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[久田将義]ボツ原稿をリバイバル!Back to 1990「千葉県某市のスーパーのお惣菜売場の女」
2013-11-19 01:00220pt
ボツ原稿をリバイバル
Back to 1990「千葉県某市のスーパーのお惣菜売場の女」
これは僕が15年くらい前に某エロ雑誌に依頼されて、書いたはいいが雑誌がなくなってしまった為、世に出なかった原稿である。当時はまだ「熟女好き」と言うと白い眼で見られていた時代。当時はワニマガジン社で一人でムックを制作。そして、この頃、実はミリオン出版に引き抜かれるのが決まっていた時期だ。引き継ぎも終わり、やる事もなく一週間ほどぼーっとしていた。
【若手ライターで汁男優もバイトでしているS君から電話があったのは六月の蒸し暑い日だった。相変わらずの、無愛想な暗い声で俺に頼んできた。
「あの、52歳って、大丈夫っすか」
「大丈夫だと思うけど。大丈夫って何が」
「いや、俺、レディス雑誌に個人広告出しているじゃないすか。それで52歳の主婦が相手してくれって言うんですよね。で、やっぱり俺、若い子じゃないとダメだし。で、熟女好きって久田さん、言ってたじゃないすか」
「っていっても、熟女だから誰でもいいってワケじゃないよ。キレイな方がいいに決まってんじゃん」
「えー、そう何ですか? わがままだなあ」
「わがままじゃねえよ。普通だろ。コギャル好きのヤツだって、女子校生なら誰でもいいってわけじゃないだろ」
「そうすけどね。とりあえず、会うだけでも会ってもらえませんか。それ、俺が原稿にするんで」
「会うだけなら、な」
という会話が交わされ、元来好奇心旺盛な俺は、その52歳の主婦に会ってみようと思った。と言っても期待などはしていない。だいたい、テレクラやレディス誌に男が欲しいって連絡してくる女なんてなあ…と思っていた。モテないなりの理由があるはず。期待した分、ガッカリするのは嫌だ。
その女性――芳江さん――にはSが俺の携帯の番号を既にに教えており、前日に会話を交わし、彼女の個人情報をある程度入手しておいた。話し声は細々として控え目で、上品に聞こえたのは好感が持てた。
千葉県の●●市在住で、近くのスーパーの惣菜売場でパートをしているのだという。25歳を長女に三人の娘の母親。旦那さんとは家庭内別居状態で10年以上もセックスをしていないと言う。さらに小さい頃、DVの経験がありトラウマになっているらしい。それは重いなあ。メンヘラは苦手だ。
待ち合わせ場所は新宿アルタ横の喫茶店だった。会社を適当な用を作って抜け出し、時間通り、昼12時に喫茶店に入り、それらしき女性の姿を探した。と、いう間もなくすぐ目の前に座っているオバさんが彼女だと気づいた。
「あの……芳江さんですか」
「は…はい」
電話通りのか細い声で答える。
はー、この人ね。体重は70kgくらいあるだろうか。おかっぱに近い髪型で顔は地味。こけしのようだ。一重まぶたに、色白の肌。黒いワンピース。亡くなったうちの祖母に似ているなあ。なるだけ目を合わせないようにした。
でも、勢いがつけばやれない事はない。とっとと、ホテル入って帰ろ。俺はSの原稿作成の為に体を張る事にした。歩き慣れた歌舞伎町までの道のり。彼女は太った身体を揺らしながら、よちよちという感じでついてくる。
「何か胸がいっぱいで、昨日は眠れなくて……」
というマジな芳江さんの言葉を聞いて、俺のようなモノでもお役に立てれば、というプレッシャーがかかってきた。
ラブホテル街に入り、街娼が立っている通り(※以前は歌舞伎町ラブホテル街のいくつかに立ちんぼがいた)、以前、ニューハーフに自衛官が刺された現場付近のホテルに入った。因みに、市ヶ谷の防衛省が近いのでこの街で遊ぶ自衛官は少なくない。
先にシャワーを浴びた後、芳江さんが浴室へ。その間、俺はその熟女AVで気分を高揚させておいた。芳江さんが浴室から出てきたようだ。しかし、中々ベッドに来ない。おいおい、大丈夫か。足を滑らせて倒れてたりしないよな。
五分ほどして、現れた。
「うわっ」
思わず声が出そうになった。
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