みなさん、こんにちは。アストロ・コミュニケーターの景山えりかです。
星や月を眺めていると、ふと思うことがあります。「星や宇宙は、私たちの人生にどんな影響を与えているのだろう?」と。たったひとつの、決定的な答えを見つけることは難しいかもしれません。けれど、科学や宗教、芸術といった側面からアプローチを試みることは可能です。
19世紀から20世紀の変わり目に、宇宙・自然・人間のかかわりについて、多くの言葉を残した人がいます。人智学の創始者であり、哲学者や教育者としても知られるルドルフ・シュタイナー(1861年~1925年)です。
その言葉の数かずは、前述した問いの答えを導き出すためのヒントを与えてくれます。ここで少しだけご紹介しましょう。
自然の中にはさまざまな力が働いていますが、
それらの力は一方では有益な働きをし、
他方では有害な働きをします。
ですからそれらの働きを正しく洞察できたとき初めて、
今何が起こっているのかが分かるのです。
(1923年1月10日)(『ルドルフ・シュタイナーの黒板絵』15ページより引用)
宇宙や自然という大きな存在のことではなく、自分のこととして置き換えてみると、言葉が心に響いていきます。
すっくと伸びた樹木が、太陽光や風、大地など、あらゆる方向からさまざまな働きかけを受けて存在しているように、私たちが恋愛や仕事で経験していることの原因が、ひとつではないことを感じさせてくれますよね。つらいと感じていることや、ちょっとした思いこみも、一方的ではない見方をすることで、すっと受け入れられる可能性を教えてくれているかのようです。
宇宙を認識したければ、汝自身を見るがよい。
人間を認識したければ、宇宙を見るがよい。
(1921年10月9日)(『ルドルフ・シュタイナーの黒板絵』12ページより引用)
思わずうなってしまう、深みのある名言ですね。人間を認識するということは、自分自身を理解するとも言い換えられるでしょう。人生という道に迷ったとき、星空を見上げれば、そこに生き方のヒントを感じることができるのかもしれません。
さて、来週はいよいよ「今年最大の満月(スーパームーン)」を迎え、そのあとには三大流星群のひとつ「ペルセウス座流星群」がやってきます。シュタイナーの言葉を胸に、夜空を見上げてみようと思います。
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