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Vol.120 ウェブ連載「フクシマの首長」を始めた理由
2014-04-25 06:00209ptVol.120
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『そこそこ週刊・畠山理仁』
ウェブ連載「フクシマの首長」を始めた理由
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●何が言葉を堰き止めるのか
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男性の目には涙が浮かんでいた。どう声をかけていいのかわからなかった。
私はその時、福島県二本松市にある浪江町役場二本松事務所にいた。一階の一番奥にある町長室で、馬場有・浪江町長から話を聞いていたのだ。
震災から丸3年が経った。その長さを考えれば、1時間のインタビューはあまりにも短い。それでも私は震災後に浪江町に起きたことを矢継ぎ早に質問した。馬場町長は「よそ者」の私にも、端的にわかりやすく話してくれていた。
時間を一秒たりとも無駄にしない。互いにそんな緊張感の中で取材を進めていくうち、突然、馬場町長の言葉が止まった。私はパソコンに文字を入力する手を休め、じっと次の言葉を待った。
1秒、2秒、3秒……。心の中でゆっくり数えてから馬場町長の顔を見た。
「すみません」
馬場町長はようやく声を絞り出すと、ポケットからハンカチを取り出し、そっと目頭を抑えた。
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Vol.092 双葉郡の今(広野町・楢葉町・富岡町)
2013-06-30 10:51209ptVol.092
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『そこそこ週刊・畠山理仁』
双葉郡の今(広野町・楢葉町・富岡町)
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●まだ誰も住めない場所で粛々と進む除染作業
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東京電力・福島第一原子力発電所事故により、多くの町民が避難生活を余儀なくされている福島県双葉郡。その双葉郡の「今」を写真でお伝えします。まず今回のVol.092では、双葉郡の南半分を占める広野町・楢葉町・富岡町をご紹介します。
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Vol.083 福島県富岡町「夜の森の桜」の今
2013-04-16 07:00209ptVol.083
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『そこそこ週刊・畠山理仁』
福島県富岡町「夜の森の桜」の今
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●「見続けるしかないでしょ、この現実を」━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「富岡はなにもない街だけど、夜の森の桜、とってもきれいなんだよね。だけど私たちはもう見られない。もう一度見たいなあ」
私がこの言葉を聞いたのは2011年12月23日。東京電力・福島第一原子力発電所の事故により避難生活を余儀なくされた、福島県富岡町の中学生たちからだった。
2012年4月。私は「夜の森の桜」を撮影し、その写真を彼・彼女らに送った。そして -
Vol.076 富岡町・夜の森の桜は「帰還意識の高揚」につながるか?
2013-03-25 20:00209ptNo.076
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『そこそこ週刊・畠山理仁』
富岡町・夜の森の桜は「帰還意識の高揚」につながるか?
〜警戒区域が再編された福島県富岡町の現実〜
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※2013年3月25日午前0時、区域再編の瞬間を取材した動画をUP※
→動画URLはメルマガ巻末をご参照下さい。
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●あやうく鍵を閉め忘れそうになった遠藤勝也町長
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2013年3月25日午前0時。これまで町内全域が「警戒区域」に指定され、住民の立ち入りが厳
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