「THE TRIP™」は、120度に広がる大型スクリーンに映し出されるVR映像と、最新のサウンドシステムから流れる音楽に合わせてバイクをこぐフィットネス。約40分間で、上り坂や下り坂、平坦な道があり、"全力で動く運動"と、"ゆるやかな運動"が繰り返されるメニューになっています。この高強度インターバルトレーニングを取り入れた運動を「HIITトレーニング」といい、短時間でも高い運動効果を得られるのだとか。その脂肪燃焼率は、有酸素運動の約6倍。個人差はありますが、1回のレッスンで約500キロカロリー前後消費することができます。全身運動ですが、太ももの前後やおしり、ふくらはぎの筋肉を特によく使うので、特に下半身の引き締め効果が期待できるそう。さらに筋肉を落とさずにシェイプアップして、自然な美脚を手に入れることができるのです。
スタジオは薄暗く広々としていて、まるでクラブのような雰囲気。前方には映画館のように大きなスクリーンがあり、その前にサイクルがずらりと並ぶ様子は圧巻です。参加者は8割が女性でほとんどがひとり参加。インストラクターの指導のもと、イスの高さなどをセットしてペダルに専用のシューズをはめ込んだら、さっそくプログラムのスタートです。
照明が完全に落とされると、スクリーンにサンフランシスコの街並みが出現。路面電車や車が行き交う道路や、左右に建ち並ぶカラフルな家々など、景色が動き出します。しばらくは平坦な道が続くので、美しい街並みに見とれながら軽快にサイクリング。住宅地を抜けて、高いビルが並ぶ都会の街へ進んでいきます。
順調に進んでいると、長い上り坂が現れます。インストラクターの「上り坂は、ギアをヘビーに!」のかけ声で、参加者たちは一斉にサドルの前にあるギアをチェンジ。長い上り坂は、ギアの負荷をぐっと上げて、立ちこぎスタイルで上っていくのですが、これがとってもハード。キツさから姿勢が崩れてしまいそうなときも、すかさず「お腹に力入れて!」「おしりを上げすぎない!」と、インストラクターの激が飛びます。お尻の位置をキープしようとすることで、おしりから太ももの裏側にかけて大きく負荷がかかるのを感じます。太ももやふくらはぎはパンパン。腹筋もプルプル震えます。
5~10分に1回の程のペースで、コースが変わっていきます。次の世界へ進むために、軽いギアで光のトンネルを全速力で走り抜けたり、アップダウンの激しい宇宙のようなコースを進む感覚はまるでアトラクション。
とはいえ後半は、下半身だけでなく全身が疲れてきます。腕を上げるなどの直接的な上半身の運動を行わなくても、有酸素運動×トレーニングの効果で、プログラム自体が全身運動になっているからなのだとか。ここは、心の強さが問われるところ。「もう辛い、負けそう......」と足を止めそうになるたびにインストラクターから「まだまだいけるよ!」「ゴールはもうすぐそこ!」という声が聞こえて歯を食いしばる、の繰り返し。汗だくのうえにきっとすごい形相......、暗闇でよかったと心底思いながらなんとかフィニッシュ。
ゴールでは、高層ビルに夕日が沈んでいく、美しく壮大な景色が出迎えてくれました。興奮冷めやらぬまま、40分間走りきった達成感と心地よい疲労感で、しばらくポーッと放心状態。汗びっしょりで体はボロボロのはずのに、心が満たされていく感覚は最高に気持ちがいいものですね。時間を忘れてバーチャルの「非現実世界」に没頭することが、ストレス発散にもなっていたようです。
体験後の数日間、わたしのふくらはぎと太ももは筋肉痛でパンパンでしたが、心と頭はなんだかスッキリ。キツいと分かっていても、あのバーチャル世界のワクワクドキドキをまた体験したくなる!「THE TRIP™」の魅力がそこにありました。
「CYCLE & STUDO R Shibuya」
東京都渋谷区宇田川町23-3 渋谷第一勧銀共同ビル5F