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  • 患者のためになる改革を邪魔しているのは誰だ!

    2012-10-22 17:00  
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    僕は妻を2人ともガンで亡くした。 そのためもあって、医療問題には少なからぬ関心を持っている。 僕が関わっているNPO法人では、抗がん剤を試してみて、効果がなかったら、 治療の途中でも投与を中止しようと主張している。
    「そんなことは当り前だろう」と思うかもしれない。 けれど、現在の日本では違うのだ。 「効く」「効かない」にかかわらず、一度、抗がん剤を投与し始めたら、 予定した量をすべて投与し終えなければならない。 当然ながら、効かなかったときの患者のダメージは大きい。 はたして、このNPO法人はこのような主張をしたため、厚労省から補助金を 打ち切られてしまったのだ。
    とにかくたくさんの抗がん剤を売りたいという製薬業界の思惑が、その背景に あるとしか僕には思えない。 抗がん剤は一定の量を投与しないと効果がわからない、というのが、厚労省、 そして製薬会社の主張である。 しかし、一定量を投与しなくても「効く」「効かない」はわかるはずだというのが、 このNPOの主張なのだ。
    がん治療をめぐる問題は、もうひとつある。それは「混合診療」だ。 日本で認められていない抗がん剤を日本国内で使う場合、健康保険は適用されない。 そこまでは仕方ないだろう。 ところが、この認可されていない抗がん剤の治療以外の診療までもが、健康保険の 対象外となってしまうのである。 もし日本で未承認の抗がん剤を試そうとすると、その患者のがん治療で健康保険が まったく適用されなくなる。莫大な治療費になってしまう。 結局、多くの患者は、その治療をあきらめるしかない。
    患者の立場からすると、あらゆる可能性を試したいと考えるのは当然だろう。 だから、たとえば、 「この抗がん剤治療は健康保険の対象外です。しかし、他の治療には健康保険が使えますよ」 となれば、どうか。 金銭的な理由などで、いままであきらめてしまっていた患者も、可能性のある治療を 試すことができる。これが「混合診療」である。
    なぜ、「混合診療」が日本で認められないのか。 それは日本医師会が反対しているからだ。日本医師会は自民党の支持母体である。
    日本医師会は、反対の理由をホームページにこう書いている。 「医療は、教育などと同様に『社会的共通資本』であるという考え方を私たちは持っています」 「健康保険の範囲内の医療では満足できず、さらにお金を払って、もっと違う医療を受けたい というひとは確かにいるかもしれません。しかし、『より良い医療を受けたい』という願いは、 『同じ思いを持つほかのひとにも、同様により良い医療が提供されるべきだ』という考えを 持つべきです。混合診療の問題を語るときには、『自分だけが満足したい』という発想ではなく、 常に『社会としてどうあるべきか』という視点を持たなければならないと考えます」
    なんだか、さっぱりわからない文章だ。 要は「患者に不平等が起こる」、だから混合診療は認められないということか。 まるで社会主義国だ。 本音を言えば、保険事務が煩雑になるのが面倒だということかもしれない。
    日本は、いま問題が山積している。 なかでも、国民生活に密着した問題にもっと目を向けるべきなのに、まったく改革は 進んでいない。 改革を邪魔しているのは既得権益者だ。 その既得権益者を支持基盤にしてきた自民党から、民主党へ政権交代をした。 このときが改革のチャンスだった。 しかし、民主党政権になっても、改革はいっこうに進まない。
    さて、衆議院選挙の時期が迫ってきている。 誰が改革を実行するのか、僕たちの生活を真に考えているのは誰なのか、 今度こそしっかりと見極めなければならない。 僕は、政治家の本音を引き出すために、これからも厳しく斬り込んでいきたい。

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