• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 2件
  • 田原総一朗 内閣改造の成否は、実はこの大臣にかかっている

    2014-09-27 20:00  
    330pt
    第二次安倍晋三改造内閣が発足した。出足は順調のようだ。早速、新聞各社は世論調査をしている。内閣支持率はどうか見てみよう。読売新聞は、64%で改造前の51%から13ポイントも上がっている。日経新聞も11ポイントアップの60%。朝日新聞は5ポイント上昇で47%だが、おおむね好感をもって受け止められているようだ。過去最多5人の女性が閣僚入りしたこと、そして党役員、閣僚の布陣の厚さが受けたのだろう。さて、閣僚人事についてだが、石破茂さんの地方創生大臣就任が注目を集めている。だが、僕は厚生労働大臣に就任した塩崎恭久さんに注目している。塩崎さんは、自民党きっての切れ者だ。そして安倍首相とも仲がよい。第一次安倍内閣では、官房長官を務めたほどだ。ただ、このときの塩崎さんは「切れ者」すぎた。疑問に思うことや曖昧なことは、とことん突き詰めた。官僚の間違いは徹底的に指摘した。矛盾や弱点を容赦なく突き、完膚なきまでに論破してしまうこともあった。これはもちろん必要なことだ。だが、人心を掌握するという面では非常にまずかった。とくにエリート意識の強い官僚に嫌われたのだ。官僚から情報が上がってこなくなった。あるべき資料がない、と言われれば、どれだけ頭が切れる人でも何もできない。その後、塩崎さんは野党を経験する。与党に復帰してからも、2012年の第二次安倍内閣では入閣できなかった。ここで塩崎さんは、ひと皮むけた。今年の5月、「日本再生ビジョン」を自民党は発表した。70ページにもおよぶ分厚い冊子だ。塩崎さんは、実質すべてひとりでこの冊子をまとめたのだ。彼はここで、ドイツのシュレーダー前首相の改革を取り上げ、「今まさに、『日本版シュレーダー改革』ともいうべき、包括的な改革を行わなければならないのではないか」と記している。シュレーダー首相の改革については、以前このメルマガでも紹介した。1990年代に「欧州の病人」と呼ばれていたドイツを、雇用・税制・企業制度等を徹底的に見直すことで、欧州一の「健康体」に導いた改革だ。もちろん、改革は多くの国民の「痛み」を伴うものだった。塩崎さんは、これと同様の改革をしようというのだ。ドイツ国民と同じように日本国民も、「痛み」に耐えなければならない、と。ただ、そこは直接的な表現をおさえて、絶妙にまとめている。僕はこの文書を読んで、「ああ、塩崎さんはひと皮向けたぞ」と実感したのだ。塩崎さんは、いまも安倍首相と非常に親しい関係を保っている。厚労大臣として塩崎さんは、日本にとって非常に大きな課題に立ち向かっていかなければならない。膨大に膨れる社会保障を見直して歳出を抑えること。そして労働人口をどうやって増やしていくかということだ。僕は、いまの塩崎さんならやり遂げられるのではないか、と感じている。 

    記事を読む»

  • 長谷川幸洋コラム【第63回】消費税増税見直し、規制改革、TPPはどうなる!?安倍政権の経済政策を左右する4人の「実力」

    2014-09-12 20:00  
    330pt
    内閣改造と自民党役員人事が終わり、第2次安倍改造内閣がスタートした。経済政策との関係で今回の人事をみると、どう評価できるか。鍵を握るのは、党の谷垣禎一幹事長と稲田朋美政調会長、そして西川公也農林水産相、塩崎恭久厚生労働相の4人だ。まず幹事長である。谷垣は小泉純一郎政権で長く財務相を務め、党内でもっとも強硬な増税論者として知られている。2006年に自民党総裁選に出馬した時も消費税10%への引き上げを公約に掲げていた(http://www.47news.jp/CN/200607/CN2006072701002943.html)。いわば「ミスター消費税10%」と言っていい。そんな谷垣を幹事長に指名したのだから、安倍晋三首相は来年10月の消費税引き上げは予定通り、断行するつもりではないかと思われるかもしれない。だが、私の見立ては違う。安倍は谷垣とのガチンコ勝負に持ち込んで消費税の扱いを決めるつもり

    記事を読む»