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30年という月日~ 「追憶のファミコン」 (最終篇) 28歳の僕
2013-09-12 15:07330ptそれが、予想以上に売れたおかげで、だったらこのままレコードにしたらいいんじゃないか・・・というのが「ドラゴンクエスト」のゲーム音源を使った初めてのゲームサウンドトラックレコードの完成でした。それは 1986 年のことでした。
青いカラーが印象的なLPレコードで、当時のファミコンブームとドラクエ人気にあやかり、アポロンとして異例のヒットレコードになりました。
のちに「牧野アンナ」さんのアポロンからのデビュー曲「ラブソング探して」という曲が「ドラクエⅡ」のタイアップ曲として起用されることになりました。(牧野さんは、今では立派な振付師として活躍。沖縄アクターズスクール出身)
しばらくするとアポロンにとってゲームサウンドトラックは売れ筋のコンテンツになっていきました。 -
30年という月日~ 「追憶のファミコン」 27歳の僕 中・後編
2013-09-05 18:13330pt当時の上司だったT部長は、おそらく今の僕よりも若かったことでしょう。
T部長からは「オマエの担当はカラオケとBGMだ」と言われたときはなんのことを言っているのかさっぱりわかりませんでしたが、Sさんという先輩がやっている、流行曲のカラオケをレコーディングする仕事とアポロンの売れ線だったBGM(歌なし)をレコーディングする仕事を担当することになりました。
どちらも僕が望んだ、革新的なアーチストものでもありませんでした。ゆえに、なんのために異動したのだろうかという疑問も同時に抱えてしまったのです。
本社にしてみれば、若くてイキのいい奴が毎年うるさく言ってくるので、そんなに言うんだったらやらせてみるかというのが本音だったようです。
しかし、その頃であった人たちとの交流は今でも続いているものがあり、何事も役にたつということは今もって感じているものです。 -
30年という月日~ 「追憶のファミコン」 (中篇) 25歳の僕
2013-08-29 12:31330pt
『おう、ドラゴンクエスト』
「・・・?あ、ゲームか?」
『ファミコンな』
「おまえ、相変わらずゲーム好きだなぁ・・・」
『今、ちょうどいいところなんだよ。悪いな・・・あとちょっとでクリアってとこだ・・・』
「お、いいよ。俺も突然来たからな」
『おまえ、 ( 東京へ ) 帰ってきたの?』
「ああ、昨日からね・・・また明日帰るよ」
『あ、そうなの・・・今回はどうしたの?』
「うーん、今ね、Fさんと別れてきたんだよ・・・」
『えええ、そうなの?長かったよね?』
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