問題があったと思わざるを得ません。また本来、男女の新しい出会いの場であったはずのマッチングアプリですが、対象を異性に限定していないとしたら、それはやはり「性別での区別は絶対にダメ、ジェンダーフリー万々歳」というLGBT理解増進法の影響なのかもしれません。
    警察によりますと、この2人は他にもマッチングアプリを通じて知り合った20代の男性から現金50万円を脅し取っており、まだまだ余罪があるようです。最近の詐欺師はずいぶん楽になっています。かつてはあちらこちらに情報網を張り巡らせ自らの足で“カモ”を探したものが、現代ではマッチングアプリやインターネット上にエサをまいてさえおけば家で待っているだけで勝手に向こうから寄って来てくれるのですから。
    そんな奴らに騙されないためにも「便利なものには落とし穴がある」を絶対に忘れてはいけません。
     
     
    ●福岡県古賀市にあるJRししぶ駅で上り普通列車の乗客が乗降中、車掌が誤ってドアを閉めたというニュースがありました。
    JR九州によりますと、この駅で列車を降りたのは約100人で乗ったのは約20人、合計120人ほどのうち4人から「ドアに挟まれた」という申告があったということですが、けが人は1人もいませんでした。車掌はドアを閉めた理由を「止まっているはずの列車が後退していると感じ、緊急ブレーキをかけようとしたところ、間違ってドアの『閉』ボタンを押してしまった」と話しています。
    それにしても失敗は失敗として、誰ひとりケガをしたわけでもないのに“乗降中にドアを閉めた”というだけでニュースになるとは驚きです。これがニュースになるのなら首都圏のテレビ、新聞は連日このニュースであふれかえります。山手線や埼京線、京浜東北線など首都圏の通勤列車は乗客が乗降中であろうと有無を言わさずドアを閉めるからです。“間違って”ではありません。“意識的”に閉めるのです。なぜなら次から次へとやってくる乗客の途切れるのを待っていたらいつまでたっても出発できないからです。
    車掌は発車ベルが鳴り終ると同時にすぐにドアの『閉』ボタンを押します。当然、いくつかのドアは挟まれた乗客できれいに閉まりませんが、そんなときには駅員がそのドアに駆け寄り乗客を車内に押し込んだ後、何事もなかったように列車は走りだすのです。乗客も慣れたもので「片足でも車内に突っ込んでおけば後は駅員がなんとかしてくれる」と、ラッシュ時には2分も待てば次の列車が来るのにその体勢をくずしません。もちろん「ドアに挟まれた」と文句を言う人はひとりもいません。もっとも言ったところで「無理に乗ろうとしたあんたが悪い」で終わりでしょうが。
    「所変われば品変わる」とは言いますが、同じ列車の乗客でありながら片方は「お客様」、もう片方はとりあえず移動させればいい「荷物」扱いです。「お客様に大変ご迷惑をおかけして申し訳ない。車掌に対する指導を徹底し再発防止に努めてまいります」としたJR九州のコメントを首都圏のサラリーマンはどんな思いで聞くのでしょう。
     
     
    ●わたしは1月と2月、2度にわたる入院を経験し、その間、検査や処置、手術など病院の医師、看護師、スタッフの皆様に大変お世話になりました。おかげさまですっかり元気になり感謝の気持ちでいっぱいです。
    しかし、世の中にはとんでもない医療関係者もいるようです。CT検査に訪れた女性の下着姿を盗撮した疑いで、神戸市の病院に勤務する35歳の放射線技師の男が性的姿態等撮影の疑いで逮捕・送検されたというニュースがありました。この技師はCT検査室のベッドで女性患者に「検査を始めますから仰向けになって目を閉じるように」と指示し、言われたとおり目を閉じたのを確認してから「バレないだろう」と検査着の裾をまくり上げて、スマートフォンで動画を撮影していたのです。しかし目は閉じていても慣れないCT検査ですから女性の神経は敏感になっていたのでしょう、すぐに下半身におかしな気配を感じ技師の悪行に気付きました。
    CT検査ですから技師に骨や内臓など身体の内部を見られることは覚悟していても、外部まで晒すつもりは毛頭なかった女性はすぐさま警察に通報し逮捕にいたりましたが、病人は健康を取り戻すため医師や技師に全幅の信頼を寄せわが身を預けます。その信頼を裏切る今回の行為は絶対に許すことは出来ません。
    被害女性は今後、医療関係者に何を言われても半信半疑になるでしょう。これでは「病は気から」という回復にとって最も重要な要素を削ぐことになり、治るものまで治らなくなってしまいます。警察の調べに対し、この技師は「きれいな女性だったので撮影したかった」と容疑を認めているということですが、こんなあぶない輩がいたのでは美人はおいそれと病気にもなれません。
     
     
    ●男性から女性に性別変更した40代の女性(元男性)が、自らの凍結精子を使い同性(生来の女性)パートナーとの間にもうけた子どもを認知できる地位にあることの確認などを求めた訴訟で、東京地裁が請求を退けたというニュースがありました。
    これはこの女性(元男性)が凍結保存していた精子を使い、事実婚状態にある30代女性(生来の女性)との間に長女が生まれた後に性別を変え、その後にまた凍結保存していた精子を使って次女が生まれましたが、長女の認知届しか受理されなかったことに対し次女を認知できるかどうかの確認を求めて訴えていたものです。裁判長は彼女(元男性)の請求の目的が認知届の受理にあるのなら地位の確認ではなく戸籍法などが定める家裁への不服申し立て手続きの方が適切だとして請求を却下しましたが、長女が生まれた時はこの女性(元男性)は男性でしたから“父親”として認められるのは当然です。しかし、次女が生れた時には既に女性になっていたのですから“父親”として認められないのも当然でしょう。
    行政の措置になんら不合理なところはありませんが、それでも「本当に受理できないの?」と確認される裁判所も大変です。
    LGBT法には大反対のわたしですが「LGBTの人たちを排除しろ」なんて言うつもりは毛頭ありません。人それぞれに権利はありますので彼(彼女)、彼女(彼)は好きな格好で好きな人と暮らしたらいいのです。しかし社会の秩序を乱してまで自らの権利を主張するのはいただけません。
    民法では国民が社会生活を営む上で最も不都合が少なくなるよう合理的に夫婦、家族が定義づけられています。それを“多様性”の名の下に、ごくごく少数の人たちのために変えてしまうのは全体にとって大きな損失です。彼らは家族になれない弊害として「入院時などで親族としての意思表示ができない」「財産相続で支障がある」などと言いますが、それの解消は“養子縁組”で事足ります。そもそも今回の女性(元男性)はパートナーが女性(生来の女性)ですので「名を捨てて実を取る」なら性別変更なんてせずにいたら事実婚でない普通の結婚が認められ、さらに子どももすべてそのまま実子とされたのです。
    時代の変化と共に変えていかなければならないものもありますが、太古の昔から、この地球上の生物はオス(男)とメス(女)しかいません。そしてオス(男)とメス(女)によってのみ子孫が生れるのです。これは不変です。

    記事を読む»

  • 2024年2月3日号:ニュースに一言

    2024-02-03 15:11  
    102pt
    11
    皆さん、今日、二度目の手術を無事終えて、退院しました。
    これで腎臓にできた二つのガンを焼き切り、完治しました。
    御心配をおかけしました。
    手術が上手くいったということは、天が「まだお前にはやることがある」と、寿命を与えてくれたことかなと思います。
    とはいえ、私も今月に68歳になります。平均寿命を考えると、あと13年ほどの命です。
    どこまでやれるかはわかりませんが、少しでも日本に恩返しをしたいと考えています。
     
     
     
     
    ●北海道教育委員会が、女子トイレに侵入して生徒に不安感や不快感を与え教師の信用を失墜させたとして、52歳の男性非常勤講師を戒告処分にしたというニュースがありました。
    変態教師の不祥事も多く報道される昨今、また公衆トイレに忍び込んで盗撮でもしていたのかと思い記事を読み進めると、そこには「なんで処分されたの?」と思える事実がありました。この講師が侵入したのは勤め先の高校の女子トイレで、その理由は授業中にトイレに行った女子生徒が戻ってこないのを「トイレで怠けているのでは」と考えたからだというのです。
    教室から「トイレに行く」と言って出て行った生徒がずっと戻ってこなかったら心配して様子を見に行くのは当然です。講師の行動にはなんらおかしなところはありませんが、それでも処分されたということは女子生徒が講師の思わく通りトイレでサボっていたところを見つかり、それをごまかすため、あるいは叱られた仕返しのために「男性講師に女子トイレを覗かれて恥ずかしい想いをした。変態教師は処分して!」と訴えたからということはないのでしょうか。
    仮にこんな「言った者勝ち」がまかり通るなら、教師は迂闊に生徒指導も出来ません。そもそも今回の女子生徒は無事でしたが、もし急に具合が悪くなってトイレで倒れていたとしたらどうなっていたのか。処分を受けることがないのはもちろん「よくぞ女子トイレに入った」と逆に称賛さえされたかもしれません。しかし、講師は聞き取りに対し正直に「怠けているのではと考えた」と答えてしまいました。そのため「緊急性がないのだから女性教員の到着を待つべきだった」となったようですが、それはあくまで結果論です。
    全国すべての教育委員会が今回の処分を是とするなら今後、同様なことがあった時に処分を恐れた男性教員がすぐに女子トイレに駆け込まず、女性教員の到着を待ったために手遅れになるようなことにならないか心配です。教育委員会が世間の批判を恐れて「とりあえず処分しておいたら叩かれないだろう」なんていう事なかれ主義をとれば、そこには「何もしなければ処分されることはないだろう」と考える事なかれ主義の教員しかいなくなります。教育現場においてそのしわ寄せ受けるのは、間違いなく生徒です。
     
     
    ●仕事で車を使う事業者に対するアルコール検知器によるドライバーの飲酒検査、いわゆるアルコールチェックが2023年12月1日に義務化されました。これは乗車定員が11人以上の白ナンバー車1台以上、または営業車などの白ナンバー普通車5台以上を保持する企業は安全運転管理者を選任し、その者は自身の職場の運転手が飲酒運転をしていないかを管理し、チェッカーに引っかかった場合には運転させてはならないというものです。
    これによりサラリーマンは前日の晩に2軒3軒とのはしご酒もままならなくなりました。自身の移動のためだけに乗る一般ドライバーでさえかようにチェックを受けるのですから、これが乗客の命を預かる緑ナンバーのプロドライバーならより厳しく管理されるのは当然です。しかし・・・、大阪に本社がある南海バスの運転手が飲酒検査に替え玉を立ててパスし、何食わぬ顔をして運転していたというニュースがありました。
    昨年の10月と12月の2回、三条(新潟県)発、戸塚(神奈川県)発のいずれも大阪行き高速夜行バスに乗務した50代の男性運転手は、大阪からの往路に乗務後の午前10時ごろ、食事の際に缶ビール(350ミリリットル)2本を飲みました。その後に仮眠して当日の午後8時以降に大阪に向かう復路便に乗務する際、一緒に乗務する40代の同僚運転手に飲酒検査の身代わりを頼み、検査を受けずに運転していたのです。
    一般的にビール1缶のアルコールが分解されるまで4時間を要するといわれていますので2缶なら8時間となり、10時の食事でしたらそのまま検査を受けてもOKだったかもしれませんが、彼は用心に用心を重ねたようです。そこまでの慎重さをなぜ安全運転に活かさなかったのか残念でなりません。
    調査に対し「飲酒検査でひっかかるのがこわかった」と説明しているように彼は最も重要な“保安”より“保身”を優先したのです。自身が恐怖を避けたために、そんなドライバーの運転するバスに乗った客がどれほどの恐怖を味わうことになるのか少しは考えてもらいたいものです。
    それにしても一緒に乗務するドライバーがいたのなら飲酒検査ではなく運転そのものを代わってもらえばよかったのに。
     
     
    ●心と体の性が一致しないトランスジェンダーの元受刑者が、収容されていた尾道刑務支所で意に反して髪を短く刈られたのは人権侵害にあたるとして、広島弁護士会が法務大臣と同刑務支所長に対し、全ての男性受刑者に髪形を強制しない旨の勧告書を送付したというニュースがありました。
    これは戸籍上は男性の受刑者が「短くしたくない」と職員に訴えたのにもかかわらず強制的に髪を刈り上げにされたことに“人権大好き”弁護士たちが立ち上がったものですが、現状では刑事収容施設法や訓令により男性受刑者は頭全体を2ミリに刈る「原型刈り」などの短髪にすることが決められています。刑務所は言うまでもなく罪を犯した人が入るところです。法治国家では“してはいけないこと”を法律というルールで示していますが、それを守れないから罪を犯すのです。刑務所が矯正施設だとしたら、受刑者にまずルールを守ることを教え込む必要があり“頭髪基準”はそのルールのひとつです。にもかかわらず、それを守ることが“人権侵害”だというのですから呆れます。
    そもそも犯罪者は例外なく他人の生命・財産を脅かした者です。他人の人権をないがしろにする者の人権なんて二の次三の次でいいのです。勧告書は「昨今の性的少数者に関する社会的情勢を踏まえれば、戸籍上の性別を理由とする合理的理由は見当たらない」とも指摘していますが、ここにもLGBT法の弊害がでています。そして「女性受刑者には長髪が認められているのに男性だけに短髪を強いるのは差別だ」と言うのなら、それこそ女性受刑者も「原型刈り」をルールにして平等にしたらいいのです。少々乱暴な言い回しになってしまいましたが、それほどまで“罪”は憎むべきものであり、それを犯した“人”も憎まれても仕方がないのです。
    今回の対象者が元受刑者ということは既に刑期を終えて出所しているのでしょう。無理やり刈り上げられた頭髪も今ごろはすっかり伸び、お気に入りの髪型となっているかもしれません。彼(彼女)が今でも「『原型刈り』は嫌だ」と言うのなら金輪際、刑務所に入れられるようなことをしないことです。
     
     
    ●小樽市で歩道に駐車していた車のワイパーを壊したとして、86歳の男が器物損壊の疑いで逮捕されたというニュースがありました。この男は小樽市内の歩道上に駐車していた運送会社所有の乗用車が気に入らず、力任せにワイパーのアーム部分とブレードを折り曲げたのです。被害を受けた運送会社の従業員が通報し捜査の結果、事件発生翌々日の夜になって逮捕に至りましたが、何一つ当てもない中から容疑者を割り出すとは、よほど付近の防犯カメラや目撃者をくまなく調べたのでしょう。
    「天網恢恢疎にして漏らさず」とは言いますが、よほど人里離れた山奥でない限り近代警察の“網”はミクロ級の細かさといってもいいようです。誰も見ていないから「ちょっと、そこらで立小便」なんて絶対にやめた方が身のためです。調べに対し、このじいさんは「邪魔な車があってなかなか移動しないものだから腹が立ってワイパーを折った」と話していますが、彼が気に入らなかったのは歩道の真ん中に車が停まっていることで、レッカーで移動させるなどその原因を取り除かない限り“ワイパーを折った”ところで何の解決にもなりません。にもかかわらず一時の癇癪のために警察に捕まる行動をとるとは86歳にもなってなんとも愚かな男です。
    しかし、彼にも同情すべき点はあります。犯行時の小樽市内の積雪は80センチを超えており、歩きやすい箇所を選んで進んでいるときに行く手を遮る違法駐車があったら誰でも腹が立ちます。ましてやそれが歩行者優先の歩道上であったらなおさらです。運送会社は被害者ですが、事件を誘発した張本人でもあります。このじいさんが加害者なのは間違いありませんが、ある意味では被害者でもあるのかもしれません。
     
     
    ●2023年に東京23区で売り出された新築マンションの平均価格が年間で初めて1億円の大台を超え1億1483万円になったというニュースがありました。前年の8236万円と比べると、なんと3247万円も増えています。これは港区などの都心部で超高額物件が多く売り出されたことが主な要因ですが、それにしても平均1億円超えとなるととても庶民の手の届く金額ではありません。もはや23区内にマイホームを持つことは叶わないと郊外や近隣県にそれを求めたところで、首都圏(東京都、神奈川、埼玉、千葉各県)全体の平均価格も前年から1813万円アップした8101万円と過去最高になっていますので「23区以外なら大丈夫」というわけにもいきません。
    ある調査によれば1都3県在住・都内勤務のサラリーマンの平均通勤時間は50分ほどとされています。これをわたしの住む兵庫県川西市に当てはめると、大阪の中心地・梅田から25分で最寄り駅に到着しますから、まだ25分の余裕があります。そして地価の高い駅周辺からさらに25分ほどバスに乗れば、同じ通勤時間50分でありながら敷地60坪の新築一戸建てが3500~4000万と首都圏の半分の価格であります。この金額なら低金利が続いている今、35年ローンとして毎月10万円ほどの支払い額で済みマイホームも現実的です。
    これは決して山奥の過疎地の話ではなく、名古屋や福岡などほかの都会と呼ばれる地域でも駅から少し離れれば住宅街で同様に手の届く範囲のマイホームを探すことができます。すなわち首都圏の住宅だけが突出して高いのです。日本人の4分の1が首都圏に住む現在、需要と供給のバランスで価格が上昇するのは仕方がないとしても、自らの意志でなく会社の命令によりそこに居らざるを得ない人たちにとっては一生に一度の大きな買い物の値段が住む場所によって倍も違うなんて堪ったものではないでしょう。
    さらに困ったことには“需要”を高めているのが中華圏の富裕層だということです。彼らの多くは購入の目的を居住ではなく投資としており、そのとばっちりを“日本人”が受けているのです。売り手は「買ってくれ(それも少しでも高額で)さえすれば相手は誰でもいい」と考えているのでしょうが、それは日本人が日本の住居に住めなくなることに加担していることにほかなりません。

    記事を読む»

  • 2024年1月26日号:ニュースに一言

    2024-01-26 14:21  
    102pt
    2
    ●横浜市の環境創造局総務部に勤める51歳の男性係長が、停職2カ月の懲戒処分を受けたというニュースがありました。
    市によりますと、この係長は2023年1~5月の計81日間に勤務時間内で7時間35分、時間外で56時間30分にわたり業務用パソコンでソリティアなどのゲームをしたり旅行サイトなどを閲覧したりしていたそうです。単純に計算すると1日の勤務時間中に6分ほどサボっていたことになっており、これくらいで懲戒処分とはかわいそうな気もしますが、公務員は民間企業のサラリーマンに比べ優遇される部分も多いのですから仕方がありません。なによりも彼が使っていたのが個人所有のパソコンやスマホでなく“業務用”パソコンだったのはいただけません。
    インターネットは非常に便利な反面、多くの危険性も孕んでいます。詐欺まがいのサイトが星の数ほどあるだけでなく、ひとたび悪徳ハッカーの侵入を許せば多大な損害を受けることになります。市の“業務用”パソコンがそこに陥ったとき、一番の被害者になるのは市民です。それは公僕として最も避けなければならないことだったのです。そして、不思議なのは時間外のうち11日間は休日だったところです。なんとこの係長は1時間だけゲームをするためだけに土曜日に休日出勤していたといいますから呆れます。もうこうなると完全にゲーム中毒です。
    たしかにパソコンでするゲームには楽しいものも多く夢中になるのはわかります。しかし、それはギャンブルと違って射幸心を煽られることもない所詮はただの一人遊びに過ぎません。そんなもののために休みの日にわざわざ出てくるなんて随分ご苦労なことです。それとも他にどうしても家に居たくない理由でもあったのでしょうか。
    さらにこの係長は4~6月に計15回、上司の許可なく勤務時間中に計9時間30分の離席をしていました。その理由を係長は「ゲームをやらないために庁舎内階段の上り下りやストレッチをしていた」と説明しています。彼の中での優先順位はどうやら“ゲームをしないこと”が一番で“仕事をサボらない”はずっと下位だったのです。いずれにしても彼の勤め先が随分とヒマな職場だったことだけは間違いなさそうです。
     
     
    ●アメリカ・ペンシルベニア州ピッツバーグに住む夫婦が、銀行で下ろしたばかりの現金4000ドル(約58万円)を飼い犬に食べられてしまったというニュースがありました。
    この夫婦は自宅フェンスの工事代として業者に支払うお金を銀行で引き出し、家のカウンターの上に置き外出していました。その後、30分ほどして部屋に戻るとカウンターに置いたはずの札束はなく、粉々になった紙幣が床一面に散らばっていたのですから大変です。そして、その悲惨な現場には夫婦の飼い犬「セシル」しかいなかったのですから、“状況証拠”的にはどうみても彼が犯人です。さらに「セシル」から出て来たフンの中に紙幣の切れ端という“物的証拠”が大量に見つかったのですからもう逃げも隠れもできません。しかし、この悪者は自分のしでかしたことを理解しておらず尻尾をぶんぶん振って寄ってくるのですから可愛いやら憎らしいやら。
    夫婦も「セシル」がヤギだったら“紙のお札は食べられてしまう”と用心したのでしょうが、まさか犬が紙を食べるなんて思いもよらなかったようです。大金を失った夫婦は藁にも縋る想いで銀行に相談すると「お札の左右に印刷されている通し番号が残っている紙幣を持ち込めば新しいものと交換できる」と言うではありませんか。
    すぐに「セシル」のウンチから紙幣を取り出す、文字通りの「マネーロンダリング(お金の洗浄)」を行ない、部屋中に散らばった紙幣の切れ端をかき集めテープで貼り合わせて銀行に急ぎました。通常、紙幣の交換は札の端が少し破れただけのものがほとんどですから、ここまでバラバラのものは珍しく、持ち込まれた銀行員も「なんか臭いな(いろんな意味で)」と思ったことでしょうが、なんとか3550ドルを新札と交換することに成功しました。ほっと一安心の夫婦はもう二度と犬の前に現金を置くことはないでしょう。
    「セシル」はゴールデンレトリバーとプードルのミックス犬でしたが、ちなみにラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなどの“レトリバー”とは猟銃で撃った水鳥などの獲物を回収してくる犬のことです。そんなレトリバーにもかかわらず自分のいたずらで飼い主の方にウンチの中から現金の回収を強いるとは「セシル」は本当に困った犬です。
     
     
    ●札幌市白石区に住む24歳の無職の男が道路交通法の信号無視の疑いで現行犯逮捕されたというニュースがありました。この男は午前1時といいますから真夜中です。ヘッドライトを点灯せずに乗用車を運転しているところをパトカーに見つかり停止を求められました。しかし男はそれに従わず赤信号を無視して逃走を図ったのです。
    パトカーから逃げるのは「飲酒運転」「指名手配者」「盗難車」など、いずれにしてもやましいことがある場合です。その後、男は、道路脇の雪山にぶつかる単独事故を起こして停車したところを追いついた警察官に現行犯逮捕されたのですが、やはり男はこれまでに一度も免許を取得したことのない「無免許」だったことが分かりました。そのうえで調べに対し“ヘッドライトをつけなかった”のも“赤信号を無視した”のも「無免許で、交通ルールを知らない」からだと開き直るのですからとんでもない男です。
    たしかに細かい交通法規は自動車教習所で初めて習いますが“赤信号は止まれ”は小学生でも知っていますし、ましてや“クルマの運転には免許が必要”は万国共通の常識です。こんな不届き者には「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」の刑事罰と「違反点数25点」(即刻免許取り消し、さらに欠格2年間)の行政処分が科せられますが、刑事罰はまだしも平気で無免許運転をするような輩に“免許取り消し”や“欠格2年”の行政処分なんて痛くもかゆくもなく、懲りずにすぐにハンドルを握るのではないかと心配です。
    また神奈川・平塚市では無免許で車を運転したうえ、自転車の男性と衝突してけがをさせた56歳の男が逮捕されています。この男は事故後、多くの無免許運転者が逃げる中、自ら通報していましたが、その理由を「無免許だということを忘れていた」と言うのですから笑ってしまいます。それもそのはず男は16歳で初めて運転して以来、40年間も無免許運転していたのですからもはや無免許が日常だったのでしょう。
    無免許運転が発覚するのは事故や違反、そして検問で免許の提示を求められた時です。今回の2件の無免許発覚も違反と事故がきっかけでしたが、逆にそれがなければわからないまま今日も何食わぬ顔をして運転していたと考えると非常に恐ろしいものがあります。自動車を運転するときは交通法規を守ったうえで細心の注意を払わなければなりません。その意味では40年間もの長期間にわたり無事故無違反で無免許がバレなかった56歳の男は、ひょっとしたら模範ドライバーだったのかもしれません。
     
     
    ●「お尻とお尻でお知り合い」これはアニメ“クレヨンしんちゃん”が相手への友情を示すためにお尻を揺するときに発する言葉ですが、まさか現実の世でそれを実践する者がいたとは驚きです。
    名古屋市東区のコンビニで、男性店員に尻を見せつけるなどした48歳の会社員の男が逮捕されたというニュースがありました。愛知県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されたこの男は12月2日午前4時半ごろ、東区のコンビニエンスストアで尻の線に沿って切り込みが入った黒色のストッキングを履き、カウンター内にいた24歳の男性店員に対して尻を突き出して見せつけた後、ぷりぷりと左右に振っていたのです。
    この手の事件では“女性”店員に“前”を見せつけるというのが常套ですが、今回は“男性”店員に“後”をですから随分変わった事件です。上半身は普通に服を着ているのに下半身は黒ストッキングだけなんてそれだけでも十分に異様ですが、そのストッキングに切り込みがあり前かがみになるとプリンとお尻が飛び出すのですから、見せられた方はおかしいやら恐ろしいやら。この様子は防犯カメラにバッチリ映っており、後日になって男が同じ出で立ちでやってきたところを店長が「ストッキング姿の男が店に来た」と110番通報し逮捕にいたりました。
    男は調べに対し、「お尻を見せれば仲良くなれると思いやりました」と供述しているそうで、まさに“しんちゃん”の言う「お尻とお尻でお知り合い」を望んでいたようです。しかし残念ながらそれは叶いませんでした。なぜなら彼が見せたのは“しんちゃん”のような可愛いお尻ではなく“おっさん”の汚らしいケツだったからです。わたしもそんなケツ男とはお友達になりたくありません。
     
     
    ●2023年中は「死刑」が1件も執行されなかったというニュースがありました。昨年は「凶悪犯罪が極端に少なく死刑宣告を受けた者が1人もいなかった」なんてことはあるわけもなく、新たに3人が確定したほか前年までに確定している者も含めて107人もの死刑囚がいたのにもかかわらず、誰一人執行されなかったのです。
    死刑は判決確定から6ヶ月以内に執行されなければならないと法律で決められていますが、未執行の最長は福岡県で発生したマルヨ無線事件の1970年といいますから、なんと50年以上もほったらかしになっているのです。
    死刑囚は全員が殺人犯です。大切な人を殺された遺族は仇討ちすることも許されず司法にすべてを委ねるしかない中、この現状をどう感じているのでしょう。死刑執行ですべてが終わりにならないまでも、被害者がこの世にいないのに対し、加害者はのうのうと生きているなんて悔しくて仕方がないことでしょう。死刑より軽いとされる懲役刑が拘留中に労働を強いられるのに対し、死刑囚には労働義務はありません。死刑囚は国が「お前には生きている値打ちがない」としているのにもかかわらず、一方で働かせもせず国費で食っちゃ寝を続けさせているのですからわけがわかりません。
    その結果が・・・。広島拘置所で16年以上監視カメラがある居室に収容されているのはプライバシー権などの侵害で違法だとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した70歳の男性死刑囚が国に2112万円の損害賠償を求めて広島地裁に提訴した裁判の第1回口頭弁論で国は請求棄却を求めました。この死刑囚は2007年に死刑判決が確定しています。それから16年以上執行しないで挙句の果てに“待遇が悪い”と訴えられるのですから国も堪ったものではありません。
    この際“請求棄却を求める”なんて悠長なことを言っていないで、さっさと死刑執行して裁判自体を無いものにすればいいのです。“人権派”弁護士などは「死刑反対」を声高に叫びますが、彼らが守りたいのが加害者の人権であるのに対し、多くの善良な国民が最も守りたいのは被害者の人権です。

    記事を読む»

  • 2024年1月19日号:ニュースに一言

    2024-01-19 14:27  
    102pt
    5
    ●百田尚樹チャンネル会員のみなさま、ご心配おかけしました手術も無事に終わりこの原稿を書いています。わたしが入院している間も世の中の動きが止まるわけはなく、いろいろな出来事が起きていますが、現在一番の関心事といえばやはり元日に発生した能登半島地震です。冷え込みが一層厳しくなる中、被災地で不自由な生活を強いられている皆さんにお見舞い申し上げると共に、行方不明者の一日も早い無事な姿での発見を祈るばかりです。
     
    ●能登半島地震発生から2週間近くが経過しました。テレビや新聞が報じる被災地の様子を見て、居ても立っていられず独断で「ボランティア」として駆け付ける人もいるようですが、最大被災地の石川県ではまだボランティア募集をしていません。なぜなら混乱の中で指揮命令系統の確立された自衛隊などの組織に属さない個人に今やってもらうことがないからです。厳しい言い方をすれば限られた資源の中、そんな人たちに来られたら“迷惑”なのです。
    いや、それでもどうしても“行きたい”というのなら、被害が小さく既に復旧作業に入っておりボランティア募集を開始した富山県や新潟県に行くべきです。たしかに地震発生直後から被災地では「人手が足りない」状態になっていますが、かといってその人手は誰でもいいわけではありません。しなければならない任務を成し遂げる装備とスキルを持ち合わせていなければならないのです。
    その意味では“時間との闘い”ともいわれる救助作業において、地震発生直後の1月1日すぐに編成された台湾の救助隊を断ったのは残念なことでした。この救助隊は探索部隊と医療部隊からなる160名編成でメンバーは全員がその道のプロでした。道路状況が悪く現地までの道筋が確保できないなどの事情があっても、彼らはそれこそヘリコプターでその場所まで飛び、地上まで垂らしたロープをつたって救助活動に入ることもできるのですからまさに被災地が求める即戦力で、もし現地入りしていたら助かった命も多かったことでしょう。
    「政府が断った」との情報が流れ非難が集まりそうになると政府は「台湾だけを断ったのではない、すべての国からの申し出を断った」とすぐに火消しに掛かりましたが、外国からの応援を断る理由がわかりません。今回の台湾の救助隊や国内に駐留しているアメリカ軍など、その装備とスキルを持ち合わせており、且つ近隣ですぐに駆け付け可能なところには日本側から要請してでも来てもらうべきだったのではないでしょうか。「つぶれた家の下に家族が閉じ込められた。救助要請をしても『人手が足りないからすぐには行けない』と言われ待つしかなかった」との何人もの証言を聞くたび返す返すも残念でなりません。
     
     
    ●石川県が能登半島地震に係る災害義捐金の受付を始めました。それと共に自民党をはじめとする各政党やテレビ局も独自の募金用口座を立ち上げましたが、それに違和感を覚えるのはわたしだけでしょうか。彼らはなぜ義捐金の振込口座に石川県のそれを使わないのでしょう。被災者に一番近い「石川県」に直接寄付することが最もタイムラグもなく効果的なはずなのに、わざわざ自身のところにワンクッションする意味がわかりません。
    そういえばチャリティーを大々的に謳う24時間連続の番組で募金活動をしたものの集めたお金を寄付せずテレビ局員がネコババしていた事件もありました。まさか今、募金活動をしている団体がそんなことをすることはないのでしょうが、義捐金を募る目的が「被災者、被災地のために役立てる」としたら、そこに一番近い「石川県の口座」に素早く入金することが最も目的に敵うのに、そうしないのは何かほかに目的があるとしか思えません。「われわれは〇〇円集めた」と言いたいために独自に集めているとしたら、その目的は「被災者、被災地のため」でなく「自分のため」でしかありません。
    日本保守党は以上の考えにより、独自に義捐金を集めることをせず「石川県の口座」を案内することにしました。困っている人を見たら「助けたい」と思うのは当然で、今回の地震にでも多くの人が「何かしたい」と感じているはずです。元気な若者なら時期をみて被災地に入り瓦礫の撤去などの力仕事をするのもいいでしょう。そんな体力のないわたしのような高齢者はその代わり彼らより金銭的に余裕があるので寄付をします。
    給料が上がらず、さらに物価高の中での子育てで忙しく「わたしには体力も時間も金銭的余裕もない」という人もいるでしょう。そんな人はただ被災地、被災者のことを想い祈ることでもいいのです。要は自分にできることで被災地の役に立つことがあればすればいいだけで、その内容は他人にとやかく言われる筋合いのものではなく、また言うものでもないのです。そんな“できること”は一人ひとり違いますが、“してはいけないこと”は全員に共通します。それは言うまでもなく「被災地、被災者の邪魔をすること」です。
     
     
    ●地震発生直後の1月1日夜、被災者の避難所となっている石川県立穴水高校で自動販売機が壊され、中から飲料水と金銭が盗まれたという全国紙のニュースが誤報だったというニュースがありました。
    この高校には100人近くが避難しており、最初の記事は事件の目撃者の証言を元に『40~50歳代の男女4、5人の集団が校内に入ってきて、女の指示を受けた複数の男がチェーンソーとみられる道具を使って自動販売機を破壊し、飲料水や金銭を盗んだ』という内容に、無残にも正面扉をこじ開けられ中身が引き出された自販機の写真が添付され、ご丁寧にも「避難者も不安を感じているので許せない」という校長の談話まで付けて事件発生から4日が経過した1月5日に配信されました。
    それが翌6日になり、今度は地元紙が『自販機を壊したのは穴水高校にいる避難者に飲み物を配るためだった』と犯罪ではなかったと報じたのですから大変です。地方紙の記事によりますと、地震発生直後に付近の住民が穴水高校に避難したものの、そこにはほんの少しの飲料水しかなかったそうです。そこで自販機の管理者の許可を得た上で壊し中の飲料水を避難者で分けて飲んだということです。ですから必要に迫られた人たちが正規の手順を踏んだ上に行ったことで事件でも何でもなかったのです。それを泥棒として報道されたのですから被災者のためにと自販機を壊した“40~50歳代の男女4、5人”はさぞかし驚いたことでしょう。
    それにしても最初に記事を書いた記者は、現地で自販機の中にあった飲料水がそこにいる被災者の手に握られているのを見たら事件でないとすぐわかるはずなのにいったいどういう取材をしていたのでしょう。彼の心理の中に「このような混乱時には必ず火事場泥棒的悪党が現れる」という思い込みがあったのではないでしょうか。たしかに大災害が発生すると、それに乗じた盗みや詐欺などとても困っている人を前にした人間のすることとは思えない犯罪がおきます。今回の震災でも家人が避難したため留守になった民家に忍び込み金銭を盗む輩や、雨風を防ぐためのブルーシートを法外な値段で売りつけるグループが既に見つかっています。そんな奴らは絶対に許せないとの正義感に駆られてのことだったのかもしれませんが、今回の誤報は完全に記者の勇み足でした。
    なによりも報道する側の人間に求められるのは真実を伝えることで、そこに自分の想いが入ると伝えられる側をそちらに誘導することになりかねません。マスコミは「われわれがこの国を、国民を正しく導かねば」と考えているのかもしれませんが、それは彼らの思い上がりにほかならず、国民は彼らの示すひとりよがりな“道しるべ”なんて望んでいません。善良な国民が求めているのはただ正しく判断するための正確な材料だけだということを自覚すべきです。
    マスコミといえばテレビも大概にしてもらいたいものです。日頃は東京のスタジオにいる司会者やレポーターが現地入りし被災地の様子を伝えていますが、いま被災地には最小限の人員しか入ってはいけないのにもかかわらず、局から1人を代表とするなど絞り込むこともなく番組毎に出演者を含めたカメラクルーが出ているのですから困ったものです。それも各局すべてがそんな調子なのですから東京、大阪、名古屋から相当な人数が被災地入りしているのです。こんなときこそ現地の放送局のアナウンサーに出演願えばいいのに「それじゃダメだ」と考えて自前の人間を使うのはキー局、準キー局の傲慢であり、またそれでは何のための系列局なのかわかりません。
    笑ってしまうのは、あるワイドショーのレポーターが被災地の様子を伝える中で被災者から「この惨状を全国の人たちに伝えるためによく来てくれました」と言われたと言い訳じみた発言をしたことです。このレポーターは「今は行くべきではない」と本当は思っていたのに、プロヂューサーやディレクターから「ごちゃごちゃ言わずさっさと行け」と言われ、仕方なくやってきたのかもしれません。
    自己弁護あるいは自画自賛ともとれるとれる発言があった一方で、倒壊家屋の片づけをしていてインタビューに協力した人は「東京からのテレビ局は神妙な顔をして話を聞いていても中継が終った途端、がれき撤去を手伝うこともなく何事もなかったようにさっさと引き上げていく。彼らは我々が求めているものを全く知ろうとしていない」と不満の声を漏らしています。そして、彼らマスコミがその声を伝えることはもちろんありません。

    記事を読む»

  • 2024年1月5日号:ニュースに一言

    2024-01-05 11:52  
    102pt
    8
    ●百田尚樹チャンネル会員の皆さま、新年明けましておめでとうございます。旧年中は当チャンネルを御愛顧いただき誠にありがとうございました。
    2023年は年末になって、わたしにガンが見つかり多くの方々にご心配をおかけしましたが、新年早々の手術でさっさと悪いところを取ってしまい、「百田尚樹チャンネル」「あさ8」そして「気まぐれライブ」で、またいつもの元気な姿をお見せしますので本年もよろしくお願いいたします。
    そしてガンは“見つかった”ものですが、今年は“見つける”いや、“見つけなくてはならない”ものもあります。日本保守党は「日本を豊かに、強く」するための同志募集を開始しました。腐敗した現在の政治を改革し、子供たちに誇れる未来を作るための国会議員、地方議員の候補者を一般公募するのです。年末ぎりぎりのスタートにもかかわらず、既に多数の応募をいただいておりその中には将来光り輝くダイヤモンドの原石もいらっしゃることでしょう。早速書類審査を開始していますが応募者と面接でお会いするのがいまから楽しみです。
    そんな多くの日本国民が『2024年も頑張ろう!』と心も新たにしたであろう1月1日、北陸地方を大きな揺れが襲いました。午後4時10分ごろ、石川県能登地方で最大震度7を記録する地震が発生したのです。自然災害に盆も正月も関係ないのは当然ですが、それでも元日の夕方という1年で一番ゆったりとするときだけに、無防備の中での突然の出来事に驚きました。テレビには1階部分がつぶれてしまった家屋が映しだされています。阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震等、大きな地震の度に法律が改正され建築物の“耐震基準”は厳しくなっていますが、写真や映像を見る限りこの地域では対策前の昔ながらの重い瓦葺きの家も多いことで被災家屋も増えたようです。
    ちなみに対策後の「震度7でも大丈夫」と謳う家も大丈夫なのは1回目の揺れに対してだけで、それが繰り返されるとどんどんその効果は弱まり倒れやすくなります。能登地方はここしばらく震度5程度の地震が頻発しており、それも倒壊の要因になっていたのかもしれません。該当地域の方々には、お見舞い申し上げますとともにまず命を守ることを最優先していただくことをお願いいたします。
    われわれ日本保守党、また百田尚樹個人としても連日報道される被害の様子を見て「いても立ってもいられない」ところですが、救援活動を円滑に進めるためにも状況を見極めたうえで自身にできる支援をさせていただきたいと考えています。いま外部から被災地に入っていいのはその場所での有効なスキルを持ち合わせている人たちだけです。警察、消防そして自衛隊の隊員には本当に頭が下がります。彼らは年が改まり“正月気分”でいたところを地震発生後すぐに招集され被災地に向かうのです。そしてその任務は救助活動、インフラ整備、道路の復旧工事、さらに被災者のケアと多岐にわたり復興の道筋がつくまで続けられます。
    日ごろ「街を迷彩服(自衛隊のユニフォーム)で歩くな」や「自衛隊なんかいらない」とその存在を否定していた人たちは、今その姿をどう思って見ているのでしょう。それでも同じことが言えるとしたら、本当のクズです。


    ●元日に発生した大地震の救援物資を運ぶ海上保安庁の輸送機と日本航空の旅客機が羽田空港で衝突するという事故が発生しました。これは着陸態勢にはいった日航機の前に海保機が離陸のために割り込んだことで起きた事故で、379人の乗員乗客が乗った日航機から火が上がり機体は丸焼けになってしまいました。
    テレビでは着陸後すぐにエンジンから出火し炎に包まれながら滑走路をすべる様子が映し出されていましたが、なんとこの機にのっていた379人すべてが助かったと聞いて驚きました。機内には着陸後すぐに煙が入ってきたそうで、パニック状態になる人もいたようです。それを客室乗務員は落ち着かせ、自身のすぐ後ろに迫り来る煙をものともせず1人ずつ避難用スライドに誘導したのですから天晴れです。
    CAさんの中には若い女性もいたことでしょう。彼女らは逃げ遅れたら命が危ないことを誰よりも分かっていたでしょうに、それをおくびにも出さずいつものサービス業務での笑顔を封印し保安業務をやり遂げたのです。警察官、消防団員、自衛隊隊員、そして日航機の乗務員、彼らに共通しているのは、それが「仕事だから」だけやっているのではないことです。そこには「○○のために」という利他の精神と「わたしがやらないで誰がやるの」という矜持がみえます。
    羽田空港は滑走路が使えなくなったため数百便が欠航となりました。お正月のUターン客の中には帰りの足がなくなり途方に暮れている人もいたようですが、航空会社や鉄道会社はそんな人たちを救おうと代替便や増発などできる限りの手を尽くしています。また被災地では積荷の食品を被災者に提供するトラックドライバーもいます。そうです。表の目立つ部分だけでなく、どんな職業にも両方を持ち合わせている人はいるのです。その割合が大きいか小さいかが国力、民度の差となります。そして普段はわからないそれが非常時にはあぶりだされるものです。

    記事を読む»

  • 2023年12月30日号:ニュースに一言

    2023-12-30 14:48  
    102pt
    3

    ●家電量販店、ドラッグストアからコンビニ、さらには新幹線のネット予約まで、いまやあらゆる商品に「ポイント」が付与されています。そしてそのポイントは貯めることにより現金の代わりとして支払いに使えるのです。それを悪用した犯罪がありました。
    宿泊予約サイトで虚偽の予約を繰り返したとして、私電磁的記録不正作出・同供用罪に問われた55歳の女とその34歳の息子の裁判で京都地裁が両被告に対し、いずれも懲役2年執行猶予4年の有罪判決を言い渡したというニュースがありました。
    この2人は2019年8~11月、宿泊するつもりがないのにインターネットの宿泊予約サイトで104の架空名義を使って101の宿泊施設に予約を入れていました。そして2人は予約サイトから付与された特典のポイントおよそ250万円分を使って京都や大阪のホテルを転々としながら暮らしていたといいますからとんでもない親子です。
    予約は「将来の売上」を意味します。しかし、それはあくまで見込みであって確定ではありません。途中キャンセルにでもなればその見込みは一気に0になるのです。さらに悪質なのはこの親子が予約をいれた後、一切キャンセルの連絡をしていない、いわゆる「ノーショウ(no show)=現れない」状態だったことです。「ノーショウ」は売上がないだけでなく、キャンセルの分を他の客に回す商売の機会まで失う由々しきものですからやられた方は堪ったものではありません。
    それにしても利益の中からポイントを還元するならわかりますが、利益が不確実な予約の段階でポイントを付与するなんていったいどういうことでしょう。お客は予約をいれたら絶対にキャンセルなんてしないとでも思っていたのでしょうか。この親子のように悪知恵で利益を得ようとする輩はいくらでもいることに気が付いていないシステムそのものに問題があるとしか思えません。
    ところで裁判長が判決の中で述べた「サイトの信頼を害する悪質な行為」でありながら、この親子はなぜ実刑でなく執行猶予なのでしょう。ひょっとしたら3食付きの刑務所に泊まるのにはまだポイントが足らなかったのか。
     
     
    ●「ノーショウ(no show)=現れない」でないからといって、それが“お客様”であるとは限りません。静岡・熱海市のホテルに無銭宿泊した15歳から16歳の無職の少年3人が詐欺の疑いで逮捕されたというニュースがありました。
    神奈川県相模原市に住むこの3人は12月18日未明、熱海市の温泉観光ホテルにチェックインし、1泊朝食の提供を受けていながら一人当たり1万円、計3万円の代金を支払わずに逃げたのです。ビジネスホテルなど最近の宿泊施設は料金先払いのところが増えていますが、熱海は昔ながらの観光地だけに「とりあえずは宿に招き入れ精算は出立時」だったのでしょう。どうやら少年たちはそこを狙ったようです。
    朝になりチェックアウトの時に従業員が精算を求めたところ、少年たちは「お金の算段をする」と話しましたが、その後、支払いをせずに姿をくらませたことでようやくホテル側は「宿泊客が金を支払わずに逃げた」と警察に通報しました。その場ですぐに支払いをしないのはどう考えても「金を持っていない」からにもかかわらず、身柄を拘束するでもなく最後まで少年たちを“お客様”として扱うホテルのホスピタリティは称賛されるべきか、甘すぎると非難されるべきかは意見の分かれるところです。
    人間をステレオタイプで判断するのは良くないのかもしれませんが、それでも3人が揃いもそろって中学校を出て高校に行くわけでも働くわけでもない無職とは、どうしても「やっぱりな」と思ってしまいます。それにしても真夜中に大人が誰もいない少年たちだけで訪れたことをホテルは不審に思わなかったのでしょうか。あるいはおかしいとは思いつつ、時間も時間だけに彼らを無碍に追い返すことができなかったとしたら、人の善意に付け込んだ少年たちの行為はますます許せません。
    ここは「少年だから」で済ますことなく、自身のしでかしたことの責任をしっかり取らせることこそが“学校にも行かず働きもしない”彼らが今後、真っ当な社会の一員となるために、いま大人ができる唯一のことです。
     
     
    ●千葉市消防局が酒気帯び運転をして追突事故を起こした22歳の男性消防士を懲戒免職処分にしたというニュースがありました。この消防士は前日夜に同僚と酒を飲みに行き、解散後も1人で朝までテキーラなどおよそ20杯を飲み続け、一旦はタクシーで帰宅したものの忘れものをしたことを思い出し取りに行くために車を運転したということです。
    しかし朝まで飲んでいたのですから体内からアルコールが抜けているわけがありません。真っ赤なクルマならぬ真っ赤な顔をした消防士はなるべくしてと言いますか、信号待ちをしていた乗用車に追突する事故を起こしてしまいました。そして乗用車に乗っていた女性が110番通報し、到着した警察官が酒の臭いに気付き検査をしたところ基準値を上回る数値がでたことで酒気帯び運転が発覚したのです。コップ1杯のビールを飲んだだけでもハンドルを持つことが許されない現代で、テキーラという極めてアルコール度数の高い酒を何杯も飲んだ挙句の事故ですから懲戒免職も自業自得としか言いようがありません。
    しかし、このニュースはそれだけでは終わりませんでした。なんと、千葉市消防局がこの不祥事を受けてあらゆる場面で「飲酒禁止」を打ち出したのです。対象は全職員およそ960人で、忘年会など飲食店でのそれはもちろんのこと家での一人晩酌も許さないというのですから呆れます。いまどき高校野球でも「連帯責任」なんてしないのに、たった1人の消防士が飲酒事故を起こしたからといって大の大人相手に「酒を飲むな」なんてよく言えたものです。それも「家でもダメ」だなんて、毎晩上司が各家庭を巡回して監視でもするつもりでしょうか。
    「公務員である消防士が酒を飲んだ挙句の事故だなんて市民に対し申し訳が立たない。ここは反省している態度を見せよう」と考えたのかもしれませんが、そもそも、酒を飲むのが“悪”ではなく、酒を飲んで運転することが“悪”であるはずなのに、これではまるで政治資金パーティーで得たお金を収支報告書に記載せず“裏金”化したことが問題なのに、パーティーそのものがダメだと言わんばかりにすべての開催を禁止するどこかの政党と同じです。
    市民はそんなパフォーマンスなんて望んでいません。
     
     
    ●クリスマスといえば「昭和」の時代にはおとうさんがクリスマスケーキを買って帰り、家族で静かに楽しむものでしたが、バブル期から「平成」にかけて高級レストランでフルコースディナーを楽しんだ後、シティホテルのスイートルームに宿泊するというカップルで楽しむものに変化してきました。
    そのときのプレゼントはもちろんブランド物の貴金属で、クリスマスは「彼・彼女」と「お金」のない若者には楽しむ権利がないものになってしまったのです。異性にモテないと称する人々がクリスマスイブの12月24日、JR渋谷駅周辺で「クリスマス粉砕デモ」を行ったというニュースがありました。
    「革命的非モテ同盟」なる団体が主催したこのデモは、高額のプレゼントを贈るなどクリスマスを巡る商業主義に警鐘を鳴らすという趣旨の下で行われ、約15名の男女は「クリスマス粉砕!」と書いた黄色の旗を掲げ「クリボッチ(=クリスマスに独りぼっち)も多様性のひとつだ」「これが日本の言論の自由だ!」とメガホンで叫びながら渋谷のスクランブル交差点などを行進しました。期せずしてこのデモに遭遇した人の中には飛び入り参加して一緒に「クリスマスふんさーい♪」と口ずさむ人もいたようで、周囲の人たちには概ね好意的に受け入れられていたようですが、そりゃそうでしょう。これがもし人もうらやむ美男美女のカップルが団体で「クリスマスは我々モテモテ人間だけのものだ」「ロンリーマンは表に出て来ず家に引っ込んでろ」などと叫びながら行進したならそれこそやっかみも含めて反発必至だったことでしょう。
    人間は往々にして自身を相対的に評価するもので、日頃どんなに恵まれていなくても、いま目の前にいる相手が自分より不幸とみると優しくなれるものですから、多くの人たちはデモ参加者を見て「あなたちに比べたらわたしはまだマシ」と感じたのかもしれません。そんな参加者たちは30分ほどのデモを「今年もクリスマスを粉砕したぞー」と万歳で締めくくったそうです。
    ところで彼らは自身を“クリボッチ”と言いましたが、クリスマスに『団体』で練り歩くどこが一人ぼっちなのでしょう。そしてデモ終了後、全員で粉砕したはずの“クリスマスパーティー”を楽しんでいたとしたら・・・。いずれにせよ平和な日本のクリスマスイブの出来事でした。
     
     
    ●2023年も残すところあとわずか。世間では情勢が大きく変化した年を“激動の一年”なんて言いますが、今年はわたしにとってまさに激動の一年になりました。“気まぐれライブ”で気ままに過ごしていた生活が、6月に自民党が天下の悪法である「LGBT理解増進法」を通して激変したのです。それまでもここ数年の自民党の体たらくには業を煮やしていましたが、この法律ができたことで「このままでは日本が壊れる」と感じ「まともな政党がないなら自分で作ればいい」と思い立ったのですから大変です。
    それからは9月のSNS開設からの党員募集、10月のメディアに向けた記者会見と結党パーティーの開催。さらには名古屋、東京、大阪での街頭宣伝活動と目まぐるしい日々が続き、そしてわたしの肩書にあらたに「日本保守党代表」が加わったのです。増えたものがあれば減ったものもありました。43年間ずっとあった「放送作家」という肩書きが完全に消えたのです。50歳を機に放送作家から小説家に転身を図った際、それまで担当していたテレビ番組のほとんどを辞しましたが「探偵!ナイトスクープ」だけはやめませんでした。なにしろ立ち上げから関り、チーフ構成者として心血を注いだ番組で特別な思い入れがあったからです。もしナイトスクープをやめるときがあるとしたら「それは番組自体が終了するときだ」とすら思っていたくらいです。そんな35年7カ月(放送前の準備期間を含めると36年弱)携わった「探偵!ナイトスクープ」の降板は文字通り断腸の思いでしたが「政党の代表者が一民放番組に関わっていたらいろいろな方面に迷惑を掛ける可能性がある」と考え、今までの人生同様今回も自分の信念を優先しました。
    そんな想いの詰まった「日本保守党」は政党といってもまだ1人も議員はいませんので厳密にいえばただの“政治団体”に過ぎませんが、事務所も借りて支部も作り街宣車の準備も整った2024年はいよいよ勝負の年となります。といっても、わたしたちの目的はあくまで「日本を豊かに、強く」することであって議員を生み出すことではありません。選挙に勝つのはあくまでその目的を完遂するための手段に過ぎず、ここが議員になることが最大の目的で国民の利益や自らの政治信条なんて二の次三の次の既成政党との大きな違いです。そんな生まれたてで何の実績もない政党ですが「日本を豊かに、強く」との考えにご賛同いただけるみなさん、是非とも応援よろしくお願いします。そして百田尚樹チャンネル会員の皆様、今年も1年ありがとうございました。
    来年もよろしくお願いいたします。

    記事を読む»

  • 2023年12月22日号:ニュースに一言

    2023-12-22 20:31  
    102pt
    5
    ●東京都内で35歳の男が銃刀法違反の疑いで逮捕されたというニュースがありました。
    12月4日正午ごろ、東京・世田谷区の小田急線・成城学園前駅近くの交番に女子高校生が「変な人に付きまとわれている」と駆け込んできました。すぐに対応した警察官が怪しげな男を見つけ職務質問したところ、なんと持ち物から刃渡り約9センチのナイフ2本と、鉄パイプ1本が見つかったといいますから大変です。さらに警察官が鉄パイプを指さし「これは何だ」と問うたところ、男は「これは爆弾です。中に火薬が入っています」となるとこれは紛れもなく事件です。
    男は警察官にナイフを渡し、「女性を刺して自分も死のうと思った」。続けて鉄パイプを渡し「ナイフで死ねなかったら爆弾を使おうと思った」と話したといいます。この手の事件で毎回思うのは、なぜ自分が“死にたい”ために無関係の人間を巻き込む必要があるのでしょう。冷たいようですが「死にたかったら勝手に死ね」としか思えません。
    女子高校生は最近、通学中に付きまとい被害に悩まされていたそうですが、よくぞ交番に駆け込んだものです。男の供述が本当だったとしたら、まさに九死に一生を得たことになります。彼女、そして彼女のご両親はさぞかしホッとしていることでしょう。
    そして今回の最大の功労者はなんといっても日本の交番システムです。交番所とは文字通り「交替(こうたい)で番(ばん)をする所(ところ)」のことで、そこに行けばいつでもお巡りさんに助けてもらえることを示しています。しかし、最近では人手不足から常駐というわけにはいかず、机の上に「ダイアルしてください」との文言とともに電話だけがおいてある交番もあるようです。実際の警官がいてこそ今回のような緊急事態にも対応できるのに、いちいち呼び出さなければならないのなら110番と同じで効果は半分以下にしかなりません。女性や子供、いわゆる弱者のためにもなんとか改善してもらいたいものです。それこそが犯罪の抑止力にもなりますし、何よりいざという時はもちろん、そうでないときも常に警察官がいてくれる安心感は何物にも代えられませんから。
     
     
    ●生き物は本能的に怖いものから逃れようとするものですが、人間だけは自らすすんで恐怖を味わいに行くのが不思議です。夏場のお化け屋敷は大賑わいですし、逆さまになって疾走するテーマパークの絶叫マシンはいつも長蛇の列です。
    心霊スポットとして有名な廃墟となったホテルに侵入した若者に「不法侵入だ」と迫り、現金を脅し取っていた管理業者の男ら3人が恐喝と弁護士法違反容疑で逮捕されたというニュースがありました。事件の舞台は京都府笠置町にある、かつては観光ホテルとして営業していたものの、いまやすっかり廃墟となった建物で、ここはその異様なたたずまいからからYouTubeなどに心霊スポットとして紹介され、各地から“怖いもの見たさ”の若者が集まっていました。
    そんな場所を今年8月と9月の未明に訪れた20代の男女4人から、この廃墟ホテルを管理する男たちは「刑事事件にするか、民事事件にするか」「前科が付く」などと言って示談金名目の計120万円を脅し取ったのです。彼らは「無断で立ち入った場合、30万円を支払うことに同意したものとみなす」と書かれた紙を貼った上で入り口に監視カメラを取り付け、人が侵入するたびに駆けつけて脅していたようで警察には30件以上の相談が寄せられていました。
    容疑者たちは「警告しているのに勝手に入るほうが悪い」「お化け屋敷でも入場料を取っているだろう」と思っているのかもしれませんが、さすがに30万円はふっかけすぎです。しかし「入るな」を無視してずかずか不法侵入した若者たちも反省する必要はあるでしょう。何はともあれ肝試しに来た被害者たちは突然現れた男たちに肝を冷やし、お化けなんかより生身の人間のほうがよっぽど怖いことを肝に銘じたことでしょう。
     
     
    ●「ロマンス詐欺グループ」の一員になった女性警官が逮捕されたというニュースがありました。佐賀県警捜査2課に詐欺容疑で逮捕されたこの女は大阪府警西成署刑事課薬物対策係の25歳の巡査です。
    彼女を含む一味は今年7月24日~8月7日、SNSでカナダ人男性医師を装い、佐賀県小城市に住む50代女性に対し「イエメンの病院で患者の世話をしているが、母が入院したため航空券が必要です」「自分の銀行口座にうまくアクセスできない」「イエメンからカナダまでの航空券は日本円で20万円です」などのウソのメッセージを送り20万円を銀行口座に振り込ませました。さらに8月下旬~9月7日、今度は埼玉県川越市の60代女性に対し日本人男性ファッションモデルに成りすまし、「タイにいて個人的なコンテストで優勝して賞金5億円を手に入れた」「事務所に見つからないようにあなたの家に送りたい」「一時的に運送会社に配送料を払って欲しい」と虚偽のDMを送信し70万円を銀行口座に振り込ませていました。
    その後8月21日になり「SNSで知り合ったカナダ人がトルコ警察に拘束された。解放するためにお金が必要だが、どうすればいいですか」と佐賀の女性から県警に相談があり事件が発覚しましたが、自分が騙されているとも知らず実際には存在しないカナダ人男性医師の心配をする女性が哀れでなりません。
    警察が調べると佐賀県の女性は20万円を含む約150万円、埼玉県の女性は70万円を含む約1140万円をこのロマンス詐欺グループにだまし取られていたことがわかりました。被害者は50代、60代と一般的には分別のある年齢とされますが、まさに「恋は盲目」とはよくいったものでいちど愛してしまったことによりもう周りは一切見えなくなってしまったのでしょう。それだけに純真な「乙女心」に付け込む卑劣な犯罪は許すことが出来ません。
    この手の詐欺事件は、ターゲット探し係、連絡係、現金引き出し係を分業にした上、架空口座でお金の流れをわからなくするなど周到な準備の上で行われますので、被害者が詐欺に気付いてもなかなか犯人を特定できません。ところが今回はいとも簡単に実行犯の女性巡査に辿り着きました。なぜなら、被害女性たちが振り込んだ銀行の口座名義が、なんとこの巡査本人のものだったからです。さらに警察が現金を引き出した日時を調べ、ATMのそばに設置されている防犯カメラの映像を確認すると、現金を引き出す女性巡査の姿がバッチリ写っていたのですからもう逃げられません。
    現役警察官が詐欺グループの一員だったことにも驚きですが、事件捜査のイロハを知る立場にありながら、自分名義の口座を使うなんて「犯人は私よ」と自己紹介しているのも同じで間抜けなことこの上ありません。詐欺事件で騙される方より騙す方が“バカ”だったという非常に珍しい事件でした。
     
     
    ●ドラッグストアで口紅1本を万引きした82歳の無職の男が島根県警雲南警察署に逮捕されたというニュースがありました。
    市内のドラッグストアの店長からの「在庫確認をしたところ、口紅1本が盗まれていることが分かった」との通報により、警察が店の防犯カメラなどを調べた結果、雲南市に1人で住む男の犯行が明らかになり逮捕されたのですが、盗んだものが後期高齢者の男には不似合いな口紅1本(販売価格990円)とはどういうことでしょう。調べに対し男は「私がしたことに間違いありません」と容疑を認めているそうですが、1人暮らしということで「家で待つ妻のために」というわけでもないでしょうし、ならば新しくできたガールフレンドへのプレゼントか。しかし男の自宅で見つかった盗まれた口紅に使用された形跡があったとなると、男が自ら使ったと考えるのが自然で、誰かのためにの可能性は低く謎はますます深まります。
    そこで思い浮かぶのは男が本当に“男”だったのかということです。彼がもしトランス女性だったとしたら一連の行動は合点がいくのです。現代でこそ「わたしは女よ、認めなさい」と当たり前のように権利を主張するトランス女性も多くなっていますが、この男の若かりし頃には「わたしは女よ」なんて言えば間違いなく変人扱いされたことでしょう。彼はそんな環境で82年間の人生を過ごしてきました。いまさら「わたしは女よ」なんて言えない気持ちはわかります。男がお金を払わずに持ち帰った理由が、口紅を握りしめて店員の待つレジに行く勇気がなかったからだとしたら、なんとも切ない気持ちになる事件でした。
     
     
    ●大阪府高槻市が市独自の物価高騰対策として令和5年9月から実施している水道基本料金の無償化を2か月間延長すると発表しました。あらゆるものが値上がりし家計が逼迫する中で国や自治体はいろいろな支援策を発表していますが、そのほとんどは恩着せがましい“給付金”支給です。目に見える現金はたしかにうれしいものです。しかし、それには事務処理のための時間が掛かるだけでなく手数料まで必要となることを忘れてはいけません。
    それに対し高槻市の策は、水道局が基本料金の請求をしないだけで他には何も手続きすることなく、市民は黙っていても毎月の支出が抑えられるのです。これほどまでシンプルでダイレクトに効果がでるものはありません。
    ガソリンにかかっている税金を一時的にストップする、消費税率を軽減、あるいは0にするなど簡単で即効性のある物価対策はいくらでもあるのに国は相変わらず手間と時間がかかる策しかとりません。これでは国民のための給付ではなく、だれかに提供するためにわざと手間と時間にかかるコストを捻出しているとしか思えません。その結果の“緊急”物価対策が半年以上先の来年のボーナス時の“減税”だなんて呆れてものも言えません。
    水道事業は原則として市町村が経営するものですから、どこもやろうと思えば減額請求なんてすぐにできます。国が本当に国民のことを考えているなら(その費用は国がもつから)すぐに各自治体に高槻市に倣うよう指示を出すべきです。電気、ガス、水道は現代人が生きていく上でなくてはならないものとして「ライフライン」とも呼ばれています。今から40年ほど前、わたしがまだ20代だった頃、風呂なしアパートで節約のためにガスを開栓していない友人がいました。彼はわたしの「風呂が無いにしても煮炊きやお茶を飲むために湯を沸かす時に困るだろう」との問いに対し「そんなもの電気炊飯器ですべて事足りる。とくにインスタントラーメンなんて密閉した炊飯器が圧力鍋代わりになってすこぶるいい具合 」と笑って答えました。
    そんなどこから見ても貧乏な生活を送る彼は料金未納により電気をしょっちゅう止められていましたが、同じく未納の水道を止められることはありませんでした。なぜなら電気は止めたところで部屋が真っ暗になるだけですが、水道(水)はそれがなければ“死”に直結するからです。すなわち料金を滞納したら電気やガスがすぐに供給ストップとなるのに対し、水道は最後まで止まることはないのです。あれから40数年、いまでは電気、ガス、水道完備の家に住めるようになった彼の自慢は「我こそが日本における“オール電化”第一号」です。

    記事を読む»

  • 2023年12月18日号:ニュースに一言

    2023-12-18 07:00  
    102pt
    2
    ●2019年7月、京都市伏見区にあるアニメ制作会社「京都アニメーション」に放火し、社員36人を死亡、33人に重軽傷を負わせた男の裁判員裁判で検察が死刑を求刑したというニュースがありました。
    多くの善良な市民にはとても納得できることではありませんが、残念ながら現在の日本では被害者が1人の殺人事件で死刑が求刑されることはほとんどありません(いわゆる永山基準)。しかし、今回の事件は36人という過去に類を見ない被害者数ですので死刑求刑は当然でしょう。それに対し弁護側は「死刑は残虐だからするべきではない」と主張するのですから笑ってしまいます。
    この被告は生きている人間に火を点け焼き殺した犯人です。被害者は炎に包まれながら、この世に多くの未練を残して命を断たれたのです。これ以上の“残虐”があるでしょうか。彼らの苦しみや悲しみに比べたら絞首刑なんて生やさしい処刑ではとても間尺に合わないくらいです。
    それにしても事件発生から4年以上も経ってようやく結審だなんて遅すぎです。被害者遺族がこの期間をどんな気持ちで過ごしてきたのかと考えるといたたまれません。裁判で最も重要なことは冤罪を生まないことで、そのためには本当に被告が犯人か慎重に見極める必要があるのは理解できますが、この被告は京アニに侵入したところ、火を放ったところなどの犯行を複数人に目撃されており、ほとんど現行犯状態ですから犯人に間違いありません。司法関係者に被害者、そしてその遺族に対して哀憫の念があるのなら、さっさと処分を決めて一日も早く事件に終止符を打つべきです。
    この事件の犯行理由は被告の「自分のアイディアを京アニが盗用した」との思い込みによる逆恨みでした。もちろんこんなものは情状酌量の材料にはなりません。誤解を恐れずに言うなら、情状酌量とは「突然、何の落ち度もない大切な人の命を奪われた被害者遺族が、犯人を殴る蹴るで殺したことの裁判で無罪を言い渡す」ときにだけ使うことのできる言葉です。
     
     
    ●政府が「異次元の少子化対策」として、3人以上の子供がいる家庭に対し、その大学進学にかかる入学金と授業料を国が負担するとした「こども未来戦略」を発表しました。この施策は子供が3人いたら全員の大学費用が無償になると事前に漏れ伝わり、子だくさん家庭は大いに期待していましたが、いざ実際にふたを開けてみると3人以上の子どもを育てる世帯のうち、無償化の対象となるのは3人全員が扶養されていることが条件というのですから呆れます。
    すなわち第1子が大学を卒業して扶養から外れると、下の2人の子どもは対象外というのです。さらに第1子が高卒で就職しても下の2人の子どもは対象外となり、この家庭は無償化の恩恵を一切受けられません。もはや当初期待された子供3人全員の大学タダは三つ子以外不可能なのです。よくもまあこんなどっちつかずで中途半端な施策をぬけぬけと発表できたものです。政府はこの施策により国民が3人以上の子供をもうけることで少子化に歯止めがかかることを期待しているようですが、国民をバカにしているのか、あるいは政府は本物のバカなのか。
    そもそも義務教育でもない大学を無償化にする意味が分かりません。現在でもアルファベットも満足に書けない、分数の計算が出来ない学生が在学する大学にも多額の助成金が支払われています。さらにそこに「金は出したるから大学生になれ」では少子化で学生が集まらず本来淘汰されるべき低レベル大学の延命措置をするようなもので、そんなことに我々の税金が使われるなんて堪ったものではありません。
    それにしても「異次元の・・・」なんて謳うわりにやることがいちいちセコすぎます。本当に爆発的に子供の数を増やそうと思うのなら「子供1人につき1000万、3人目からは2000万のお祝い金を贈呈」くらい言えないものでしょうか。その子供たちはやがて成人し納税し未来の日本を支えてくれるのですから、その費用は決して高いものではありせん。
     
     
    ●列車内などで執拗に女性に付きまとった上でわいせつな行為をした49歳の会社員の男が、不同意わいせつと不同意性交の疑いで埼玉県警川口署に逮捕されたというニュースがありました。
    この男は午前0時15分ごろ、JR埼京線池袋―赤羽間を走る列車内で面識のない20代女性に近付き身体を触るなどの痴漢行為をしていました。そして列車が赤羽駅に着いて女性が逃げ出すと男はすぐさまそのあとを追いかけ、なんとホーム上で性的暴行を加えたといいますから驚きです。
    さらにその後、女性がJR京浜東北線に乗り換えるとまたもや後に続き、赤羽―西川口間でも断続的に身体をまさぐり続けたそうでもはや完全に鬼畜の所業です。女性が触られながらも身ぶりで助けを求めたところ、近くにいた乗客が男のわいせつ行為に気付き車掌に事態を伝え、車掌の連絡を受けた西川口駅員が「列車内で迷惑行為があった」と110番し、待ち構えていた警察官が同駅で降車した男を確保したことで、ようやく女性は解放されたのです。
    一日の終わりに、いつ終わるとも分からない恐怖の時間を過ごすことになった被害女性はさぞかし不安だったことでしょう。よく勇気を振り絞って助けを求めました。それにしても東京のど真ん中でよくこんな事件が起きたものです。夜中とはいえ赤羽駅は乗降客が途絶えることのないターミナル駅です。そんな駅のホームで女性が暴行されているのに誰も気付かなかったのが不思議です。あるいは気付いてはいたものの「触らぬ神に祟りなし」と見て見ぬふりをして家路を急ぐ人ばかりだったとしたら、こんな情けないことはありません。そんな人たちにわたしは問いたい。「もし目の前で犯されている女性が自分の妻、恋人、娘、妹だったとしても見ぬふりできたのですか」と。調べに対し男は「ムラムラして性的欲求が抑えられなかった」などと供述していますが、こんな獣のような男が平気な顔をして街中を歩くなんて絶対に許せません。
    諸外国に比べて性犯罪にあまい日本ですが、自分の妻、恋人、娘、妹そして多くの善良な女性を守るためにも厳しい処罰が必要です。とりあえずは男のおでこに「性」と入れ墨を彫り、一目で性犯罪者だとわかるようにすることが第一歩です。「犯罪者にも人権がー」なんて批判は一切受け付けません。
     
     
    ●鳥取県米子市内の大衆浴場の女湯で、面識のない20代女性の体を触った32歳の自称無職の男が不同意わいせつの疑いで逮捕されたというニュースがありました。男は調べに対し「マッサージのために女性の体を触った」と話していますが、仮に同性同士であっても見ず知らずの他人に頼まれてもいないのに“マッサージ”だなんて、それだけで十分に不審者です。
    そしてこのニュースには最後に興味深い一文がありました。『米子警察署は、男の心が女性であるかどうかは捜査中で、男性器がついているかは確認中としていて詳しい事件の経緯や動機などについて調べています』。
    これまでは女湯に男が侵入したらそれだけで即アウトでしたが、今年の6月にLBGT理解増進法が施行され、自称女性のトランス女性を即時に女性用スペースから排除することが出来なくなりました。さらに10月には最高裁が性別変更要件から「生殖要件」を撤廃し、それこそ「わたしは女よ」と言うだけで「女性」と認めなければならなくなったのです。その結果、女湯に男を入れない最後の砦は、いよいよ厚生労働省の「身体的特徴(チンチンがあるかないか)で判断する」という通達だけになったことで米子警察の「男性器がついているかは確認中」となったのでしょうが、この男の“モノ”が一瞥してチンチンと判断出来ないほど小さかった場合は果たしてセーフなのかアウトなのか。
    そして今回の事件で恐ろしいのは、これまでの女湯侵入が女性の裸体を“黙って見ていた”だけなのに対し、“触る”にエスカレートしていることです。今後、トランスジェンダーの優遇がより進むようであれば、男の部分むき出しの“自称女性”のやりたい放題はますます激しくなっていくことでしょう。百害あって一利なしのLBGT理解増進法のせいで女性の安心できるスペースはどんどん狭められていきます。
     
     
    ●2025年に開催される大阪・関西万博の運営費が当初に見積もっていた809億円から1000億円以上に200億円も上振れする見込みだというニュースがありました。この万博では既に建設費が1250億円から2度の修正を経て当初の1・9倍にあたる2350億円に膨れ上がることが発表されていますが、こちらは国と大阪府市、さらに関西経済界が3分の1ずつ負担することになっています。しかし、上振れする運営費に対しては西村康稔経済産業相が「赤字が出ても国として補填することは考えていない」、また博覧会協会副会長でもある吉村洋文大阪府知事も「大阪府と大阪市も国と同じで運営費については補填しない」と明言するのですから困ったものです。
    それでは最終的に赤字はいったい誰が埋めるのでしょうか。阪神タイガースとオリックスバファローズの優勝パレードで“万博”を打ち出したために総スカンをくらって当初予定額の1割にも満たなかったことも忘れて、まさかまた“クラウドファンディング”で、なんて言い出すのでしょうか。
    予算をオーバーしそうなら、大不評の350億円の木造リング建設を中止するなど何かを削って枠内に収めればいいものを、その努力もせず「どうせ税金だから自分の腹は痛まない」とすべてが他人事で無責任な連中ばかりなのですから、今後もますますあらゆる費用が増え続けることでしょう。万博は3月から9月までの半年間開催されます。半ばに差し掛かり暑くなるころには予算が枯渇し「今日は電気料金節約のため冷房は無し」「動く歩道も今日はストップしていますから自分の足で動いてください」なんてことにもなりかねません。そこまでいかなくても人件費節約のため会場内の清掃がおろそかになることは必至です(もっとも発売後1週間経っても5万枚の入場券の売れ行きをみると汚れて掃除をしなければならないほど人は集まらないのかもしれませんが)。
    こんな問題山積の万博なんて、そのテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」が聞いて呆れます。これでは「いのちが縮む現実社会」でしかありません。万博開催による経済効果は2.4兆~2.8兆円という試算だそうですが、果たしてこれもどこまで正確なのか。なにしろ彼らは計算が大の苦手なのですから。

    記事を読む»