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  • 入院中のベッドの上で考えた、日本の教育の「病巣」

    2013-03-05 20:30  
    僕はいま、入院している。 そのことをツイッターに書いたところ、多くの人にお見舞いの言葉をいただいた。 改めてここで御礼を申し上げます。ありがとうございます。 僕の身の上に起きたことを簡単に話します。 2月23日夕方、近所で転んで、救急車で病院に運ばれた。どうも「食あたり」だったらしい。 入院してからずっと点滴を続けていて、ここ数日でだいぶ回復してきた。 27日には病室でラジオの収録もしたし、翌日は一時外出でラジオ出演もしてきた。 もうそろそろ退院できるだろう。 先週の2月22日金曜日は、月1度の「朝まで生テレビ!」の日だった。 実は、その数日前から僕は調子が悪かった。 会食をした後、帰宅して寝ようとすると吐き気が止まらず眠れない、そんな日があった。 それにもかかわらず僕は、帯広、熊本、沖縄、大阪、青森と、日本全国を飛び回っていたのだ。 そして22日のことだ。「朝まで生テレビ!」の放送が始まったが、どうにも具合が悪い。 後で知ったことだが、本番のときに、番組のスタッフにそうとう心配をかけたようだ。 なんとか放送を乗り切り、ホテルに戻ったが、まったく眠れない。睡眠薬を飲んでもダメだ。 仕方がないので、朦朧としながら自宅に帰ったのだが、やはり具合はよくならなかった。 そこで、僕は余計なことをした。本当に具合が悪いのか歩いて確かめよう、と思ったのだ。 そして、外に出てみたのだが、十数歩、歩いたところで倒れてしまった。 幸いにも近所の方が助けてくださり、なんとか立ち上がることができた。 ところが、そのとき僕はもう一度、外に向かって歩き出したのだ。 こんなとき、家に戻ろうとしないで、逆に外に向かうのが僕という人間なのだと、 我ながらあきれる。 だが、今度は二十数歩、歩いたところで意識を失ったらしい。 倒れている僕を警備員さんが見つけて、救急車を呼んでくれた、というわけだ。 僕は好奇心が非常に強い。 面白そうなことがあると、何にでも興味をもってしまうため、 この歳になってもますます忙しくなっている。 だから、体が悲鳴をあげて「少し休みなさい」と言った、ということなのかもしれない。 さて、その「朝まで生テレビ!」は、「教育」をテーマに激論をした。 ここにきて、「体罰」「いじめ」といったさまざまな問題が噴出してきている。 その根本に「戦後教育」があるのは、間違いないだろう。 そして、戦後教育を振り返ると、「教育委員会」というものに突き当たる。 太平洋戦争が終わったとき、日本を占領したアメリカは、 なぜ日本が「侵略戦争」をしたのかを考えた。 そして、国家が国民を教育していることに理由を見出した。 「国家が教育をするから悪いのだ」と考えたのだ。そこで アメリカのような“民主的”な教育委員会を設けた。 各自治体ごとに選挙で教育委員を選ぶという制度だ。 ところが、日本人は教育というものに熱心ではなかった。 というより、教育は「お上」がしてくれるもので、教育行政に自分たちが参加するという意識が なかったのだろう。だから教育委員に誰も立候補しないし、当然、投票率も低かった。 一方、共産党や社会党などの革新系の人たちは教育に熱心だった。 というより、「国家」がすることにとにかく熱心に反対する。 だから、どうしても彼らが当選することになるのだが、それはまずいということで、 教育委員は任命制度になったのだ。つまり名誉職である。 いま、教育委員長はたいてい、退職した校長などがなっている。 現役の校長たちにとって、教育委員長は先輩ということなるから、どうしても遠慮が出てしまう。 教育委員会も「自分たちがやる」という意識が低いので、役に立たない。 だから、大阪の橋下徹市長は、教育委員会への関与強化を進めているのだ。 教育問題について、安倍晋三総理も非常に熱心である。 平成18年、第1次安倍内閣では、「教育再生会議」を設置し、教員免許更新制導入や 教育委員会への国の関与強化などを実現させた。 いわば「政治主導」で改革の方向性を示し、提言を打ち出した。 安倍さんの教育改革は、教育を教育委員会から「国家」の手に戻そうとするものだ。 僕は、それを完全に否定するわけではない。 けれど、僕が実際に取材をした東京の杉並区立和田中学校や三鷹市立第四小学校では、 地域の人びとも参加して新しい教育の形を実現していた。 このような学校をつぶしてはならないと僕は思うのだ。 今回の「朝まで生テレビ!」にはその和田中学校の元校長、藤原和博さんが出演してくれた。 小学校で実際に教えていた乙武洋匡さんも話をしに来てくれた。 実のある話になるはずだったが、僕が体調不良であったため、うまく仕切りができず、 いまひとつ議論を深めることできなかった。とても残念だ。 教育は日本の将来を左右する、非常に大切な問題だ。このような問題こそ、 活発な議論が必要である。番組ではこれからも教育問題を取り上げていきたい。 そして、みんなが喧嘩になるぐらいの激論をしたいと思っている。

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