反原連が主催
首都圏反原発連合(反原連)は30日、国会正門前で九州電力川内(せんだい)原発の再稼働に反対する大集会を開きました。「再稼働反対」「原発廃炉」などと書いたのぼりやプラカードを手にした参加者が続々と駆けつけ、7000人(主催者発表)が国会前を埋め尽くしました。
主催者あいさつに立った反原連のミサオ・レッドウルフさんは「川内原発の再稼働が遅れているのは、全国でおこなわれている運動の力です。再稼働反対の声を可視化して、安倍政権と原子力村に突きつけよう」と訴えました。
安倍政権の再稼働方針は、国民の願いに真っ向から反しています。どの世論調査でも再稼働反対が6割近くを占め、同原発の地元の鹿児島県薩摩川内市で市民団体が行ったアンケートでは、反対が85%に上っています。
原発ゼロの行動に初めて参加した東京都練馬区の女性(20)は「同じ思いを持っていたので一緒に声を上げたくて参加しました。今年の夏は原発がない状態で乗り切れました。もう原発はいりません」。
埼玉県川口市の男性(46)は家族で参加し、「実家が薩摩川内市です。もし原発事故が起きたら、自分のルーツを失ってしまう。黙っていられない」と語りました。
千葉県四街道市から親子で参加した女性(52)は「多くの声が集まれば大きな力になります」といいます。息子(18)は「こんなに多くの人が反対の声を上げているのに、再稼働しようなんて信じられない」と話しました。
協力団体を代表して、原発をなくす全国連絡会の小田川義和さん(全労連議長)、さようなら原発1000万人アクション呼びかけ人の鎌田慧(さとし)さん(ルポライター)らがあいさつ。小田川さんは「無責任な新安全神話にもとづく再稼働を誰が許せるだろうか」と訴えました。
日本共産党や社民党の国会議員らが参加し、スピーチしました。
再稼働の根拠崩れた
志位委員長がスピーチ
日本共産党の志位和夫委員長は30日、笠井亮衆院議員、吉良よし子参院議員とともに、国会前大集会に参加し、スピーチしました。
みなさん、こんにちは。日本共産党の志位和夫です。
川内原発の再稼働は、絶対に認めるわけにはいきません(「そうだ」の声)。私は、とくに三つの点を訴えたいと思います。
「原発稼働ゼロ」の夏――48年ぶりの出来事
第一に、今年の夏は3・11以降初めての「原発稼働ゼロ」の夏となりましたが、電力不足などどこにも起きなかったということです。(「そうだ」の声)
「原発稼働ゼロ」の夏は、1966年に日本で商業用原発の稼働が開始されてから数えると、実に48年ぶりの出来事となりました。
安倍政権は、夏の前の再稼働をねらっていましたが、それを許さなかった。原発なしでもやっていけることを、満天下に示しました。これは、反原連のみなさんを先頭にした国民の世論と運動の大きな成果ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)
二つの司法の判決――人類と原発は共存できない
第二は、原発再稼働に突き進む安倍政権に痛打を与える、司法の判決が相次いでいることです。
大飯原発の運転差し止めを命じた5月21日の福井地裁判決に続いて、8月26日、福島地裁は、原発事故で避難生活中に自ら命をたった女性に対し、4900万円の損害賠償の支払いを命じる判決を下しました。
この二つの判決が示しているものは、人類と原発は共存できないということではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)
安倍政権は、二つの判決を重く受け止め、全国すべての原発の再稼働を中止すべきです。(「そうだ」の声)
被災者の苦しみに寄り添い、収束・除染・賠償・生活再建に最後まで責任を負うべきです。(「そうだ」の声、拍手)
川内原発再稼働の根拠はことごとく崩れている
第三は、川内原発再稼働の根拠はことごとく崩れているということです。(「そうだ」の声)
政府は「世界で最も厳しい規制基準」といいますが、真っ赤なウソです。EUで採用されている核燃料溶融時の対応設備を求めていない、格納容器の二重化も求めていないではないですか。避難計画が規制基準の対象になっていないではないですか。「巨大噴火を予知できる」というのもウソだということが明らかになっているではありませんか。(「そうだ」の声)
新たな「安全神話」にもとづく無謀な再稼働をみんなの力で止めようではありませんか。私たちも力を合わせて最後までがんばります。(「おーっ」の声、大きな拍手)