• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 6件
  • [久田将義]東京オリンピックロゴ問題を出版業界から見た感想

    2015-09-21 18:00  
    330pt
    東京オリンピックロゴ問題を出版業界から見た感想  
     佐野研二郎氏が「もう耐えられない」と言い残して、2020年東京オリンピックのロゴ使用を取り下げました。 ただ、発端となった、ベルギーのデザイナーさんのロゴと佐野氏のロゴは僕は「似ているっちゃあ、似ているけど」ぐらいの認識でした。

     その後「これもそうだったんじゃないの?」という類似例が発掘されてしまい、炎上。 結果、自ら取り下げる事になったのですが、実際盗作かどうかという判断は、実は僕らが判断するより裁判が一番手っ取り早い。 しかし、芸術系の裁判は判断が難しいので、かなり長期間にわたって公判が開かれる事になるでしょう。そうすると佐野氏の仕事にも支障をきたすでしょう。

    ※裁判で思い出しましたが、佐村河内守氏がゴーストライター新垣隆氏に、名誉毀損で訴えるという話があったのですが、どうなったのでしょうか。

     ロゴ問題は実は、出版業界では結構ゆるいです。恐らく憲法21条の表現の自由の方が、著作権違反より説得力があるとみられているのではないでしょうか。

     周りを見回してください。例えば週刊誌。表紙制作はデザイナーが担当するのですが、当然雑誌のタイトルロゴもデザイナーが考えます。で、例えば週刊現代と週刊ポスト。週刊文春と週刊新潮。アサヒ芸能と週刊大衆。漫画誌でしたサンデー、マガジン、ジャンプなど真似という訳ではないけれど、「雰囲気」は似ています。

     発注側が「読者層はこうこうで、こういう店に置かれるから読者が手に取りやすい感じで」と指定するのですから、自然と似たような表紙デザインになってしまいます。

     表紙デザインと言えど、著作物でありデザイナーに著作権があると思っていたのですが、裁判でも認められなかった例があったはずです。僕がミリオン出版に在籍していた頃。『実話ナックルズ』の編集長を務めていた時、コアマガジンの某編集が来て、「同じような雑誌を作るのでよろしく」とあいさつに来ました。「律儀だなあ」と感心しつつ「頑張ってください」と言って別れました。で、その後出た雑誌『実話ダイナマイト』というのですが、見てびっくり。表紙デザイン、タイトルロゴがかなり似ていたのです。が、弁護士曰く「こういうのは(裁判は)難しいんだよ」との事でした。

     僕としても「わざわざ挨拶に来てくれたし、ま、いっか」とそのままにしておきました。しかし、本気で怒ってしまう編集者もいます。同じミリオン出版から刊行され、一時代を作ったギャル雑誌『egg』というものがありました。この時も似たような表紙デザイン、タイトルロゴの雑誌が他社から出版されました。当時の中川元『egg』編集長は怒りのあまり、編集後記で「厳重抗議する」というような事を発言されていました。

     出版業界としては、あるジャンルの雑誌がヒットしたら似たような雑誌が出るのは自然の事として、黙認しているような現状です。僕は、中川元編集長の怒りも分かりますが、結局は出版の自由・表現の自由という思考にまかせても良いのだろうと考えています。

     佐野氏はアートディレクターでした。僕が広告業界にいた時分と違っているかも知れませんが、アートディレクター(AD)は全体を見渡し、クリエイティブディレクター(CD)に指示します。そこから、カメラマンやイラストレーターな発注されていきます。

     例えればクリエイティブディレクターは現場監督で、アートディレクターは総監督のようなものでしょうか。ですから、現場の責任と言い逃れをする事も出来るかも知れませんが、やはりデザインチームのトップである総監督は問題が起きたら責任を取らざるを得ないでしょう。「部下がやった事」「スタッフがやった事」では、どんな仕事でもそうですが、済まされない訳です。

     デザイナーがデザインする自由度が、ある程度狭いケースは前記した雑誌の表紙のように似る場合が多々あります。というより、「似せてもいいからから」「(先発誌と)同じような感じで」と発注されますから、当然似てしまいます。タイトルロゴのフォントも何となく似てしまいます。その方が無難だからです。その方が売れる可能性があるからです。

     つまり、商業ロゴと今回のオリンピックロゴの徹底的な違いは、商品であるかないかが最も大きい。オリンピックを象徴しようとすれば、アートディレクターの色々な想い、思考がロゴに反映されます。抽象的なものが多いかもしれません。商業ロゴは、一目で食品の場合「美味しくみせようとしているんだな」とか、デニーズやサイゼリアなどのお店の場合「遠くからでも目立つ」ようにデザインされています。

     が、商品ロゴにデザイナーの「心」が入っていなという事ではありません。デザイナーも「自分の作ったロゴで一人でも多くのお客さんに手に取って欲しい」と思って制作しています。従って、商品ロゴも今回のオリンピックロゴも作り手の「心」が入っているはずなのです。

     問題は、心は模倣出来ないという点。佐野氏がもしも、他にもロゴをトレースしたとしたなら、それは罪深い事になります。作り手の心を土足で踏みにじったように僕には見えます。
  • [久田将義]拡張!東京ブレイキングニュース『浅田真央選手発言「人間なので失敗することもあります。失敗したくて失敗しているわけじゃないです」』

    2014-02-26 12:00  
    220pt
    拡張!東京ブレイキングニュース


    浅田真央選手発言 「人間なので失敗することもあります。失敗したくて失敗しているわけじゃないです」



     2月25日、東京・有楽町「外国特派員協会」での浅田真央選手コメントだ。これは、森元首相の発言を受けてのものだという事は容易に想像がつくだろう。

    一時は「森元」という名前の首相がいるのではないか、とツイッターでは冗談で流れたほど炎上した森元首相の発言だった。「彼の失言癖はいまさらであり、しょうがない」という意見もあるようだが、百歩譲ってそれも「アリ」だとしよう。

     

     しかし、東京ブレイキングニュースでも書いた (http://n-knuckles.com/serialization/hisada/news001248.html)が、彼の東京オリンピック・パラリンピック大会協議委員会組織委員会の会長という立場を考えれば非難は免れ難いと言わざるを得ない。

     

     そこで僕が気になったのは、浅田選手は「森発言」をどのように思うか、だった。恐らく、浅田選手の性格上、炎上しないような大人の発言をするのだろうと思っていたが、素晴らしい発言だった。

  • 「佐村河内守氏問題・ソチ五輪から2020年東京五輪を考える・ロフトプラスワン途中退席した訳」ニコ生タックルズマガジンvol.51

    2014-02-14 01:00  
    398pt
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                                                       2014/02/14      久田将義責任編集 ニコ生タックルズマガジン                                 vol.51   □日本で一番危険なWEBマガジン。ニッポンの闇をさらけ出せ!□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本で一番危ないWEBマガジンが創刊!『実話ナックルズ』『ダークサイドJAPAN』元編集長、 現『東京ブレイキングニュース』(旧・日刊ナックルズ)( http://n-knuckles.com/ ) 編集長 の久田将義が、インターネットを通して新たな「アウトローメ ディア」を始めました。その名も「久田将義責任編集 ニコ生タックルズマガジン」。久田氏をはじめ、様々なアウトロー著者陣営がどの既存メディアでも露出できない記事をお届けします。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    《新刊のお知らせ》
    『関東連合 六本木アウトローの正体』(ちくま新書) が発売されました!  http://goo.gl/qm5Svx   ←amazonはコチラ!

    《TS視聴可能な番組》
    《今後の生放送予定》

    《目次》
    01. ゴーストライター経験がある文筆家本橋信宏氏が分析!佐村河内守氏問題で一躍注目を浴びた裏流行語大賞「ゴーストライター」 02.[藤木TDC]東京都舛添新都知事誕生「ソチ五輪から2020年東京五輪を考える」 03.[久田将義]拡張!東京ブレイキングニュース『僕がロフトプラスワンで途中退席した訳』
  • [藤木TDC]東京都舛添新都知事誕生「ソチ五輪から2020年東京五輪を考える」

    2014-02-12 01:00  
    220pt
    藤木TDC 寄稿記事 東京都舛添新都知事誕生 「ソチ五輪から2020年東京五輪を考える」 

     連日朝がたまでテレビでソチオリンピックを眺める日々である。現段階では期待したメダルに届かない選手がいて、ギャラリーもフラストレーションが続いている。テレビのキャスターもメダリスト続出で大騒ぎしたいところだろうが、現状はなかなか難しい。オリンピック代表選手の成績は母国の国情が反映されるという説があるが、文化も経済もパッとしない今の日本なら、オリンピックの成績もこんなものかなあ、とも感じる。
     さて、2020年の東京五輪を決めてくれた方があっさりクビになり、変わって新都知事が舛添要一氏に決まった。直前まで議員隠居生活だったし、東京五輪の運営なんて選挙前には考えたことはなかったろうから(考えてみたら、むしろ参議院引退の動機が怪しい…)、この場を借りて筆者も少し、東京五輪について提言をしてみたい。新都知事が参考にしてくれれば幸いである。
     新都知事の関与はないかもしれないが、2020年の東京五輪は「都市の中心で開催するコンパクトな大会」というメインコンセプトで招致が決定した。コンパクトの意味は競技会場を狭い圏内に押し込めようとする意図だが、もう少し拡大解釈して、予算面もコンパクトにする努力をしてはどうか。
     毎度毎度オリンピックを見て感じるのは、日本人は期待ほどメダルを取れないなァという落胆である。終ってみればあまり興味のなかった競技で知名度のない選手がなんとか銅とか取って帳尻を合わせているのがメダル獲得の実情だろう。

     ならば今度の東京五輪では選手強化の面でも、もう期待できない競技はバッサリ切り捨てて、メダル期待値の高い競技だけに破格の予算を投下する「選択と集中強化方式」をとり、強化予算面での効率化をめざせば良いのではないか。メダル期待値を厳密に数値化して、メダルの狙える競技だけに強化費を集中するのだ。陸上競技の短距離走などはメダル期待値がほとんどないのだから、強化費は別にふりけたほうがいい。

    いや、国策として禁止してもいいんじゃないか。
  • 「オリンピック前夜、風俗業界への影響は・不景気で変化する歌舞伎町ホスト業界の実態・バブルがまた来ても良い」ニコ生タックルズマガジンvol.50

    2014-02-07 01:00  
    398pt
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                                                       2014/02/07      久田将義責任編集 ニコ生ナックルズマガジン                                 vol.50   □日本で一番危険なWEBマガジン。ニッポンの闇をさらけ出せ!□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本で一番危ないWEBマガジンが創刊!『実話ナックルズ』『ダークサイドJAPAN』元編集長、 現『東京ブレイキングニュース』(旧・日刊ナックルズ)( http://n-knuckles.com/ ) 編集長 の久田将義が、インターネットを通して新たな「アウトローメ ディア」を始めました。その名も「久田将義責任編集 ニコ生タックルズマガジン」。久田氏をはじめ、様々なアウトロー著者陣営がどの既存メディアでも露出できない記事をお届けします。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    《新刊のお知らせ》
    『関東連合 六本木アウトローの正体』(ちくま新書) が発売されました!  http://goo.gl/qm5Svx   ←amazonはコチラ!
    《TS視聴可能な番組》
    《今後の生放送予定》



    《目次》
    01. [阿部定治] 新都知事選・東京オリンピック前夜、風俗業界への影響は? 02.[山口祐二郎]都知事選前夜の歌舞伎町は今『新人ホストの夢を喰え~不景気で変化する歌舞伎町ホスト業界の実態』 03.[久田将義]拡張!東京ブレイキングニュース『東京都知事選前夜「バブルがまた来ても良い」』
  • [阿部定治] 新都知事選・東京オリンピック前夜、風俗業界への影響は?

    2014-02-03 01:00  
    220pt
    阿部定治寄稿記事 新都知事選・東京オリンピック前夜、風俗業界への影響は?
     テレビ、ラジオ、ネット。昨今のニュースは新都知事選の話題でもちきりだが、新たな都知事が決まる事によって風俗業界は影響があるのか? 現場は戦々恐々となっているのであろうか? 風俗業界で働く店長クラスの人物数人に話を聞いてみた。
    「うーん、どうなんだろうね。誰もこの業界についての公約なんて出さないからわかんないよね(笑)」(池袋某ファッションヘルス店長)
    「現在あるソープランドやファッションヘルスのような店舗型の風俗店……禁止地域(風営法28条1項、2項)を定めた改正風営法が施行される前から営業している店に関しては既得権があるから、簡単にどうこうは出来ないと思うけど……」(吉原某ソープランド店長)
    「この業界の事を語ったところで一般市民の支持は得られない、下手したらマイナスイメージになるだろうからね。だから何にも期待してないよ。石原さんみたいに『浄化作戦だ!』なんて言い出さず、猪瀬さんみたいに“よほどの事がない限り見て見ぬフリ”をしてくれる人がいちばんいいかな(笑)」(歌舞伎町某デリバリーヘルス店長)
    意外にも静観・楽観視している人が多く、現在有力候補と言われている舛添、細川両氏どちらが都知事になったとしても、さほどの影響はないであろうという意見が大多数であった。
    新都知事選の話題を終えた後に、皆が揃えたかのように口に出すのは
    「それよりもオリンピックの方が影響あると思うよ」
    ということ。2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの方が、風俗業界にとってかなり影響があると言うその理由は……