発展途上国から世界に通用するブランドをつくるという理念のもと、2006年に産声をあげた「マザーハウス」。2014年3月21日に、新しく青山骨董通り店がオープンしました。
温かみのある青山骨董通り店の佇まい
お店に足を踏み入れたとたんに感じたのは、ほっとするような、心が落ち着くような不思議な感覚。「循環」というコンセプトにあわせ、すべて曲線で構成された店内は訪れる人をやさしく迎えいれてくれます。あかるい照明は「太陽」をイメージしたもの。お店の随所にこだわりが見てとれます。
店舗デザインを手がけたマザーハウス代表の山口絵理子さんに、新店舗への思いを伺いました。
心地よいものをつくっていきたい――とても落ち着くお店ですね。
エッジの効いたブランドが立ち並ぶ骨董通りだからこそ、温かいお店をつくろうと思いました。ファッションって、とんがっているものがいいとされているけれど、私は、身につけて心地よいものをつくりたい。
じゃないと、着るにしても、つくるにしても続かないと思っていて......。そういう意味では、ファッションという価値観に挑戦しているのかもしれません。
――今回、なぜ骨董通りに?
じつは店舗決めの軸は、私がこの場所いいなって思ったところなんです(笑)。
谷中店もそうやって決めたんですけど、商店街の真ん中だし、バッグは絶対売れないって言われていました。けど、売れた。いまでは、バッグを通して地元の人とのコミュニケーションが生まれる場にもなっています。
木目を生かした棚にならぶのは、どれも個性的で美しいバッグたち。このほとんどを山口さんがデザインしています。
――商品のアイディアはどんなところから?
観察するのが好きですね。自然からインスピレーションを得ることが多いです。
けれど、花が綺麗だからといって、花のモチーフをバッグにつけるのはちょっと違うな......。たとえば、イチョウの美しさはひとつの葉よりも、イチョウ並木のグラデーションや色の変化にあると思うんです。
そうして形になったのが「ICHO series」のバッグや小物たち。手作業で革を何度も染め加工することで、深みのある色合いが表れました。
Icho Hand(イチョウ ハンド)価格:26,000円(税抜)
――最後に、マザーハウスの今後は?
いろんなことに挑戦していきたいと思っています。マザーハウスの原点は、途上国の「素材」。これからも、現地の素材を大切にしたものづくりをしていきたいです。
あたたかで優しい雰囲気の青山骨董通り店。バッグを手にとった人から、つくる人や社会全体へと笑顔の輪が大きく広がっていく、そんな予感がしました。
代表取締役兼チーフデザイナー
山口絵理子
2006年マザーハウスを創業。以来経営者でありデザイナーでもある。
年間の半分以上をバングラデシュとネパールで過ごしながら、バッグ及びアパレルの商品開発をメインで行っている。
[マザーハウス]
★ 青山骨董通り店 information ★
営業時間: 11:00〜20:00
定休日: 不定休
TEL: 03-6805-1338
住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-12-6 英(ハナブサ)ビル 1F
表参道駅B1出口より徒歩5分
青山骨董通り店のブログはこちら>>
(マイロハス編集部/下岸)