でも、日々の食事で十分ケアはできます。アンチエイジング博士として知られるオーガスト・ハーゲスハイマー氏の著書『卵は最高のアンチエイジングフード』(三空出版)によると、その秘訣は、なんと「卵」にありました。
多種類の栄養素を単品でまかなえる、ほぼ唯一の食材卵がアンチエイジングに適している理由、それは、栄養素の多彩さ。人間の身体に必要な約44種類の栄養素のなかでビタミンCと食物繊維以外はすべて含んでいるという、スゴイ食材なのです。
栄養素は身体のなかでソロ活動をするわけではなく、いくつかの種類が一緒になってはたらいています。たとえば美肌という目的を達成するために、たんぱく質と鉄とビタミンCが材料となりコラーゲンとなってモチッとした肌作りに貢献したり、エネルギーを燃焼させるためにビタミンB1やB2、B6、ナイアシン、パントテン酸などがはたらいたり......。こうした活動のなかでひとつでも栄養素が欠けると、目的を果たすことは難しくなります。そのため、サプリなどでひとつの栄養素をたくさんとることよりも、卵でいちどに多種類の栄養素を摂るほうがずっと効率的というわけです。
栄養が「濃い」ものを摂ることで、空腹のサインを出すホルモン・グレリン、PYY-36の働きをおさえられるうえ、美肌作りに貢献するコリン、ルテインを含むなど、スリムやキレイを応援するパワーも絶大。摂りすぎることで老化を進めてしまう糖質はほんのちょっとというところもありがたいですよね。
コレステロール値を上げる、という誤った常識とはいえ、コレステロール値を上げるというイメージもあるかもしれません。でもその根拠とは、ウサギに卵を食べさせたところ、血中コレステロール値が上がったというもの。ウサギは草食動物なのに対し人間は雑食であるため、結果がそのまま人間に当てはまるとは言いがたいのです。
それにコレステロール自体、8割は人間の体内で作られるもの。食事が影響するのは2割にすぎません。健康な人は食事で摂りすぎたとしても一定量をキープできるよう調整するしくみが備わっています。
卵ともっと仲良しになることこそアンチエイジングの近道。レシピが多彩なのもうれしいですよね。さっそく朝食から取り入れてみたいと思います。
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