忙しいとついつい省いてしまうのが「だし」取り。粉末やパックになっている便利なものに頼りがちでした。
薄味で満足できる「だし」あるとき「日本人として、だし取りがきないってどうなんだろう......」と思い、きちんと昆布とかつおで一番だしをとってみたところ、パックのものとは味も香りも全然違うことにおどろきました。
旨味をしっかり感じられるので、お味噌汁にするにもほんの少しのお味噌で十分と思えるほど。スープや鍋料理にすれば素材の味をしっかり楽しめるし、何より薄味なので健康的。外食が続いたときなどに、胃や舌を休ませてあげるにもぴったりなんです。
馴れれば簡単! 一番だしの取り方
まずは、一番だしの取り方をここでおさらいします。
1.昆布の表面をかたく絞ったふきん等でふく
2.鍋に水1リットルと昆布5gを入れて中火で加熱する(鍋のふたはしない)
3.沸騰直前に昆布を取り出す
4.鍋の水を沸騰させる
5.かつお節30gを入れる
6.弱火にして2分間煮出しする
7.火を止めてこす
沸騰直前までお鍋を見張っていなきゃいけないのを面倒に思っていましたが、馴れてくるといつごろ沸くかわかってくるので気にならなくなります。先日ご紹介した「昆布水」を使えば、一手間省けて楽チンです。
1分でだしがとれる。沸騰したお湯を使った裏ワザ一人分のお味噌汁を作るのにそこまでやるのは...というときに使えるのが料理人・野村洋光さんの「だしポット」。ポットに昆布とかつお節を入れて沸騰したお湯を注いで1分! あっという間にだしがとれるすぐれものです。
専用のポットの代わりに、お鍋やボウルに昆布とかつお節を入れて熱湯を注ぐだけでも、十分にだしは取れます。ティーポットを代用するという手も。
だしをとればスローな時間とおいしい料理がついてくる面倒くさいなと思っていることも、やってみると意外と手間ではないことに気がつきます。忙しいからとなんでも時短したり省略したりしがちですが、そうすることでますます忙しさを感じてしまいます。
すこし手間をかけようと思うだけで、ゆっくりと流れる時簡にほっと一息つけたりするものです。なによりおいしいものが食べられる幸せもついてきます。
一日のはじまりを丁寧に送ることで、毎日がほんのちょっと豊かになるように思います。
[はごろもフーズ]
(杉本真奈美)