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記事 4件
  • 2022年12月23日号:ニュースに一言

    2022-12-23 20:02  
    102pt
    ●静岡県裾野市の保育園で園児を虐待していた3人の女性保育士が逮捕されたというニュースがありました。
    この3人は親が全幅の信頼の上に預けた子供たちに対し「足をつかみ宙づりにする」「ロッカーに入って泣いている様子を携帯電話で撮影」「丸めたゴザで頭をたたく」などの“暴行”を加えていたのです。そして驚いたのは彼女たちが1歳児クラスの担当だったことです。1歳といえばやっと歩けるようになり表情も豊かになる“可愛い”だけですべてが許される年頃です。親から離れて初めて“社会”に出て、見るもの聞くものすべてを吸収する、そんな幼児にもっとも避けなければならない恐怖を与えるなんて、とても人間のすることではありません。
    虐待を知った保護者からは「毎朝、登園する時に大泣きして『やだ、やだ』って言っていた」なんて証言もあり、言葉でうまく伝えられない中での精一杯の抵抗だったと思うと涙が出ます。この鬼畜のような3人の女性保育士を絶対に許せないのはもちろんですが、さらにこの事実を園長が隠ぺいしていたと聞いて怒りしかありません。この園長は8月1日に虐待の事実を知りながら、他の職員に「外部には漏らしません」との誓約書を書かせるなどして3ヵ月以上も本当のことを保護者に伝えていませんでした。なにしろ被害者がその事実を伝えられない幼児ですから、現場を見ていた職員さえ丸め込んだら「無かったこと」に出来ると考えたのでしょう。納得できない職員が市に通報しようとすると「それだけは勘弁してくれ」と土下座までして阻止したといいますから呆れます。
    まっさきに土下座しなければならない相手は幼児や、その保護者でしょうに。結局、裾野市への通報で事実が公になりましたが、よくぞ勇気をもって真実を伝えてくれた職員がいたものです。場合によっては職を失いかねないのに決断した、その「こどもを想う気持ち」には敬意を表します。
    職業を選ぶ理由は「給料が高いから」「安定しているから」「社会的に認められているから」などいろいろですが、保育園、幼稚園、学校に関わる仕事に就く人にはなにを置いても「子供が好きだから」を第一にしてもらいたいものです。また、採用する側もペーパーテストの点数などではなく、その部分を最重要視するべきです。
     
     
    ●千葉市内で勤務先の高校の女子トイレに侵入し、小型カメラで学校関係者の女性を盗撮していた36歳の男性国語教師が迷惑防止条例違反などの疑いで逮捕されたというニュースがありました。
    この男は校内の女子トイレで個室内の水道タンクの下にあるコンセントにプラグ型の盗撮用カメラを仕掛けていたのです。コンセントにプラグが刺さっているのは当たり前ですからバレることはないと思ったのでしょう。しかし、そこに入った女性教諭が不審に感じ通報したものですから大変です。駆け付けた警察はすぐに盗撮のためのカメラだと気付き「校内に変質者がいる」と大騒ぎになりました。その状況に恐れをなした男は観念し「大変なことをしてしまった」と警察に出頭したのですが、「扉の隙間から思わずスマホを差し入れる」のと違い、事前にプラグ型カメラを用意するなど綿密な計画の上での犯行なのは明らかです。
    調べに対し「女性が用便する姿を撮影する目的で小型カメラを設置した」「仕事によるストレスやプレッシャーを発散するためだった」と容疑を認めているそうですが、見つかった途端にビビッて出頭するような小心者の男です。そのときの「だれにも見つからずに設置出来るか」の方が仕事上のプレッシャーよりよほど強いプレッシャーだと思うのですが、よく平気な顔をして女子トイレに忍び込めたものです。変質者の精神構造はつくづく理解できません。
    本人はストレス解消のつもりだったとしても逮捕により自身の性癖が周囲に知られてしまい、今後は今まで以上のストレスを感じる日々となるでしょう。自業自得とはいえ哀れな男です。
     
     
    ●厚生労働省が「生活保護を受けながら大学に進学することは認めない」という方針を今後も継続することにしたというニュースがありました。この発表は「いまと比べて格段に低い進学率だった1963年に旧厚生省が出した通知が根拠のこの決まりは、多くの若者が高等教育を受ける現在にはそぐわない」「このルールは向学心のある貧困世帯の子供の将来を阻害している」という声が繰り返し出されたことに応えたものです。
    生活保護は「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と憲法にあることから保障されるものですが、大学進学が“最低限の権利”であるかは疑問です。現代は大学全入時代といわれ希望すれば全員が“どこかの”大学に入れます。ひとくちに大学といってもピンからキリまであり、中にはアルファベットすらまともに書くことができない中学生程度の学力でも合格できるところもあります。そんなところの学生は、入学後に必死になって勉強することもなく4年間をただ遊ぶことのみに費やすのです。「大学進学もOK」となれば、そんな学生を生活保護のお金(税金)で遊ばせることになるのですから真面目な納税者の反発は必至で、今回の厚労省の判断は妥当なものでしょう。
    そもそも生活保護は「働きたくても働けない人」に対して給付されるものですから、大学に行く元気があるならまず働くべきです。実際、生活保護を受給していない貧困家庭の子供が進学をあきらめ就職するケースは普通にあります。そんな子が生活保護を受けながら大学という名の“レジャーランド”で遊んでいる学生を見たらどう思うのでしょうか。「僕の必死に働いて納めた税金をそんな奴のために使って欲しくない」と思うでしょう。
    納税制度の大前提は不公平感のないことです。それでもなお親の貧困が子供に連鎖するのは絶対にまかりならぬというのなら、本当に優秀な学生にのみ特別枠で返済不要の奨学金を支給して学ばせればいいのです。その優秀さが将来、「日本国の役に立つ」と考えたら誰も文句を言わないでしょう。これは差別でもなんでもありません。「働くのは嫌」「努力も嫌」でも「権利は守れ」なんて虫のいい話はないと言っているだけです。
    それより問題なのは、日本人の子供が学費に苦労する一方で、海外からの留学生には学費全額免除だけでなく、生活費まで面倒見ていることです。現在、留学生の約半数が中国からの学生です。彼らの母国が今、我が国の南で何をしているか。中国人留学生は日本人の働いた金で学び、知識や技術という何物にも代えがたい土産を持って帰国します。そしてそのあとは、その土産を母国のために使うのですから彼らへの投資は「日本国の役に立つ」どころか「日本国を脅かす」ことになりかねません。「留学生は国と国との懸け橋」なんて理想はかの国には通用しません。お人よしも大概にしてもらいたいものです。
     
     
    ●「虎の威を借る狐」・・・福岡県北九州市の43歳の男性職員が軽犯罪法違反の疑いで書類送検されたというニュースがありました。
    この男は今年9月、北九州市内で前を走る車が停まったり進んだりを繰り返していたことに腹を立て、クラクションを何度も鳴らすなど“あおり運転”をしていました。その後、無理やり前の車を停止させ運転していた33歳の男性に対し「どんな運転をしているんだ」「私は警察官だ。免許証を見せなさい」と言って、本物の警官でもないのに運転免許証を提示させたのです。免許を差し出した男性もさぞかし驚いたことでしょう。まさかあおってきた相手が警察官だったなんて。
    男の態度に不信感を抱いた男性の車の同乗者が「変な男にからまれている」と110番通報したことから事件が発覚しましたが、男は取り調べに対して「運転手は高齢者だと思っていたら、20代に見えて驚いた」などと供述しているということです。なんと男は相手が高齢者だと思って“かまし”に行ったところ、実際には若い男性だったため怖くなりとっさに警察官を装ったというのです。なんという仕様もない男でしょう。百歩譲って正しいか間違っているかは別にして、自身の考えを意見として言うことはいいとしましょう。しかし、それが相手によって変わるようなら、ましてや女子供や高齢者など自分より弱い人間にしか言えないのなら、その時点でそれは自己満足のためのはけ口に過ぎません。
    今回の件で「気の短いチキン野郎」とバレてしまった市職員の男。これからどんな顔をして職場で仕事をするのやら。ところで、あおり運転をするパトカーでもない普通の車から降りてきた私服の男に素直に免許を見せた、停まったり進んだりしていた車の運転手さん。この人の目的はいったい何だったのでしょう。
     
     
    ●サッカーワールドカップで日本代表は見事に予選リーグを突破し、16チームによる決勝トーナメントに進出しましたが、悲願のベスト8を賭けた初戦でクロアチアにPK戦の末敗れ、残念ながら夢は次回に持ち越しとなりました。わたしはサッカーに関してはまったくの素人で技術的なことは一切わからないこともあり、開幕前はあまり関心を持っていませんでした。それでもせっかくのワールドカップだからと予選リーグの1試合目、ドイツ戦をテレビ観戦することにしました。戦前の予想ではどの解説者も「ドイツは強い。なんとか引き分けに持ち込み勝ち点1を」ばかりです。果たして、前半の戦いを見ていると日本選手はドイツ選手が回すパスの後ろを追いかけるばかりで「これじゃあ得点されるのも時間の問題や」としか思えません。敗戦を覚悟してテレビの前を離れました。ところがです。後半に入ったとたんに日本代表は一気に攻勢にでて遂には逆転勝ちするのですから勝負はわかりません。
    素人目に“全然攻めていない”と映っていたのは、実は“守りに徹していた”だけだったのです。そうなると日本中ににわかファンがあふれ、俄然ワールドカップは盛り上がってきました。そして迎えた2戦目の相手はコスタリカです。解説者は初戦とは打って変わって「ただ勝つだけじゃダメ。大量得点を狙おう」と楽勝ムードです。わたしも1戦目の勝利を見逃した反省から一歩も席を離れないで済むように飲み物食べ物を準備しテレビの前に陣取りました。試合は終始日本ペースで進み、あとは得点を待つばかりです。・・・「ゴール!!」やっと聞いたその叫びはコスタリカのものでした。何本もシュートを打ちながら無得点の日本に対し、たった1度のチャンスを生かしたコスタリカが勝つのですから勝負はわかりません。
    お祭り気分だった日本中が最終戦を前に一気に静まり返ってしまいました。それもそのはず最終戦の相手は強豪スペインだったからです。誰もが「せっかくドイツに勝ってもう少しだったのに」と予選突破をあきらめた雰囲気です。わたしも試合時間が早朝だったこともありテレビのスイッチを入れることはありませんでした。ところがです。朝、起きると日本中が「ニッポン、ニッポン」と大騒ぎです。絶対に勝てないと思われたスペインにわが日本代表が勝つのですから勝負はわかりません。この試合の決勝点は場外にこぼれ出たと見えたボールがVARによって有効と認められたものを、最後まであきらめずに押し込んだものでした。
    VAR・・・この聞きなれない言葉はAIが選手やボールの位置を見張ってファールか否かを判断するものです。そのため試合球の中には内臓チップ埋め込まれており、常に正確にその位置が測定されているといいます。それにしても世界レベルの選手が思い切り蹴るボールです。よく壊れないものです。近代技術の粋が日本の勝利を見事にアシストしてくれました。
    日本のワールドカップは12月6日、一足先に閉幕しましたが、今大会で日本サッカーへの認識を新たにした人も多かったと思います。素人玄人を含めてほとんどのサッカーファンは「サッカーといえばブラジル、フランスも強いよ、いやアルゼンチンでしょう、ドイツも忘れては困る」というようにかつてのイメージを引きずっていたのでしょう。しかし選手たちは違いました。ドイツ、イタリア、スペインなど海外の強豪チームでプレイする彼らの認識は日々アップデイトされ、日本代表の実力を冷静に判断したうえで“いける”と信じていたのです。今回ほど“一喜一憂”“手のひら返し”の連続する大会は初めてでした。サッカーワールドカップは世界を巻き込むお祭りともいわれます。日頃は日の丸、君が代を毛嫌いする連中の雑音が聞こえなかったのはなによりでした。また「ルッキズム」が非難される中、連日紹介される各国の美人サポーター映像にも誰も文句を言いません。お祭りはやはりこうでなくっちゃ。・・・以上、サッカーど素人のにわかファン代表、百田尚樹のワールドカップ観戦記でした。

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  • 2022年12月19日号:ニュースに一言

    2022-12-19 18:11  
    102pt
    ●静岡県裾野市の保育園で園児を虐待していた3人の女性保育士が逮捕されたというニュースがありました。
    この3人は親が全幅の信頼の上に預けた子供たちに対し「足をつかみ宙づりにする」「ロッカーに入って泣いている様子を携帯電話で撮影」「丸めたゴザで頭をたたく」などの“暴行”を加えていたのです。そして驚いたのは彼女たちが1歳児クラスの担当だったことです。1歳といえばやっと歩けるようになり表情も豊かになる“可愛い”だけですべてが許される年頃です。親から離れて初めて“社会”に出て、見るもの聞くものすべてを吸収する、そんな幼児にもっとも避けなければならない恐怖を与えるなんて、とても人間のすることではありません。
    虐待を知った保護者からは「毎朝、登園する時に大泣きして『やだ、やだ』って言っていた」なんて証言もあり、言葉でうまく伝えられない中での精一杯の抵抗だったと思うと涙が出ます。この鬼畜のような3人の女性保育士を絶対に許せないのはもちろんですが、さらにこの事実を園長が隠ぺいしていたと聞いて怒りしかありません。この園長は8月1日に虐待の事実を知りながら、他の職員に「外部には漏らしません」との誓約書を書かせるなどして3ヵ月以上も本当のことを保護者に伝えていませんでした。なにしろ被害者がその事実を伝えられない幼児ですから、現場を見ていた職員さえ丸め込んだら「無かったこと」に出来ると考えたのでしょう。納得できない職員が市に通報しようとすると「それだけは勘弁してくれ」と土下座までして阻止したといいますから呆れます。
    まっさきに土下座しなければならない相手は幼児や、その保護者でしょうに。結局、裾野市への通報で事実が公になりましたが、よくぞ勇気をもって真実を伝えてくれた職員がいたものです。場合によっては職を失いかねないのに決断した、その「こどもを想う気持ち」には敬意を表します。
    職業を選ぶ理由は「給料が高いから」「安定しているから」「社会的に認められているから」などいろいろですが、保育園、幼稚園、学校に関わる仕事に就く人にはなにを置いても「子供が好きだから」を第一にしてもらいたいものです。また、採用する側もペーパーテストの点数などではなく、その部分を最重要視するべきです。
     
     
    ●千葉市内で勤務先の高校の女子トイレに侵入し、小型カメラで学校関係者の女性を盗撮していた36歳の男性国語教師が迷惑防止条例違反などの疑いで逮捕されたというニュースがありました。
    この男は校内の女子トイレで個室内の水道タンクの下にあるコンセントにプラグ型の盗撮用カメラを仕掛けていたのです。コンセントにプラグが刺さっているのは当たり前ですからバレることはないと思ったのでしょう。しかし、そこに入った女性教諭が不審に感じ通報したものですから大変です。駆け付けた警察はすぐに盗撮のためのカメラだと気付き「校内に変質者がいる」と大騒ぎになりました。その状況に恐れをなした男は観念し「大変なことをしてしまった」と警察に出頭したのですが、「扉の隙間から思わずスマホを差し入れる」のと違い、事前にプラグ型カメラを用意するなど綿密な計画の上での犯行なのは明らかです。
    調べに対し「女性が用便する姿を撮影する目的で小型カメラを設置した」「仕事によるストレスやプレッシャーを発散するためだった」と容疑を認めているそうですが、見つかった途端にビビッて出頭するような小心者の男です。そのときの「だれにも見つからずに設置出来るか」の方が仕事上のプレッシャーよりよほど強いプレッシャーだと思うのですが、よく平気な顔をして女子トイレに忍び込めたものです。変質者の精神構造はつくづく理解できません。
    本人はストレス解消のつもりだったとしても逮捕により自身の性癖が周囲に知られてしまい、今後は今まで以上のストレスを感じる日々となるでしょう。自業自得とはいえ哀れな男です。
     
     
    ●厚生労働省が「生活保護を受けながら大学に進学することは認めない」という方針を今後も継続することにしたというニュースがありました。この発表は「いまと比べて格段に低い進学率だった1963年に旧厚生省が出した通知が根拠のこの決まりは、多くの若者が高等教育を受ける現在にはそぐわない」「このルールは向学心のある貧困世帯の子供の将来を阻害している」という声が繰り返し出されたことに応えたものです。
    生活保護は「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と憲法にあることから保障されるものですが、大学進学が“最低限の権利”であるかは疑問です。現代は大学全入時代といわれ希望すれば全員が“どこかの”大学に入れます。ひとくちに大学といってもピンからキリまであり、中にはアルファベットすらまともに書くことができない中学生程度の学力でも合格できるところもあります。そんなところの学生は、入学後に必死になって勉強することもなく4年間をただ遊ぶことのみに費やすのです。「大学進学もOK」となれば、そんな学生を生活保護のお金(税金)で遊ばせることになるのですから真面目な納税者の反発は必至で、今回の厚労省の判断は妥当なものでしょう。
    そもそも生活保護は「働きたくても働けない人」に対して給付されるものですから、大学に行く元気があるならまず働くべきです。実際、生活保護を受給していない貧困家庭の子供が進学をあきらめ就職するケースは普通にあります。そんな子が生活保護を受けながら大学という名の“レジャーランド”で遊んでいる学生を見たらどう思うのでしょうか。「僕の必死に働いて納めた税金をそんな奴のために使って欲しくない」と思うでしょう。
    納税制度の大前提は不公平感のないことです。それでもなお親の貧困が子供に連鎖するのは絶対にまかりならぬというのなら、本当に優秀な学生にのみ特別枠で返済不要の奨学金を支給して学ばせればいいのです。その優秀さが将来、「日本国の役に立つ」と考えたら誰も文句を言わないでしょう。これは差別でもなんでもありません。「働くのは嫌」「努力も嫌」でも「権利は守れ」なんて虫のいい話はないと言っているだけです。
    それより問題なのは、日本人の子供が学費に苦労する一方で、海外からの留学生には学費全額免除だけでなく、生活費まで面倒見ていることです。現在、留学生の約半数が中国からの学生です。彼らの母国が今、我が国の南で何をしているか。中国人留学生は日本人の働いた金で学び、知識や技術という何物にも代えがたい土産を持って帰国します。そしてそのあとは、その土産を母国のために使うのですから彼らへの投資は「日本国の役に立つ」どころか「日本国を脅かす」ことになりかねません。「留学生は国と国との懸け橋」なんて理想はかの国には通用しません。お人よしも大概にしてもらいたいものです。
     
     
    ●「虎の威を借る狐」・・・福岡県北九州市の43歳の男性職員が軽犯罪法違反の疑いで書類送検されたというニュースがありました。
    この男は今年9月、北九州市内で前を走る車が停まったり進んだりを繰り返していたことに腹を立て、クラクションを何度も鳴らすなど“あおり運転”をしていました。その後、無理やり前の車を停止させ運転していた33歳の男性に対し「どんな運転をしているんだ」「私は警察官だ。免許証を見せなさい」と言って、本物の警官でもないのに運転免許証を提示させたのです。免許を差し出した男性もさぞかし驚いたことでしょう。まさかあおってきた相手が警察官だったなんて。
    男の態度に不信感を抱いた男性の車の同乗者が「変な男にからまれている」と110番通報したことから事件が発覚しましたが、男は取り調べに対して「運転手は高齢者だと思っていたら、20代に見えて驚いた」などと供述しているということです。なんと男は相手が高齢者だと思って“かまし”に行ったところ、実際には若い男性だったため怖くなりとっさに警察官を装ったというのです。なんという仕様もない男でしょう。百歩譲って正しいか間違っているかは別にして、自身の考えを意見として言うことはいいとしましょう。しかし、それが相手によって変わるようなら、ましてや女子供や高齢者など自分より弱い人間にしか言えないのなら、その時点でそれは自己満足のためのはけ口に過ぎません。
    今回の件で「気の短いチキン野郎」とバレてしまった市職員の男。これからどんな顔をして職場で仕事をするのやら。ところで、あおり運転をするパトカーでもない普通の車から降りてきた私服の男に素直に免許を見せた、停まったり進んだりしていた車の運転手さん。この人の目的はいったい何だったのでしょう。
     
     
    ●サッカーワールドカップで日本代表は見事に予選リーグを突破し、16チームによる決勝トーナメントに進出しましたが、悲願のベスト8を賭けた初戦でクロアチアにPK戦の末敗れ、残念ながら夢は次回に持ち越しとなりました。わたしはサッカーに関してはまったくの素人で技術的なことは一切わからないこともあり、開幕前はあまり関心を持っていませんでした。それでもせっかくのワールドカップだからと予選リーグの1試合目、ドイツ戦をテレビ観戦することにしました。戦前の予想ではどの解説者も「ドイツは強い。なんとか引き分けに持ち込み勝ち点1を」ばかりです。果たして、前半の戦いを見ていると日本選手はドイツ選手が回すパスの後ろを追いかけるばかりで「これじゃあ得点されるのも時間の問題や」としか思えません。敗戦を覚悟してテレビの前を離れました。ところがです。後半に入ったとたんに日本代表は一気に攻勢にでて遂には逆転勝ちするのですから勝負はわかりません。
    素人目に“全然攻めていない”と映っていたのは、実は“守りに徹していた”だけだったのです。そうなると日本中ににわかファンがあふれ、俄然ワールドカップは盛り上がってきました。そして迎えた2戦目の相手はコスタリカです。解説者は初戦とは打って変わって「ただ勝つだけじゃダメ。大量得点を狙おう」と楽勝ムードです。わたしも1戦目の勝利を見逃した反省から一歩も席を離れないで済むように飲み物食べ物を準備しテレビの前に陣取りました。試合は終始日本ペースで進み、あとは得点を待つばかりです。・・・「ゴール!!」やっと聞いたその叫びはコスタリカのものでした。何本もシュートを打ちながら無得点の日本に対し、たった1度のチャンスを生かしたコスタリカが勝つのですから勝負はわかりません。
    お祭り気分だった日本中が最終戦を前に一気に静まり返ってしまいました。それもそのはず最終戦の相手は強豪スペインだったからです。誰もが「せっかくドイツに勝ってもう少しだったのに」と予選突破をあきらめた雰囲気です。わたしも試合時間が早朝だったこともありテレビのスイッチを入れることはありませんでした。ところがです。朝、起きると日本中が「ニッポン、ニッポン」と大騒ぎです。絶対に勝てないと思われたスペインにわが日本代表が勝つのですから勝負はわかりません。この試合の決勝点は場外にこぼれ出たと見えたボールがVARによって有効と認められたものを、最後まであきらめずに押し込んだものでした。
    VAR・・・この聞きなれない言葉はAIが選手やボールの位置を見張ってファールか否かを判断するものです。そのため試合球の中には内臓チップ埋め込まれており、常に正確にその位置が測定されているといいます。それにしても世界レベルの選手が思い切り蹴るボールです。よく壊れないものです。近代技術の粋が日本の勝利を見事にアシストしてくれました。
    日本のワールドカップは12月6日、一足先に閉幕しましたが、今大会で日本サッカーへの認識を新たにした人も多かったと思います。素人玄人を含めてほとんどのサッカーファンは「サッカーといえばブラジル、フランスも強いよ、いやアルゼンチンでしょう、ドイツも忘れては困る」というようにかつてのイメージを引きずっていたのでしょう。しかし選手たちは違いました。ドイツ、イタリア、スペインなど海外の強豪チームでプレイする彼らの認識は日々アップデイトされ、日本代表の実力を冷静に判断したうえで“いける”と信じていたのです。今回ほど“一喜一憂”“手のひら返し”の連続する大会は初めてでした。サッカーワールドカップは世界を巻き込むお祭りともいわれます。日頃は日の丸、君が代を毛嫌いする連中の雑音が聞こえなかったのはなによりでした。また「ルッキズム」が非難される中、連日紹介される各国の美人サポーター映像にも誰も文句を言いません。お祭りはやはりこうでなくっちゃ。・・・以上、サッカーど素人のにわかファン代表、百田尚樹のワールドカップ観戦記でした。

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  • 2022年12月9日号:ニュースに一言

    2022-12-09 13:07  
    102pt
    ●静岡県裾野市の保育園で園児を虐待していた3人の女性保育士が逮捕されたというニュースがありました。
    この3人は親が全幅の信頼の上に預けた子供たちに対し「足をつかみ宙づりにする」「ロッカーに入って泣いている様子を携帯電話で撮影」「丸めたゴザで頭をたたく」などの“暴行”を加えていたのです。そして驚いたのは彼女たちが1歳児クラスの担当だったことです。1歳といえばやっと歩けるようになり表情も豊かになる“可愛い”だけですべてが許される年頃です。親から離れて初めて“社会”に出て、見るもの聞くものすべてを吸収する、そんな幼児にもっとも避けなければならない恐怖を与えるなんて、とても人間のすることではありません。
    虐待を知った保護者からは「毎朝、登園する時に大泣きして『やだ、やだ』って言っていた」なんて証言もあり、言葉でうまく伝えられない中での精一杯の抵抗だったと思うと涙が出ます。この鬼畜のような3人の女性保育士を絶対に許せないのはもちろんですが、さらにこの事実を園長が隠ぺいしていたと聞いて怒りしかありません。この園長は8月1日に虐待の事実を知りながら、他の職員に「外部には漏らしません」との誓約書を書かせるなどして3ヵ月以上も本当のことを保護者に伝えていませんでした。なにしろ被害者がその事実を伝えられない幼児ですから、現場を見ていた職員さえ丸め込んだら「無かったこと」に出来ると考えたのでしょう。納得できない職員が市に通報しようとすると「それだけは勘弁してくれ」と土下座までして阻止したといいますから呆れます。
    まっさきに土下座しなければならない相手は幼児や、その保護者でしょうに。結局、裾野市への通報で事実が公になりましたが、よくぞ勇気をもって真実を伝えてくれた職員がいたものです。場合によっては職を失いかねないのに決断した、その「こどもを想う気持ち」には敬意を表します。
    職業を選ぶ理由は「給料が高いから」「安定しているから」「社会的に認められているから」などいろいろですが、保育園、幼稚園、学校に関わる仕事に就く人にはなにを置いても「子供が好きだから」を第一にしてもらいたいものです。また、採用する側もペーパーテストの点数などではなく、その部分を最重要視するべきです。
     
     
    ●千葉市内で勤務先の高校の女子トイレに侵入し、小型カメラで学校関係者の女性を盗撮していた36歳の男性国語教師が迷惑防止条例違反などの疑いで逮捕されたというニュースがありました。
    この男は校内の女子トイレで個室内の水道タンクの下にあるコンセントにプラグ型の盗撮用カメラを仕掛けていたのです。コンセントにプラグが刺さっているのは当たり前ですからバレることはないと思ったのでしょう。しかし、そこに入った女性教諭が不審に感じ通報したものですから大変です。駆け付けた警察はすぐに盗撮のためのカメラだと気付き「校内に変質者がいる」と大騒ぎになりました。その状況に恐れをなした男は観念し「大変なことをしてしまった」と警察に出頭したのですが、「扉の隙間から思わずスマホを差し入れる」のと違い、事前にプラグ型カメラを用意するなど綿密な計画の上での犯行なのは明らかです。
    調べに対し「女性が用便する姿を撮影する目的で小型カメラを設置した」「仕事によるストレスやプレッシャーを発散するためだった」と容疑を認めているそうですが、見つかった途端にビビッて出頭するような小心者の男です。そのときの「だれにも見つからずに設置出来るか」の方が仕事上のプレッシャーよりよほど強いプレッシャーだと思うのですが、よく平気な顔をして女子トイレに忍び込めたものです。変質者の精神構造はつくづく理解できません。
    本人はストレス解消のつもりだったとしても逮捕により自身の性癖が周囲に知られてしまい、今後は今まで以上のストレスを感じる日々となるでしょう。自業自得とはいえ哀れな男です。
     
     
    ●厚生労働省が「生活保護を受けながら大学に進学することは認めない」という方針を今後も継続することにしたというニュースがありました。この発表は「いまと比べて格段に低い進学率だった1963年に旧厚生省が出した通知が根拠のこの決まりは、多くの若者が高等教育を受ける現在にはそぐわない」「このルールは向学心のある貧困世帯の子供の将来を阻害している」という声が繰り返し出されたことに応えたものです。
    生活保護は「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と憲法にあることから保障されるものですが、大学進学が“最低限の権利”であるかは疑問です。現代は大学全入時代といわれ希望すれば全員が“どこかの”大学に入れます。ひとくちに大学といってもピンからキリまであり、中にはアルファベットすらまともに書くことができない中学生程度の学力でも合格できるところもあります。そんなところの学生は、入学後に必死になって勉強することもなく4年間をただ遊ぶことのみに費やすのです。「大学進学もOK」となれば、そんな学生を生活保護のお金(税金)で遊ばせることになるのですから真面目な納税者の反発は必至で、今回の厚労省の判断は妥当なものでしょう。
    そもそも生活保護は「働きたくても働けない人」に対して給付されるものですから、大学に行く元気があるならまず働くべきです。実際、生活保護を受給していない貧困家庭の子供が進学をあきらめ就職するケースは普通にあります。そんな子が生活保護を受けながら大学という名の“レジャーランド”で遊んでいる学生を見たらどう思うのでしょうか。「僕の必死に働いて納めた税金をそんな奴のために使って欲しくない」と思うでしょう。
    納税制度の大前提は不公平感のないことです。それでもなお親の貧困が子供に連鎖するのは絶対にまかりならぬというのなら、本当に優秀な学生にのみ特別枠で返済不要の奨学金を支給して学ばせればいいのです。その優秀さが将来、「日本国の役に立つ」と考えたら誰も文句を言わないでしょう。これは差別でもなんでもありません。「働くのは嫌」「努力も嫌」でも「権利は守れ」なんて虫のいい話はないと言っているだけです。
    それより問題なのは、日本人の子供が学費に苦労する一方で、海外からの留学生には学費全額免除だけでなく、生活費まで面倒見ていることです。現在、留学生の約半数が中国からの学生です。彼らの母国が今、我が国の南で何をしているか。中国人留学生は日本人の働いた金で学び、知識や技術という何物にも代えがたい土産を持って帰国します。そしてそのあとは、その土産を母国のために使うのですから彼らへの投資は「日本国の役に立つ」どころか「日本国を脅かす」ことになりかねません。「留学生は国と国との懸け橋」なんて理想はかの国には通用しません。お人よしも大概にしてもらいたいものです。
     
     
    ●「虎の威を借る狐」・・・福岡県北九州市の43歳の男性職員が軽犯罪法違反の疑いで書類送検されたというニュースがありました。
    この男は今年9月、北九州市内で前を走る車が停まったり進んだりを繰り返していたことに腹を立て、クラクションを何度も鳴らすなど“あおり運転”をしていました。その後、無理やり前の車を停止させ運転していた33歳の男性に対し「どんな運転をしているんだ」「私は警察官だ。免許証を見せなさい」と言って、本物の警官でもないのに運転免許証を提示させたのです。免許を差し出した男性もさぞかし驚いたことでしょう。まさかあおってきた相手が警察官だったなんて。
    男の態度に不信感を抱いた男性の車の同乗者が「変な男にからまれている」と110番通報したことから事件が発覚しましたが、男は取り調べに対して「運転手は高齢者だと思っていたら、20代に見えて驚いた」などと供述しているということです。なんと男は相手が高齢者だと思って“かまし”に行ったところ、実際には若い男性だったため怖くなりとっさに警察官を装ったというのです。なんという仕様もない男でしょう。百歩譲って正しいか間違っているかは別にして、自身の考えを意見として言うことはいいとしましょう。しかし、それが相手によって変わるようなら、ましてや女子供や高齢者など自分より弱い人間にしか言えないのなら、その時点でそれは自己満足のためのはけ口に過ぎません。
    今回の件で「気の短いチキン野郎」とバレてしまった市職員の男。これからどんな顔をして職場で仕事をするのやら。ところで、あおり運転をするパトカーでもない普通の車から降りてきた私服の男に素直に免許を見せた、停まったり進んだりしていた車の運転手さん。この人の目的はいったい何だったのでしょう。
     
     
    ●サッカーワールドカップで日本代表は見事に予選リーグを突破し、16チームによる決勝トーナメントに進出しましたが、悲願のベスト8を賭けた初戦でクロアチアにPK戦の末敗れ、残念ながら夢は次回に持ち越しとなりました。わたしはサッカーに関してはまったくの素人で技術的なことは一切わからないこともあり、開幕前はあまり関心を持っていませんでした。それでもせっかくのワールドカップだからと予選リーグの1試合目、ドイツ戦をテレビ観戦することにしました。戦前の予想ではどの解説者も「ドイツは強い。なんとか引き分けに持ち込み勝ち点1を」ばかりです。果たして、前半の戦いを見ていると日本選手はドイツ選手が回すパスの後ろを追いかけるばかりで「これじゃあ得点されるのも時間の問題や」としか思えません。敗戦を覚悟してテレビの前を離れました。ところがです。後半に入ったとたんに日本代表は一気に攻勢にでて遂には逆転勝ちするのですから勝負はわかりません。
    素人目に“全然攻めていない”と映っていたのは、実は“守りに徹していた”だけだったのです。そうなると日本中ににわかファンがあふれ、俄然ワールドカップは盛り上がってきました。そして迎えた2戦目の相手はコスタリカです。解説者は初戦とは打って変わって「ただ勝つだけじゃダメ。大量得点を狙おう」と楽勝ムードです。わたしも1戦目の勝利を見逃した反省から一歩も席を離れないで済むように飲み物食べ物を準備しテレビの前に陣取りました。試合は終始日本ペースで進み、あとは得点を待つばかりです。・・・「ゴール!!」やっと聞いたその叫びはコスタリカのものでした。何本もシュートを打ちながら無得点の日本に対し、たった1度のチャンスを生かしたコスタリカが勝つのですから勝負はわかりません。
    お祭り気分だった日本中が最終戦を前に一気に静まり返ってしまいました。それもそのはず最終戦の相手は強豪スペインだったからです。誰もが「せっかくドイツに勝ってもう少しだったのに」と予選突破をあきらめた雰囲気です。わたしも試合時間が早朝だったこともありテレビのスイッチを入れることはありませんでした。ところがです。朝、起きると日本中が「ニッポン、ニッポン」と大騒ぎです。絶対に勝てないと思われたスペインにわが日本代表が勝つのですから勝負はわかりません。この試合の決勝点は場外にこぼれ出たと見えたボールがVARによって有効と認められたものを、最後まであきらめずに押し込んだものでした。
    VAR・・・この聞きなれない言葉はAIが選手やボールの位置を見張ってファールか否かを判断するものです。そのため試合球の中には内臓チップ埋め込まれており、常に正確にその位置が測定されているといいます。それにしても世界レベルの選手が思い切り蹴るボールです。よく壊れないものです。近代技術の粋が日本の勝利を見事にアシストしてくれました。
    日本のワールドカップは12月6日、一足先に閉幕しましたが、今大会で日本サッカーへの認識を新たにした人も多かったと思います。素人玄人を含めてほとんどのサッカーファンは「サッカーといえばブラジル、フランスも強いよ、いやアルゼンチンでしょう、ドイツも忘れては困る」というようにかつてのイメージを引きずっていたのでしょう。しかし選手たちは違いました。ドイツ、イタリア、スペインなど海外の強豪チームでプレイする彼らの認識は日々アップデイトされ、日本代表の実力を冷静に判断したうえで“いける”と信じていたのです。今回ほど“一喜一憂”“手のひら返し”の連続する大会は初めてでした。サッカーワールドカップは世界を巻き込むお祭りともいわれます。日頃は日の丸、君が代を毛嫌いする連中の雑音が聞こえなかったのはなによりでした。また「ルッキズム」が非難される中、連日紹介される各国の美人サポーター映像にも誰も文句を言いません。お祭りはやはりこうでなくっちゃ。・・・以上、サッカーど素人のにわかファン代表、百田尚樹のワールドカップ観戦記でした。

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  • 2022年12月2日号:ニュースに一言

    2022-12-02 20:25  
    102pt
    ●山口県岩国市教育委員会が市内の小中学校に「職員室で生徒への個人的な感情を話さない」よう通達したというニュースがありました。
     

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