カラブリア州の伝統料理に、そんな新緑の色をしたスープがあります。その名もズッパ・プリマヴェーラ、「春のスープ」。そら豆、青エンドウ(グリーンピース)、アーティチョークといった春の味覚に加え、セロリやほうれん草などをたっぷり入れるのでスープ全体がきれいな緑色に染まるというわけです。青葉を見るようにすがすがしく、かすかに苦みを感じる春の風味。この季節ならではのメニューです。
スープはパンを添えてプリモ・ピアットに
ところで南イタリアの家庭ではたいてい昼食を一日のメインの食事とし、品数もたくさん、時間をかけて食べます。1品ずつ出される形で、1皿目はパスタやリゾット(主食)、2皿目はお肉や魚料理(主菜)と付け合わせの野菜(副菜)、ここにパンやワインなどが添えられ、最後はデザートとカッフェ・食後酒で締めます。
今回のような具だくさんスープは1皿目(プリモ・ピアット)として出され、一緒にパンをしっかり食べることで主食とします。ミネストローネのようにすでにスープの中にパスタが入れられていることも多いです。「春のスープ」には、薄切りパンを香ばしくトーストしたクロスティーニを合わせ、スープに浸して食べるのが王道の楽しみ方。香りと食感がいいアクセントになって、たしかにいい組み合わせです。
春のスープ(4~6人分)
【材料】
<A>
青エンドウ(グリーンピース) 250g
そら豆 250g
アーティチョーク 4個
ほうれん草 2~3束
イタリアンパセリ 少々
<B>
タマネギ 1/2個
セロリ 1本
人参 1本
にんにく 2~3片
パンチェッタ または ベーコン 150g
塩 適量
黒コショウ 適量
エクストラヴァージンオリーブオイル
サンドイッチ用食パン 4~6枚
【作り方】
1. 青エンドウはさやから出し、軽く塩茹で。そら豆もさやから出して塩茹でしたあと、皮をむいておく。アーティチョークは硬い部分を剥いて食べやすい大きさにカット。その他の材料もすべて食べやすい大きさに切っておきます。
2. 深めの鍋にAをすべて入れ、全体が浸るより少し多めの水を入れて火にかけます。
3. フライパンにオリーブオイルをひいてBを入れて炒める。タマネギが透き通ってしんなりしたら、2の鍋に加える。塩・黒コショウで味をととのえ、鍋に蓋をして弱火で1時間以上煮込みます。
4. その間にクロスティーニを準備します。サンドイッチ用食パンの耳を切り落とし、1枚を4~9枚の正方形に切り、トースターかオーブンで香ばしく焼き色をつける。
5. スープを皿に盛り、クロスティーニを添え、エクストラヴァージンオリーブオイルをかけてできあがり。
できれば材料は新鮮なものを使うのがベストですが、日本では手に入れにくいアーティチョーク、下処理がめんどうな豆類は冷凍のものをうまく利用すると作りやすいと思います。
上に挙げた材料のほかに、旬のアスパラガス、ズッキーニ、ちりめんキャベツ、フダンソウなどの葉野菜や、春においしい新じゃがいもを入れるレシピも。色んな種類の野菜を入れることで味がふくらみます。
あわせて読みたい
この記事を気に入ったら、いいね!しよう。
Facebookで最新情報をお届けします。