そんな気持ちの重さはなんとなくごまかしてしまわないで、きちんと軽いうちに対処できれば心も風通しよく過ごせます。そんな時には自分を穏やかに癒してあげる術を知っていると困った時に助かりそうです。
『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子 著 幻冬社)には自分を癒しながらもちゃんと前へ進む力を与えてくれる言葉が詰まっていて心の薬箱のよう。しなやかに前を向いて進めそうなやさしい言葉をいくつかあげてみました。
ネガティブな出来事から見えるもの人生にポッカリ空いた穴からこれまで見えてこなかったものが見えてくる。
(『置かれた場所で咲きなさい』P76より引用)
思わぬ失敗や不幸、なんて考えるだけで嫌ですよね。でもそれがあったからこそ気づけることがあることも事実。小さい、大きいの差はあれど空いた穴から見える風景はいつもみているものとは違うもの。みないふりもできてしまうこともあるけれど、そんな時こそ自分のことをしっかりみてあげましょう。穴がなければ気がつけなかった自分の本心や周りの人からの思い。そこから得たものが今度は穴を埋める材料になっていくのかもしれません。
自分にとっての「重さ」が判断基準迷うことができるのも、一つの恵み。
(『置かれた場所で咲きなさい』P119より引用)
「迷い」は多くの人がネガティブに捉えることが多いのではないでしょうか。どっちををとったらよいかわからない状態は確かに心地が良いものではありませんが、それは可能性が選択肢の数だけあるということ。選ぶ自由が少なからずそこにあり「迷うことができる」状態にあるのです。
そんな時に筆者は「それぞれのプラスとマイナスを書き出し重みによって決める」ことをすすめています。書き出すことで冷静になり、客観的に自分を見つめ、とるべき行動に気づけるこの方法は是非覚えておきたいものの一つです。
愛情があたたかく伝わる一言"あなたが大切だ"と誰かに言ってもらえるだけで、生きて行ける。
(『置かれた場所で咲きなさい』P71より引用)
子育ての時によく言われるのが子どもに「あなたが大切」としっかり伝えることが重要ということ。存在を丸ごと認めてあげるだけで自信を持たせてあげることができるそうです。それは子どもだけでなく大人も同じ。でも大人はこのような言葉をかけてもらえることはそうそうありません。
恥ずかしいから、言わなくてもわかってるから......。思っているけど伝えない、ではちょっともったいないかもしれません。そばにいてほしい人、いたい人にたまには言葉に出して伝えると互いに心があたたかく、自然に笑顔になれそうな気がします。
心の傷は見えないぶん深くならないと気づくことができませんし、認めたくない時もあるかもしれません。いそがしい毎日でも、時々心に効く言葉を思い出して、自分と向き合い気持ちのメンテナンスをしてあげたいですね。
[『置かれた場所で咲きなさい』]
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