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直接、会って話してわかった、安倍首相の「本音」
2013-03-21 19:00110pt僕が司会をする番組「激論!クロスファイア」に、安倍晋三首相が出演した。 番組始まって以来の、現役首相の出演だ。しかも生放送である。 番組での安倍さんは、終始落ち着いていて、自信に満ちているようにみえた。 その自信の根底には、もちろん「アベノミクス」に市場が反応していることが 挙げられるだろう。 首相に就任する前、1ドル70円台まで円高は進んでいた。 いま1ドル95円前後だ。株価も1万2千円を超えている。 ただし、安倍さんは、具体的な経済対策を実施したわけではない。 あくまでも、こういう経済対策をすると打ち出しただけだ。 言うまでもないことだが、これからが本当の勝負なのだ。 一方、普天間基地移転問題にも、自信を持っているように見えた。 担当大臣である山本一太さんが沖縄側と信頼関係を築いていて、 辺野古の埋立申請についての話し合いが、進んでいるからだろう。 そもそも民主党政権以前の自民党政権の時代には、沖縄の県知事や名護市長たちは、 普天間基地を辺野古へ移すことに賛成していた。 自民党の野中広務さんたちが、地元の人たちの理解を得るために、沖縄まで 何度も足を運んだからだ。 まるで沖縄で暮らしているかのように、精力的に通っていたのだ。 ところが、民主党政権、とくに鳩山由紀夫元首相は、その関係を壊してしまった。 この壊れてしまった信頼関係を、安倍さんは再構築することができるのではないか。 安倍さんは、「信頼関係」という言葉を番組で何度も口にしていた。 これも自信の表れなのだろう。 そして、憲法改正の問題である。安倍さんは新憲法制定を目指してきた。 そのために、首相に就任したら、まず憲法第96条の改正から手をつけるだろうと 言われてきた。 憲法を改正するためには、衆参でそれぞれ3分の2以上の国会議員の賛成が必要だ。 それを半数の賛成で改正できるようにする。もちろん憲法第9条を変えるためだ。 ただし、安倍さんは、第9条第1項「戦争の放棄」の改正には反対である。 安倍さんは、右翼に近い考え方を持っている、と言われている。 けれど一方で、とてもバランスのよい考え方も持っている。 だから僕は、安倍さんに、 「あなたは、保守本流だという意識を持ち、両足をしっかり大地につけ、右や左の 現実味のない理想には目を向けるべきではない」 と言っている。 この夏の参院選で自民党が勝利すれば、安倍さんは憲法改正に本格的に 取り組むのではないか、という見方がある。 だが、番組で安倍さんと話をして、そんな心配はないと感じた。 参院選で勝利したとしても、安倍さんは経済再生といった目の前の問題解決のための 政策を続けていくだろう、という印象を僕は持ったのだ。 これは日本にとってよいことだ。 そして安倍さんという人間は、この正しい判断ができる人だと僕は信じる。 いま、市場の反応がよいこともあって、安倍さんを批判したり、強くものを 言う人はいない。 だからこそ僕は、安倍さんに対して、いままで以上に厳しい意見を言い、 どんどん発言していきたい、と思っている。
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