そもそもスーパームーンとは、月が地球に最接近したとき(の前後)に生じる満月のこと。ですが、天文学の用語ではないので、学術的な定義は存在しません。つまり「地球に○kmまで接近したらスーパームーンと呼ぶ」というような、距離の値がはっきりと決まっているわけではないのです。そのため、さまざまな解釈をすることができます。かの有名なNASAでは、10月・11月・12月の、3ヵ月連続でスーパームーンになると伝えているから驚きです!
月が地球を周回する軌道は楕円のカタチをしていて、月は公転しながら地球に近づいたり遠ざかったりしています。地球から月までの平均距離は約38万km、月が一番地球に近づくときは約36万km、一番遠ざかるときは約41万kmです。
先月のウルトラスーパームーンのときは、地球に対して35万6500km台まで近づきました。それでは12月14日の満月はどうかというと、月と地球の距離は35万8400km台。そう、けっこう近いのです。今年最後の満月が、平均的な満月にくらべて、明るくて大きく見えることは間違いないでしょう。
12月14日の月が、スーパームーンでも、そうでなくても、満月であることに変わりはありません。まんまるに満ちたお月様は、昔は「豊かさ」の象徴とされていました。収穫祭や儀式などが行われ、自然に対して感謝をささげるタイミングだったのです。
現代に暮らす私たちにとっては、家族や友人といった身近な人へ感謝の気持ちを伝えるタイミングととらえてみてはいかがでしょう。スマートフォンなどで撮影した満月の画像に、「いつもありがとう」とメッセージを添えてメールを送れば、日ごろはなかなか口にできない感謝の気持ちが、きっと伝わるはず。
月は、地球にとっても、私たちにとっても、たったひとつの存在。今年最後の満月が、ここにはいない誰かを想い、その人と心を通わせるきっかけになったらいいですね。
また、「豊かさ」の象徴である満月を眺めながら「今年もありがとうございました。来年も実り豊かな年となりますように」と、願いをかけるのもおすすめです。
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