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年間3万人の自殺者に思う。日本は一度失敗してもやり直せる社会になれるのか?
2013-05-07 12:15330pt日本国内の自殺者数の増加が近年いっそう問題になっている。平成21年には、自殺者数が3万2345人に達した。その後やや減少したものの、昨年も2万7858人と、いまなお年間3万人近くの人が自ら命を絶っている。
こうした現象は、日本人の宗教的な死生観によるところもある、と僕は思う。キリスト教では、自殺は「罪」である。それに対して、日本で広がる多くの仏教的な教えでは、善い行いをしていれば「極楽浄土」に行けると解釈している人が多いようだ。だから、どうしようもない状況に陥ったときに「死んで楽になる」という発想を持ちやすい。日本人に「自殺」が多いのは、宗教的背景もあるのだろう。
僕自身は、死にたいと思ったことは一度もない。僕は悩み続けることができないのだろう。問題が起きてしまっても失敗しても、「どうにかなる」と考えてしまう。いくら悩んでも、何も変わらないと思っているのだ。
そんな考えをもつ僕だからこそ、いままさに危機に直面し、苦しんだり悩んだりしている人にあえて言いたい。死なねばならない理由なんて、人生には絶対ないのだ。経済的な問題で苦しんでいる人もいるだろう。恋愛の問題で悩んでいる人もいるだろう。人間関係でつまづいている人もいるだろう。だが、どこかに必ず打開策はあるのだ。
ところで、あまり報じられないことがある。戦後、日本人の自殺者は増え続けている。その「増えている分」はほぼ男性なのだ。たとえば、内閣府や厚生労働省が発表する数字を見れば一目瞭然だ。平成9年までは、自殺者数は2万人から2万5千人の間を推移している。ところが、平成10年に突如、3万人を突破する。この推移を男女別でみてみよう。女性の自殺者数は1万人弱とほぼ横ばい、男性の自殺者数だけが急増したのだ。
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