こんにちは。マリアージュカウンセラーの斎藤芳乃です。
これまで3000人以上の恋愛・結婚にまつわる相談を解決してきました。その中で多く寄せられるのが「 苦しいことがたくさんある中で、それでもがんばっているのに、恋愛がうまくいかない」という声です。
がんばっているのに恋が叶わない理由・悪いことなんてしていないのに、なぜか恋愛トラブルが絶えない......。こんなにがんってるのに......。
・がんばっているのにどうして私だけ恋人ができないんだろう......。
こういった悩みは一見漠然としていて原因がわかりづらく思えますが、実は、「がんばっているのに」というその気持ちこそが恋愛を遠ざけてしまっている可能性があります。
がんばっても報われない、という思いを抱えていると、心が苦しくなり、自分を卑下してしまうというような「心の悪循環」を引き起こします。そうすると被害者意識をもったまま、人とのコミュニケーションをとってしまい、人間関係がうまくいきづらくなってしまうんですね。
無意識に相手を攻撃してしまう人は、過去に引きずられて不信感を持ってしまったり、悲劇が繰り返されて心がしんどくなってしまっているとき、どうしても過去の経験やできごとを基準にして、相手を判断してしまうことが少なくありません。
どうせあなたなんて、あの人みたいに私のことが嫌いなんでしょ?
どうせあなただって、あの人みたいに私のことを責めるくせに!!
どうせきっとまた、駄目になるに決まってる!
何度も何度も苦しい目に遭ってきたからこそ、このように心がぎゅっと閉じてしまうのは仕方のないことです。しかし、こうした態度や発言を実際にしてしまうと、その攻撃的な部分で相手との関係性ができてしまうため、自分にとって傷ついた心を癒すこととは真逆の結果になってしまいます。
例えば、どうせあなただって......と思っている時、心をぎゅっと閉じて攻撃的な視線をしながら、相手と視線すら合わせていないかも知れません。どうせ駄目になるに決まっていると思っている時、やけになって物を乱暴に扱ったり、がつがつと歩いたり、思わず人の挨拶にイラっとしてしまうかもしれません。
相手に心の傷は見えない「どうせあなただって」と思っていたとしても、真実は、その人自身と戦いたいわけではなく、ただ傷つき、人間不信になって、追い込まれた自分がいて、声にできない悲鳴を上げながら、怖くておびえているだけです。けれど、悲しいことに、人は人の心の中や、これまでの人生経験を完全に理解することはできません。あなたの心の傷が見えるわけでもなく、あなたの本当の辛さがすぐに理解できるわけではないんですね。
だからこそ、こうした態度をされると、相手はその態度や言葉だけで「何もしていないのに攻撃されている」「信じてもらえていないのかな」と、良い印象を抱くことができなくなってしまうのです。
本当は、悪気があったわけでは少しもありません。心に深い傷を負っていて、癒せなかったからこそ、人を信じられず、思わず攻撃してしまっていました。けれど、こうしたことを繰り返すことによって愛を遠ざける人生になってしまうからこそ、まずは恋愛に急ぐよりも、自分の心を癒し、自分の味方になることから始めてあげてください。
がんばった自分を癒してあげるがんばった自分を心からねぎらい、美味しいものを食べさせてあげて、好きな音楽を聴き、悲しみに寄り添い、時には泣いてあげること......。つらかったね、と慰めながら、優しくカラダを抱き締めてあげたり、自分の心がホッとできる行動をとってあげる......。
こうして自分の辛さや痛みを癒すことで、他者に対する無意識で攻撃的なコミュニケーションもしないで済むようにだんだんと和らいでいきます。恋愛はただ「良い自分をがんばってみせる」だけではなく、自分が充分に心から満たされている状態で可能になります。一見遠回りに見えても、あなた自身を愛して大切にすることで、素敵な恋を手に入れてくださいね。
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(斎藤芳乃)