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記事 3件
  • 2024年1月26日号:ニュースに一言

    2024-01-26 14:21  
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    ●横浜市の環境創造局総務部に勤める51歳の男性係長が、停職2カ月の懲戒処分を受けたというニュースがありました。
    市によりますと、この係長は2023年1~5月の計81日間に勤務時間内で7時間35分、時間外で56時間30分にわたり業務用パソコンでソリティアなどのゲームをしたり旅行サイトなどを閲覧したりしていたそうです。単純に計算すると1日の勤務時間中に6分ほどサボっていたことになっており、これくらいで懲戒処分とはかわいそうな気もしますが、公務員は民間企業のサラリーマンに比べ優遇される部分も多いのですから仕方がありません。なによりも彼が使っていたのが個人所有のパソコンやスマホでなく“業務用”パソコンだったのはいただけません。
    インターネットは非常に便利な反面、多くの危険性も孕んでいます。詐欺まがいのサイトが星の数ほどあるだけでなく、ひとたび悪徳ハッカーの侵入を許せば多大な損害を受けることになります。市の“業務用”パソコンがそこに陥ったとき、一番の被害者になるのは市民です。それは公僕として最も避けなければならないことだったのです。そして、不思議なのは時間外のうち11日間は休日だったところです。なんとこの係長は1時間だけゲームをするためだけに土曜日に休日出勤していたといいますから呆れます。もうこうなると完全にゲーム中毒です。
    たしかにパソコンでするゲームには楽しいものも多く夢中になるのはわかります。しかし、それはギャンブルと違って射幸心を煽られることもない所詮はただの一人遊びに過ぎません。そんなもののために休みの日にわざわざ出てくるなんて随分ご苦労なことです。それとも他にどうしても家に居たくない理由でもあったのでしょうか。
    さらにこの係長は4~6月に計15回、上司の許可なく勤務時間中に計9時間30分の離席をしていました。その理由を係長は「ゲームをやらないために庁舎内階段の上り下りやストレッチをしていた」と説明しています。彼の中での優先順位はどうやら“ゲームをしないこと”が一番で“仕事をサボらない”はずっと下位だったのです。いずれにしても彼の勤め先が随分とヒマな職場だったことだけは間違いなさそうです。
     
     
    ●アメリカ・ペンシルベニア州ピッツバーグに住む夫婦が、銀行で下ろしたばかりの現金4000ドル(約58万円)を飼い犬に食べられてしまったというニュースがありました。
    この夫婦は自宅フェンスの工事代として業者に支払うお金を銀行で引き出し、家のカウンターの上に置き外出していました。その後、30分ほどして部屋に戻るとカウンターに置いたはずの札束はなく、粉々になった紙幣が床一面に散らばっていたのですから大変です。そして、その悲惨な現場には夫婦の飼い犬「セシル」しかいなかったのですから、“状況証拠”的にはどうみても彼が犯人です。さらに「セシル」から出て来たフンの中に紙幣の切れ端という“物的証拠”が大量に見つかったのですからもう逃げも隠れもできません。しかし、この悪者は自分のしでかしたことを理解しておらず尻尾をぶんぶん振って寄ってくるのですから可愛いやら憎らしいやら。
    夫婦も「セシル」がヤギだったら“紙のお札は食べられてしまう”と用心したのでしょうが、まさか犬が紙を食べるなんて思いもよらなかったようです。大金を失った夫婦は藁にも縋る想いで銀行に相談すると「お札の左右に印刷されている通し番号が残っている紙幣を持ち込めば新しいものと交換できる」と言うではありませんか。
    すぐに「セシル」のウンチから紙幣を取り出す、文字通りの「マネーロンダリング(お金の洗浄)」を行ない、部屋中に散らばった紙幣の切れ端をかき集めテープで貼り合わせて銀行に急ぎました。通常、紙幣の交換は札の端が少し破れただけのものがほとんどですから、ここまでバラバラのものは珍しく、持ち込まれた銀行員も「なんか臭いな(いろんな意味で)」と思ったことでしょうが、なんとか3550ドルを新札と交換することに成功しました。ほっと一安心の夫婦はもう二度と犬の前に現金を置くことはないでしょう。
    「セシル」はゴールデンレトリバーとプードルのミックス犬でしたが、ちなみにラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなどの“レトリバー”とは猟銃で撃った水鳥などの獲物を回収してくる犬のことです。そんなレトリバーにもかかわらず自分のいたずらで飼い主の方にウンチの中から現金の回収を強いるとは「セシル」は本当に困った犬です。
     
     
    ●札幌市白石区に住む24歳の無職の男が道路交通法の信号無視の疑いで現行犯逮捕されたというニュースがありました。この男は午前1時といいますから真夜中です。ヘッドライトを点灯せずに乗用車を運転しているところをパトカーに見つかり停止を求められました。しかし男はそれに従わず赤信号を無視して逃走を図ったのです。
    パトカーから逃げるのは「飲酒運転」「指名手配者」「盗難車」など、いずれにしてもやましいことがある場合です。その後、男は、道路脇の雪山にぶつかる単独事故を起こして停車したところを追いついた警察官に現行犯逮捕されたのですが、やはり男はこれまでに一度も免許を取得したことのない「無免許」だったことが分かりました。そのうえで調べに対し“ヘッドライトをつけなかった”のも“赤信号を無視した”のも「無免許で、交通ルールを知らない」からだと開き直るのですからとんでもない男です。
    たしかに細かい交通法規は自動車教習所で初めて習いますが“赤信号は止まれ”は小学生でも知っていますし、ましてや“クルマの運転には免許が必要”は万国共通の常識です。こんな不届き者には「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」の刑事罰と「違反点数25点」(即刻免許取り消し、さらに欠格2年間)の行政処分が科せられますが、刑事罰はまだしも平気で無免許運転をするような輩に“免許取り消し”や“欠格2年”の行政処分なんて痛くもかゆくもなく、懲りずにすぐにハンドルを握るのではないかと心配です。
    また神奈川・平塚市では無免許で車を運転したうえ、自転車の男性と衝突してけがをさせた56歳の男が逮捕されています。この男は事故後、多くの無免許運転者が逃げる中、自ら通報していましたが、その理由を「無免許だということを忘れていた」と言うのですから笑ってしまいます。それもそのはず男は16歳で初めて運転して以来、40年間も無免許運転していたのですからもはや無免許が日常だったのでしょう。
    無免許運転が発覚するのは事故や違反、そして検問で免許の提示を求められた時です。今回の2件の無免許発覚も違反と事故がきっかけでしたが、逆にそれがなければわからないまま今日も何食わぬ顔をして運転していたと考えると非常に恐ろしいものがあります。自動車を運転するときは交通法規を守ったうえで細心の注意を払わなければなりません。その意味では40年間もの長期間にわたり無事故無違反で無免許がバレなかった56歳の男は、ひょっとしたら模範ドライバーだったのかもしれません。
     
     
    ●「お尻とお尻でお知り合い」これはアニメ“クレヨンしんちゃん”が相手への友情を示すためにお尻を揺するときに発する言葉ですが、まさか現実の世でそれを実践する者がいたとは驚きです。
    名古屋市東区のコンビニで、男性店員に尻を見せつけるなどした48歳の会社員の男が逮捕されたというニュースがありました。愛知県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されたこの男は12月2日午前4時半ごろ、東区のコンビニエンスストアで尻の線に沿って切り込みが入った黒色のストッキングを履き、カウンター内にいた24歳の男性店員に対して尻を突き出して見せつけた後、ぷりぷりと左右に振っていたのです。
    この手の事件では“女性”店員に“前”を見せつけるというのが常套ですが、今回は“男性”店員に“後”をですから随分変わった事件です。上半身は普通に服を着ているのに下半身は黒ストッキングだけなんてそれだけでも十分に異様ですが、そのストッキングに切り込みがあり前かがみになるとプリンとお尻が飛び出すのですから、見せられた方はおかしいやら恐ろしいやら。この様子は防犯カメラにバッチリ映っており、後日になって男が同じ出で立ちでやってきたところを店長が「ストッキング姿の男が店に来た」と110番通報し逮捕にいたりました。
    男は調べに対し、「お尻を見せれば仲良くなれると思いやりました」と供述しているそうで、まさに“しんちゃん”の言う「お尻とお尻でお知り合い」を望んでいたようです。しかし残念ながらそれは叶いませんでした。なぜなら彼が見せたのは“しんちゃん”のような可愛いお尻ではなく“おっさん”の汚らしいケツだったからです。わたしもそんなケツ男とはお友達になりたくありません。
     
     
    ●2023年中は「死刑」が1件も執行されなかったというニュースがありました。昨年は「凶悪犯罪が極端に少なく死刑宣告を受けた者が1人もいなかった」なんてことはあるわけもなく、新たに3人が確定したほか前年までに確定している者も含めて107人もの死刑囚がいたのにもかかわらず、誰一人執行されなかったのです。
    死刑は判決確定から6ヶ月以内に執行されなければならないと法律で決められていますが、未執行の最長は福岡県で発生したマルヨ無線事件の1970年といいますから、なんと50年以上もほったらかしになっているのです。
    死刑囚は全員が殺人犯です。大切な人を殺された遺族は仇討ちすることも許されず司法にすべてを委ねるしかない中、この現状をどう感じているのでしょう。死刑執行ですべてが終わりにならないまでも、被害者がこの世にいないのに対し、加害者はのうのうと生きているなんて悔しくて仕方がないことでしょう。死刑より軽いとされる懲役刑が拘留中に労働を強いられるのに対し、死刑囚には労働義務はありません。死刑囚は国が「お前には生きている値打ちがない」としているのにもかかわらず、一方で働かせもせず国費で食っちゃ寝を続けさせているのですからわけがわかりません。
    その結果が・・・。広島拘置所で16年以上監視カメラがある居室に収容されているのはプライバシー権などの侵害で違法だとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した70歳の男性死刑囚が国に2112万円の損害賠償を求めて広島地裁に提訴した裁判の第1回口頭弁論で国は請求棄却を求めました。この死刑囚は2007年に死刑判決が確定しています。それから16年以上執行しないで挙句の果てに“待遇が悪い”と訴えられるのですから国も堪ったものではありません。
    この際“請求棄却を求める”なんて悠長なことを言っていないで、さっさと死刑執行して裁判自体を無いものにすればいいのです。“人権派”弁護士などは「死刑反対」を声高に叫びますが、彼らが守りたいのが加害者の人権であるのに対し、多くの善良な国民が最も守りたいのは被害者の人権です。

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  • 2024年1月19日号:ニュースに一言

    2024-01-19 14:27  
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    ●百田尚樹チャンネル会員のみなさま、ご心配おかけしました手術も無事に終わりこの原稿を書いています。わたしが入院している間も世の中の動きが止まるわけはなく、いろいろな出来事が起きていますが、現在一番の関心事といえばやはり元日に発生した能登半島地震です。冷え込みが一層厳しくなる中、被災地で不自由な生活を強いられている皆さんにお見舞い申し上げると共に、行方不明者の一日も早い無事な姿での発見を祈るばかりです。
     
    ●能登半島地震発生から2週間近くが経過しました。テレビや新聞が報じる被災地の様子を見て、居ても立っていられず独断で「ボランティア」として駆け付ける人もいるようですが、最大被災地の石川県ではまだボランティア募集をしていません。なぜなら混乱の中で指揮命令系統の確立された自衛隊などの組織に属さない個人に今やってもらうことがないからです。厳しい言い方をすれば限られた資源の中、そんな人たちに来られたら“迷惑”なのです。
    いや、それでもどうしても“行きたい”というのなら、被害が小さく既に復旧作業に入っておりボランティア募集を開始した富山県や新潟県に行くべきです。たしかに地震発生直後から被災地では「人手が足りない」状態になっていますが、かといってその人手は誰でもいいわけではありません。しなければならない任務を成し遂げる装備とスキルを持ち合わせていなければならないのです。
    その意味では“時間との闘い”ともいわれる救助作業において、地震発生直後の1月1日すぐに編成された台湾の救助隊を断ったのは残念なことでした。この救助隊は探索部隊と医療部隊からなる160名編成でメンバーは全員がその道のプロでした。道路状況が悪く現地までの道筋が確保できないなどの事情があっても、彼らはそれこそヘリコプターでその場所まで飛び、地上まで垂らしたロープをつたって救助活動に入ることもできるのですからまさに被災地が求める即戦力で、もし現地入りしていたら助かった命も多かったことでしょう。
    「政府が断った」との情報が流れ非難が集まりそうになると政府は「台湾だけを断ったのではない、すべての国からの申し出を断った」とすぐに火消しに掛かりましたが、外国からの応援を断る理由がわかりません。今回の台湾の救助隊や国内に駐留しているアメリカ軍など、その装備とスキルを持ち合わせており、且つ近隣ですぐに駆け付け可能なところには日本側から要請してでも来てもらうべきだったのではないでしょうか。「つぶれた家の下に家族が閉じ込められた。救助要請をしても『人手が足りないからすぐには行けない』と言われ待つしかなかった」との何人もの証言を聞くたび返す返すも残念でなりません。
     
     
    ●石川県が能登半島地震に係る災害義捐金の受付を始めました。それと共に自民党をはじめとする各政党やテレビ局も独自の募金用口座を立ち上げましたが、それに違和感を覚えるのはわたしだけでしょうか。彼らはなぜ義捐金の振込口座に石川県のそれを使わないのでしょう。被災者に一番近い「石川県」に直接寄付することが最もタイムラグもなく効果的なはずなのに、わざわざ自身のところにワンクッションする意味がわかりません。
    そういえばチャリティーを大々的に謳う24時間連続の番組で募金活動をしたものの集めたお金を寄付せずテレビ局員がネコババしていた事件もありました。まさか今、募金活動をしている団体がそんなことをすることはないのでしょうが、義捐金を募る目的が「被災者、被災地のために役立てる」としたら、そこに一番近い「石川県の口座」に素早く入金することが最も目的に敵うのに、そうしないのは何かほかに目的があるとしか思えません。「われわれは〇〇円集めた」と言いたいために独自に集めているとしたら、その目的は「被災者、被災地のため」でなく「自分のため」でしかありません。
    日本保守党は以上の考えにより、独自に義捐金を集めることをせず「石川県の口座」を案内することにしました。困っている人を見たら「助けたい」と思うのは当然で、今回の地震にでも多くの人が「何かしたい」と感じているはずです。元気な若者なら時期をみて被災地に入り瓦礫の撤去などの力仕事をするのもいいでしょう。そんな体力のないわたしのような高齢者はその代わり彼らより金銭的に余裕があるので寄付をします。
    給料が上がらず、さらに物価高の中での子育てで忙しく「わたしには体力も時間も金銭的余裕もない」という人もいるでしょう。そんな人はただ被災地、被災者のことを想い祈ることでもいいのです。要は自分にできることで被災地の役に立つことがあればすればいいだけで、その内容は他人にとやかく言われる筋合いのものではなく、また言うものでもないのです。そんな“できること”は一人ひとり違いますが、“してはいけないこと”は全員に共通します。それは言うまでもなく「被災地、被災者の邪魔をすること」です。
     
     
    ●地震発生直後の1月1日夜、被災者の避難所となっている石川県立穴水高校で自動販売機が壊され、中から飲料水と金銭が盗まれたという全国紙のニュースが誤報だったというニュースがありました。
    この高校には100人近くが避難しており、最初の記事は事件の目撃者の証言を元に『40~50歳代の男女4、5人の集団が校内に入ってきて、女の指示を受けた複数の男がチェーンソーとみられる道具を使って自動販売機を破壊し、飲料水や金銭を盗んだ』という内容に、無残にも正面扉をこじ開けられ中身が引き出された自販機の写真が添付され、ご丁寧にも「避難者も不安を感じているので許せない」という校長の談話まで付けて事件発生から4日が経過した1月5日に配信されました。
    それが翌6日になり、今度は地元紙が『自販機を壊したのは穴水高校にいる避難者に飲み物を配るためだった』と犯罪ではなかったと報じたのですから大変です。地方紙の記事によりますと、地震発生直後に付近の住民が穴水高校に避難したものの、そこにはほんの少しの飲料水しかなかったそうです。そこで自販機の管理者の許可を得た上で壊し中の飲料水を避難者で分けて飲んだということです。ですから必要に迫られた人たちが正規の手順を踏んだ上に行ったことで事件でも何でもなかったのです。それを泥棒として報道されたのですから被災者のためにと自販機を壊した“40~50歳代の男女4、5人”はさぞかし驚いたことでしょう。
    それにしても最初に記事を書いた記者は、現地で自販機の中にあった飲料水がそこにいる被災者の手に握られているのを見たら事件でないとすぐわかるはずなのにいったいどういう取材をしていたのでしょう。彼の心理の中に「このような混乱時には必ず火事場泥棒的悪党が現れる」という思い込みがあったのではないでしょうか。たしかに大災害が発生すると、それに乗じた盗みや詐欺などとても困っている人を前にした人間のすることとは思えない犯罪がおきます。今回の震災でも家人が避難したため留守になった民家に忍び込み金銭を盗む輩や、雨風を防ぐためのブルーシートを法外な値段で売りつけるグループが既に見つかっています。そんな奴らは絶対に許せないとの正義感に駆られてのことだったのかもしれませんが、今回の誤報は完全に記者の勇み足でした。
    なによりも報道する側の人間に求められるのは真実を伝えることで、そこに自分の想いが入ると伝えられる側をそちらに誘導することになりかねません。マスコミは「われわれがこの国を、国民を正しく導かねば」と考えているのかもしれませんが、それは彼らの思い上がりにほかならず、国民は彼らの示すひとりよがりな“道しるべ”なんて望んでいません。善良な国民が求めているのはただ正しく判断するための正確な材料だけだということを自覚すべきです。
    マスコミといえばテレビも大概にしてもらいたいものです。日頃は東京のスタジオにいる司会者やレポーターが現地入りし被災地の様子を伝えていますが、いま被災地には最小限の人員しか入ってはいけないのにもかかわらず、局から1人を代表とするなど絞り込むこともなく番組毎に出演者を含めたカメラクルーが出ているのですから困ったものです。それも各局すべてがそんな調子なのですから東京、大阪、名古屋から相当な人数が被災地入りしているのです。こんなときこそ現地の放送局のアナウンサーに出演願えばいいのに「それじゃダメだ」と考えて自前の人間を使うのはキー局、準キー局の傲慢であり、またそれでは何のための系列局なのかわかりません。
    笑ってしまうのは、あるワイドショーのレポーターが被災地の様子を伝える中で被災者から「この惨状を全国の人たちに伝えるためによく来てくれました」と言われたと言い訳じみた発言をしたことです。このレポーターは「今は行くべきではない」と本当は思っていたのに、プロヂューサーやディレクターから「ごちゃごちゃ言わずさっさと行け」と言われ、仕方なくやってきたのかもしれません。
    自己弁護あるいは自画自賛ともとれるとれる発言があった一方で、倒壊家屋の片づけをしていてインタビューに協力した人は「東京からのテレビ局は神妙な顔をして話を聞いていても中継が終った途端、がれき撤去を手伝うこともなく何事もなかったようにさっさと引き上げていく。彼らは我々が求めているものを全く知ろうとしていない」と不満の声を漏らしています。そして、彼らマスコミがその声を伝えることはもちろんありません。

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  • 2024年1月5日号:ニュースに一言

    2024-01-05 11:52  
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    ●百田尚樹チャンネル会員の皆さま、新年明けましておめでとうございます。旧年中は当チャンネルを御愛顧いただき誠にありがとうございました。
    2023年は年末になって、わたしにガンが見つかり多くの方々にご心配をおかけしましたが、新年早々の手術でさっさと悪いところを取ってしまい、「百田尚樹チャンネル」「あさ8」そして「気まぐれライブ」で、またいつもの元気な姿をお見せしますので本年もよろしくお願いいたします。
    そしてガンは“見つかった”ものですが、今年は“見つける”いや、“見つけなくてはならない”ものもあります。日本保守党は「日本を豊かに、強く」するための同志募集を開始しました。腐敗した現在の政治を改革し、子供たちに誇れる未来を作るための国会議員、地方議員の候補者を一般公募するのです。年末ぎりぎりのスタートにもかかわらず、既に多数の応募をいただいておりその中には将来光り輝くダイヤモンドの原石もいらっしゃることでしょう。早速書類審査を開始していますが応募者と面接でお会いするのがいまから楽しみです。
    そんな多くの日本国民が『2024年も頑張ろう!』と心も新たにしたであろう1月1日、北陸地方を大きな揺れが襲いました。午後4時10分ごろ、石川県能登地方で最大震度7を記録する地震が発生したのです。自然災害に盆も正月も関係ないのは当然ですが、それでも元日の夕方という1年で一番ゆったりとするときだけに、無防備の中での突然の出来事に驚きました。テレビには1階部分がつぶれてしまった家屋が映しだされています。阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震等、大きな地震の度に法律が改正され建築物の“耐震基準”は厳しくなっていますが、写真や映像を見る限りこの地域では対策前の昔ながらの重い瓦葺きの家も多いことで被災家屋も増えたようです。
    ちなみに対策後の「震度7でも大丈夫」と謳う家も大丈夫なのは1回目の揺れに対してだけで、それが繰り返されるとどんどんその効果は弱まり倒れやすくなります。能登地方はここしばらく震度5程度の地震が頻発しており、それも倒壊の要因になっていたのかもしれません。該当地域の方々には、お見舞い申し上げますとともにまず命を守ることを最優先していただくことをお願いいたします。
    われわれ日本保守党、また百田尚樹個人としても連日報道される被害の様子を見て「いても立ってもいられない」ところですが、救援活動を円滑に進めるためにも状況を見極めたうえで自身にできる支援をさせていただきたいと考えています。いま外部から被災地に入っていいのはその場所での有効なスキルを持ち合わせている人たちだけです。警察、消防そして自衛隊の隊員には本当に頭が下がります。彼らは年が改まり“正月気分”でいたところを地震発生後すぐに招集され被災地に向かうのです。そしてその任務は救助活動、インフラ整備、道路の復旧工事、さらに被災者のケアと多岐にわたり復興の道筋がつくまで続けられます。
    日ごろ「街を迷彩服(自衛隊のユニフォーム)で歩くな」や「自衛隊なんかいらない」とその存在を否定していた人たちは、今その姿をどう思って見ているのでしょう。それでも同じことが言えるとしたら、本当のクズです。


    ●元日に発生した大地震の救援物資を運ぶ海上保安庁の輸送機と日本航空の旅客機が羽田空港で衝突するという事故が発生しました。これは着陸態勢にはいった日航機の前に海保機が離陸のために割り込んだことで起きた事故で、379人の乗員乗客が乗った日航機から火が上がり機体は丸焼けになってしまいました。
    テレビでは着陸後すぐにエンジンから出火し炎に包まれながら滑走路をすべる様子が映し出されていましたが、なんとこの機にのっていた379人すべてが助かったと聞いて驚きました。機内には着陸後すぐに煙が入ってきたそうで、パニック状態になる人もいたようです。それを客室乗務員は落ち着かせ、自身のすぐ後ろに迫り来る煙をものともせず1人ずつ避難用スライドに誘導したのですから天晴れです。
    CAさんの中には若い女性もいたことでしょう。彼女らは逃げ遅れたら命が危ないことを誰よりも分かっていたでしょうに、それをおくびにも出さずいつものサービス業務での笑顔を封印し保安業務をやり遂げたのです。警察官、消防団員、自衛隊隊員、そして日航機の乗務員、彼らに共通しているのは、それが「仕事だから」だけやっているのではないことです。そこには「○○のために」という利他の精神と「わたしがやらないで誰がやるの」という矜持がみえます。
    羽田空港は滑走路が使えなくなったため数百便が欠航となりました。お正月のUターン客の中には帰りの足がなくなり途方に暮れている人もいたようですが、航空会社や鉄道会社はそんな人たちを救おうと代替便や増発などできる限りの手を尽くしています。また被災地では積荷の食品を被災者に提供するトラックドライバーもいます。そうです。表の目立つ部分だけでなく、どんな職業にも両方を持ち合わせている人はいるのです。その割合が大きいか小さいかが国力、民度の差となります。そして普段はわからないそれが非常時にはあぶりだされるものです。

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