自家繁殖をさせるブリーダーや、犬のしつけを行う「犬の訓練学校」が数多くあることはよく知られていますが、なかには「犬の助産師さん」といった驚きの職業が存在します。
憧れの職業「犬の助産師さん」
ドイツには犬の助産師になるための専門学校があり、犬好きや動物好きの人たちから注目されるようになりました。
主な仕事内容は人間の助産師とあまり変わらず、例えばワンちゃんたちの妊娠中の体調管理からはじまり、出産前の環境チェックを行うこと、飼い主さんたちとの連絡を密にとって、できるだけ最高のコンディションでお産を迎えられるようにすることなどが挙げられます。
出産時のサポートはもちろんのことながら、その後のメディカルチェックも。
しかしながら急な帝王切開などは獣医ではないので許されておらず、緊急の場合にはすばやい判断と動物病院との連携が求められます。
女性ならではの目線でお産をサポート
ドイツでは「動物の助産師さん」として先駆者の、モニカ・フェルドブッシュさん。
もともとブリーダーだった彼女は動物の助産師学校を卒業後、2013年から大きくて重いエコーを抱え、あちこちの家庭を飛び回る日々を過ごしています。
24時間体制で連絡の取れる彼女は、2000匹もの犬やねこなどの家庭動物の赤ちゃんを取り上げ、ドイツではよく知られた人物です。
「モニカさんが家に来てくれることは助かるわ。自宅だから気負いもないし、獣医さんのところへ行くよりも楽でいい」と、飼い主さんたちからも人気。
動物たちを精神的に不安定にさせないよう、できるだけ自宅出産を望む人の多いドイツ。出産までに2~3回の自宅訪問のメディカルチェックを行い、アドバイスを受けるなどしているようです。
そわそわ・ドキドキがとまらない飼い主さんたちにとっては、よき相談相手として絶対に欠かせない存在の彼女。
女性ならではの目線で、時間をたくさん割いて様々な疑問にていねいに耳を傾けてくれること、個人的に動物の出産を一緒に喜んでくれることが、彼女の人気の秘密なのかもしれません。
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