この保護区は、ハワイ諸島の北西に広がる隔絶された海域。もともと36万驚きのという巨大なものでしたが、今回の拡大で151万平方キロメートルに。ちなみに、日本の面積は約38万平方キロメートルですから、約4倍。アメリカの国立公園すべてをあわせたよりも広いのです。この保護区のなにが特別なのかというと、世界で最も隔絶された場所であるため、独自の進化をとげた動植物がとてもたくさん生息しているということ。7000種の海洋生物の生息地であり、そのうちの4分の1はこの海域にしか生息していない固有種です。
絶滅危惧種に指定されているハワイアンモンクシールやレイサンダック、アオウミガメの繁殖地でもあり、22種・1400万羽の海鳥の生息地でもあります。世界でもっとも健全なサンゴ礁が残っている海域としても知られており、なんと4000歳のサンゴも見つかっているのです。つぎつぎと新種が発見されているため「海のフロンティア」とも呼ばれています。
生命と自然のつながりを守るまた、ネイティブ・ハワイアンは、この場所を「命が生まれ、死後に魂が帰る場所」として、とても重要な聖地と考えています。「パパハナウモクアケア」という名前は、大地の母「パパ」と大空の父「ワケア」が交わり、広大なハワイ諸島を生んだという創世神話に基づいています。ハワイの人たちは、生命と自然のつながりをよく理解していたのではないでしょう。
海の汚染や過剰な漁業、海水温の上昇などによって、海の生き物たちは危険にさらされています。多様な生物が住む生命の源である「海」。その環境が損なわれてしまえば、人間も生きていくことができません。これからの社会には、自然の恵みを守りつつ利用できるような「サステイナブル」な仕組みが必要になっていくと思います。
この保護区は「サステイナブルな海」のモデルとして、オバマ大統領も視察のために同地を訪れ、いま世界中から注目を集めています。
photo by PIXTA
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