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[久田将義]新社会人のみなさんへ「出版業界の二つの謎」
2014-03-29 11:00220pt新社会人のみなさんへ 「出版業界の二つの謎」
出版業界というと、特別なイメージをもたれる方もいらっしゃるかも知れない。しかし、基本は普通の会社員であるし、そうあるべきだと思う。礼儀とかマナーとか電話の応対、タクシーや居酒屋などでは上司やお客さんをどちらに座らせるか、名刺交換の仕方などを指す。
とは言え、一風変わった人間が多いのも事実のような気もする。たぶんそれは、原稿や印刷所の締め切りなどに追われ、日々のスケジュールが立てにくい、通常に日常生活が送りにくいといった事に起因すると思う。
が、変わった人なら、恐らくメーカー等のいわゆる一般企業にもたくさんいるはずだと想像する。僕は、大卒後は広告営業とはいえ一応、マスコミ関連だったので、「一般企業」に勤めた事がないため、あくまで想像である。
因みに大学三年(因みに法政大です)の時、亡父から「お前は●●に興味ないか」と言われた事がある。●●は超大企業の名前。そこにコネクションがあるのだという。亡父は堅実な人だったので、僕が現在編集者になっていると知ったら天国で怒るかも知れない(非常に気の短い人で、僕もその遺伝子を受け継いでいるから短気なのだと思うが)。ただ、一度くらい、そういった「一般企業」、それも大企業の雰囲気だけでも味わってみたかったとも思う。上司は、総務は、経理は、どうなっているのだろう、という「未知なるものへの興味」からである。大企業志向といったようなものではない。
出版業界に入って、日々が経つが、今さら、出版業界の「ある慣習」のようなものに気付いた。慣習かどうかも分からない。僕が見逃していただけかも知れない。これは、選択出版に入社した時に気になったのだが、そのまま見過ごしていた。
今まで、打ち合わせというと、編集者の僕が喫茶店代をお支払いして、その後、途中までライターと帰るか、それとも喫茶店の入口で「では、また」という感じであった。
選択出版は新聞記者の方も多く書いている。政治、企業、国際、社会問題に特化した会員制の雑誌だ。僕らは、新聞記者の方に原稿を依頼するのだが、打ち合わせ場所はホテルのラウンジが多かった。
その時、不思議に思ったのだが、会計を支払う時、そのまま「では」と、スッと帰るのである。これを失礼と言っているのではない。新聞記者は、そういう慣習があるのだろうかと違和感を抱いた次第。
「雑誌記者もそうだっけ」と、思い出してみるのだが、あまりそういった経験はない。一般企業もそうなのだろうか。あるいは、一般企業でも大企業がそうなのだろうか。新聞記者の習性なのだろうか。経済評論家といった人たちも同様である。喫茶店代支払う時、会計の場所ですっと、お辞儀をして立ち去る。
僕の場合、雑誌畑なので会計の際も、ずっと編集者の支払いを待つのだがどっちがいいのか、未だに迷う場合がある。今日も某出版社の編集者氏と打ち合わせを喫茶店でしたのだが、今回は僕が原稿を依頼された側なのでお茶代は支払って頂いた。その時は、レジ横で待機していたのだが。一般企業らしき人の打ち合わせは、傍から見ていると会計の時も、打ち合わせした側もされた側も、待っているという感じだ。
もう一つある。名刺交換だ。
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