新型コロナウイルスの感染拡大で、自宅待機や在宅勤務が求められるようになってきています。
長時間、同じ空間で家族と一緒、もしくはひとりきりで過ごさないといけない場合、人間関係や時間の管理がストレス回避のために大切になります。ワークライフバランスを崩さないためには、どのようなことを心がければよいのでしょう?
『Prevention』では、在宅勤務で健康的に生産性を上げるためのヒントを専門家に聞いています(以下、2019年2月13日公開記事)
1. 就業時間を設定する
image via shutterstock会社勤務の場合でも、家に仕事を持ち帰ることはあると思いますが、家で仕事をしていると特に線引きが曖昧になり、休みなく仕事をしてしまいがちです。
だからこそ、毎日の起床時間や就寝時間を含めた一日の就業時間を設定してください、と整理整頓のプロでADHDコーチの資格を持つスー・ウェストさんはアドバイスします。
マンハッタンで活動する心理療法士アソシエイトのルーカス・D・セイターさんも、期限や区切りを設定することは重要だと話します。「決めないと、仕事が私生活に入り込むようになり、生産性が大きく損なわれます」
2. 服を着替える
パジャマで仕事をするというのは魅力的ですが、服を着替えることで仕事へ行く時間なんだという信号を脳に送ることができます。
ヨガパンツに履き替えるだけでもいいでしょう。「パジャマを着ていると自由時間なんだと脳に伝えることになり、まじめな気持ちを保つのが困難です。ゆったりした服装をするのは構いませんが、寝るときの服を着るのはやめましょう」と、生産性向上コーチで講演家のマーシー・レイダーさんは話します。
3. 朝の習慣を定着させる
image via shutterstock一日を気持ちよくスタートさせるために、必要なものは何かを考えてみてください。
「あなたにエネルギーを与えてくれるものは何ですか? 一日を穏やかにしっかりと始めて、なんでもできるような気持ちにさせてくれるものです。最初は10分だけでもいいので、それらを実践してください。自分を最優先にするのです。気持ちが大きく変わるのでびっくりしますよ」とウェストさんは言います。
シャワーを浴びる、コーヒーを飲みながら新聞を読む、日記を書く、太陽礼拝を数回行うなど、簡単なもので構いません。正しいマインドセットを持つための時間を作ることで、驚くほどの効果が生まれます。
4. 特定のワークスペースを作る
image via shutterstock家でも生産的に仕事をするために重要なことのひとつとして、専門家が挙げるのは“専用のワークスペースを作ること”。ただし、当然ですが、ベッドの反対側に移るだけではダメです。
「脳は家のなかの場所ごとに関連性を見つけます。キッチンは料理する場所、ダイニングテーブルは食べる場所、デスクは仕事をする場所、ベッドは寝る場所など。そのため、仕事のみを行う場所として脳が認識するスペースを作れば、仕事をせざるを得なくなります」と認定プロカウンセラーのレイチェル・アン・ダインさんは言います。
もちろんこれは、ワンルームのアパートよりも大きい家の方が実践しやすいですが、小さなスペースでもいいので、今ある環境で試してみてください。
5. 整理整頓を心がける
image via shutterstock家のなかがぐちゃぐちゃでも、ワークスペースはできるだけきれいに保ちましょう。
「ワークスペースにものを置きすぎると、頭がいっぱいになりストレスの原因になります」とダインさん。
「書類は安い収納ラックにしまい、ペンは古いコーヒーカップに立てて。毎日仕事を終える前に、少し時間を取ってワークスペースを片付ければ、次の日も快調にスタートできます」
6. 休憩時間を作る
image via shutterstock生産性を上げるには、集中することに加えて休憩を取ることも重要です。「有意義な小休憩を取って、充電してください」とセイターさん。
「外に散歩へ出かけてみる。公園に座ってみる。または瞑想をすると、とても効果的です。仕事から離れて楽しいことをすれば、絶大なリフレッシュ効果が得られます」
7. 立ち上がって動き回る
image via shutterstock「脳と身体の血流を促すには、身体を動かすことが重要です」と言うのは、専門家とともに時間管理と生産性向上のための指導を行う言語療法士のメリッサ・ウォラックさん。
食洗機の中身を片付ける、トイレに行くなど、シンプルな動きでも効果はあります。休憩中だけでなく、仕事中も動き回る方法がないか考えてみましょう。
「歩きながらミーティングをしてみてください」とレイダーさん。
「家で仕事をしていると、オフィス勤務の人に比べて日々の運動が不足しがちです。駐車場から歩いたり、ランチタイムに出歩いたり、トイレに行くのに廊下の端まで歩く必要がありませんからね。電話をする際は近所を歩き回ったり、ランチ時は最低でも10分は散歩したりしましょう」
8. 場所を変えてみる
image via shutterstockリモートワークは必ずしも家で行う必要はありません。行き詰まったときは、場所を変えてみると大きな効果が期待できます。「オフィススペース、カフェ、図書館などを利用してみましょう」とウェストさん。
「毎日でなくていいですが、家のことで気が散らないので、より生産的に仕事ができます」
次回の『Prevention』記事に続きます。
──この記事は、2019年2月13日の記事を再編集して掲載しています。
座りっぱなしは体によくない
Katherine Martinelli/16 Expert Work-From-Home Tips to Stay Productive, Organized, and Motivated訳/Seina Ozawa