どうやら各地はポカポカ陽気だったと聞きました。となると、沖縄は夏日続き。日中は半袖。寝るときにかけるのはタオルケット1枚という軽装。いつになったら冬がやってくるのだろうか、ともはや来る冬に怯える毎日です。
でも、寒くなる時はしっかり寒くならないと、農産物も海産物も私たちの体も何らかの支障をきたすのではないか、とか、変化するのは自然の摂理なのだから(それがたとえ人為的であっても)、とか、「異常気象」というものと、今後どうお付き合いしていけばいいのか漠然と考えているわけでして(たまには)。
そんな季節感の中で、昨年も変わらずこしらえたおせち料理。繰り返しの安堵は心の安らぎですね。友人に頼まれたせいもあって、献立を多めにしました。そしてお歳暮に頂いた沖縄の宜野座村の車海老も加え、ちょっと豪華な感じに。海老や蟹の赤が入ると、ぱあーっと華やかになります。朱赤というか実にめでたい赤です。
黒豆を鋳物鍋でふつらふつら煮ていると、つくづく料理の素材は生き物めいているな、と感じます。火のエネルギーで息吹を吹き返し、水の対流で揺らめく豆は「かわいい」。なんでもかんでも「かわいい」と言える年頃はとうに過ぎてますけど、あえて形容するなら「かわいい」と。
おせちの二大アイドル、伊達巻は(もう片方は栗きんとんですよね)焼き時間が若干長かったのか、いつもより固めの仕上がりに。「ま、いいかー」といったん床に着いたのですが、なんとも気になるから寝れない寝れない。ムクッと起き上がり、焼いた伊達巻をミキサーにかけ、ここに卵黄と泡立てた卵白を混ぜて調味し直し。これを卵焼き器で弱火で焼いて巻いてみました。深夜、ミキサーの「ガー」という音に起こされた息子は私の横に来て、「お母さん、何やってんの?」と突っかかってきましたが、母の真剣な眼差しを見てハッとしたのでしょう。トイレに行ったらおとなしく寝てました。
あくる日、ドキドキしながら切った伊達巻はしっとりふわふわ。涙。伊達巻よ、ありがとう。今年はこの失敗を生かして、(どうやって生かせばいいのか複雑なところ)より美味しい伊達巻を作るぞ!
わが家の定番、金柑蜜煮。今回は台湾の花茶を加えて煮てみました。映画「花様年華」のマギー・チャンが昼下がりに一粒つまみそうな味、というのが個人的な感想ですが、いかがでしょう。
他には長崎産の牡蠣のオイル漬け。娘はこの牡蠣が好きすぎて好きすぎて、「お客さん優先だよ」といったら泣いてしまった......。
鶏ハムの花椒風味、ローストビーフは新玉ねぎのソースで、鶏のごぼう&人参巻き、マチ(沖縄の白身魚)の昆布〆島大根巻き、お煮しめ、なます、酢蓮、紅芋きんとん、田作り、田芋揚げ、島豆腐の三角揚げ、栗の渋皮煮、ドゥルワカシー(田芋のマッシュ)。汁物は関東風のお雑煮と沖縄風の白味噌仕立ての2種。
ひとり、台所にこもってせっせと作るのは、ほんとうに愉しいものです。愉しいは嬉しい。なんかのキャッチコピーみたいですが、本年もよろしくお願いいたします!