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つらい「冷え性」は漢方で改善できる?【Vol.2】
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つらい「冷え性」は漢方で改善できる?【Vol.2】

2017-09-29 08:00
    ストレスの多い毎日を送っている私たちの味方になってくれるのが漢方薬。「身体にやさしそう」というイメージはあるものの、「苦そう」「高価」「飲み続けないと効果がないのでは?」など、なんとなく遠ざけてしまっている人も多いのではないでしょうか。Vol.1では、漢方医学の基本のき 10答をお届けしました。今回Vol.2では、これからの時季、多くの人が気になる「冷え」についての疑問を、あきば伝統医学クリニック院長で千葉大学柏の葉東洋医学センター医師の秋葉哲生先生に直撃。今からしっかり対策をして、冷え知らずのカラダを作りましょう。 Q.冷え性の改善に、漢方は有効でしょうか?

    今年の夏も、冷房が効いているところは上着が欠かせなく、長時間いると手足が冷えてなかなか温まりませんでした。冷たい飲み物はあまり摂らないようにしていますが、これから寒くなるので、冷えがひどくなるかもと心配です。

    A.漢方治療と生活習慣の見直しで、冷え性は改善できます。

    カラダの中に氷が入っているような感じがして冷たいと感じる。これが冷えの状態です。冷えは、血圧や体温のように測ることのできるカラダの変化と違い、個人の感覚であるために、客観的に表すことがなかなか難しいもの。手足が冷える、なんとなくカラダの芯が冷えるなどと自覚症状があっても、自分が冷え症であることを気づいていない人も少なくありません。

    冷えは、カラダが冷えて辛いだけではなく、さまざまな病気を引き起こす原因になることもあります。さらに冷え症は女性に多い悩みですが、月経痛や月経不順など月経に関する病気は冷えの影響を受けやすいとも言われています。

    一般的に、西洋医学では冷えは治療の対象にはなりませんが、カラダのはたらきをよくして、症状を抑えていくことを目的とする漢方治療にとって、まさに熱を作る機能が落ちている冷え症の治療は得意分野。漢方医学では、「気血水(きけつすい)」という考え方があり、冷え症もこれらの異常によって起こるとされています。

    では、どのような症状があると冷え症というのか、下記のリストをチェックしてみましょう。

    【A】
    ・手足が冷たい
    ・寝るときは靴下が欠かせない
    ・肌が乾燥しやすい
    ・月経痛がひどい

    【B】
    ・下痢をしやすい
    ・顔がほてる
    ・むくみやすい
    ・偏頭痛がある

    【C】
    ・手足に汗をかきやすい
    ・便秘や下痢を繰り返す
    ・肩こりがある
    ・イライラしやすい

    【A】【B】【C】でもっとも多く当てはまるのはどれだったでしょうか。これらはいずれもカラダが冷えを感じている状態です。

    【A】が多かったあなたは、血行不良で手足が冷えるタイプ。漢方医学では「瘀血(おけつ)」と呼ばれる状態です。カラダの中で作られた熱が全身に行き届かないために、便秘気味で月経痛や肌荒れを伴うことがあります。漢方薬は当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などが用いられます。

    【B】が多かったあなたは、カラダの水分量が多かったり偏ったりしているために水分が溜まったところに冷えが起きている状態。漢方医学では「水毒(すいどく)」と呼ばれる状態です。頭が痛かったり重たい感じがする、むくみがある、トイレが近いなどの症状も伴います。漢方薬は当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などが用いられます。

    【C】が多かったあなたは、エネルギー不足で熱が生まれにくくなっているタイプ。漢方医学では「気虚(ききょ)」と呼ばれる状態です。自律神経のバランスが乱れていて、疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなったりする場合もあります。漢方薬は十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などが用いられます。

    冷えを予防するためには、シャワーではなくお風呂に入る、定期的に運動をする、締め付けの強い下着や洋服を避ける、薄着をしない、冷たいものを取りすぎない、栄養バランスのいい食事をとるなどが挙げられますが、いくつかの状態が重なって冷えが現れたり、悪化したりしている場合も少なくありません

    漢方医学では、上記にあげた3つの体質や状態、他にどんな症状があるかなどを考慮してその人にあった漢方薬が処方されます。冷え症というのは長い間に少しずつ進行してきた症状なので、短期間で症状がとれない場合もあります漢方薬の服用だけでなく、カラダを冷やさない生活を心がけていくことで冷えを改善していくことができます。

    文/ 大場真代

    イラスト/ chao!

    秋葉哲生(あきば・てつお)先生

    千葉大学医学部卒業、旭中央病院で内科・小児科に勤務の後開業。
    医学博士、日本東洋医学会 評議員、和漢医薬学会 評議員、日本東洋医学会 漢方専門医・指導医、千葉大学大学院和漢診療学講座 客員教授、東邦大学 客員教授、2012年4月~ European University Viadrina(ドイツ) 非常勤講師(2017年まで)、2013年8月~ 台北医学大学大学院 客座教授(2015年まで)
    あきば伝統医学クリニック
    千葉大学柏の葉診療所

    「漢方」連載

    >>漢方って中国のもの?漢方医学の基本のき 10答【Vol.1】

    RSSブログ情報:https://www.mylohas.net/2017/09/064901kanpo_02.html
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