実際、カップルがうまくいくために「Psychologies」の記事が挙げる重要なポイントのひとつは「共通のプロジェクトを持つこと」です。
「カップルというのは、もともとが弱い基盤の上に成り立っているので、具体性をなくしては続かないものだ。プロジェクトのないカップルは、眠ってしまう恐れがある」
(「Psychologies」から翻訳引用)
と説明するのは、精神分析医のRobert Neuburger(ロベール・ヌービュルジェ)氏。確かに、同じ目的に向かって進む2人は、意見交換に多くの時間を割くでしょうし、話し合いによって、お互いの共通点と相違点も再認識することでしょう。これまで知らなかったパートナーの新たな側面を発見して、相手を見直したり、新鮮な気持ちになったりもするはずです。たとえ、意見のかみ合わない点があっても、共通の目的を前にすれば、お互い譲歩することも学べそうです。
プロジェクトがプラス作用するのに必要な条件ただし、プロジェクトさえ持てば、壊れかけた関係が修復されるわけではないと、同誌は釘を刺しています。カップル・セラピストのCatherine Serrurier(カトリーヌ・セリュリエ)氏によれば、
「カップルに一番必要なものは、対話」
(「Psychologies」から翻訳引用)
これをなくして、むやみに大きな計画を立ててみても、2人の溝は拡がるばかりというわけです。ヌービュルジェ氏も、習慣を怠らないことの大切さを説いています。
「習慣は音階で、プロジェクトは音楽」
(「Psychologies」から翻訳引用)
なので、共通のプロジェクトを計画する前に、例えば、定期的に2人でディナーに行くなどの習慣をもち、普段から向き合う姿勢が大切だと説いています。
誇りを得て、人生に充実感を普段からちゃんと向き合っているものの、最近2人の関係が停滞気味かな? と感じる時は一度、共同プロジェクトを練ってみると良いかもしれません。なにも家の改装計画のような大きなものである必要はありません。週末の計画や、一緒に絵を描いたり、ピアノの連弾をしたりといった小さなプロジェクトで良いのです。
また、私見ながら、具体的なプロジェクトを常に頭において生活することは、カップルに限らず、毎日を生き生きと過ごすための鍵であるようにも思えます。
「家をつくることは、容易なことばかりではないけれど、あなたの誇りになるだろう」
とは冒頭プロモーションビデオのナレーションですが、この「(成し遂げれば)誇りになる」というのは、人生におけるすべてのプロジェクトに共通するように思えます。
小さなものであっても、自分の定めた目的をひとつずつやり遂げながら生きることで、自信がつき、誇りを持て、次のステップへと進む勇気を得る。それを繰り返せば、人生の充実感は、かなり高いものになるに違いありません。
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