子育ての中で、やはり注意していたのは食事。牛乳を与えた際に子どもの全身に発疹ができて以来、とても気をつけるようになりました。そのときの医療のスタンダードは「アレルゲンは与えない」という方針。家でも外出先でも神経質になってしまいストレスになってしまった時期も。
現在は幸いなことに症状は出ることもなく普通の食事ができますが、いまアレルギーに関しての認識が確実に変わってきているようです。
早期の摂取が症状の減少につながるピーナッツ・アレルギーに関して、アメリカの国立衛生研究所が発表したガイドラインが大きな話題となっています。それは「幼少期にピーナッツを食べさせるとピーナッツ・アレルギーの予防になる」というもの。
(ギズモード・ジャパンより引用)
アメリカではピーナッツは多くの人に認知される鶏卵、牛乳とならぶアレルゲンのひとつとされます。日本でもそばアレルギーと同様に、微量でもアナフィラキシーを引き起こしやすいアレルゲンとして注意を促されることの多い食材。
ピーナッツだけの話ではありませんが、じつは早い段階でのアレルゲン摂取を進める指摘は以前からしばしばありました。ですがそんな食材を幼少期から、というアメリカの国立衛生研究所の発表があるというのをみたときには、本当にいいのか? と正直おどろきました。
2000年の小児科学会のガイドライン発表以降もピーナッツ・アレルギーの子どもたちの数は増え続け、専門家の中でも「3歳以下に食べさせたらいけない」というガイドラインに疑問を抱く人たちが多く出てきていたのです。
米国疾病予防管理センターによると2007年の段階で食物アレルギーを持つ子どもたちの数は300万人にまで増加。これは1997年から比べると18%の増加になります。小児科学会も2008年には証拠が不十分であったとして前述のガイドラインを取り下げています。
(ギズモード・ジャパンより引用)
ガイドラインを取り下げた後も多くの家庭ではアレルギーを心配し子どもにピーナッツを与えなかったよう。私が聞いてもやはり抵抗がある話なのでその結果はうなずけます。
負担の少ない治療法の確立へこの研究では600人以上の幼児を対象とした臨床試験で、早期にピーナッツの摂取を開始することでアレルギーリスクの高い幼児の間でのアレルギー発症が81%も減少するという結果が出たのです。
(ギズモード・ジャパンより引用)
81%というのはすごい数値。今までの常識を打ち破るパワフルな結果です。食物アレルギーは当人はもちろん、周りの人、子を持つ親にとっても時につらい思いをするもの。薬などを摂取せず、ごくちいさな頃からアレルギーを克服することができたなら、それに越したことはありません。
新しいガイドラインは2010年の「食物アレルギー診断とマネージメント・ガイドライン」に追加される形になるのだそう。またJournal of Allergy and Clinical Immunologyをはじめとする科学雑誌でも発表される予定なのだそう。
年齢を重ねても多くの人が耐えがたい症状がでるアレルギー。体質やその日の体調によっても思わぬ症状になってしまうこともしばしばあります。医師の診断のもと自己判断は避けることは必須ですが、治療を受ける立場から見て、このように負担少ない治療法が確立されていくのはとてもうれしいことですね。
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