きっかけは、今から10年ほど前、婦人科の手術を立て続けに受けて以来体調を崩してしまったこと。なんとかしたいと食生活の見直しを決意し、アメリカの教育機関でオルタナティブ栄養学を勉強しました。そのとき出会ったのがフルーツを主食にする「フル―タリアン栄養学」だったのです。
「フルーツならいくら食べても太らないだけでなく、身体のあらゆる不調を改善してくれる」
子どもの頃からフルーツが大好きだったので、この理論にすっかり魅了されてしまいました。そして、食生活を改善したところ、短期間のうちに劇的な変化を経験しました。体重、体脂肪率ともに大幅に減少しただけでなく、メンタル面にも変化があり前向きに過ごせるようになりました。
フルーツを食べると糖分摂りすぎになる? Photo by Gettyimagesフルータリアン栄養学の基盤となるのは「人間は果食動物である」という考え方。同じ霊長類であるゴリラやチンパンジーも果食動物であると考えると、人間の身体も食べるようにデザインされていると考えることに矛盾はありません。最近では糖質を制限するダイエット法が流行していますが、脳や身体の主な栄養源は糖質であることを理由に、こうした食事法に疑問を呈する専門家が多いのも事実です。単に糖質を減らすのではなく、気をつけたいのは、糖質にもいくつかの種類があるという点。お米やパンなどの穀物、芋やカボチャのでんぷん質、そしてフルーツに含まれる、単純な形の糖質。どれを選択するかによって、身体への影響は大きく異なります。
ビタミン、抗酸化物質、甘さだけじゃないフルーツの効能短期間で体重を減らしたいなら穀物を控えるのが最も有効だと、経験上知っていますが、そうであってもフルーツの糖質はしっかり摂るようにしています。
というのも、フルーツにはたくさんの水分が含まれるためカロリーが低く(同じ重さで比較すれば、ごはんやパンよりずっと低カロリー!)、その反面ビタミンやミネラルといった抗酸化成分はたっぷり含まれています。またフルーツに含まれる食物繊維(ペクチン)は腸をきれいにしてくれる効果も高く、美と健康を同時に叶えてくれる栄養たっぷりうれしい食材なのです。
さらに、フルーツは非常に消化によいので、食べても体内のエネルギーを無駄に消費することもありません。身体に滋養を与えてくれて、節約したエネルギーはデトックスや精神活動に利用されるといわれています。
そんな魅力的なフルーツを、もっと意識しておいしく食べてみませんか? 季節に合わせて上手にフルーツを摂りいれるレシピをご紹介していきます。
6月のおすすめフルーツ:ハニーデューメロン Photo by Gettyimages蒸し暑かったり肌寒かったりする梅雨時は、その気温差や蒸し暑さで心身に負担がかかりがち。湿度も高いためにむくみやすい季節でもあります。そんな6月に食べたいフルーツは「ハニーデューメロン」。
メロンには、神経の働きを助ける作用があり、体内の水分量の調整をサポートしてくれます。また体重コントロールや美肌、免疫力アップの効果の働きもあるといわれています。
(出典:SF Gate、Healthbenefitstimes)
そんなメロンに加え、この時期手ごろな価格で手に入るフルーツをたっぷり使って、雨の多い季節を快適に乗り切るためのレシピを2つご紹介します。
メロンのスムージー<材料>
・ハニーデューメロン (大1/8個)
・パイナップル (小1/4個)
・グレープフルーツなどのシトラス (大1個)
・セロリの茎(1本分)
<作り方>
ブレンダーでなめらかになるまで攪拌する。
パイナップルやグレープフルーツは食物繊維が豊富ですから、おなかの調子の変化に気づく方もいるかもしれません。またセロリは抗酸化作用が非常に高い食材で、独特の香りには精神を安定させ不眠やイライラにも効果があると言われています(出典:「からだにおいしい野菜の便利帳(P.127)」)。
とても清涼感の高いレシピですので、ぜひこの季節お試しください!
メロンのスムージーボウル<材料>
・スムージーの材料
・バナナ(大1/2)
・お好みのトッピング(ナッツ、チアシード、ビーポーレン、バナナやブルーベリーなどのフルーツ、ドライフルーツ、ココナッツフレークなど)
<作り方>
(1)スムージーの材料にバナナを加えブレンダーで攪拌する。
(2)お好みのトッピングを加える。
スムージーにひと手間加えただけのスムージーボウルは、週末のブランチや、夕食を軽く済ませて体重コントロールしたいときにおすすめ。ジュースクレンズ(追ってお話しますね)の回復食にもぴったりです。バナナを加えることでサラっとしたスムージーにボリュームがプラスされ、トッピングとのバランスがよくなります。
フルーツの香りと美しい色彩は心にも作用します。ぜひフルーツとふれ合って、目に見えないエネルギーも一緒にチャージしてくださいね。
(写真・文・レシピ:福田カレン)