『「撮る」だけで心と身体が若返る―カメラは最高のビタミン』(佐藤富雄 著・KKベストセラーズ)によると、写真愛好家の約8割は血管年齢が標準より若いという科学的な調査結果が出ており、ファインダー越しの世界が感性や感覚のみずみずしさを保つのに役立つそう。純粋に「好きだから撮る」だけでも効き目はあるとのことですが、さらに脳のストレッチを意識した撮りかたに挑戦中です。
1.イメージング能力を鍛える
スポーツ選手がイメージトレーニングをするように、撮る前から被写体の笑顔や美しい景色など「こういう風に撮りたい」という絵を思い描きます。なるべくリアルに! このイメージング能力、普通に写真を撮っているだけでも開花しやすいのですが、意識しながらイメトレすればカメラ上達の近道になります。
成功例を想像するというのはポジティブな作業なので、写真だけでなく私自身の内面にも大きな影響をもたらしてくれています。
2.あらたな視点を得る
もっともきれいに撮れる構図を探していると、これまで意識したことがなかった「あらたな視点」に気づきます。視点を変えるだけで、いつもの景色がかがやいて見えたり、暮らしのなかのワンシーンがいとおしいものに思えたり。すてきに思えないなら、それは自分のものの見方がすこしいじわるなのかも......?
あらゆる物事にベストショットの角度を探せば、ありふれた日常もすばらしい発見に満ちあふれたものへと変わります。
3.被写体の良いところを5つ見つける
人物を魅力的に撮る秘訣は、相手を好きになること。この本では、その人の長所を5つ探して意識しながら撮ることをおすすめしています。
大好きな人にモデルになってもらうのがいちばんですが、この本曰く、あまり好きではない人でも5つの長所を見つけるのが「撮影者としての役目」。はじめはさほど思い入れがもてない相手でも、よく観察して良いところを引きだそうと工夫するうち、不思議とその人の個性や魅力にはまっていく。人を愛せるというほどすてきなことはありません。
4.旅の写真を撮る
無目的にぶらぶら歩く旅も試してみたけれど、旅先では記念撮影をしたほうが気持ちが盛り上がるなと感じました。
ついでに撮るのではなく、写真撮影を旅の目的の一つに。良い景色を求めて「移動」するという体験は、身も体もリフレッシュさせてくれます。あとで写真から旅の思い出をふりかえれば、記憶力のトレーニングにも。
5.休撮日をつくる
あえて1日、絶対にカメラを手にしない日をつくってみる。撮りたくて撮りたくてしかたがない気持ちが高まり、感覚が研ぎすまされます。
6.公開することで感性を磨く
撮った写真は恥ずかしがらずに公開を。InstagramのようなSNSにアップロードすれば、趣味が似ている仲間と刺激を与え合えるのでつづけやすいです。それに、私たち女性は、誰かに見られているのを意識することで感性が磨かれていくもの。
あたま、こころ、やわらかくささやかなことでも感動する気持ちを忘れたくない。でも、いそがしい毎日を送っていると、体が運動不足になるように頭も心もかたくなっていきます。そんなときも、写真を撮るという行為は、少女のようにキラキラした好奇心を持ちつづけさせてくれます。
自分がどんなものに心をひかれ、おどろき、どんな瞬間に美しいと感じるのか。自分感覚を取り戻していき、やわらかでみずみずしい心を保つためにInstagramを活用したいと思っています。
[『「撮る」だけで心と身体が若返る―カメラは最高のビタミン』]
Photo by gettyimages