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記事 11件
  • [本橋信宏]今週の裏流行語大賞⑤ 「NTR」

    2014-04-23 01:00  
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    本橋信宏寄稿記事 今週の流行語大賞⑤「NTR」


     NTRと書いて「寝取られ」と読む。
       自分の女房が他の男に・・・・。
     その昔から、男たちの秘めた性欲求として、自分の女房が他の男に言い寄られたり、抱かれてしまったりすることに興奮する世界が存在してきた。

     嫉妬は最高の前戯である。

     駅の帰り道で見ず知らずの男に口説かれた、なんてことを女房が打ち明けると、それまでくすんで見えた古女房が急にいい女に見えたりするものだ。
     男には所有欲求があり、自分のものが他人に獲られてしまいそうなことで急にオスに目覚める本能がある。

     古くは「源氏物語」に寝取られシーンがあるし、文豪谷崎潤一郎「鍵」も寝取られ文学の傑作である。貴族社会の国、フランス,イギリスでは寝取られ文学が発達し、「ボヴァリー夫人」「チャタレー夫人の恋人」のように、人妻たちの不倫を題材にした傑作が生まれた。

     寝取られは、貴族社会のように高貴な人妻が下々の男に奪われてしまうところにより興奮度が増す。寝取られ男を意味する「コキュ・cocu」はもともとフランス語から来て、隠語として広まったものだ。

     古いことわざに、「一盗二婢三妾四妓五妻」というのがある。男にとって最も興奮するのは、他人の奥さんを寝取ることであり、次にメイド、3番目に愛人、4番目に娼婦、そして最後は女房、というランクだ。

    「寝取り」は男の狩猟本能を刺激するが、その一方でいつ女房が寝取られるかハラハラドキドキする「寝取られ」もまた男の狩猟本能と抱き合わせとしてある。

     私は以前、ネットで知り合った教育関係者の寝取られ亭主(40代後半)から、奥さん(30代後半)がマッサージ師に寝取られるシーンを隠し撮りしたものを見せられたことがあった。
  • [沢木毅彦] 裏ビデオが「裏」ビデオではなくなった時代

    2014-04-22 01:00  
    220pt
    沢木毅彦寄稿記事
    裏ビデオが「裏」ビデオではなくなった時代


     ときどき裏ビデオのAD(助監督)をやらせてもらっている。ギャラは取っ払いで2万。することは2カメのうちの1台を回して濡れ場を撮影することと、男優の不測の事態に備えて卵白で疑似精液を作ること、昼の弁当の注文、ほか雑用全般。ソープ嬢モノだとパケ写真の撮影のとき女優さんの身体にオリーブオイル(エクストラバージン)を塗るのも僕の役目だ。

     えっ裏ビデオ撮ったらヤバくね?! ですな、正しくは裏ビデオじゃありません。これらは海外のサイトから配信される無修正物。人気のAV女優の撮りおろしの新作を購入できるんです。これらは違法行為じゃないんです。また、作品をDVDで買うのはもはやナンセンス。今やダウンロード購入の時代なのです。

     有名AV女優の裏ビデオ=流出物の歴史は1991年のバブル崩壊から始まった。原因は、AVメーカーの倒産が相次ぎ、社員が金策のために原版を裏ビデオ業者に売ったか、メーカーに金を貸していた業者が債券回収のために持ち出したかのどちらか。

     その後、AVプロダクションとAVメーカーは海外の配信サイトに目をつけた。女優たちがそうとは知らされず無修正AVに出演するかたちとなり、その時代にインタビューさせてもらった女優の何人かが「騙されて裏に出されちゃったのよね」と苦笑していた。やがて日本からのアクセスも一般的となり、合法な商品だと女優陣も理解するようになった。

    「女の子には海外配信の無修正物だよと説明している。今回はモザイクなしだからギャラも上乗せするからね、と。どこのプロダクションもそうだと思います」(大手モデルプロダクション関係者)。

     僕が都内のスタジオで注文した弁当を和気あいあいと食べて撮影した局部丸見えの作品を見たければ、アメリカ合衆国のサイトに会員登録して購入すればいい。おすすめなのは「カリビアンコム」。月額5000円足らずで会員登録ができる。「一本道」も6500円とやや高いが高画質が売りで高評価を得ている。

     そして、これらは違法なものではない。日本国内で性器をボカしていないAVを販売したら「わいせつ物陳列罪」か「わいせつ物頒布罪」で逮捕されるが、それは日本での決まりごと。アメリカにはAVを修正する決まりはない。カリビアンコムなどは違法サイトではなく、そういうサイトを僕たちが利用することを取り締まる法律が現状は「ない」のです。
  • [匿名記者]動画サイトで「裏社会の人間」を自称したら……

    2014-04-15 23:30  
    220pt
    匿名記者寄稿記事 動画サイトで「裏社会の人間」を自称したら……

    筆者の元にある現役の暴力団関係者の電話が鳴った。その男はいきなりこんな言葉を言ったのだ。

    「うちの組の名前を検索すると変な男が出て来るのだけど、何だこれは?」

    筆者はその言葉を聞き手元にあるパソコンで検索すると確かに検索の結果の上位に、聞いた事のない、ある人間の名前、画像、動画が出てくるのだ。それを見て思わず笑ってしまうと、その暴力団関係者は

    「笑ってないで何とかならないか」と、嘆いてくるのである。
    「どうにもならないですよ、だけどどうしようもない男ですよね」
    と、答えると
    「そうか、無理か」とぼそっとつぶやき電話を切った。

    興味を持ちその男の動画、写真などを見てみた。大型匿名掲示板などでかなりいじられている男である。IT会社経営などとあるが、ただの動画配信がIT会社になるのか? それならば筆者は出版社経営者である。

    こんな男が由緒ある組織を名乗っているのは決して許される事ではない。

    至上最年少で相談役になった、と言っているがこの男の年齢を想像するとその時期至上最年少で最高幹部になった人間は確かにこの男が吹聴する組織の人間であるが30代の常任相談役であり、現在最高幹部の一員になっている人間であるが、年齢は50代前半である。当事のこの組織は代議員、評議員、常任評議員、専任評議員、相談役、常任相談役、副会長……と言う組織体制になっていたはずである。
     今は執行部、特別顧問、特別常任相談役、常任相談役、会長補佐、統括長、副会長、副会長補佐、副理事長、理事、幹事が並びである。

    この男が「オヤジ」と呼んでいる人間は筆者も面識はあるが、こんな昆虫みたいな男を若い衆にするなど到底想像は出来ない。兄弟分も名立たる親分ばかりである。動画を見ても同じ系列の組織と言う人間に問い詰められている場面も存在し、見事に逃げていた。

    組織名の入った名刺なども名前を隠し出していたが、今はネットで名刺なども売買するサイトも存在しており、組織の中では問題視している事実もある。
    その他にチャカ(拳銃)を他の組織名を出し、そこから買ったとか色々吹聴していたが、そんな事を言うヤクザは存在しない、それは断言する。
     この男が吹聴する組織に実在していればその絡みもあり、絶対に言葉にする事は許されない事である。
  • 「変わりつつある関東の暴力団地図・ラーメンの日・「トップ屋」の時代と内情」ニコ生タックルズマガジンvol.58

    2014-04-12 01:00  
    407pt
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                                                       2014/04/12      久田将義責任編集 ニコ生タックルズマガジン                                 vol.58   □日本で一番危険なWEBマガジン。ニッポンの闇をさらけ出せ!□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本で一番危ないWEBマガジンが創刊!『実話ナックルズ』『ダークサイドJAPAN』元編集長、 現『東京ブレイキングニュース』(旧・日刊ナックルズ)( http://n-knuckles.com/ ) 編集長 の久田将義が、インターネットを通して新たな「アウトローメ ディア」を始めました。その名も「久田将義責任編集 ニコ生タックルズマガジン」。久田氏をはじめ、様々なアウトロー著者陣営がどの既存メディアでも露出できない記事をお届けします。
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    《目次》
    01. [匿名記者]風雲急をつげる? 裏社会の変貌「変わりつつある関東の暴力団地図」 02.[餅田もんじゃ] 新進気鋭の謎の女性ライター『ラーメンの日』 03.[藤木TDC]ジャーナリズムを作った「トップ屋」の時代と内情
  • [藤木TDC]ジャーナリズムを作った「トップ屋」の時代と内情

    2014-04-10 01:00  
    220pt
    藤木TDC 寄稿記事 ジャーナリズムを作った「トップ屋」の時代と内情

     「 トップ屋 」という言葉を意識する読者はこのブロマガを読む中にどのぐらいいるだろう。ジャーナリスト志望であったり、出版業界の歴史に興味がある人ならば、その意味を知っていたり憧れを抱いたりするかもしれないが、若い方たち、だいたい30歳代よりも下の年齢層には死語ではなかろうか。しかし「トップ屋」の系譜は今も脈々と生き続けている。もちろん、ネット情報の中にもその血脈はある。
     「トップ屋」とは1950年代、日本に週刊誌ブームが起きた時に登場したフリーランスの記者、もしくは記者集団のことを差す。日本の週刊誌は1922年刊行開始の朝日新聞社「週刊朝日」や毎日新聞社「サンデー毎日」など新聞社系が先行した。この時は新聞からスライドした社員記者が取材執筆をうけもっていた。
     戦後になり紙やインクなど物資調達が回復すると文芸出版社も週刊誌の発売を企画する。その最初が56年創刊の「週刊新潮」で、大物作家の連載小説が大きな売り物であったが、週刊誌である以上、ルポルタージュ記事も載せねばならない。ところが文芸出版社に政治や事件の取材経験をもつ記者は、当然いなかった。そこで新聞社を退職した記者や、取材力や企画力のある作家志望者をフリーランスとして起用したのが「トップ屋」の発祥とされる。
     フリーランスゆえ背景の怪しさ、倫理観の欠如などから新聞社の社員記者よりも格下と見られ、それゆえに「トップ屋」=トップ記事を売り歩く商売人と揶揄されたのがその名の由来だ。名付け親は50年代に「週刊朝日」を100万部雑誌に成長させた名物編集長・扇谷正造で、ある時、新宿のバーで飲んでいた人気のフリージャーナリスト梶山季之を酔った扇谷が「トップ屋さん、元気か」と冷やかしたのが最初ではないかと言われている。梶山はこの時のことを「トップ屋戦士の記録」(83年季節社刊、93年徳間文庫)に書いている(発表当時は坂出淳名義)。
    「私はウカツにも“トップ屋”という言葉を知らなかったが、ちょうどその日、仕立て下ろしの背広を着ていたので『ハハア、トップ・モード野郎という意味かな』などと考えニヤニヤしたものである」
     ここまでは洒落っ気ある記述だが、同書徳間文庫判の岩川隆(直木賞候補になった有名作家だが、出自は梶原門下の有名トップ屋である)の巻末解説には、梶山が扇谷に冷やかされた直後に「トップ屋なんぞと言いやがって」と憤慨したのを聞いたと書いている。
     梶山はトップ屋時代に今上天皇、当時の皇太子明仁殿下の妃候補をすっぱ抜いたことで有名だが、彼の無署名記事を集めた「トップ屋戦士の記録」を読むと、政治社会ネタばかりでなく赤線廃止後の性風俗状況やルバング島残留兵士小野田寛郎の素性と中野学校、戦後の新橋での戦勝外国人と日本人ヤクザの激闘(いわゆる新橋事件)など、今日の実話雑誌が掘り起こしてネタにしていることをすでに書いているのが面白い。ネオ実話誌と呼ばれる雑誌は、実は50年代に「トップ屋」がすくいあげたゴシップのリイシューともいえるのだ。
     初期の「トップ屋」といえば先の梶山のほかに草柳大蔵、北川衛、三田和夫などが有名どころであるが、彼らの来歴については、現在は入手しづらいが「首輪のない猟犬たち」(72年 産報)が面白い。グループを組織して取材活動をしていた前出の人々のほかにも、竹中労、清水一行、猪野健治などの一匹狼のトップ屋の成果や素性を扱っている。筆者は知らなかったが、同書には「ノストラダムスの大予言」を書いた五島勉も60年代のトップ屋のひとりだったとある(『微笑』などに風俗記事などを書いていたらしい)。取材記事で身を立てられなくても、「大予言」のようなオカルト書籍のベストセラーで成功する方法もあるのだなあと、フリーライターには参考と励みになる記述であった。

    「首輪のない猟犬たち」では「週刊新潮」創刊時の編集システムの作られ方も記載されている。取材記者を社員として採用せず、あくまでも外部スタッフとして出来高の原稿料で雇ってきた。しかも個人の才能に全てをまかせず、複数のデータマン(取材者)とアンカーと呼ばれる最終執筆者によって記事がつくられるなど、今日の週刊誌と同じシステムがこの時作られたことがわかる。
     参考までに同書にある週刊誌の記事の製作順序を以下に引用しておこう。これは今もまったく変わっていない定着したスタイルだ。 ・編集長、編集次長、デスク級編集部員(以上正社員)、そしてプロデューサー級の社外記者が集まってトップ記事やサブ・トップ(第二特集)の企画会議を開く ・企画が決ったら各プロデューサーの担当を決め、モノによっては取材員を各プロデューサーに割り振る。 ・プロデューサーは、指揮下に入った取材記者に適当な指示を与え、取材に出発させる。 ・プロデューサーは取材記者から刻々はいってくる情報をきいて、必要な処置をする。 ・十分にデータが集まってたら、取材記者にデータ原稿を書かせる。 ・データ原稿をリライター(アンカーともいう)に渡す。リライターの手がふさがっている時は、プロデューサー自身が完成原稿を書く。 ・できあがったものを編集長や編集次長が目を通し、気に入らなかったら書きなおす。 ・編集整理マンが原稿の割りつけをしてして印刷工場におろす。  予算の少ない雑誌はデータマン、アンカーを分けずにすべてひとりのフリー記者に放り投げることがあるし、編集整理マンは現在ならデザイナーということになろうが、週刊誌はだいたいこの順序で作られている。かつて「トップ屋」は新聞社系週刊誌の社員記者の代替策として生まれたが、現在では「週刊朝日」も「サンデー毎日」もフリー記者に取材させる形式だ。「トップ屋」は新聞社に勝ったのだ。
     最後に「首輪のない猟犬たち」にはトップ屋の原稿料も記載されているので、参考までに紹介しておこう。
  • [餅田もんじゃ] 新進気鋭の謎の女性ライター『ラーメンの日』

    2014-04-09 01:00  
    餅田もんじゃ 寄稿記事 『ラーメンの日』


    ラーメンがすごく好きというわけではないが、たまに今日はラーメンでなくてはいけない、という日が来る。月に1,2回ぐらいの頻度で来る。

     先日外回りで郊外の町に出かけた時が、ちょうどその時だった。次の予定まではまだ時間があり、駅から少し歩いた国道周りにはわりと名の知れたラーメン屋がいくつかある。腹は決まった。

    数ある店の中から私が選んだのは、ネットで調べてそこそこ評判の良かった、豚骨醤油縮れ麺のお店だった。実際前まで行ってみると、暖簾が赤くしっかりしていて雰囲気も良い感じである。中を覗くとほとんど満席で、大丈夫そうだなと扉を押した。

    違和感を覚えたのは、入ってすぐのことだ。客が静かである。昼のラーメン屋なんてわりと静かなものだが、テーブル席に座っている4人組のサラリーマンすら所在なさげに水を飲んでいる。というか、客のほとんどがラーメンを食べていない。カウンターの中の厨房には20歳くらいの汗まみれの坊主の若者(以下、「小僧」を愛称とする)がただ一人何やらせわしなくしており、扉のすぐ横から「いらっしゃいっ!」の声が飛んだ。声の方を見ると、店主らしき男性が、券売機を開いてガチャガチャやっている。どうやら壊れたらしい。

    券売機がそんな様子なのでとりあえず空いている席に座ってみるが、どうにも落ち着かない。券売機の中をあれこれやっている主人にも、カウンターの中で踊るようにセットの高菜ご飯を盛りつけている小僧にも、注文など通せる雰囲気ではなかった。

    一瞬帰ろうかとも思ったが、いや、今日の私はラーメンなのだと思いとどまった。そしてそのラーメンはもはや豚骨醤油縮れ麺でなくてはならない。絶対に出てやるものかと腹を括る。周りも大方そんな様子で、黙々とストイックに待たされている。

    「すいませんね!少々お待ちくださいね!」との掛け声と共に、店主が厨房に戻ってきた。券売機のランプは赤いままで、どうやら無理だと見切りをつけたらしい。やっと注文かなと顔を上げるとカウンターの中の小僧と目が合った。私が口を開こうとした瞬間、「おいっ!テメエはチャーシュー並べたのかっ!」と罵声が飛んだ。あまりの威勢の良さに反射的に謝りそうになったが、小僧の「サーセンッ!」の声で我に返った。怒られているのは小僧だった。そしてその後も、テンポよく怒号が続く。

    「大体なんで先にご飯やってんだよ!」

    「先にこっちをやった方が良いかと思いまして!」

    「言い訳はいいんだよ!状況見ろよ!」

    「サーセンッ!」

    「つーか、7番さんにご飯お出ししたのかよ!」

    「まだです!」

    「やれよっ!」

    「サーセンッ!…高菜ご飯お待たせしやしたーッ!」

     気まずい。すごく気まずい。
    店員間での怒号と、客への声掛けがまったく同じボリュームなのだ。「サーセンッ!」と同じテンションで高菜ご飯を出されても、ちょっと食べづらい。店内が異様な緊張感に包まれていた理由がわかった気がする。

     その後なんとか注文が終わり、ラーメンが出て来るまでも息つく暇はない。なにせ店主の「〇〇やったのかっ!」と小僧の「サーセンッ!」の押収がBGMだ。そして実際のBGMは長渕剛だったので、あの汗臭い声がそれに輪をかけて体感時間を狂わせる。待ちわびたラーメンもそそくさと食べ尽くした。

     さて、食べ終わった後にまだ難所が残っている。会計だ。食券を買っていないので直接払わなければいけないが、カウンター内に釣りはないだろう。それに加えて心配なのが小僧の様子だ。会計に向けて慌てるあまり、食べ始めたばかりの客に「お会計おねーしゃすっ!」と金を要求したりなど、怒号の中で徐々に理性を手放しつつある。

    「おいっ!券売機の中から小銭とってこい!」

    「はいっ!サーセンッ!」

     もはやサーセンを語尾化させた小僧が、券売機に駆け出して行く。私の他に同じタイミングで会計をする人が何組かいて、釣りが足りないらしかった。

     小僧は機械の中にあるタンクから小銭を掻き出し始めたが、その勢いがすごい。手に持っている大きなボウルへ取り憑かれたように金を移し替えている。長渕剛『ひまわり』の熱唱に合わせてジャーン!ジャーン!と小銭の音が響き渡り、いよいよ世も末というような雰囲気の中、客の視線が一心に小僧の背中に注がれている。

    「テメエ!全部掻き出さなくてもいいんだよ!必要な分だけでいいんだよっ!」

     店主の声が、初めて至極まっとうな響きで私たちに届いた。そうだ。必要な分だけで良いのだ。その通りだ。

    小僧は「サーセンッ!」と言いながら、小銭をあさり続けている。もはや彼の「サーセン」は同意・相槌の機能すら果たさなくなっていた。理性は、完全に彼の手元を離れていた。

     その奇妙な共同空間の中、私はわからなくなっていた。自分は一体何をするために、ここに来たのか。食べたかったはずのラーメンと、目の前のこの光景はあまりにも結びつかない。

     意味不明の熱心さで以って金をジャンジャン言わせる小僧。そして彼を包む店主の怒号と、客の視線。

     その空間にいた誰もが、わからなくなっていた。なにもかもわからない中で、小銭と小僧の背中だけが躍動していた。

    (文:餅田もんじゃ)
  • [匿名記者]風雲急をつげる? 裏社会の変貌「変わりつつある関東の暴力団地図」

    2014-04-08 01:00  
    220pt
    匿名記者寄稿記事 風雲急をつげる? 裏社会の変貌
    関東の暴力団地図が変わりつつある。
  • 「32年間8054回目の「笑っていいとも」・知っているようで知らないコンドームの基礎知識【前篇&後編】」ニコ生タックルズマガジンvol.57

    2014-04-05 01:00  
    407pt
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                                                       2014/04/05      久田将義責任編集 ニコ生タックルズマガジン                                 vol.57   □日本で一番危険なWEBマガジン。ニッポンの闇をさらけ出せ!□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本で一番危ないWEBマガジンが創刊!『実話ナックルズ』『ダークサイドJAPAN』元編集長、 現『東京ブレイキングニュース』(旧・日刊ナックルズ)( http://n-knuckles.com/ ) 編集長 の久田将義が、インターネットを通して新たな「アウトローメ ディア」を始めました。その名も「久田将義責任編集 ニコ生タックルズマガジン」。久田氏をはじめ、様々なアウトロー著者陣営がどの既存メディアでも露出できない記事をお届けします。
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    『関東連合 六本木アウトローの正体』(ちくま新書) が発売されました!  http://goo.gl/qm5Svx   ←amazonはコチラ!

      《TS視聴可能な番組》
    《今後の生放送予定》


    《目次》
    01. [久田将義]32年間8054回目の「笑っていいとも」最終回【圧巻だったタモリのMCとビートたけしの「表彰状」】 02.[荒井禎雄]【避妊と性病予防】知っているようで知らないコンドームの基礎知識【前篇】 03.[荒井禎雄]【避妊と性病予防】知っているようで知らないコンドームの基礎知識【後編】
  • [荒井禎雄]【避妊と性病予防】知っているようで知らないコンドームの基礎知識【後編】

    2014-04-03 01:00  
    荒井禎雄寄稿記事 【避妊と性病予防】 知っているようで知らないコンドームの基礎知識【後編】



     前回の記事でコンドームに関する基礎知識を紹介したが、今回はもう少し具体的に 「コンドームの正しい使い方」 をお教えする。

    ■参考リンク
    【避妊と性病予防】 知っているようで知らないコンドームの基礎知識【前篇】
    http://ch.nicovideo.jp/hisada/blomaga/ar496609

    [コンドームの正しい使い方]

    ・ 使用期限を過ぎていないか確認する
     普段は確認したことなどないかもしれないが、実はコンドームにも使用期限がある。 それを超えると、素材の劣化により破れやすくなるなどの不具合が生じる可能性がある。 したがって、どこまで気配りしてくれているか解らないので、ラブホの備え付けをそのまま使うのはちょっと危ない。

    ・ 絶対に財布などには入れない
     コンドームは摩擦や熱に弱いので、 財布など物の出入りの多い場所には入れない こと。 袋越しとはいえコインなどで擦られる内に劣化を招く可能性がある。 またタンスの中にしまう場合は、 防虫剤とは絶対に一緒に入れない こと。 これは一般的な防虫剤にコンドームを劣化させる成分が含まれているため。 ついでに言うと 油性マジックでも超簡単に穴が空く ので、コンドームの袋に油性ペンでメッセージを書く的な遊びは絶対にしないように。

    ・ 2枚重ねは厳禁
     性病や避妊を考えて「より安全に!」 と2~3枚重ねて使うひとがいるが、実はこれも大間違い。 先にも書いたようにコンドームは摩擦に弱いので、2枚重ねたらそれだけ余計な摩擦が増え、破れるリスクが増大する。(性器間でも女性器が充分に潤ってないと危険) 

    ・ 裏表をちゃんと確認する(正しく装着する)
     コンドームには裏と表がある。 商品によって多少の差はあるが、袋から出したら精液だまりを指でつまみ、男性器にあて、そのままスルスルっとスムーズに下げられれば正解。 途中で下ろせなくなったり、何かに引っ掛かるような感覚があったら、裏表を間違っていないか確認すべし。

     ちなみに、精液だまりをつまんで空気を抜く必要があるのだが、これは 「空気が入っていると破裂するから」 ではない。 空気が入っていると、それが行為中に脱着の原因になるからである。 コンドーム自体は内側からの膨張に非常に強く、膨らましてマスクのように頭に被ることすらできる。 もし破けたor穴が空いたという場合は、原因は空気以外にあると考えよう。

    ・一度着けて外したコンドームは捨てる
     上の裏表を間違った場合など、一度外してまた着け直して……と考えるかもしれないが、実はこれもご法度である。 もしかしたら最初に間違って着けた際に何匹か精子が付着したかもしれないので、それを裏表をひっくり返して着け直したら、精子がダイレクトに女性器の中に入ってしまう。 もし何か問題があったら、一度着けたコンドームは捨て、新しいコンドームを正しく着けるように。(性病予防の観点から言うとなおさら)

    ・ 自分の性器に合ったコンドームを探す
     よく見栄を張って大きいサイズのコンドームを買いたがる男がいるのだが、女性器の中で外れるリスクが高まるだけなのでダメ、ゼッタイ。 逆にあまりにも小さすぎるコンドームを着けると、締め付けが強すぎて射精障害などを招く危険がある。 コンドームの方は膨張に関してとても頑丈なので、正しく着ければ破裂したり破れたりといったアクシデントは起きないに等しいが、「人間の身体は血が流れてナンボ」 という点をお忘れなく。 射精障害まではいかずとも、勃起の維持が難しくなる場合も。

     また早漏で悩むあまり 「コンドームを何枚も重ねて刺激を少なく……」 と考える男性もいるが、これも絶対にヤメよう。 上で書いたようにコンドームは1枚ずつ使わねばならないから、刺激を弱めたい場合は薬局など品揃えの良いお店で、なるべく厚手の商品を探すように。(安全には替えられないので、恥ずかしがらず何でも店員に相談すべき)

    ・ 性器vs性器以外でもコンドームを活用しよう
     これは避妊ではなく性病予防のためだが、お互いの性器を口で刺激する場合もコンドームを ”防護シート” として使うことを推奨する。 深く知らない相手との場合は、女性が男性器を口に含む場合など、コンドーム越しの方が安全。 それで怒るような相手なら途中で止めて帰るべき。 また男性が女性器に対して何かする場合も、安全が確認出来ていない相手なのであれば、コンドームを破ってシート状にし、それ越しに舐めたり、指サックのように指にハメたりという方法もある。

     取り急ぎ絶対に必要と思われる基礎知識だけ書いてみたが、これだけ覚えておけばコンドームによる避妊確率は限りなく100%に近づくだろう。 性病予防の場合はコンドームだけでは防ぎ切れないケースがある(例えばディープキスで感染ったとか) ので、不安ならば 「よく知らない相手とは粘膜接触しない」 と心がけておこう。

     現在はこのような性知識を学べる様々な団体が発足しているので、より詳しい情報を知りたい方はそうした団体のWEBサイトを見るとか、無料の勉強会に参加してみると良いかもしれない。

    【リプロダクティブヘルス・ライツ】(Reproductive Health and Rights)
    http://www.weblio.jp/content/%E3%83%AA%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%80%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%84
    ※より詳しく知りたい方はこの単語で調べてみてください

    [性の健康について学べる団体の一例]
    ・API-Net(エイズ予防財団) http://api-net.jfap.or.jp/index.html
    ・SWASH http://swashweb.sakura.ne.jp/
    ・JASH(日本性の健康協会) http://www.npojash.org/
    ・Link-R http://www.link-r.org/

     最後に、前回の [コンドームのデメリット] の項で ”使う相手がいない” に該当してしまった方に全力で伝えたいことがある。

     こうした性に関する基礎知識や女性の身体への気遣いについて 「ちゃんと勉強して知っている」 ということが、コンドームを使う相手との出会いに繋がる可能性がある。 「このひとは顔はこうだし体型もああだし収入もそうだし、だけどちゃんと私の身体を気遣ってくれる」 と感じ取って貰えたら、思わぬ金星を挙げられるかもしれない。 よって、今の時点では必要ない情報だったとしても、明るい未来のために予習だけはしておこう。



    (文:荒井禎雄)
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    [Frameチャンネル]
    http://ch.nicovideo.jp/frame
    新宿歌舞伎町のBAR『Frame』で夜ごと繰り広げられるアングラ&フェティッシュワールドを、ニコニコユーザーの皆様に覗き見して頂くチャンネル。『TOKYO BREAKING NEWS』の執筆陣(草下シンヤ・荒井禎雄)らによる 「勝手に公開編集会議」 を放送しています。記事に対するご意見ご要望などありましたら、ぜひご参加ください。

     
  • [荒井禎雄]【避妊と性病予防】知っているようで知らないコンドームの基礎知識【前篇】

    2014-04-02 01:00  
    220pt
    荒井禎雄寄稿記事 【避妊と性病予防】 知っているようで知らないコンドームの基礎知識【前篇】
     つい数日前のことだが、コンドームに替わる新型避妊具に関するニュースがネットで話題になった。 なんでもこの避妊具は、避妊や性病予防用の薬剤を入れたチューブをリング状にしたもので、性交中にその薬剤が溶け出すのだという。



    ■参考リンク (Techinsightより一部引用)
    コンドーム要らずの時代に? HIV・性感染症予防、避妊すべてOKの避妊具に期待
    http://japan.techinsight.jp/2014/03/yokote2014030614180.html

     この避妊具を開発した米イリノイ州「ノースウェスタン大学」のパトリック・カイザー教授は、同避妊具の効果にますます自信満々な様子だが、多くの専門家らは数年にわたる調査がさらに必要だと見ている。HIV撲滅チャリティイベントで知られる「テレンス・ヒギンズ・トラスト(Terrence Higgins Trust)」のジェイソン・ウォーリナー氏も、「避妊具の新たなる幕開けには大歓迎だが、皆さんにはやはり、コンドームの着用が一番だとアドバイスしたいです」と慎重。具体的な商品化はまだ先のことになりそうだが、教授は「貧しく避妊具の入手が困難なために性感染症やAIDSの罹患率が非常に高い、サハラ砂漠以南の国々の女性をこれで救いたい」と話し、一刻も早い商品化に意欲を見せている。



     今回引用元とさせて頂いた記事にもあるように、現時点では 「コンドームを超える安全・安価を両立した避妊具はない」 と断言できる。 もしこの技術が実用化され、安全が立証でき、また安価に製造することが可能になれば、世の男性からすれば嬉しい時代が訪れるだろう。 なんせ 「生中出しなのに妊娠させない! 病気にもならない!」 となれば、男目線ではとても都合が良い。

     だが、現時点では使っている薬剤の副作用や、どこまでの性病に対応できるのかといった点が疑わしく、実際に日本国内に入って来るまでには相当な時間がかかるはずだ。 仮に日本でも買えるようになったとしても、しばらくの間はとんでもなく高額な商品になるだろう。

     また使っている薬剤について具体的に指摘すると、まず避妊目的としてレボノルゲストレル(卵胞ホルモンと黄体ホルモンを混ぜたもの=いわゆるピル) を使用しているのだが、これは薬の飲み合わせなどに注意しないと女性の身体に強い副作用が出てしまう可能性がある。 

    中でも血栓症は特に怖いので、心臓や血管に問題のある女性に対しては絶対に使ってはならない。 これ以外にも性病予防用の薬剤が何種類も含まれるだろうから、「より安全」 を目指せば目指すほど使用する薬剤が増え、副作用の危険が高まってしまう。 ということは、その時のお相手に対して 「これこれこういう物を使いたいんだけど、薬やアレルギーは平気?」 と聞くことが絶対条件となるだろう。

     そうした問題点を解決し、一刻も早く実用化してくれることを願いつつ、今回は今現在の避妊具の王者であるコンドームについての基礎知識を勉強してみよう。 これを読めば 「しばらくはコンドームに頼るしかないよなあ……」 と感じるはずだ。

    [コンドームのメリット]
    (1) 大量生産しているので安く、入手しやすい
    (2) 避妊率が高い(100%ではない)
    (3) 性病予防に効果的
    (4) 副作用が殆どない
    (5) サイズ・形などのバリエーションが豊富