サプリメントの摂り方で気にかけておきたいポイントを、帝京平成大学薬学部教授、薬学博士 井手口直子先生に教えていただきました。
Q1. 興味のあるサプリメントが何種類も。一度にたくさん飲んでも大丈夫?
井手口先生 :
胃が荒れない程度だったら大丈夫だと思います。たくさんの種類を飲んで、胃もたれをしてしまうようだったら減らしたほうがいいですね。これとこれは一緒に摂らないほうがいい、ということはあまり考えなくても大丈夫です。
ただし、たくさん飲めば飲むほど、余計な成分である賦形剤(ふけいざい:成形の向上や服用を便利にするために加える添加剤)もたくさん摂ることになってしまうので、注意が必要ですね。
また、どのサプリメントが自分の体にあっているかを知りたい場合は、一種類ずつ飲んだ方がわかりやすいでしょう。
Q2. 薬との飲み合わせなど、人によっては慎重に選ぶべき?
井手口先生 :
ぜひ薬剤師さんに相談していただきたいです。お薬との飲み合わせで避けたほうがいいサプリメントもありますので、持病をお持ちの方は、薬局で薬をもらうときに薬剤師さんに聞いてみてください。
妊婦さん、アレルギーがあるという方も同じです。いずれにしても、まずは食事で栄養状態をよくする、ということを考えていただきたいのです。
人工的に抽出したものと違って、天然物にはそれぞれが補い合うさまざまな成分が含まれていますから、まずは食事、サプリメントはそれを補うもの、と考えてください。
Q3. 自分の体に合わないサプリメントはある?
井手口先生 :
合う、合わないは、個人差があります。「飲んでみてよかった」と勧められたサプリメントでも、人によっては合わないことも。私もなぜか胃痛に悩まされた時期があり、あるサプリメントをやめたらすぐに治った、ということがありました。
目的の成分以外の、賦形剤の影響かもしれませんが、サプリメントを飲んで体の調子がどう変化しているか、常に気をつけておくことも大切ですね。
まずは試しに飲んでみる。でも、その後自分の体にどんな変化が起きるかは、自分で気づくようにしたいもの。サプリメントを飲み始めてから、それまでなかった不調が現れていないか、日々しっかりチェックしておきたいですね。
また、体の調子は時間が経てば移り変わりますから、その時々によって見直しをし、取捨選択をしていくのがいいと思うんです。
サプリメントは薬ではありませんから、「サプリメントですべては解決しない」ということを認識しておいてください。
厳密にやりすぎるのではなく、「体にいい影響を与えてくれているといいな」と思いながら、楽しく飲むのがいちばん。
それが、サプリメントを最大限に活用するポイントではないかと思います。
Q4. サプリメントに頼らず、病院に行ったほうがいい場合もある?
井手口先生 :
たとえば、女性の方で生理痛が酷い場合、サプリメントでどうにかできたら、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、子宮内膜症などの病気の可能性もありますから、まずは一度病院で受診したほうがいいと思います。
これに限らず、サプリメントか受診か、迷うことがあれば、まずは薬局などで相談すべきだと思います。
サプリメントを飲んでどんな変化が現れるか……。無理せず、焦らず、しっかり自分の体に向き合って、より健康な自分を想像しながら、楽しく取り組むのが大切ですね。
──この記事は、2019年12月19日の記事と2019年12月26日の記事の一部を再編集して掲載しています。
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