今年で9回目を迎える「TOKYO ART BOOK FAIR」。アジア最大規模のアートブックフェアとあって、毎年多くの人が集まる大人気イベントです。
今年は国内外の出版社、書店、ギャラリー、アーティストなど約350組が出展。さらに、6つのギャラリーが入居する「TERRADA ART COMPLEX」、建築模型に集積した「建築倉庫ミュージアム」、色を軸とした複合クリエイティブ機関「PIGMENT」やライフスタイルストア「SLOW HOUSE」など、周辺施設でもさまざまな展示やイベントが予定されています。
個性的なブースをひとつひとつ巡り、出展者の作家やデザイナー、写真家、アーティストからアートブックのコンセプトを聞くのも楽しみのひとつ。ハンティングに疲れたら、運河沿いで販売されるフードやドリンクを片手に、来場者のためのラウンジスペースで寛ぐことができます。入手場所が限られるアートブックやZINE(自主制作の出版物)がこれほどたくさん集まり、手にとってじっくり眺められる機会なんて他にはありません。
アジア4カ国のセンスに脱帽2015年から「TABF」では、ひとつの国のアートブック事情に焦点をあてた「ゲストカントリー」セクションが作られるようになりました。今年ピックアップされたのは、中国、韓国、台湾、シンガポールのアジア4カ国。日本では出版不況といわれますが、これらの国では自費出版が盛んで、アートブックシーンをにぎわせているのです。
会場では、ドイツの美術出版社「Steidl」と共同で設立されたブックアワードの受賞者がイベントを行うとのこと。横尾忠則が装丁を手がけた本や雑誌を一堂に集めた展示や、資生堂『花椿』の80周年を記念するトークショーにも注目したいところです。
新しいアートの発信地を散歩する会場となる「寺田倉庫」は、美術品の保存・保管技術にかけては一流で、アート推進事業にも非常に熱心。2016年に立ち上げた「TERRADA ART COMPLEX」は巨大な倉庫をリノベーションしたもので、「山本現代」など日本のアートシーンをけん引するギャラリーが誘致されました。
元倉庫街が「天王洲アイル ボンドストリート」と呼ばれるおしゃれな通りに生まれ変わり、ストリートアートもあちこちに点在するなど、いまや新しいアートの発信地として注目される天王洲アイル。品川駅からのんびりと運河沿いを散策しながら、本とアートにひたる休日を楽しんでみてはいかがでしょう。
会期:2017年10月5日(木)~10月8日(日)
会場:寺田倉庫
住所:東京都品川区東品川2-6-10
プレビュー・オープニングレセプション
日時:2017年10月5日(木)15:00〜21:00
入場料:1,000円
会期:2017年10月6日(金)〜7日(土)12:00〜20:00、2017年10月8日(日)11:00〜19:00
入場料:無料