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2013年5月の記事 13件

堀潤 連載第4回 「アメリカ大統領選挙から想像する次世代メディアの姿」

 前回は、インターネットによる選挙活動が解禁されることで、市民による政治参加の間口が広がる可能性がある一方で、専門のITチームを駆使できるような、資金力のある候補や政党に優位に働く制度になるのではないかという課題を提示した。  今回は、インターネットの活用で、選挙報道はどう変わるのかという点に焦点をあてたい。  昨年、アメリカで行われた大統領選挙では、CNNをはじめ、放送局がIT企業と協業してあらたな選挙報道のスタイルを模索している様子が大変興味深かった。ネット選挙先進国である米国の事例から、次世代メディアの姿を想像したい。 どこよりも早く「勝者はロムニー氏」と速報したCNN  大企業優遇か、中間層の底上げか。接戦の末、現職のオバマ氏が再選を果たしたアメリカ大統領選挙。4年前の初当選時には、改革の旗手、米国再生の救世主として圧倒的人気を誇ったオバマ氏だったが、今回の選挙では、対立候補に得票数で僅差まで追いつめられ苦戦した。  広がる格差、改善しない雇用、停滞する経済---これまでオバマ氏を支持してきた中間層、低所得者層からの失望や苛立ちの声が、選挙戦をより混迷へと誘った。経済回復の遅れは、強いアメリカの復活を求める保守勢力の動きを活発にさせ、オバマ氏の社会保障政策に憤る白人宗教右派の台頭を招いた。  こうした選挙戦に対し米国テレビメディアはITメディアとの協業で「次世代型世論調査報道」を競い合った。SNS時代の選挙報道の姿を探りに現場を訪ねた。  去年10月、アメリカ中西部コロラド州デンバーで大統領選挙に向けた初めての候補者ディベートが開かれた。民主党オバマ氏か共和党ロムニー氏か。当時、両候補への支持率は50%台前後で拮抗しつつも、オバマ氏がやや優勢だと伝えられており、ロムニー氏がディベートで巻き返しを図れるかに注目が集まっていた。

堀潤 連載第4回 「アメリカ大統領選挙から想像する次世代メディアの姿」

堀潤 連載第3回 小額寄付で低所得者層の政治参加を後押し、オバマ政権誕生を支えたアメリカのネット選挙

 次期参議院選挙から、インターネットを使った選挙運動が解禁となる見通しが強まった。今月中に国会で法案が可決される見込みだ。  Facebookやtwitterなど、いわゆるSNS・ソーシャルネットワークを使った候補者本人や政党による情報発信が、選挙期間中も可能になる一方で、メールを使った発信は、受け取った個人による転送を禁じるなど制限も加わっている。  一度インターネット上に出回った情報を制度によってコントロールするのは難しい。それぞれの個別事例が選挙違反になるのかならないのかといった判断も必要になり、運用に関してはグレーゾーンも多い。 しかし、それでも、有権者と政治の現場を結びつけるうえでは大きな一歩だ。  インターネット先進国でもある、アメリカではすでに1992年からメールを使った選挙運動が行われるなど、この20年で独自の発展を遂げている。 「堀潤の次世代メディアへの創造力」では、インターネットの活用で、政治とメディアがどう変わるのか、これから3回シリーズでお伝えしたい。 ビヨンセからの手紙 先日、アメリカ人歌手のビヨンセからメールをもらった。 近々ニューヨークで食事をするので一緒にこないか、という誘いのメールだ。 しかもその食事会には、オバマ大統領とファーストレディのミシェル夫人も参加するので絶対に来た方がいいと書いてある。 ホテル代金は気にしなくていいし、友達を連れて来ても構わない、だから来て!と、興奮気味に続き、さらにこう書いてあった。 「もしこれそうだったら、今夜深夜までに、25ドルかあなたが払いたいと思う金額をここに送って欲しいの」  示されたリンクをクリックしてみると、オバマ氏の選挙や政治活動を支援する公式サイトに繋がった。   http://www.p2012.org/candidates/obamaorg.html ネット選挙運動を制し大統領の座を勝ち取った、いかにもオバマ陣営らしいやり方だ。 後日、確認できたが、ビヨンセやオバマ大統領との食事会は実際にニューヨークで開かれ、サイトを通じて寄付した何人かがその場に招待されたという。

堀潤 連載第3回 小額寄付で低所得者層の政治参加を後押し、オバマ政権誕生を支えたアメリカのネット選挙

田原総一朗 『リンカーン』と『終戦のエンペラー』に学ぶ政治家の「覚悟」とは何か?

最近、心に残ったふたつの映画がある。ひとつは、現在上映中の『リンカーン』、もうひとつは7月に封切される『終戦のエンペラー』である。僕は、映画が大好きだ。かつて監督として映画の制作に携わったこともある。いまはもっぱら観るだけだが、試写会があればできるかぎり顔を出すし、DVDを借りて観ることもある。暇さえあれば、さまざまな作品を鑑賞している。 さて、ひとつめの映画『リンカーン』は、巨匠スピルバーグの監督作品である。「人民の、人民による、人民のための政治」という名言で知られるリンカーンは、アメリカでもっとも愛された大統領のひとりと言われる。彼が活躍した時代、日本はちょうど幕末で、長い鎖国を解き、開国しつつあった。 その頃、アメリカは南北戦争の最中にあった。「奴隷制」存続を主張するアメリカの南部11州が合衆国を脱退、合衆国にとどまった北部23州との間で戦争となっていたのだ。 リンカーンの最大の業績は、この「奴隷解放」である。その実現のためにリンカーンは、奴隷制廃止を提案した米国憲法修正第13条を議会で通過させなければならなかった。だが、議員の多くは南北戦争の終結が先だと考え、「憲法改正」に反対したのだ。そこで、この反対派の切り崩しにリンカーンは精力を傾ける。議員たちをそれぞれ持ち上げたかと思うと、次は相手の弱みを見つけて脅す。説得とは一筋縄ではいかないものなのだ。 僕はこの映画を観ながら、ひとりの政治家を思い浮かべた。竹下登さんだ。昭和最後の総理大臣である。彼のいちばんの業績は消費税の導入だろう。リンカーンが議員一人ひとりに、さまざまな言葉を駆使して翻意を迫るさまは、僕の知る竹下さんにそっくりだったのだ。 政治は綺麗ごとではない。覚悟をもって何ごとかを成し遂げようとするならば、時には悪者にもならねばならない。リンカーンは結局、凶弾に倒れた。竹下さんはもう亡くなってしまったが、もし生きていたら、こう話してみたかった。「竹下さん、リンカーンのやり方はあなたと同じでしたよ」と。

田原総一朗 『ワシントン・ポスト』など外国主要メディアの安倍首相批判、ここが大間違いだ!

ゴールデンウィークは終わったが、 依然として安倍政権の好調は続いている。 安倍晋三首相はロシアに続き、 中東を訪問、大成功に終わった。 経済も、株価は1万4000円を越え、 円安傾向も持続……。 好材料ばかりのようだ。 ただ、その好調の安倍内閣に、 アメリカ、イギリス両国から 鋭い矢が飛んできた。 アメリカの『ワシントン・ポスト』が 4月26日、安倍首相を 強く批判する社説を掲載したのだ。 「侵略の定義は国際的にも定まっていない」 と安倍首相が述べたことについて、 歴史を直視していないと批判、さらに、経済政策の成果も台なしにしかねない、 という懸念も示している。 イギリスの『フィナンシャル・タイムズ』も 4月29日の社説で批判を展開。 安倍首相の靖国神社への供物奉納、 そして、歴史をめぐる発言に対し、 「支持率の高さを受け、本性をのぞかせた」 と述べ、経済政策に集中すべきだと 苦言を呈しているのだ。 だが僕は、安倍さんの言動はともかく、 両紙の批判は間違っていると考える。長年、僕は日本の近代史を 取材してきた。 その結果、満州事変、日中戦争は 日本の侵略だったという結論に達した。 しかし、太平洋戦争は違う。太平洋戦争は、「侵略国」である、 イギリス、アメリカなどの連合国、 そして同じく「侵略国」である日本との 闘いだった。 当時、イギリスもアメリカも、そして日本も 植民地を「持てる国」だったのだ。

長谷川幸洋 コラム第3回 『北朝鮮はどこまで本気なのか!? 米・国防総省の報告書から読み解く』

北朝鮮はいったい、どこまで本気なのか。今回のミサイル危機で、あらためて北朝鮮問題について不安に思った人も多いだろう。タイミングよく、米国の国防総省(ペンタゴン)が5月初め、北朝鮮の脅威について評価した報告書を公表した。これは同省が法律に基づいて議会に提出した、きわめて正式な(というのも、妙な表現だが)ものだ。  国防総省は中国については、同じような「中国に関する軍事・安全保障の展開」というタイトルの報告書を毎年、議会に提出している。だが、北朝鮮版は今回が初めてだ。それくらい北朝鮮問題を深刻に受け止めている証拠、と受け取っていい。  報告書本文は国防総省のサイトに掲載されている。全部で26ページと短いので、興味がある人はぜひ、本文自体を読んでいただきたい。ついでに言うと、英語もそう難しくないし、きれいな文章なので英語の勉強がてらに読むのもいいだろう。 ※"MILITARY AND SECURITY DEVELOPMENTS INVOLVING THE DEMOCRATIC PEOPLE'S REPUBLIC OF KOREA" (Annual Report to Congress, Office of the Secretary of Defense)  だからというわけではないが、中身の概略をそのまま紹介するのはやめて(わずか1ページの「Executive Summary」がちゃんと付いている)、私が面白いと思ったところ、かつ、たぶん読者が疑問に抱いていそうな部分を選んで紹介したい。 北朝鮮の本気度はペンタゴンにも「分からない」  まず冒頭の「北朝鮮はどこまで本気なのか」という問題だ。これまで北朝鮮は韓国の哨戒艦「天安」を撃沈したり、延坪島に砲撃したりした。今回の危機でも「撃つぞ、撃つぞ」というポーズを示したが、現在に至るまで撃っていない。ということは、やっぱり脅しだけなのか。報告書はこう書いている。

長谷川幸洋 コラム第3回 『北朝鮮はどこまで本気なのか!? 米・国防総省の報告書から読み解く』

堀潤 連載第2回 「オープンジャーナリズムが戦争報道を変える」

先日、ある民放局のラジオ番組に出演し、市民が電波を使って発信できる権利"パブリックアクセス"やインターネットを使って市民とマスメディアが協業でニュース制作を行う"オープンジャーナリズム"の可能性について話をした。  番組はおよそ60分。解説者は大手新聞で論説委員などを務めてきたベテラン記者。時間をかけて"インターネット後"の社会における新たなジャーナリズムのあり方について意見を交換したが、市民発信とマスメディアの協業とは、具体的にどのような形で成り立つのかがわかりにくい、という声も聞かれたので、今回は、ここで具体例を紹介したい。 ◆インターネットやSNSの活用で、戦争報道が変わる  前回、連載第1回目では、オープンジャーナリズムの導入を試みる英国の名門紙『ガーディアン』の取り組みを紹介したが、一方で各国のテレビメディアも、市民参画型のニュース発信に力を入れている。  今回は、アメリカのニュース専門チャンネルCNNと中東衛星テレビ局アルジャジーラの試みを取り上げたい。  昨年秋の停戦合意後も緊張関係が続く、イスラエルとパレスチナ。去年11月、イスラエルによる空爆でパレスチナ側に女性や子どもなど多数の民間人の死傷者が出た際には、アメリカ国内でも報道が過熱した。 実はこの紛争では、イスラエル・パレスチナ双方の軍や関係者が、攻撃や被害の状況を自らtwitterやfacebook等を使ってリアルタイムで発信していた。  次のリンクはIDF・イスラエル国防軍のtwitterアカウントだ。

ゲキビズ田原通信

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