日本共産党の仁比聡平議員は4日の参院予算委員会で、秘密保護法では、特定秘密の指定を検証する機関が、秘密を指定した首相自身によって行われる仕組みになっている問題を明らかにして、「政府から『独立した公正な立場』でのチェックなどできない」「政府に都合の悪い秘密は何でも国民に隠し続けることになる」と迫り、秘密保護法の廃止を主張しました。
仁比氏は、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設をめぐり、埋め立て土砂採取跡地に米兵宿舎を建設する計画が記された米政府内部文書が報道されたことを指摘。「(跡地への米兵宿舎建設を)米側と協議しているのか」とただしました。
安倍晋三首相は「協議中の中身について公表しないのは当然だ」として説明を拒否。仁比氏は「今でさえ都合の悪いことは隠す。そのうえ、秘密保護法が施行されたらどうなるか」と述べ、秘密保護法では、政府の恣意(しい)的な秘密指定に外部チェックが働かない仕組みになっていることを告発しました。
政府は、秘密指定・解除の“重層的チェック機関”として、「内閣保全監視委員会」「独立公文書管理監」という機関を設けるとしています。しかし、保全監視委は、首相が指定した秘密を首相自身がチェックするのを、指定官庁のトップが補佐するもの。独立公文書管理監は、首相が指定した秘密を首相が任命する部下がチェックするものでしかありません。
仁比氏は、日本の外交・安全保障の司令塔と位置づける国家安全保障会議(NSC)の重要情報を首相が秘密指定すると指摘。その秘密指定が適正かチェックするのが保全監視委、独立公文書管理監では、「首相が首相自身をチェックするに等しい」と追及しました。首相は「(秘密の指定・チェックの)仕事自体が悪意によって運用されると考えられてしまうなら、答えようがない」と居直りの答弁。結局、「政権が変われば、次の首相にチェックされる」としか答えられませんでした。
仁比氏は、辺野古の隠された内陸部計画だけでなく、核密約も沖縄返還密約も国民から隠し続けたのが歴代自民党政権だと指摘。「こんな法律は断固、廃止しかない」と強調しました。