私が修道院のお菓子好きであることを知る親しい友人も、おみやげにと地元のものを差し出してくれることがあって、心の片隅で気にかけてくれたことやわざわざ届けてくれたことに感謝しながら、ありがたくいただきます。
左/佐賀「シトー会 伊万里トラピスチヌ修道院」のトラピストクッキー。右/佐賀「シトー会 伊万里トラピスチヌ修道院」のトラピストガレット。そんなお菓子たちは、もちろん修道院を訪ねて求めることができるのですが、旅人にとってはなかなか足を伸ばしにくい、山里や丘の上にひっそり静かに建つことがほとんど。けれども、よく気にかけていると、いろいろなところで出会うことができます。
左/北海道「灯台の聖母トラピスト修道院」のトラピストクッキー。右/宮崎「カトリック レデンプトリスチン修道院」のクルミクッキー。京都でよく立ち寄るのが、「タキノ酒店」。店の名の通り、気さくな町の酒屋ですが、一角に全国から集められた修道院のお菓子コーナーがあるのです。元々クリスチャンの家系だったことから、地元・京都の修道院のクッキーの販売に協力していたところ、買いものに立ち寄るお客さまに喜ばれたので、ならば北海道から九州まで、全国の修道院のお菓子を集めて並べるようになったそう。
兵庫「シトー会 西宮の聖母修道院」のマーガレット菓子。ビスケット生地の上にカラメルとレーズンをのせて、さらにアーモンドスライスを。私もよく、こちらで求めた全国の修道院のお菓子を、京都みやげとして渡しています。それから、地元に根付くスーパーや商店、道の駅や空港、百貨店のお菓子売り場などにも、修道院のお菓子はひっそり控え目に佇んでいます。
修道院のお菓子。無垢な軽やかな心持ちに 宮崎「カトリック レデンプトリスチン修道院」のクルミクッキー。粉砂糖をかけていただきます。お菓子そのものはもちろん、袋や包み紙のデザインも可憐なものが多く、見つけたときも味わうときも、ふわっと無垢で軽やかな心持ちに。
小学校を卒業するまで、日曜日の朝は教会学校に通っていたのですが、当時は食事やおやつを食べる前に、神さまへのお祈りを唱えていたものです。修道院のお菓子を前にすると、昔の記憶がよみがえり、普段は当たり前の習慣としてやり過ごす「食べること」を、あらためて意識できるのも大切なこと。
きっとまだまだ、そこでしか出会えない修道院のお菓子は全国にあるのだろうから、これからも旅をするのが楽しみです。
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