サンフランシスコの有名な赤い橋・「ゴールデンブリッジ」を渡ると、そこにサウサリート(sausalito)という小さな町があります。この町のリチャードソンベイは、「水に浮く家(フローティングハウス)」として知られ、そのユニークで快適なつくりやライフスタイルが世界の憧れの的となっているようです。
水上で癒しのある暮らしこのリチャードソンベイには、桟橋に約400以上ものハウスボートが「停泊」しているそう。停泊といっても、家と家の間には、道路のごとくデッキがはりめぐされ、埋め立て地でもない、海の真ん中にいる感覚でもない、なんとも不思議な住まいを実現しているのです。
窓を開ければすぐ下は海。だから、カモメ達が家の近くに餌のおねだりにくれば、キッチンの窓からパンくずをあげる光景も見受けられます。また、デッキには色とりどりの花が咲く植木鉢がたくさん置かれています。こんな生活の中で、癒しの場面が節々に感じられる場所です。
富裕層も暮らす人気のスポットこのハウスボートの歴史は既に1世紀以上前にまでさかのぼるといいます。1905年のサンフランシスコ大震災時には仮設住宅となったり、戦後には軍人の住まいになったりと、その時代ごとに変遷を遂げてきました。
今ではきちんと、電気、水道、ガス、消火栓なども整い、富裕層が暮らす美しい快適なハウスボートも軒を連ねているようです。ちなみにこの桟橋に停泊するには、ハウスボートのコミュニティに加わり、停泊代を払うという義務もあるのだそう。そこに加わらないハウスボートは、沖のほうで波にプカプカ浮きながら停泊しています。
このハウスボートコミュニティは、津波や台風が滅多にこないと言われている地域ならではの特徴。実際にその暮らしぶりをのぞくことができるツアーも定期的に組まれているそうなので、旅行の際に是非という人は要チェックです。
(下野真緒)