こんなとき、「夜に食べるのは太るから」というイメージを持つ人はけっこう多いよう。お腹がすいたままガマンしてイライラしたり、あるいはフルーツをちょこっと口に入れたり……。でもそれは誤解。栄養のポイントさえ押さえて食べれば、逆に睡眠の質を上げる行動に変わりますよ。
実は眠りの質を左右している血糖値
image via Shutterstock走ったり、笑ったり、考えたり。いろんな活動をするために、私たちの細胞はエネルギーを作っています。その材料のひとつが糖。そのため、血液中にはつねに糖が流れており、多すぎたり少なすぎたりしないよう、厳密にコントロールされています。血液のなかの糖の量を測ったのが、血糖値といわれるものです。
お腹がすいているときは、血糖値が下がっている状態。この状態になると、身体は糖を作りだし、血糖値を上げようとします。そのときに出てくるのが、アドレナリンというホルモン。耳にしたことがある人も多いかもしれません。興奮に関するホルモンで、体内の自律神経を交感神経にスイッチオンするはたらきがあります。するとどうなるか。寝汗や歯ぎしり、悪い夢を見やすくなり、眠りが浅くなってしまったり、疲れがとれにくくなることが考えられます。
お腹がすきすぎて「フルーツならいいか」と食べてしまうのも心配。果物には糖質が多いので、血糖値はグーンと急上昇。上がりすぎた血糖値を下げるのにホルモンが出され、さらに下がりすぎた血糖値を再び上げるのにホルモンが出され……。そのタイミングが、だいたい食べてから2〜3時間後くらい。このぐらいの時間に目覚めてしまっている人は、食べた物が関係しているかもしれません。
タンパク質の多い豆乳を眠りのお供に
こんなとき、どうしたらよいのでしょう。おすすめは糖質の少ないものを口にすること。豆乳ならサラッと飲めて手軽。血糖値の乱高下を引き起こす心配もないですし、タンパク質が多いので睡眠時の身体の修復にも役立ちます。腸にトラブルの多い人は、牛乳のカゼインが悪さをしないか心配ですが、豆乳ならそういったことはありません。ちなみに豆乳は無調整のものをチョイス。豆製品で腸トラブルを起こしやすい人はナッツを少量とっても。
眠りの質が下がりやすいこの時期、翌日の身体のコンディションがより快適になるよう、小さな工夫を重ねていくのもおすすめです。